2010/12/13 鈴木邦男

イルカ・ウォッチングに行きました

①2つの「巨大な敵」に立ち向かって

富戸港から「イルカ・ウォッチング」に行きました(12/5)
富戸港から「イルカ・ウォッチング」に行きました(12/5)
金平茂紀さんと
金平茂紀さんと

私にとって、もはや左翼は敵ではない。野村秋介さんは自決の1年前、連合赤軍事件の永田洋子さんに面会に行っている。「この人たちはもはや敵ではない」と書いていた。又、運動を極限まで進め、そこで敗れたことにつき、「我々の運動の師だ」とも言っている。なかなか言えないことだ。詳しくは、私の『遺魂』(無双舎)の中に書いている。

私は植垣さんや加藤さん、青砥さん、そして塩見さんなど、赤軍、連赤関係の人たちとは、かなり会って話をしている。植垣さんとは何度もロフトでトークし、植垣さんの本には「解説」を書いたし、加藤さんとは雑誌で対談をした。

しかし、何といっても塩見さんとの付き合いが一番長い。会う前は、近寄り難い人だと思っていた。「獄中20年」だし、何せ、「日本のレーニン」だ。私ごときが会っていいのか。話していいのかと思った。

富戸港です。手前の船に乗りました。光海丸です
富戸港です。手前の船に乗りました。光海丸です

ところが、気さくな人で、すぐに仲良くなった。「生前葬」の時は、「塩見さんは私の遊び道具です。ペットです」なんて失礼なことを口走っちゃった。でも、そんなことで怒る人ではない。人間が大きい。人間のスケールが違う。いつも笑っている。

だから、今や左翼は敵ではない。右翼も(元々)敵ではない。野村秋介さんは「右翼の敵は右翼だ!」と言ったが、私はそうは思わない。たとえ、思っていても言う勇気はない。

そんな私にとって、「敵」は何か。実は、「寒さ」だ。そして、「船酔い」だ。この2つが襲いかかってきた。いや、私が、それに立ち向かって行ったのだ。12月5日(日)ですよ。冬の海に行った。普段なら、「2つの敵」との闘いなんて絶対に断るのに。でも、何故か断らなかった。映画「ザ・コーブ」の延長戦だったからだ。

石井船長から話を聞きました
石井船長から話を聞きました

イルカ漁は、和歌山県の太地町だけが有名になったが、実は東北、北海道の方が多い。ただ、小さな湾(コーブ)にイルカを追い込んで捕るのは、太地町だけだ。だから、映画に撮られ、「血の池地獄」のような湾が世界に紹介された。

かつては、イルカ漁をやっていて、今は止めた所もある。代表的な所では、静岡県伊東市の富戸(ふと)だ。そこも小さな湾があって、そこにイルカを追い込み、血の池地獄の中でイルカ漁をやっていた。そこに行ってみませんかと、坂野正人さんに誘われたのだ。

富戸は、正式にイルカ漁を止めたわけではない。「やる」と言っている。しかし、ずっとやってない。死刑になぞらえたら、「死刑廃止国」ではないが、「死刑停止国」だ。

石井船長を囲んで
石井船長を囲んで

そこの湾では、今、ダイビングや釣り船や、イルカ・ウォッチングがやられている。かつて、イルカを吊したクレーンや、解体した工場もあるが、今は使っていない。「イルカを捕る」よりは、「捕らない」方が、仕事になるからだ。そのイルカ漁を止める先鞭をつけたのが石井泉さんだ。

その石井さんの船に乗って、イルカ・ウォッチングをする。終わって、会場を取って、石井さんに「なぜイルカ漁を止めたのか」、話を聞く。だから、是非、行きましょうと坂野さんは言う。映画「ザ・コーブ」の上映に賛成した立場上、行くべきだ。行って話を聞くべきだ。でも、「行きます」と即答は出来なかった。実は、私は船に弱いのだ。とてつもなく弱いのだ。10分乗っても酔ってしまう。「途中下車させてくれ!」と絶叫する。それに、寒さにも弱い。左翼なんか怖くないが、この2つだけは怖い。それで三日三晩考えた。悩んだ。

②「思想が狭量だから船酔いするんだ!」

石井船長を報じる新聞
石井船長を報じる新聞

そして決断した。清水の舞台から飛び降りるつもりで決断した。こりゃ、行かにゃいけん。「ザ・コーブ」上映運動に関わった人間の義務だ。と思った。

それに、石井さんの話は是非、聞いてみたい。「石井さんも鈴木さんに是非、会いたいって言ってますよ」と坂野さん。それで決断した。「よし、死んでもいい。行こう」と。

船酔いくらい何だ、とお思いでしょうが、何度も何度も死ぬ思いをした。学生時代、沖縄返還運動で鹿児島から船で沖縄に行った。2回行った。2回とも、ぶっ倒れて、船底で仮死状態だった。苦しかった。

又、10年前、「ピースボート」で屋久島に行った。晴海から船だ。全く立ち上がれない。左翼的なオバチャンが大勢乗ってたが、「右翼のくせに。だらしがない!ペッ!」と露骨に馬鹿にされた。右翼は皆、マッチョだと思ってるらしい。

そして今年の8月だ。ヨーロッパ議員団を一水会が招待した。「愛国者インターナショナル」だ。会議をし、靖国神社に参拝し、最後の日は、東京湾で屋形船に乗り、花火見物をした。フランス国民戦線のルペン党首は80過ぎなのに元気だ。立ち上がって歌をうたっている。他の人も皆、元気だ。私だけが酔って、ぶっ倒れた。東京湾の花火見物で酔うなんて、私が初めてだ。苦しかった。死ぬ思いだった。東京湾に飛び込んで、陸地まで泳ごうかと思った位だ。

ジャナ専の同窓会です(12/5)
ジャナ専の同窓会です(12/5)

だから、船は怖い。それで、悲壮な覚悟で行った。もう一つ、「寒さ」がある。行く前に、坂野さんからメールが来た。

「船上は非常に寒い為、真冬の防寒対策が必要です。(軍手、目出し帽、ホカロン、オーバーズボンなど…)。波がかかる場合がありますので、カッパ等も便利です」

それで、近くのスーパー(LIFE)に行って、揃えましたよ。これも「自衛」だ。自主防衛だ。ホカロン、軍手、オーバーズボン。それに長袖のシャツと、ズボン下。

でも、「目出し帽」って何だ。あっ、よく犯人が被っているやつか。顔全体が隠れて、目だけが出る。あれは確かあったな。赤報隊をやってた頃のが…。と思って探したが、なかった。もう、証拠は捨てたのか。いや、元々私は赤報隊と関係ないから、持ってないんだろう。だから、野球帽を買って、被って行った。これで完全武装だ。

12月5日(日)午前8時10分、新宿西口・小田急線特急券売り場前に集合。8時30分発「はこね7号」で出発。

上野昂志先生(右端)と
上野昂志先生(右端)と

9時40分、小田原で降りて東海道線に乗り換える。

10時28分、熱海着。そこから伊豆急行に乗り換え。

11時25分、城ヶ崎海岸に到着。乗り換えがやたら多いが、運賃を安くするためだという。陸上ならば、いくら乗り換えがあっても私は平気だ。問題は、海ですよ。海。タクシーに分乗し、富戸港に着く。石井船長の船に乗る。

乗船前に注意事項の説明がある。「しっかりつかまっとくように」「なるべく海には落ちないように」とか。周りを見ると、湾の中なのに、ダイバーが潜っている。初心者なんだろう。上級者は船に乗って、沖に行ってから潜る。それまでの練習だ。人が一杯いる。寒いだろうな。近くには温泉が多いから、そこで温まってから帰るんだろう。

石井船長の説明が終わると坂野さんが、「あのー、鈴木さんは船に酔うそうですが…」と聞く。「それは、視野が狭いからです」と船長。右翼だから、考えが狭量で、視野も狭いからか。じゃ、船酔いは〈思想〉の病気か。でも、右翼は皆、船酔いしないぞ。私だけだ。右翼の中でも、さらに視野が狭いのか。

「近くの海や、波を見るからです。動いているものを見るから酔うんです。遠くの山や空や雲。そして地平線を見るんです。動かないものを見るんです。そうしたら酔いません」。

そうなのか。これは人生にも言えるな。周りのチョコマカ動いてるものに心を掻き乱されてるから、不安になり、酔うんだ。遠くを見たらいい。人を相手にせず、天を相手にする、だ。西郷隆盛だよ。

③「捕る利益」よりも「捕らない利益」の方が大きい

(左から)蓮池透さん、伊勢崎賢治さん、鈴木邦男、前北美弥子さん(12/4)
(左から)蓮池透さん、伊勢崎賢治さん、鈴木邦男、前北美弥子さん(12/4)

そうそう、このイルカ・ウォッチングに参加したのは、10人ほどだ。坂野さんは、「ザ・コーブ」に主演していたオバリーさんとも親しいし、イルカには詳しい。この人が主宰者だ。他に金平茂紀さん(TBS・ジャーナリスト)。新藤健一さん(元共同通信・ジャーナリスト)。立花敏幸さん(翻訳家)などだ。外国の女性もいた。「私も船に酔うんです。でも、頑張りましょう」と言う。健闘を祈って握手した。

でも、この人は後半、ダウンした。船の中で、突っ伏していた。私は?これが不思議ですね。私は、大丈夫だったんです。石井船長の教えを守り、遠い地平線を見ていた。雲や空を見ていた。日本のことではなく、広く世界平和を考えた。宇宙のことを考えた。宇宙の平和について考えた。だから酔わなかった。奇跡だ。船酔いが治った!でも油断はいけない。次も気を付けなくては。

松浪ケンタさん(中央)、米良晃一さん(右)と(12/7)
松浪ケンタさん(中央)、米良晃一さん(右)と(12/7)

陸に上がってからは、富戸駅近くのコミュニティセンターに部屋をとって、石井さんの話を聞く。話がうまい。「私もかつてはイルカを殺し食べていました」と言う。いろんなことがあって、やめた。「殺される姿を見るのが辛くなったからだ」と言い、具体的な話をする。以来、観光と漁業の共存を模索し続けた結果、観光客誘致の一策を思いついた。

「捕る利益よりも、捕らない利益の方が大きいことを、全国のイルカやクジラの漁業者に分かってもらいたい」と言う。

石井さんは話がうまい。又、漁師としても腕がいい。イルカ漁をやめた時は、村八分のような状況だったが、今は、他の人も皆、石井さんに続いている。釣り船、ボート・ダイビング、イルカ・ウォッチング…と。そして富戸は変わった。話を聞いて、とても勉強になりました。又、来てみたいです。

帰りは、熱海で一旦降りて、食事をしました。8時頃ですよ。考えてみたら、今日は、朝から何も食べてない。下手に食べたら、吐いちゃうと思ったからだ。でも無事に終わった。いい体験だった。

(左から)鈴木邦男、東孝さん、松浪健四郎さん、麻生秀孝さん
(左から)鈴木邦男、東孝さん、松浪健四郎さん、麻生秀孝さん

ところで、肝心のイルカの写真はないですね。どうしたんだろう。船酔い阻止のために、私は遠くばっかり見ていた。だから、近くの海は見てないし、イルカを見逃したのかもしれない。でも、イルカを見れるのは、日によって違う。運のいい人は、3回船に乗って3回とも、イルカに出会える。運の悪い人は3回乗っても、3回とも出会えない。でも、イルカが泳いでいる同じ海を見て、その自然を体感してきた。これだけでも幸せだと思って下さいと、石井船長。

皆は、「イルカはイルカ?」と必死に探していた。果たして、イルカに出会えたのだろうか。私は、さっきも言ったように、遠くを見て、世界平和を考えていたから、分からんかったスミダ。

【だいありー】
大川豊さん
大川豊さん
  1. 12月6日(月)、原稿の〆切があったので、夕方まで必死に書く。夜、打ち合わせ。全く、時間がない。必死で本を読み、打ち合わせや取材、学校。そしてあとは、ずっと原稿を書いている。皆、どうやって時間をやりくりしてるんだろう。私だけが、不器用なのか。仕事が遅いのか。悩む。迷う。
  2. 12月7日(火)朝まで原稿を書いていた。昼、雑誌の対談。5時半、グランドプリンスホテル赤坂。「五色」1F、真珠の間。「松浪ケンタ君と道州制で新世紀を拓く会」に出る。6時からだが、あまり居れないので、早く行ったのだ。
     ケンタさんは衆議院議員で、今、頑張っている。若い仲間も多い。自民党だけでなく、公明党、みんなの党からも応援が来ていた。堺屋太一さん(作家)も挨拶。道州制について熱く語る。「実は、私も高校の時は、ケンタさんと同じで、ボクシングをやってました」。聞いてた人は皆、エッ?と驚いていました。ケンタさんは、国会議員であり、同時に格闘家です。ボクシングはプロのライセンスを持っている。その後、極真空手に入り、東孝さんの大道塾に移り、「北斗旗」大会には、ずっと出場していた。強かった。
     この日は師匠の東孝さんも来ていたし、サブミッション・アーツの麻生秀孝さんも来ていた。そこに、「鈴木さん、久しぶり」と、現れたのだ。松浪健四郎さん(元衆院議員)だ。ケンタさんの伯父さんだ。「ケンタがお世話になって」。いや、こちらがお世話になってるんですよ。
     又、米良晃一さんに会った。学生時代に一緒に生学連、全国学協の運動をした人だ。懐かしい。前にケンタさんの秘書をやってたんだけど、若い人に譲って、今は東京後援会の事務局長だという。「鈴木さんが来るって聞いて、ビックリしてたんです」という。
     「今日は、これから、ロフトなんで」と6時40分に中座した。ケンタさんは、格闘家として、世界中の選手と闘ってるし、その人脈もある。志も、思想もある。期待できる。そう言ったら、「ボクは鈴木さんと経歴が同じなんですよ」という。早稲田大学を出て、5年間、産経新聞に勤めていた。勿論、記者だ。そういってもらうのは嬉しいが、僕なんて…。早稲田では左翼と殴り合ってばっかりで授業には出なかったし。産経では記者じゃないし。販売局と広告局だし…。それに無能でクビになったんだし…。誇れることではないですよ。
     ともかく、急いで、ロフトプラスワンに行く。7時半開始。7時15分の打ち合わせに、やっと間に合った。月刊「創」トークイベント。森達也『極私的メディア論』出版記念だ。この本について、森さんと話すのだ。でも、送ってもらったのに、家が雑然としていて、本が見当たらない。『創』からもう1冊送ってもらって、昨夜、3時間かけてマックで読んだ。付箋をつけて読んだし、よし、この本の話をしよう、と意気込んで行った。
     ところが、打ち合わせに森さんがいない。ダメだよな、主役のくせに、遅れちゃ。と思っていたら、「今日は来ません」と篠田編集長。エッ?なんで。「今、テレビ局の仕事でニューヨークに行ってます」。「後で気がついたらしいですが、ダブルブッキングで…」。酷い話だ。「だから、森さん抜きでやります」。ヒャー。こんなの初めてだ。本人がいない出版記念トークなんて…。でも、お客さんは満員だし、始まりました。
     第1部は、「検察腐敗と死刑制度」。三井環さん、青木理さん、安田好弘さん、辻恵さん(衆議院議員・民主党)。そして私。
     第2部は、「イルカ漁騒動とドキュメンタリー」。綿井健陽さん(ジャーナリスト)、吉岡逸夫さん(中日新聞新宮支局長)、山上徹二郎さん(プロデューサー)、さらに、「ザ・コーブ」を配給したアンプラグドの加藤武史さん、そして私。総合司会は「創」の篠田博之編集長。
     第2部のイルカ漁では、12月5日(日)にイルカ・ウォッチングに行ってきたので、その話をする。静岡県伊東市富戸で、かつてイルカ漁をやっていたが今は止めて、イルカ・ウォッチングの船を出してる人の話を聞き、船に乗った。富戸では、今はイルカ漁をやってない。その現状なども話した。吉岡さんはネットでの出演。「キャンキャン」と声がするので、どうしたのかと思ったら、支局で犬を飼っている。「報道犬」という。きっと取材して、記事も書くのだろう。「ザ・コーブ」をめぐっては、かなりホットな討論になった。
     終わって、打ち上げ。ずーっと出ずっぱりだったので疲れた。
「創」トークイベント。(第1部)。「検察腐敗と死刑制度」(11/7)
「創」トークイベント。(第1部)。「検察腐敗と死刑制度」(11/7)
  1. 12月8日(水)午前中、原稿を書いていた。3時半から5時。文化放送。今日のテーマは「武器輸出三原則を考える」。真面目に語り合いました。「編集長は見た!」のコーナーは、「月刊ムー」編集長の三上丈晴(たけはる)さん。阿佐ヶ谷ロフトでは何回かお会いしている。三上さんの出演は、私がリクエストしていた。実現して嬉しい。宇宙人、UFO、「心霊スポット」などの話だ。面白かった。「自衛隊員の見たUFO」は説得力がある。又、「イギリスにタイムトラベラー出現」「史上初!ついにデジカメの念写成功」…。それらの現象を、冷静に科学的に分析し、話し合った。元航空自衛隊空将の佐藤守氏の証言が「月刊ムー」にあったが、かなりの自衛隊員がUFOを目撃している。
     又、「悪天候での自衛隊機の飛行をUFOが守ってくれた」ことがある。さらに、「UFOは自衛隊機を見守り保護する動きが多い。又、原発近くでのUFO目撃情報が多い。つまり、UFOが原発の安全性、核拡散に関心があるのでは?」
     これは凄い話だ。UFOは、日本のことを随分と心配してくれているのだ。UFOがついてるんだから、日本の守りは大丈夫だ。なかなか、刺激的で面白い話でした。人間も宇宙のどっかから来たんだ。そのルーツは同じなんだよ、UFOと。同じように、イルカもルーツは同じだ。地球の中では海の中で生物が生まれ、陸に上がった。だから、イルカは覚えていて、人間に懐く。ダイバーが海に潜るとすぐに寄ってくる。ダイバーがサメに襲われた時は、イルカが助けてくれた。という話が随分とある。UFOもイルカも、ちゃんと「大昔は一緒」だということを覚えていて、助けてくれるんだ。人間だけが忘れている。恩知らずだ。
     文化放送が終わって、夜、対談の仕事。
(第2部)「イルカ漁騒動とドキュメンタリー」
(第2部)「イルカ漁騒動とドキュメンタリー」
  1. 12月9日(木)午前11時、サンルートホテル。出版社の人と打ち合わせ。午後から河合塾コスモ。授業は先週で終わったんだが、学校は開いているので、自習室で勉強する。そのあと、書評を頼まれた本が2冊あり、ファミレスと茶店をハシゴして、5時間ひたすら読む。
  2. 12月10日(金)、原稿が遅れている。必死で、夕方まで書く。夜、対談。産経新聞の朝刊を見たら、作家の朝倉喬司さんが亡くなったと出ていた。67才だ。まだ若いのに。とてもお世話になった。「今度、一緒に本を作ろうよ」と言われてたのに。  夕方、JR東労組の人から電話。「昨夜、松崎明が亡くなりました」とのこと。ショックだ。とてもお世話になったのに…。松崎さんはJR東労組の元委員長だ。創出版から対談本『鬼の闘論』(2005年)を出している。とてもお世話になった。豪快な人だった。74才だという。残念だ。落ち込んだ。
週刊「アエラ」(12/13号)
週刊「アエラ」(12/13号)
  1. 12月11日(土)、午前11司から午後8時まで、河合文化教育研究会主催のシンポジウム。本郷の東京大学鉄門記念講堂で。統一テーマは「自己・語りとしじま」。木村敏さん、野家啓一さん、永井均さん、岡一太郎さんの講演がある。木村さんは「自分が自分であるということ」。野家さんは「物語る自己。物語られる自己」。永井さんは「『自己』という概念に含まれている矛盾」。岡さんは「偶然・自己・自然—妄想知覚に関する一試論」。かなり難しい話が続く。そして4時15分から全体討論。でも、私は、自分のトークがあるので中座する。  午後5時から、東京堂書店神田本店6階。中川右介さんとトーク。  テーマは「三島由紀夫という謎をさぐる。今、三島作品の何を読むべきか」。頑張って話しました。終わってサイン会。そして打ち上げ。鍋を食べました。おいしかったです。スミダ。
  2. 12月12日(日)昼、集会、対談。夜7時、渋谷の「青い部屋」。「青い部屋救済トークライブ。高須の淫靡テーション!」。2010年エロスワールド本音トーク。高須基仁さんと、戸川昌子さんのトーク。そして、いろんなショーが…。面白かったし、勉強になりました。私も挨拶しました。
【写真説明】
‘富戸港から「イルカ・ウォッチング」に行きました(12/5)

①12月5日(日)静岡県伊東市の富戸港から漁船に乗り、「イルカ・ウォッチング」をしました。「光海丸」です。操縦してるのが石井泉さんです。

‘金平茂紀さんと

②TBSの金平茂紀さんと。

‘富戸港です。手前の船に乗りました。光海丸です

③富戸港です。手前の船に乗りました。湾の後ろの方に、イルカ解体工場と、クレーンが見えます。今は「休業中」です。

‘石井船長から話を聞きました

④「イルカ・ウォッチング」が終わってから、富戸駅近くのコミュニティ・センターで。石井泉さんから話を聞きました。「なぜ、イルカ漁をやめたのか」です。

‘石井船長を囲んで

⑤終わって、皆で記念撮影です。TBSの金平茂紀さん(私の右)、元共同通信の新藤健一さん(私の左)。主宰者の坂野正人さん(その後ろ)、翻訳家の立花敏幸さん(その隣)などです。

石井船長を報じる新聞‘

⑥石井泉さんが取り上げられた新聞。2002年の読売新聞です。「イルカ漁やめました」「静岡の漁師。ウォッチャーに転向」と書かれています。

‘ジャナ専の同窓会です(12/5)

⑦ジャナ専(日本ジャーナリスト専門学校)の同窓会です。卒業後も皆、頑張っています。12月4日(土)7時からです。

‘上野昂志先生(右端)と

⑧上野昂志先生(右端)と一緒に。

‘(左から)蓮池透さん、伊勢崎賢治さん、鈴木邦男、前北美弥子さん(12/4)

⑨ジャナ専同窓会の後、急いでネイキッドロフトに行きました。8時半から参加しました。(左から)蓮池透さん、伊勢崎賢治さん、私、前北美弥子さん。「ソフト・ボーダー」。やわらかい国境・やわらかい勇気について語りました。

松浪ケンタさん(中央)、米良晃一さん(右)と(12/7)‘

⑩12月7日(火)午後6時から、衆議院議員(自民党)の「松浪ケンタ君と道州制で新世紀を拓く会」に出ました。グランドプリンスホテル赤坂です。(この上の階では東尾の野球殿堂入りの祝賀パーティをやってました)。松浪ケンタさん(中央)と。米良晃一さん(右)。米良さんは学生運動の仲間です。ケンタさんの後援会をやっている。久しぶりにお会いしました。

‘(左から)鈴木邦男、東孝さん、松浪健四郎さん、麻生秀孝さん

⑪いろんな人たちとお会いしました。(左から)私、東孝さん、松浪健四郎さん(ケンタさんの伯父さんです)、麻生秀孝さん。

‘大川豊さん

⑫帰ろうとしたら、大川興業の大川豊さんに会いました。

‘「創」トークイベント。(第1部)。「検察腐敗と死刑制度」(11/7)

⑬このあと、急いでロフトプラスワンに行きました。月刊「創」トークイベント。(第1部)「検察腐敗と死刑制度」。(左から)青木理さん、安田好弘さん、私、三井環さん、辻恵さん、司会の篠田さん。

‘(第2部)「イルカ漁騒動とドキュメンタリー」

⑭(第2部)「イルカ漁騒動とドキュメンタリー」。(左から)綿井健陽さん、私、加藤武史さん、山上徹二郎さん、篠田さん。

週刊「アエラ」(12/13号)‘

⑮週刊「アエラ」(12月13日号)。工藤美代子さんの『悪名の棺 笹川良一伝』の書評を書きました。

【お知らせ】
  1. 月刊「創」(2011年1月号)発売中です。私の連載「言論の覚悟」では、「三島事件から40年」を書きました。朝日新聞(11月25日付。夕刊)に書いた「三島に負け続ける我々=自決から40年「右傾化」の中身問う」の、いわば〈続編〉です。
     「朝日」では、三島の改憲案は決して反動的・排外主義的なものではなかったと書きました。「創」では、それを更に進めて、「あの時、三島の改憲案が実現していたら面白かったのに」という話を書きました。核は持たない。徴兵制には反対。女帝を認める。そして、人権をさらに認める。つまり、いくつもの「歯止め」をかけた上で、9条を改める。さらに、もっと自由で人権的なものに改憲する。その「唯一のチャンス」だったのではないか。そう思います。
     三島以後の保守派の人間や自民党には、そんな改憲の自由な構想力はありません。そんなことを考えてみました。
  2. 『紙の爆弾』(2011年1月号)も発売中です。連載「鈴木邦男の越境対談」では、「オタクの元祖」宅八郎さんに話を聞きました。数々の「ケンカ伝説」「復讐伝説」「SPA!」での闘い。そして今、何を闘っているのか。「ホストをやっていた」という噂も一時、流れたのですが、どうでしょうか。凄まじい話が聞けました。他では、ちょっと読めません。買わないと後悔します。
  3. 12月11日(土)午後5時から。東京堂書店神田本店6階。中川右介さんと私のトーク&サイン会です。
     テーマは、「三島由紀夫という“謎”をさぐる。今、三島作品の何を読むべきか」。要予約。参加費500円。お店に直接申し込み。
    電話03(3291)5181です。
     当日の司会は「週刊金曜日」の白井基夫さんです。
  4. 12月15日(水)7時、サンルートホテル高田馬場一水会フォーラムです。講師は石井一二先生(政治評論家・元参議院議員。元外務政務次官)。「ここが間違っている現下の日本。将来のために提起する」。
  5. この日、「SAPIO」(12月15日発売号)が出ます。特集が、〈日本史上「タフネゴシエーター」ランキング〉です。さて、どんな人々でしょうか。私も書いてます。
  6. 12月22日(水)渋谷アップリンクに又、出ます。午後六時から、映画「ベオグラード1999」の上映。8時から。金子遊監督と私のトークです。
  7. 1月9日(日)午後2時。「鈴木邦男ゼミin西宮」です。浅野健一さん(元共同通信。同志社大学教授)と対談します。西宮駅前の喫茶店「カフェインティ・ライミ」です。主催は鹿砦社・松岡利康。参加希望者は岩井まで。080(5702)8405。参加費は2千円です。