2011/04/18 鈴木邦男

原発について考え、学び、デモしました

①『言論の覚悟2』が出ます

田原総一朗さんと対談中(4/11)
田原総一朗さんと対談中(4/11)

「日本人は大本営発表が好きなんですよ」と田原総一朗さんは言う。戦争中、大本営発表に騙されたのではない。その為に弾圧されて、自由なことを書けなかったのでもない。皆、進んで協力したのだ。つまり、日本人は皆、「大本営発表が好きなのだ」と言う。大本営発表があると安心だ。自分が責任を取らなくていい。

ものを書く人間は、その方が楽なのだ。同じことは今も言える。原発事故について、「大本営発表」だけが罷り通っている。戦争中と同じだ。これでは、「マスコミ」はどこにもないし、「自由な言論」もない、と田原さんは言う。

田原さんのような言論界の大御所がそう言うのだ。だから問題は深刻だ、と思った。「竹中労のように、たった1人でも闘うという、反骨のライターがいなくなったね」と言う。田原さんの口から竹中労の名前が出たので、驚いたし、嬉しかった。私の尊敬するライターだ。

「遠藤誠弁護士も面白かったね」と言う。この2人は私の恩人だ。この2人によって、実に多くのことを教えられたし、多くの人たちを紹介してもらった。今の私の左右を超えた人脈は、この2人にルーツがある。

対談が終わって
対談が終わって

そして話は「言論の覚悟」になった。実は、5月上旬、私の新著『言論の覚悟2』(創出版)が出る。それを記念して、田原さんとの対談になったのだ。4月11日(月)午後2時、全日空ホテルだ。

今、私は、月刊「創」に「言論の覚悟」を連載している。それを纏めた本、『言論の覚悟』が2002年4月20日に出ている。それから、9年。5月上旬に、『言論の覚悟2』が出る。「創」の連載を田原さんは毎月、読んでくれて、「これはいいね。頑張って」と言ってくれてる。ありがたい。それで、特別に対談をお願いした。単行本発刊を記念して、次号の「創」に載る予定だ。

今、9年前の『言論の覚悟』を取り出して見た。「鈴木邦男主義」とサブタイトルが付いている。本の帯にはこう書かれている。

〈「言論の自由」って何だ!
全ての“主義”を超える!鈴木邦男が問いかける〉
平沢勝栄さんと(4/12)
平沢勝栄さんと(4/12)

そうか。「言論の自由」について考えてきたのか。いろんな事件がある。いろんな人との出会いがある。闘いもある。それも書きながら、ずっと、「言論の自由」について考えてきた。この本の目次を見ても、取り上げたテーマが分かる。たとえば…。

  • 「テロルの変質」と戦後50年
  • 「魂なき平和」という呪縛
  • 言論は無制限に自由である
  • 「よど号」の田中義三会見記
  • 俳人・野村秋介の浪漫
  • 「反日教科書」もある自由
  • 合気道の先輩・小渕さん
  • 俺は一人の修羅なのだ
  • 団結の神話
  • チュチェ思想入門
  • 天皇制への疑問
  • 「立てこもり」の歴史
  • 不敬映画
  • 日本鬼子
  • 連合赤軍から30年

②さらに過激に。さらに建設的に…

文化放送のスタジオで(4/13)
文化放送のスタジオで(4/13)

凄いタイトルもあるね。いいのかよ、と思う。挑発的だ。思い切って断定し、挑発しているんだろう。

先週、文化放送に出た時、『ムー』の編集長が言っていた。この宇宙と平行したもう1つの世界があると。それは感じる。私も「パラレルワールド」の「もう1人の鈴木君」にからかわれまいとして頑張ったんだ。

95年5月から02年2月までの7年間の連載から49本を選んで載せた。多分、全連載の半分位をチョイスして載せたんだろう。それを時代順に並べている。

それに、「プロローグ」も凄い。過激だ。

〈天皇暗殺映画をめぐる場外乱闘〉と出ている。あの、超過激な映画監督・渡辺文樹氏と激突対談している。

さて、〈PartⅡ〉は、どうなるのか。今回は、椎野企画のレーニン、あづささんが編集をやってくれた。前回を上回る大胆な企画だ。〈PartⅠ〉を出したあとの、9年間の連載の半分ほどをピックアップし、それをシャッフルして、テーマ別に仕分けした。だから、グンと読みやすい。又、(年代順ではなく)テーマ毎に編集し、それが一連の話として続くように大幅に編集をした。これは凄いです。

講演する和田春樹さん(4/14)
講演する和田春樹さん(4/14)

第1章は「言論の覚悟」。第2章は「赤軍、よど号、北朝鮮」。第3章は「映画から読み解く日本」。第4章は「愛国心・憲法・人権を考える」。

うまいですね。第3章を読み返していて、あれっ、俺ってこんなに映画を見て、映画に関係してたんだっけ。と思いましたね。第3章には、10編が並んでます。

  1. 太陽
  2. あんにょんサヨナラ
  3. 天皇とレジスタンス
  4. 戦後か、戦前か
  5. Tokko(特攻)
  6. 連合赤軍へのレクイエム
  7. 革命憲法
  8. 元凶は反日という言葉
  9. 皇居とイルカ
  10. 勇気ある告発
打ち上げで
打ち上げで

映画「靖国」「ザ・コーブ」「太陽」「Tokko」「あんにょんサヨナラ」…など、問題になり、争点になった映画を取り上げ、その騒動の中に飛び込んで、主張し、考えた原稿です。今、読み返しても、あの時は大変だったな、と思います。ぜひ、読んでみて下さい。

「第2章」の「赤軍・よど号・北朝鮮」にしろ、第4章の「愛国心・憲法・人権を考える」にしろ、さすが、元学生運動家のレーニンさんらしい区分だと思いました。でも、そういう内容を書いたのは私なんですね。私が「左」がかっている証拠なのかな。

でも、〈覚悟〉を語り、〈右〉を語り、〈左〉を語り、映画を語り、そして、日本の将来への展望、前途を語るのが第4章なんでしょう。どうも、そういう作戦が読み取れます。

「右を切り、左を切り、政治は中道を歩まねばなりません」というのは三島由紀夫の「わが友ヒットラー」の台詞ですね。私は、右を切り、左を切り、そして、その先は、更なる混沌です。アナーキーです。

その証拠に、第4章はこんなふうになってます。

「ばんばっぺ!いわき」(4/14)
「ばんばっぺ!いわき」(4/14)
  1. テロルの考現学
  2. 愛する資格
  3. 改憲無罪
  4. アムネスティで死刑を語った
  5. 愛国心なんかいらない
  6. 自由のない「自主憲法」よりは…
  7. 紐育(ニューヨーク)・憲法大論争
  8. 「百人の真犯人」を逃しても…
  9. 憂国者による「反戦平和」
  10. 恨み・憎しみ・そして赦し

③田原さんの言う通りですね

「自殺サイト」で知り合った3人(4/12)
「自殺サイト」で知り合った3人(4/12)

うーん、いいですね。編集がうまいですね。「流れ」がいい。私だって読みたくなります。さらに、特別対談も入ります。今、必死で作っていますので、5月上旬には出来るでしょう。

話はちよっと戻りますが、4月11日(月)に田原さんと「言論の覚悟」の話をしました。今は大本営発表ばかりで、個人で、覚悟を持ったジャーナリストがいない!という話になりました。

そして、原発事故の話が中心になりました。「国民に不安を与えまい」という政府の思惑なのでしょうが、果たして何が正しいのか。安全なのか危険なのか。それが分からない。

そういえば、この1週間は、原発について考え、勉強し、討論した1週間でした。又、デモにも出ました。これだけ短期間に、まとめて考え行動した1週間はありません。

4月10日(日)と16日(土)は、「反原発」のデモに出ました。発言もし、合計5時間もデモをしました。

11日(月)は田原総一朗さん、12日(火)は平沢勝栄さんに会って、原発の話を聞きました。

13日(水)は文化放送で原発の話をしました。

14日(木)はチャンネル桜に出て、3時間、原発についての討論をしました。

あべ・あゆみさんと
あべ・あゆみさんと

15日(金)はロシア大使館に行って、ロシア連邦バイオ医学府長官・ウラジミール・ウィバさんの話を聞きました。とても勉強になった1週間でした。

10日(日)のデモは「素人の乱」の松本哉さんが呼びかけて1万5千人が集まりました。実は私は、「今さら、デモなんて」と思ってました。だって、右翼過激派の時に、何千回もデモに出てるし、もう、デモの「絶対量」はクリアーした。デモの「一生分のノルマ」は果たしたと思ってました。

それに、デモに行くと、ついつい警察の挑発に乗って、乱闘し、逮捕されたことが何回もあり、「デモ=逮捕」というイメージがあったのですよ。だから、「今さら捕まるのもヤダナ」と思ってたんです。

でも、ロフトの加藤さんから急遽、「出て、喋れ、歩け」と言われたんです。断ると、もうロフトには出してくれないかもしれない。それで、(気が弱い私としては)無理をして、行きましたよ。

しかし、昔の暗い、反権力のデモのイメージはありませんでした。若者たちが圧倒的に多いし、音楽に乗り、楽しくデモをしました。これはいいですね、と思いました。私も、ホッペや胸にワッペンを貼って、デモりました。

④「チャンネル桜」の討論会はとてもよかったです

反原発デモで挨拶した(4/10)
反原発デモで挨拶した(4/10)

そして、14日(木)のチャンネル桜もよかったですね。「だいありー」のところでも詳しく書きましたが、原発をめぐる4対4の闘論と聞いて、かなり、ビビリました。

なんか一言いうと、ワーッと怒鳴りつけられ、封殺されるんじゃないか。大声で罵倒されるんじゃないかと恐れていました。そういう討論番組がかなりありますので。

デモに出発する前です
デモに出発する前です

でも、当日、参加して驚きました。実に皆、冷静に紳士的に話してます。

又、司会の水島さんが、皆に、公平に喋らせようと気を使ってました。それが分かりました。

私は原発はいらないと思いますが、すぐになくせるとは思わない。たとえなくすにしても、時間はかかるし、〈共存〉する時間はかなりあると思います。

その間の監視機関をいかに作り、(アメリカ以上の)放射能防護部隊を作り、何かあった時にはすぐ対処できるようにすべきでしょう。

又、「原発は安い」というのは分かります。効率がいいのも分かります。しかし、一番、危険は大きい。それに、今回の事故を見ると、その対応に莫大なお金がかかりますし、結果的に、「一番高い」ものになってる。「そういう面はありますね」と原発推進派の人も認めてました。

又、全体の3割を原発が支えているといいますが、それを他の地熱、太陽熱、波力、風力などで代替するように研究する。日本は技術力があるのだから、出来るでしょう。又、すぐには出来ないにしても、じゃ、原発なしの7割だけで生活出来るようにする。そういう生活・意識革命も必要ではないのか。

松本哉さん(中央」、池田香代子さんと
松本哉さん(中央」、池田香代子さんと

電力が必要なことは分かるし、その大切さは、痛感してます。しかし、安いが危ない原発よりは、高めについても、又、不便になっても、脱原発の生活の方を人々は選択するのではないでしょうか。

西尾幹二さんも、昔は、原発が必要だと思い、そういう発言もしてきた。しかし、今回の事故で、考えを改めた。今までのことは反省し、反原発に回ります、と言っていた。学者としては何と勇気のある態度かと思いました。

又、かつて原発の技術者だった人で今、反原発の人もいました。又、原発推進派の人でも、「代替エネルギーはどんどんやるべきだ」「今の原発行政のままではダメだ」と言う人もおり、かなり、建設的な話し合いが出来ました。これは画期的なことだと思いました。

【だいありー】
石巻の日本製紙です
石巻の日本製紙です
  1. 4月11日(月)午前中、取材。午後2時、全日空ホテル。田原総一朗さんと対談。田原さんが司会する番組には何回か出たが、こうして2人で対談するのは初めてです。月刊「創」の対談です。私の連載をまとめて、5月上旬に、『言論の覚悟2』(創出版)が出る。それを記念しての対談だ。
     原発事故から始まり、北朝鮮のこと。朝生のこと。そして、「言論」の不自由、自粛などへの批判。さらに言論の「覚悟」について話し合いました。
  2. 4月12日(火)午前11時、平沢勝栄さんにインタビュー。平沢さんとは、テレビの討論会や、いろんなパーティでよくお会いしている。硬骨の政治家だ。非常時の政治家の覚悟。外交、内政などについて話を聞いた。木村三浩氏(一水会代表)と一緒。
     その後、下の食堂に行ったら、民主党の中林美恵子さんにお会いしました。木村氏が朝生で一緒に出たといいます。(イラク問題の時に)。私も紹介してもらいました。
     午後2時から神田。出版社の人と打ち合わせ。午後5時。高田馬場のミヤマの会議室。『紙の爆弾』の対談。「自殺サイト」で知り合ったカップルから、話を聞く。世にも恐ろしい話だ。「自殺サイト」では、よく、オフ会をやっている。「雪山凍死オフ」とか、「断崖飛び込みオフ」とか。よく知られてるのでは、車の中に練炭を持ち込んで、集団自殺するオフ会だ。じゃ、私の会ったカップルは、本当は、凍死したのに、それに気づかずに生活してる人なのか。ゴーストか。ゴースト・ニューヨークの愛か。
     ともかく、「知らない世界」を覗いてしまいました。凄い話が聞けました。
     終わって、近くの居酒屋「土風炉」で、ゴースト・ダブルを含めて、6人でお酒を飲みました。
  3. 4月13日(水)、午前中は原稿を書いてました。午後、電車に乗ってたら、元過激派の人に会いました。あれっ?殺されたと思ったのに。この人もゴースでした。「どこに行くの?」と聞くから、「浜松町です」と言ったら、「あっ、文化放送ですか」。何で知ってんだろうと思ったら、「毎週聞いてます」。あの世でも聞けるのか。
     午後3時半から、文化放送。今日のテーマは、「東日本大震災を教訓に、日本は変わるべき!」。紙、インク、自動車部品だけではない。食糧なども、東北が日本を支えていた。そのことを痛感した。東北人の「我慢強さ」は世界中から称賛されている。自衛隊、消防、警察もよくやっている。大変だと思う。しかし、政府は無能だ。組織を乱発するだけだ。放射線物質汚染水を海洋放出したことも海外から強い批判を浴びている。そうした問題について話した。
     今週の「編集長は見た!」は、月刊『ムー』の三上丈晴さん。こんな時だから、記事の扱いには苦労したようだ。でも、『ムー』らしく、頑張っている。
〈最新理論が解明した時間と空間の秘密!
「タイムトラベルと並行宇宙の謎」〉
石巻市内です
石巻市内です

この世界と並行したもう1つの「宇宙」があり、そこには、もう1人の「自分」もいる。うん、これは私も感じている。困難な事態に直面して戸惑っていると、「パラレルワールドのもう1人の自分」が、からかうんですよ。「何だ鈴木、だらしないじゃないか。ビビってるじゃないか」と。「普段偉そうなことを言いながら、ダメだなー」と。それで、「何クソ!」と、こちらの世界の鈴木君が頑張るですよ。

そして、タイムマシーンの話に移る。「タイムマシーンに乗れたら、いつの時代に行って、誰と話したいですか」と寺ちゃんに聞かれました。「2.26事件に行って、北一輝に会いたいですね。あとは、大杉栄かな」と答えました。

「ムー」の記事。他には、

〈東北関東大震災の予兆だった!!イルカの集団異常行動の謎〉

イルカは予知してたんですよ。だから、イルカとは仲良くして、教えてもらったらいい。

そして、「ムー」の決定版は、これでした。

〈浮世絵ミステリー。
「東京スカイツリーは浮世絵に予言されていた!」〉

何と、歌川国芳が描いた東都名所ツアーの中の、「東都三ツ股の図」(1831年頃の作品)に、スカリツリーが描かれている。170年も前の絵に描かれている。場所も同じだ。井戸掘りの櫓か、火の見櫓だとされるが、ともかく、スカリツリーとそっくりだ。これは驚きです。

「誰かが後で描き足したのではないか」という疑いもあったが、絵の顔料の成分などから、それはないという。不思議な話だ。スカイツリーを設計した人が、どこかで見ていて、それがイメージされたのか。あるいは、パラレルワールドのもう1人の国芳が今、設計してたのか。科学的解明が待たれるところです。

5時に私の出番は終わりのはずだったが、今週も、ダブルコロンさんと一緒に6時までお付き合い。「謎かけ」の天才ですね。楽しかったです。アッという間に6時になりました。

それから、急いで高田馬場へ。7時から、ホテルサンルートで一水会フォーラム。和田春樹さん(東大名誉教授)の「昨今の日朝関係を考える~日朝関係に打開策はあるのか」。なかなか刺激的な話で、思い切った提言もあり、勉強になりました。参加者は、考えの違う人も多かったと思いますが、それでも皆、真剣に聞き入ってました。

終わってから、活発な質疑応答がありました。さらに、二次会会場でも、先生に皆、質問をしてました。私も、先月、北朝鮮に行って来た話をし、日朝国交のこと、「よど号」グループのことをお聞きしました。

瓦礫の山です。石巻です
瓦礫の山です。石巻です
  1. 4月14日(木)午前11時から2時まで、高木尋士氏(劇団再生代表)と対談。高田馬場の喫茶店「ミヤマ」の会議室で。「北一輝」について。高木氏は、最近、北一輝について猛勉強している。みすず書房のぶ厚い著作集(全3巻)を初め、松本健一、村上一郎、松本清張、田中惣五郎、寺尾五郎、渡辺京二…などの「北一輝論」を全て読んでいる。
     それで、話をした。私も、かなり読んでるつもりだが、負けた。北一輝の弟子の嶋野三郎さんに昔会った時、「北先生はゲーテのような人だ」と言っていた。哲学はあるが、いわゆる型にはまった体系などはない。それを超えたスケールの大きい人だ。そしてとても信仰的な人だった。と言っていた。それは、『証言・昭和維新運動』に紹介している。又、北一輝のロマン主義、進化論を中心に、高木氏と話した。かなり、内容の濃いものになったと思う。北一輝は、タイムマシーンに乗って、会ってみたい人だ。いや、「パラレルワールドのもう1人の私だ」。これは傲慢か。でも、ある霊能者に、そう言われたことがある。じゃ、私も刑死するのかな。
     そうだ。今年上映の見沢知廉氏を描いた映画「たった一人の革命」(大浦信行監督)には、私も北一輝になり切って出演していた。ような気がする。
     「北一輝論」は高木氏がまとめて、近くこのHPで発表する予定です。
     1時に対談が終わって、渋谷に行く。「チャンネル桜」の討論番組に出る。午後2時半から6時まで。この日は収録で、放送は4月16日(土)にスカパー!でやる。およびインターネット放送で。

「日本よ。今…闘論!倒論!討論!2011(220回目)」で。

〈原子力発電の未来を問う!〉

専門家ばかりが出る、その中に私のような素人が出ていいのかな。怖いな、と思ったが、「パラレルワールドのもう1人の私」に、「だらしないな。出なよ!」と言われて、出ました。勝ち、負けじゃないよ。原発推進派の人々の話をじっくり聞くだけでもいい勉強になる。その中で、自分の疑問も聞いてみたい。そう思って出ましたよ。

パネリストは8人。「原発推進派」は次の4人。

  • 斉藤伸三(前原子力委員会委員長代理・元日本原子力研究所理事長)
  • 竹内哲夫(前原子力委員会委員・元日本原燃社長・元東京電力副社長)
  • 林勉(エネルギー問題に発言する会代表幹事・元原子力メーカー技術者)
  • 兵藤二十八(軍学者)

そして、「原発反対派」は、次の4人。

  • 西尾幹二(評論家・文学博士)
  • 菊池洋一(元GE技術者・福島第一原発施工管理担当)
  • 前田有一(映画批評家)
  • 鈴木邦男

そして司会は、水島総(日本文化チャンネル桜代表)

3時間の闘論でした。でも、皆に、じっくり喋らせようという配慮があり、建設的な討論になった。これはよかった。「私は原発は必要だと思い、そう言ってきたが、今回の事故で変わった。反対派になった」と西尾氏。

これは勇気のある発言だと思った。西尾氏とは、大阪の「たかじん」の時は、「女帝論」で反対の立場だったが、今回は、全く一致していた。

それに前田さんも、「『ザ・コーヴ』の時は〈敵〉でしたが、今回は味方同士です」と言ってくれました。

これもいいですね。それに、「原発推進派」の人たちも、キチンと論理的・理性的に話してくれる。どうしても、こういうテーマだと、つい感情的になって、大声をを出して潰し合いになるケースが多いが、それはなかった。

エネルギーとしての原発が必要なら、その安全計画を今後、どうするのか。又、代替エネルギーはあるのか。地熱、風力、波力など、その可能性などについても具体的に話し合った。

罵倒し合ったり、堂々巡りになることもなく、とてもいい議論になったと思う。「推進派」の人にも、これからも会って、いろんなことを聞いてみたいと思った。これだけ具体的・建設的な討論も珍しい。私1人が勉強不足で、話についていけなかった感じで、申し訳なかったが。

  1. 4月15日(金)午前中、原稿。午後2時半、ロシア大使館へ。チェルノブイリ事故をからめて、今回の福島原発事故について、ロシア側の記者会見があった。木村三浩氏(一水会代表)は、ロシアにはよく行っていて、大使館の人とも親しい。それで私も誘ってくれた。日本の政府・マスコミ発表では聞けない話も多く、貴重だった。
     ロシア連邦医学府長官・ウラジミール・ウィバさんが日本の放射能の状況を詳しく語り、質問を受けました。「東京の放射線は、モスクワより低い。訪日自粛制限を解除するよう提案したい」と言ってました。
     終わって、木村氏が、ロシア連邦大使M・Mベールィさん。参事官のヤーセネフ・セルゲイさんを紹介してくれたので、お話しました。
  2. 4月16日(土)関西で、「時の人」と会う予定でしたが、延期になりました。
     午前11時。明治公園。原発反対のデモに出る。「脱原発社会を作ろう!」デモだ。随分、歩いた。デモ実行委員長の二見伸明さん(元運輸大臣)とも、終わって話をした。
     この1週間、原発反対のデモに2回出たな。それに原発の討論番組にも出たし…。とても勉強になったし、考えさせられた。
  3. 4月17日(日)午前中、図書館。午後、取材。
     「名探偵コナン」が始まったのに見に行けない。忙しい。コナンは「パラレルワールド」のもう1人の私だ。「ガリバー」も、そうだ。私も、全く知らない世界に迷い込んだガリバーだ。だから、ぜひ見なくっちゃ。
【写真説明】
田原総一朗さんと対談中(4/11)

①4月11日(月)午後2時、田原総一朗さんと対談しました。全日空ホテルで。月刊「創」の次号に載ります。5月に出る『言論の覚悟2』の発刊記念対談です。

対談が終わって

②対談が終わって。こうして1対1で対談したのは初めてです。

平沢勝栄さんと(4/12)

③4月12日(火)、平沢勝栄さんと会いました。

文化放送のスタジオで(4/13)

④4月13日(水)、文化放送。「夕やけ寺ちゃん活動中」。寺ちゃん(後ろの左)、ダブルコロンさん(右)。私の右は貞金(さだかね)アナウンサーです。午後6時、本番が終わった直後に。いつもお世話になっております。謝謝。

講演する和田春樹さん(4/14)

⑤4月13日(水)午後7時、一水会フォーラム。講演する和田春樹さん(東京大学名誉教授)

打ち上げで

⑥一水会フォーラムのあとの打ち上げで。和田先生の左は木村三浩・一水会代表。手前左は、この日のためにアメリカから聞きに来たスミスさん。経済に詳しくて、皆に、アダム・スミスと呼ばれてました。前にNHKの番組に出てたな。じゃ、有名な人かな。

「ばんばっぺ!いわき」(4/14)

⑦4月12日(火)新橋を通りかかったら、SLの前で裸の女の人たちが踊ってました。なんだ!と思って近寄って、シャッターを押しました。裸ではなく、フラダンスの人でした。(近いけど)。「がんばっぺ!いわき」のキャンペーンでした。「常盤ハワイ」があったんでハワイアンなんですね。「いわきの農産物は安全!」とキャンペーンしてました。
 4月13日(水)、文化放送に出た時、寺ちゃんも行ったと言ってました。イチゴをもらいました。食べました。おいしかったです。

「自殺サイト」で知り合った3人(4/12)

⑧4月12日(火)新橋でハワイアンを見て、高田馬場に行きました。『紙の爆弾』の対談です。「自殺サイト」で知り合って結ばれたという2人です。「雪山凍死オフ」に参加して、本当は亡くなっている2人です。「ゴースト・高田馬場の愛」です。右の人は、生きてます。多分。

あべ・あゆみさんと

⑨劇団再生の女優・あべ・ジャイアントパンダ・あゆみさんです。本当は「あべ・あゆみ」というんですが、誰かが、「大きなあゆみ」と呼んで、さらに誰かが、「ジャイアントパンダ」というミドルネームを付けたのです。だから、写真を撮ってもリアクションがオーバーです。「大きなあゆみ」です。

反原発デモで挨拶した(4/10)

⑩4月10日(日)午後2時から、高円寺の「反原発」デモに行きました。「素人の乱」の松本哉さんが呼びかけたのです。凄い人でした。1万5千人の若者が集まりました。「若者の神様」雨宮処凛さんが挨拶してました。元気いいぞうさんが歌ってました。
 そしたら、私も呼ばれて、挨拶させられました。前に進むのだけでも大変でした。そのあと、チンドン屋の人たちを先頭にして、楽しいデモに移りました。「反戦」「反原発」のチンドン屋さんです。だから、ハンチントンです。これも「文明の衝突」です。

デモに出発する前です

⑪デモにはいろんな人がいました。若い人たちが主ですが、他にも、学生運動の元幹部たち、オウム真理教の元幹部。予備校生もおりました。

松本哉さん(中央」、池田香代子さんと

⑫呼びかけ人の松本哉さん(中央)、そして、池田香代子さんと(右)。ほっぺに反原発のシールを貼ったおっちゃんもいますね。池田さんは他のデモが終わってから駆け付けました。デモのハシゴです。こっちは凄いね。若い人ばかりで、と言ってました。
 松本さんは、「今日は7500人です」と発表してましたが、あとで新聞や警察発表では1万5千人でした。主催者発表の方が少ないなんて、何と、謙虚な人なんでしょう、と驚きました。

石巻の日本製紙です

⑬石巻の写真です。日本製紙です。ここが崩壊したので、紙が足りなくて、多くの本が遅れ、あるいは休刊になってます。インク、自動車部品、食糧…と、東北は〈日本〉を支えていたのです。

石巻市内です

⑭これも石巻市内です。

瓦礫の山です。石巻です

⑮まだまだ、瓦礫の山が残ってます。

【お知らせ】
  1. 『月刊タイムス』(5月号)が発売中です。私の連載「三島由紀夫と野村秋介の軌跡」は第69回です。7年も続いております。
     今回は、1970年3月の「よど号」ハイジャック事件と、同年11月の三島事件の知られざる関係について書きました。「楯の会」の本多清氏の証言。
     そして今年3月、会ってきた「よど号」グループの小西、若林氏の証言を紹介し、「昭和史の謎」に挑んでます。「月刊タイムス」は大きな書店ではありますが、手に入らない時は、
    電話03-5269-8461
    FAX03-5269-8460
  2. 4月4日(月)のネイキッドロフトでやった「永田洋子とは何だったのか」と、4月2日(土)、3日(日)、石巻、女川に救援活動に行った時の動画を一部分、アップしました。
  3. ポレポレ東中野で。原発に関する国内外のドキュメンタリー、劇映画の特別上映があります。4月23日(土)から5月6日(金)です。「25年目のチェルノブイリ」です。貴重な作品が多いです。「ナーシャの村」「アレクセイと泉」「ヒバクシャ・世界の終わりに」「原子力発電の夜明け」「六ヶ所村人間記」…など、16作品が上映されます。詳しくは、ポレポレ東中野のHPをご覧下さい。
  4. 月刊『創』の私の連載「言論の覚悟」をまとめた本が5月上旬に出る予定です。02年に『言論の覚悟』を出しておりますし、今回はその第2巻目です。
  5. 5月24日(火)7時、一水会フォーラム。講師は正式決定次第、発表します。
  6. 6月6日(月)阿佐ヶ谷ロフト。7時半。〈やさしい左翼のための『ザ・コーブ』の嘘、全部教えます〉。出演は、吉岡逸夫さん、しまだやすゆきさん、綿井健陽さん、松林要樹さん他。私も出ます。
  7. 9月9日(金)〜11日(日)。劇団再生による、見沢知廉七回忌追悼公演があります。「天皇ごっこ『蒼白の馬上』」です。小田急線千歳船橋駅前の「APOCシアター」です。11日(日)の14時からは特別トークがあります。大浦信行(映画監督)、山平重樹(作家)、高木尋士(劇団再生代表)、鈴木邦男による、「作品としての見沢知廉」です。