「今日のパーティは、やるんですか?」と電話して聞いてしまいました。だって、政治家のパーティ、出版パーティ、結婚式、さらに研究会、勉強会なども全て中止になっているんだし…。 「被災地の方々に申し訳ない」という理由だ。自粛だ。
でも、それでは経済が止まってしまう。それよりも、集会をやって、集まった人々から義援金を集めて送ったらいい。シンディ・ローパーは「こんな時だから」と日本公演も中止しない。公演をやり、多額の義援金を送った。日本にはそういう、チャリティの伝統がないのかもしれない。アメリカは何かあると集会し、コンサートを開き、お金を集め、それを寄付する。出した金を発表し、表彰することもある。「自分たちが何を出来るか」を考える。
ところが日本では、被災された人に申し訳ない、と思い、「何をしたらいけないか」を考える。「自粛」だ、となる。「こんな時、スポーツをやっていいのか」「こんな時に歌をうたっていいのか」「こんな時にCMを流していいのか」…と、皆、自粛、自粛だ。
産経新聞(3月30日号)によると、アメリカのニューヨーク・タイムスは28日付で、「日本は自粛の強迫観念に襲われた」と報じていたそうだ。そして、経済への悪影響を懸念している。街は暗く、節電でエスカレーターは止まり、ネオンは消え、飲食店、カメラ店も早々に店じまいし、桜の見物や野球の応援も自粛させている。
〈同記事は自粛が過剰になっていることを示唆し、企業や学校の行事のキャンセルが日本の経済全体の60%に及び消費を大幅に減らし、「もともと停滞していた日本経済に侵食効果をもたらし、倒産を急増させるだろう」と述べている〉
ウーン、そうだよね。「こんな時に申し訳ない」と、日本人の全てが、働くことも、動くこともやめたら、生きていけない。普通の生活をし、経済を動かしながら、その中で、「何ができるか」を考え、実行すべきだろう。また、「ニューヨーク・タイムス」はこうも論評した。
「東京都民にとっての自粛は被災地の人々との連帯を示し、自粛をする側を何か良いことを示しているという気分にさせる安易な方法だ。しかし、当人たちは実際にどんな効果をもたらすかはあまり考えてないようだ」
これは、ズバリと本質を衝いている。「良いことをしている気分」にさせるだけだ。「安易だ」という。
なかには、「こんな時にパーティをしたら、『週刊新潮』に何を書かれるかしれない」と言う人もいた。パーティをやったら「こんな時に何だ!」と批判される。集まったお金を全額、被災地に送っても、「売名だ!」と批判される。
それよりは、自粛した方がいいという。まさか、『週刊新潮』はそんなことはしないだろうが、そう思って恐れている人が多い。だから、小さな勉強会や、発表会…のたぐいまでもが皆、中止だ。ホテルなどに莫大なキャンセル料を払い、中止の案内状を出し、電話で連絡し…と、その経費も大変だ。そんなら、集会をやり、そこで募金を募って、被災地に送った方がいい。それなのに…。
そんな時だけに『週刊新潮』(4月7日号)には驚いた。巻頭トップに。
〈「自粛自粛自粛」で日本が滅ばないか?〉
そして、こう書く。
〈電車内から中吊り広告が消え、デパートは薄暗く閑古鳥の巣。花見は中止、繁華街からは人影が消えた。日本中に回った自粛という名の毒薬〉
おっ、自粛を「毒薬」とまで言ってるよ。これを見て、私は驚いたし、ホッとした。そう思った国民は多いはずだ。「週刊新潮」が言ってくれた。その効果は大きい。だって「週刊新潮」が怖くて、パーティを自粛してた人も多いからだ。
それは「誤解」だと分かったし、この効果は大きい。自粛も、どんどん解除されるだろう。「おい!『週刊新潮』のお許しが出たんだぞ。パーティをやろうや」「デパートだって行こう」「カラオケだっていいらしいよ。何せ、『週刊新潮』のお許しが出たんだから」…。と、これは菅首相の発言よりも重いですよ。
テレビで、「大相撲、もう許してやれよ!」と言ってた人もいた。この件で自粛していた大相撲も、もうやっていいだろう。あれっ、震災で自粛してたんじゃないのかな。その前から、震災を予知して自粛してたのか。
ともかく、東北出身のお相撲さんは多い。それに震災地のお年寄りだって、大相撲ファンは多い。地方巡業だって行ってるし。だから、もう、許してやったらいい。被災地に行って、チャンコを作ってやれよ。又、仙台場所、福島場所をやったらいい。大きな激励になる。
それと、『SAPIO』(4月20日号)の特集がよかったですね。文化放送で、3月30日(水)は『SAPIO』の編集長が来るというので、予習のために買って読んだ。特集が、「ニッポンは強く甦る!『黄金の復興計画』」。大前研一さんは、まず、「復興消費税」をやれ、と言う。これは大賛成だ。時限立法でやるんだ。
〈従来は消費税を上げると消費を手控える傾向が見られ、復興消費税もマイナスだという反論がある。しかし、東北の人たちを支援するために大いに買ってください、飲んでください、食べてください、と首相が言えば、きっと国民はその気になるはずである〉
おっ!その通りですよね。これは大いにやったらいい。
〈経済は生き物だ。そうやって「オールジャパン」による前向きの駆動力を生み出せば、日本経済は震災前よりも活性化される。それがリーダーの役割というものだ〉
それで、国民も〈自粛〉という「強迫観念」から解放される。あっ、デパートに行ってもいいんだ。あっ、コーラを飲んでもいいんだ。あっ、映画を見てもいいんだ…と思う。そのことで、お金を被災地に送っているんだ。そう思える。
さらに大前さんは、企業の節電も計画的にやれ、と言う。一律に、「土日は休み」ではなく、1週間のうち5日間ずつ、希望の曜日に営業・操業させる。週5日間ずつ自由に選んでもらう。そうすれば、ピークロード(最大時の電力消費量)は一気に下がる。
又、「サマータイム」も導入し、4〜9月は時計の針を2時間進める。これにより、ピークロードは15%位下がるという。これもいいね。電力を莫大に消費するナイターなんかやらないで、朝早くから、野球をやって、見てから出勤すればいいのだ。夜も早く帰り、早く寝る。そうすると子供も産まれるから、少子化問題も解決だ。
〈また、日本の家電メーカーは電力使用量が今より15%少ないエアコン、冷蔵庫、洗濯機などを開発する。さらに熱の漏れが大きい家は、断熱を強化してもらう〉
これは、すぐには無理だろう。と思ったが、かつてアメリカでは実行し、電力使用量の3割削減をしたそうだ。日本の技術は優秀なんだから、簡単に出来るだろう。さらに大前氏は言う。
〈もっと重要なことは、東西グリッド(送電網)の完全接続だ。
周知の通り、周波数は東日本が50Hz、西日本が60Hzと異なっている。このため東日本と西日本の間では、125万kw/hまでしか電力を融通することができない。それを(費用がいくらかかろうが)可及的速やかに拡大し、東西の電力をスムーズに融通できるようにする〉
これも賛成だ。震災が落ち着いたら、多分、本格的にやるだろう。「たかじん」でも、その話が熱く語られていた。この時、どちらに統一するかだ。それは西日本にすべきだと辛坊さんは言っていた。そうだろうな、東日本が壊滅状態なんだから。
「こんな時くらいですよ、大阪モードに東京を合わせられるのは…」とも言っていた。
それと、「文化放送」の時に、初めて聞いたが、タイ政府が、発電施設をそのまま、提供するという。エッ?そんなこと出来るのか、と驚いた。発電所をまるごと日本に送るという。4月末に船出し、5月中旬頃日本に到着するという。出力24万世帯分、8月稼働を目指すという。これは世界でも前代未聞だ。バンコックにあるガス発電所のガスタービン発電機2基と付帯設備一式だという。これを解体、輸送し、日本で組み立て、東京周辺に設置するという。無償貸し出し期間は3〜5年になる。こんなことが出来るのか、とただただ驚きだ。東京スポーツは、「ありがタイ」と大きく報道していた。
又、タイ政府は、日本に2億バーツ(約5億4300万円)を緊急支援として拠出した。さらに、民間の募金活動も盛んに行われている。
バンコックのスラム街でも子供たち約80人が中心になって寄付を呼びかけ、1日の生活費が800円という中、これまで120万円以上が集まったという。
これも、驚きです。ありがタイです。多分、仏教国だということもあるのでしょう。タイだって、生活は大変です。でも、日本が困っている、助けようと、発電所を貸し、お金も集めています。お釈迦様は飢饉の時こそ托鉢せよとおっしゃいました。自分も大変だ。苦しい。でも、お金を出そう。そのことによって、豊かな心が生まれる。生きる活力も湧く。そういうことでしょう。ただ、自粛していればいいというのではない。
あっ、大変だ。ここで、初めに戻ろう。「今日のパーティはありますか?」と私は電話しちゃった。その続きがなかったね。自粛だけではダメだ。こんな案がある、という話で、どんどん横に外れてしまった。エート、どこに電話したんだっけ。何のパーティだっけ。忘れた。電子手帳を見る。あっ、そうだ。戸塚さんのパーティだ。長い名前のパーティなんですよ。「戸塚進也君(元衆議院議員)の茶業功労表彰を祝し政界再編国政復帰を期待する激励パーティ」だ。その開催のご案内が来ていた。2月28日(月)午後6時、東京会館、11階の「エメラルド」の間だ。
他のパーティは皆、中止になっている。これもきっと中止だろうと思っていた。しかし、中止の電話もメールもない。不安になって電話した。「もしかしたら、やる気なんですか」と聞いたのだ。行ってみたら、やはり中止だった、では困る。
そうしたら、「はい、やります」と言う。ビックリしましたね。東京会館だって、ちゃんと営業してる。じゃ、他のホテルも営業してるんだ。それなのに、パーティ、集会が皆、中止じゃ、従業員も大変だ。経済がストップしてしまう。
パーティは、震災で亡くなった方々への黙祷で始まる。
そのあと、戸塚さんが言っていた。「よっぽど中止しようと思いました。でも、自粛自粛では経済が回りません。それで、敢えて、開くことにしました」。信念がある。戸塚さんは信念のある政治家だ。昔から名前は知っている。でも、去年の、高須基仁さんの忘年会で初めて会って、話をした。それで、私にも招待状が来た。だから、そのことを戸塚さんに言った。そしたら、
「何言ってるんですか。19年前の『朝まで生テレビ』で一緒に出て話したじゃないですか。確か、天皇制のテーマの時ですよ。私も現職の国会議員でしたよ」
ギョッ、そうだったのか。71才なのに、凄い記憶力だ。これから政界復帰を目指すだけのことはある。私なんて、震災のショックで、それ以前の記憶は全て飛んでしまった。「3週間前に北朝鮮に行ったようですね」と戸塚さんに言われたが、「エッ?そうですか」と言っちゃった。いかんな、私の方がアルツハイマーだよ。
戸塚さんは、静岡出身だし、お茶には詳しい。35年にわたる日本茶業界の発展に貢献し、それで、功労表彰をされた。この日も、そのおいしいお茶をいただいた。戸塚さんは、中国、韓国、北朝鮮にも太い人脈がある。アジアを飛び回っている。「こんなに私が元気なのも、静岡のお茶を飲んでるからです」と言う。
この日は、喜劇界の大スター、大村崑さんも来ていた。発起人になっていて、「ゆうもあ・くらぶ」理事長で、戸塚さんもそこの役員だ。〈笑い〉は健康の元なんだ。大村崑さんも、このことを強調していた。驚いたが、大村さんは今年の11月1日で80才になるという。そうは見えない。若々しい。私よりもずっと若々しいし、元気だ。〈笑い〉が若さの元か。
「それと、オロナミンCを飲んでるからです」。
ちゃんとCMも欠かさない。偉いですね。オロナミンCのCMに長い間、出ている。それから、愛知和男さんに会った。「鈴木さんと同じ仙台だよ」と、戸塚さんが紹介してくれた。
私は、和男さんのお父さんの代から知っている。中学生の時、「愛知揆一」のポスターがよく貼ってあった。衆議院議員で、外務大臣もやった。そのポスターには、「政治は愛と知で…!」と書かれていた。これはうまいな、と中学生の私は感動していましたよ。その話をしたら、「よく、覚えてますね」と誉められました。
あと、NHKによく出ているアートディレクターの村松文彦さんともお話をしました。パーティの中で、フラワーデザイントークショーをやってくれました。お話をしながら、生け花を活けるんです。皆、素晴らしいものでした。感動して見てました。花が一本一本、生きてます。
それから、稲垣美穂子さんにもお会いしました。私が中学、高校の時に、テレビを見ていて、うわー、きれいな人だなと、憧れた知性派美人です。お年を召していらっしゃるのでしょうが、きれいでした。ご挨拶もされました。
①3月28日(月)午後6時、東京会館。「戸塚進也君(元衆議院議員)の茶業功労表彰を祝し、政界再編国政復帰を期待する激励パーティ」です。「中止かな?」と思いましたが、やりました。「自粛、自粛では経済が回らない」と言ってました。中央が戸塚さん、右が高須基仁さん。
⑦3月26日(土)、小田原市で、夢枕獏さんたちが「陶素人展」をやってました。自分たちでつくり、焼いた陶器を展示し、売ってました。私も夢枕獏さんの作品を2つ、買い求めました。手に持っているのがそれです。この時、原稿の書き方を、じっくりと教わってきました。夢枕さんは今でも手書きだそうです。「パソコンの方が早いのに」と私が言ったら、「手書きの方が早い。時速6枚です」と言ってました。スピードを上げれば時速8枚だそうです。5時間で40枚です。凄いですね。
⑨4月3日(日)放送の読売テレビの「たかじん」で。ロバート・ゲラーさん(東京大学大学院教授)とお会いしました。知日家で、なかなか楽しい人でした。
写真を撮ってる時、女の子の集団が通りました。「あっ、AKB48だ!」と言ったら、局の人が驚いてました。「よく、知ってますね」。驚いたのは私です。出まかせを言っただけなのに、当たりました。 「大勢の女の子。テレビ局」だけで、そう思ったのです。