あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
年末〆切の原稿が間に合わず、年を越して今、必死でやっております。2日〆切の原稿もある。3日は鹿砦社の座談会です。4日は対談です。11月に出した『三島由紀夫と1970年』(板坂剛さんとの共著)は、ノンフィクションで〈第9位〉の売れ行きだと、『週刊朝日』(12月31日号)に出てました。凄いですね。
昨年は他に2冊出しました。『遺魂』(無双舎)と、『鈴木邦男の読書術』(彩流社)です。どちらも、苦労して書きました。昨年は3冊、本を出せたし、ありがたいです。多くの人にお世話になりました。今年はどうなるのでしょうか。いろいろ企画はありますが…。何とか、いい仕事をしたいと思います。
忙しくて、慌ただしくて、映画「ザ・コーブ」騒動で振り回されて終わった1年のように見えますが、ちゃんと勉強し、本を読み、人と会って取材し、原稿を書いてるんですね。『鈴木邦男の読書術』は、かなり前に出したのかと思いましたが、昨年の4月でした。又、『右翼は言論の敵か』(ちくま新書)は一昨年の12月でした。
『読書術』の方は、ここに書いたHPからもかなり原稿が入ってます。前はこのHPも、それだけ読書、特に「全集読み」の報告が入っていたのですね。最近はちょっと少ないようですね。反省しております。今年は、「何を書くか」と共に、「何を読むか」も、具体的に考え、実行しなくてはなりません。
そうか。「読んだ本」だけでなく、「これから読む予定の本」を並べてもいいな。なぜ読む必要があるのか。何ヶ月以内に読むつもりか…。それだけを書いて、1冊の本にする。それもいいな。タイトルは、『鈴木邦男の読書術(予定)』とか。あるいは、『これから読むべき1000冊の本』とか。うん、これは面白い。でも、自分が自分に対して言ってるだけの本だ。いいのかな? いいわきゃないよね。「そんな予定本を書く位なら、少しでも読んで、本の紹介をしろ」と言われそうだ。
去年、ライター志願の人から年賀状が来た。「今年はこれだけの湾を読む予定です」と本の題名が100冊ほど紹介されていた。又、ある人は、「この10年で、これを読む予定です」と500冊の本が。圧倒された。偉いね、と思った。悲壮な覚悟にみえた。
年末、12月29日(水)の産経新聞朝刊を見て驚いた。全3段ぶち抜きで、工藤美代子の『悪名の棺 笹川良一伝』(幻冬舎)の広告が出ていた。何と、5刷、8万部突破だという。「各雑誌で話題騒然」と出ていた。「読売新聞」(12月12日)、産経新聞(11月29日)、アエラ(12月13日号)、週刊現代(11月27日号)etcだ。
このうち、アエラ(12月13日号)は、私が書いたものだ。とすると、8万部に少しは貢献しているのかも知れない。
笹川は、児玉誉士夫と並び称せられた「日本のドン」「日本の黒幕」だ。ともかく、スケールの大きな人だった。私は、何度もあったことがあるが、ともかく圧倒された。この本を読んで、「笹川という人は、こんな人だったのか」と、知られざる側面を随分と知った。貴重な本だ。
又、今の日本には何故、こんな破天荒な、怪物、傑物がいないのか。と考えさせられた。この人間のスケールの大きさは勿論だが、〈時代〉がこの人間を作ったようにも思える。実際に、会っていたのだし、自分でも書いてみたかった人物だった。
〈国を憂えること、即ち、「悪」を背負うことなり〉
か。今の人々は、政治家も、マスコミ人も、評論家も「悪」を背負いたくないのだ。自分だけは、いい子になって、他人の「悪」を糾弾する。中国、ロシア、北朝鮮、民主党の「悪」を罵る。それも「安全圏」にいて、吠える。
これじゃダメだろう。安全圏から出て、彼らと闘い、交渉するのだ。自分も「悪」の土俵に上ることになる。その覚悟がないのだ。皆。
「国家戦略・リーダーシップ不在の21世紀日本に問う衝撃作」
と書かれている。うーん、笹川、田中角栄…と、巨大な怪物がいたんだ。昔は。甦らせたらいいな。これらの人々を。
無理なら、「霊言集」を出してもらう。今の日本、政治に対するアドバイスですよ。
何なら、ネットで、即座にアクセスできるようにしたらいい。
知り合いの編集者に聞いたけど、今、一番注目されてる「書評欄」は「アエラ」の書評欄だという。力の入れ方が違う。取り上げる本がいいし、取りあげ方、レイアウト、写真がいい。他の雑誌の書評欄とは段違いだ。
普通ならば、1人の人が、受け持つが、「アエラ」は7人が受け持つ。佐藤優、森永卓郎、吉田豪、石飛伽能さんなど7人だ。私も入っている。7人だから、2ヶ月に1回だ。編集部では取り上げる本を厳選し、「この本はこの人に書評してもらおう」「この人に書評させたら面白い」と選び、書かせる。これがいい。
一般の書評欄だと、書く人が、「これをやりたい」と言って書く。どうしても、その人の「好きな本」「書きやすい本」が中心になる。個人的に知ってる人の本だから…ということもある。その点、「アエラ」は違う。編集部の「書評会議」にかけ、そこで厳選された本を書かせる。メインは1冊だが、横に他の本も3冊位、取り上げている。それも、関連のある本を選んでいる。
又、写真もうまいし、充実している。たとえば、私が笹川良一の本を書評した時は、本から、ドクドクと血が流れている。次の週、石飛伽能さんがNHKの『無縁社会』を取り上げているが、骨壺の中に本が入っている。
ウーン、うまいなーと思った。「アエラ」の忘年会の時、カメラマン何人かに聞いたら、皆、一人一人で工夫してるという。これはいいね。取り上げられる本も「自己主張」している。そんな気がした。このことは来週にでも、もう少し詳しく書こう。
さて、話は変わって。先週、田原総一朗さんのことを書いた。ジャーナリストになって初めての頃、テレビ東京でドキュメンタリーを撮っていた。今なら、とても出来ない、過激なドキュメンタリーだ。全共闘崩れのヒッピーが全員全裸で結婚式をやる。花嫁が参列者全員とセックスをする。花嫁はスタッフともしたいといい、田原さんは自らセックスをする。凄い。
又、役者・高橋英二のガン手術から死ぬまでのドキュメンタリーを撮る。自分の女性マネージャーが好きで、セックスしたいと言い出し、車に連れ込むが女性が抵抗し、果たせなかった。そのシーンもそのまま撮影する。又、本人が国会議事堂に散弾銃を発砲するシーンも撮る。
他にも、田原さんは、自ら体を張ってドキュメンタリーを撮る。今ならとても出来ない。出来ないどころか、捕まる。田原さんは犯罪者 になってしまう。そのことを先週書いた。
そしたら何と、その週、2本のテレビが深夜、田原さんを特集していた。1つはTBSで、29日深夜だ。田原さんは、又、「映画監督をやりたい」と言っていた。若い時の激情が甦ったのか。あるいは現在生きる人間の発言を引き出し、闘わせることは、もう〈全て〉やったと思ったのか、自分がドキュメンタリーをつくり、自分が、新しい問題提起をしたいと思ったのか。
又、12月30日の深夜には、何と、テレビ東京に出ていた。「田原総一朗の遺言。タブーに挑んだ50年」だ。「私が追い出されたテレビ東京から呼んでもらえるなんて、こんな嬉しいことはない」と言っていた。昔、田原さんが撮ったドキュメンタリーも、全て保存されている。
例の「役者・高橋英二」は、かなり長く紹介された。「オレはがんじゃない!片腕の俳優・高橋英二の1年半」だ。又、「バリケードの中のピアニスト」や「ポルノ女優・白川和子」などは紹介され、現在の本人たちもテレビに出て来た。
でも、あの問題の〈セックスシーン〉は紹介できない。この日、司会の水道橋博士は、「あの衝撃的な映画を見たいですね」と言っていた。今や、もう「伝説」だ。自らセックスしてまでドキュメンタリーを撮るなんか凄すぎる。
「田原さんは日本で初めてのAV男優ですね」と水道橋博士は言う。ゲッ、凄いことを言う。「何を言うんだ!」と田原さんは怒らない。平然と聞いていた。田原さんは、今年も何か、とてつもないことをやってくれそうだ。76才。今年、最も注目される男だ。一水会の木村氏に、「ぜひ、一緒に北朝鮮に行こう!」と言ってたし。実現したら、面白い展開になるだろう。
そうだ。劇団再生の忘年会に出たら、「今年は500冊読破を目指したんですが、出来ませんでした」と高木尋士氏が言っていた。じゃ、450冊位は読んだんだろう。私なんて、300冊位ですよ。昨年は何冊読んだのか、計算してみないと。来週でもやるか。
それに、高木氏との「読書対談」も、やらなくては。じゃ、新年早々にやるか。
しかし、私なんて、そんなに仕事してないのに、時間が足りない。効率が悪いのだろうか。このHPを書き、月刊「創」「タイムス」「マガジン9」「レコンキスタ」を毎月、書いている。それに「アエラ」の書評は2ヶ月に一遍だ。水曜日に文化放送、木曜日に河合塾コスモ。そして、本を月に30冊読む。基本はこれだ。
他の人に比べたら、そんなに多い仕事ではない。それなのに私は大変だ。限界だと思う。基礎体力がないのか。時間の使い方が下手なのか。悩む。それに、柔道に行ってるな。ビデオもTSUTAYAから借りて見ているよな。
それでも、昔、会社勤めをしていた時よりは、時間が自由になるはずだ。好きなことをやってるはすだ。うーん、悩んでいても仕方ない。これから、初詣に行ってこよう。心を無にしてお祈りしたら、きっといいヒントも生まれるでしょう。
というわけで、今年もよろしくお願いいたします。初詣の帰りにはうな重を食べましょう。今年はうなぎ年なので。(ウサギだったかな)。それと、『断捨離』を買ってきたので、今年こそ、部屋を大整理して、機能的な勉強部屋にしようと思っています。
「アエラ」の忘年会と安田弁護士の忘年会では、両方とも、ビンゴが当たりました。生まれて初めてです。きっといいことがあるでしょう。賞品は豪華でしたね。iPad、パン焼き器などでした。(これは他の人か)。私は、「家庭内野党」でした。そういう商品名の食べ物ですよ。それと、森永キャラメルでした。今年は、私も、家庭内野党で頑張ります。
①押切もえさんと。「アエラ」の忘年会。12月24日(金)です。
押切もえさんは、「アエラ」で「日々、萌え」を連載しています。「アエラ」で最も人気のある連載です。
私も「アエラ」では2ヶ月に1回、書評をやってます。「鈴木さんの書評、読んでます」と、もえさんは言ってくれました。嬉しかったです。
写真も気さくに撮ってくれました。「でも、ブログに載せちゃダメでしょうね」と言ったら。「大丈夫ですよ。どうぞ、どうぞ」と言ってました。驚きましたね。普通、モデルさんや女優さんなどは、「勝手に使っちゃダメです」「プロダクションを通して下さい」と言われます。その点、もえさんは、気さく、自由。そして、とても知的です。頭のいい人だし、勉強してると思いました。書いてるものを読んで、そう思います。
②「この3人はいつも会ってるんだから、わざわざ撮ることはないでしょう」と辻元清美さんが言ってました。保坂展人さんも頑張ってます。この2人に比べたら、私なんて、なんて怠け者かと思います。反省。12月25日(土)「マガジン9」の忘年会の時です。
③岸田秀先生と。今は、和光大学名誉教授です。この前、奈良の「前衛映画祭」ではお世話になりました、とお礼を言いました。この日は忘年会。12月26日(日)、教え子が開いてくれる忘年会です。中央は教え子のセラピストです。
④森永卓郎さんです。「アエラ」の忘年会で。久しぶりにお会いしました。経済アナリストで、獨協大学教授です。「アエラ」では書評を書いてます。「私も女優さんには沢山名刺を渡してるが、山路徹さんのようにはモテない。なぜなのか?」と話してました。
山路さんとは私は、テレビで一緒に出たことがあります。世界中を歩いてるし、よく知ってるし、いい男です。うらやましいです。
⑤藤原帰一さんと。「アエラ」の忘年会で。藤原さんは「アエラ」で映画評を毎週やってます。大変ですよね。映画を見て、本を読み、原稿を書き。それに、東大教授です。
「帰一」さんという名前は珍しい。「生長の家」では「万教帰一」といいます。全ての教えは根本は同じだ。というのです。だから、親が「生長の家」かと思ったら違いました。「帰一」は、中国の古典から取って、付けたそうです。
⑦12月23日(木)恵観塾で。池口恵観さん(中央)。コンスタンチン・サルキコフさん(右)と。
サルキコフさんは、ロシアでアジア関係のアカデミーを作ってます。モスクワで、民間の「領土問題サミット」をやりましょうと私が言ったら、「それはいい。やりましょう」と言ってました。何とか実現できたらいいですね。
⑧原田正治さん(右)と。12月19日(日)の日比谷の死刑廃止集会のあとの打ち上げです。原田さんは弟が殺され、その犯人を憎みながら、面会を続けてきました。そして、「死刑では何も解決しない」と思い、死刑廃止の運動に関わっています。我々では、とても、出来ません。月刊「創」の10年12月号で原田さんのことを書きました。会うたびに教えられることが多い人です。
⑨12月28日(火)、高須基仁さんの忘年会で。一番左は、小紫雅弘さん。サン出版の人です。「こむらさき」さんといいます。本名です。兵庫出身で、そこにしかいないようです。珍しい苗字です。一度、聞いたら忘れません。娘さんが生まれたら、紫さんにしたらいい。小紫紫だ。あっ、竹中労さんの妹さんが金子紫さんだ。この人と結婚したら、小紫紫になる。でも、金子さんは既婚者だ。じゃ、ダメだな。
左から2番目は、「暴れ者」の高須基仁さん。その隣りは、全く暴れない私。そして、フリーライターの昼間たかしさん。映画監督の増田俊樹さん。
増田さんが言ってました。「鈴木さんにも出てもらった映画、来年、公開されます」。つまり今年だ。そうか楽しみだ。「沈黙の隣人」だったな。私が刑事役で出ている。犯人をぶん殴って逮捕するんじゃ。演技だということを忘れて、本気で殴っちゃったっけ。
昼間君には「久しぶり」と手を出したら、無防備に握手する。私は、そこに左手をそえて、小手返し(関節技)をかけてやった。すぐに転んだ。そこを、蹴りました。なんだ、簡単だ。すぐにやれるよ。「鳥越さんと握手した時も、こうすればよかったんですよ」と高須さんに教えてあげた。ワルにワルの技術を伝授した。お礼に天知真理のヘアヌード集を(カメラ・沢渡朔)もらった。
⑩高須さんの忘年会には戸塚進也さんも来てました。いろいろとお話ししました。「政治家なのに、こんな危ない人(=高須さん)と付き合っていていいんですか」と。高須さんは暴れ者で、武勇伝は数知れず。でも、仕事は出来るし、友達は多い。人徳なんだろうか。
⑫衆議院議員(民主党)の村越祐民さんと。安田弁護士の忘年会です。(12月28日)です。
私はこの日、4つも忘年会に出ました。「でも政治家は1日に10軒以上出るんでしょう」と聞いたら、「私は嫌いだから、出ません」。でもいいのかな。皆、少しでも票になるならと思って、出る。ところが村越さんは、選挙民に媚びない。ポリシーを持っている。
それに、驚いたのだが、池上本願寺でやった死刑廃止の集会。日比谷での集会にも出て来て、「死刑廃止です」と堂々と言う。票にはならない。それどころか、減るだろう。でも、ちゃんと言う。勇気のある人だと思う。この人は凄い。若いが、私は尊敬しています。
⑬高須さんの忘年会。そして、安田弁護士の忘年会に出て、それから東武練馬(ほとんど埼玉)に行きました。劇団再生の忘年会です。代表の高木尋士さん(左)。映画監督の大浦信行さん(右)と。
大浦さんの映画「見沢知廉=たった一人の革命」は今年、公開だそうです。楽しみです。「鈴木さんにも随分と出てもらって」。そうだっけ。じゃ、増田監督の「沈黙の隣人」と「見沢知廉」と、私の出た映画2本が、今年公開されるんだ。