2011/07/18 鈴木邦男

『人間の運命』。全ての鍵はここにある!

①「次郎君ならば、こうしました!」

芹沢光治良
芹沢光治良

「次郎君ならば、そんな誘惑に乗らずに、きっぱりと拒絶したと思います。そして、たった1人でも自分の信じる正義の道を進んだと思います」

と、その生徒は堂々と言う。エッ?次郎君て誰だと思った。皆で本を読んでる時だった。学校の授業だ。何の本を読んでたんだろう。東電の「接待ツアー」の話かな。原発文化人の話かな。誘惑に負けやすい人達だ。

でも、もっと前のような気がする。明治維新か。敗戦後のことか。ともかく、危機に臨んで、〈人間の決断〉を迫られた。「覚悟」を問われた。そんな場面だったようだ。

その時、「次郎君なら、こうする!」と叫んだのだ。その生徒は。

でも、次郎君て誰だ。その授業の教室には「次郎」君はいない。この日、話題にしている本や事件にも、「次郎君」はいない。皆も、キョトンとしている。

だから、私が代表して聞いた。「次郎君って誰なの?」。彼女は言う。誇らしげに言う。「勿論、森次郎君ですよ」と彼女は言う。ますます分からない。

「誰ですか、その森次郎君って?」

『人間の運命』全巻(新潮社)
『人間の運命』全巻(新潮社)

「ひどい!鈴木さんが紹介してくれたんじゃないですか。忘れたんですか!」

エッ?私が紹介したの。それで2人は交際し、その次郎君の感化を受けた。どんな時でも、「次郎君ならどう考えるか」と思う。それほど影響力のある人間になったのだろう。「次郎君」は彼女にとって、もはや神のような存在かもしれない。

そこまで考えて、アッ!と思った。「次郎君」は実在の人間ではない。非実在青年だ。だって小説の主人公だからだ。芹沢光治良(せりざわ・こうじろう)の大河小説『人間の運命』の主人公だ。宗教と人間、社会主義と人間、愛と人間…に真正面から取り組んだ小説だ。芹沢の自伝的小説だ。

長い小説だ。第1部が6巻。第2部が6巻。第3部が2巻。計14巻だ。でも、私は一気に読んだ。「読書ノート」を見ると、第1部第1巻を読んだのが03年2月15日になっている。ラスト(第3部第2巻)を読破したのが03年7月25日だ。5か月かかって全14巻を読破したのだ。

昭和31年頃、東中野で
昭和31年頃、東中野で

五ヶ月かかったけど、まあ、「一気に読んだ」と言ってもいいだろう。この5か月は、まさに「至福の5か月」だった。森次郎の世界にどっぷりと浸りきり、自分も『人間の運命』の世界を生きていた。

森次郎君は、天理教の熱烈な信者の息子として生まれ、信仰を生きながらも、宗教と現実社会のギャップに苦しみながら、成長する。常に、世の中を良くしたい、周りの人達を幸せにしたいと思いながら、傷つき、苦しむ。青年になり社会主義を知り、その運動にもかかわる。

「そんな男とは付き合うな」と彼女の家族からは拒絶される。愛とは何か。世の中の変革とは何か。神の愛とは何か。迷い、悩む。そして行動し、衝突し、失敗する。『失敗の天理教』『失敗の社会主義』だ。失敗の連続だ。

②「信仰は行動に移さなければ…」と

昭和40年頃、神田川で
昭和40年頃、神田川で

天理教だけではない。どこの教団も「ただ信心しているだけではダメだ。救われない。行動に移しなさい」と言う。「行動に移す」とは、本部に「献金」することだ。又、1人でも多くの人に教えを広めることだ。人はそのことで救われる。そのはずだ。

しかし、「行動で示し」「他人のために」活動することによって、今まで味わったことのない苦労もする。苦悩を持つ。それも神を知るための苦行なのだろうか。

本部の人は言う。「本部の普請に献金すれば、1粒千倍になって戻って来る。幸福の種をまくようなもので、自分たちも幸せになる」。そういって会員に無性にお金を出させようとする。

極端な例もある。自分の全財産を処分して献金する。次郎君のお父さんはそうだった。子供のことなど全く考えない。でも、「捨てられた」子供たちは大変だ。親類を頼って生き、やっとこさ生きる。

もっと酷い例もある。自分の娘を売って、その金を献金する。その事実を聞き、次郎君は疑問に思う。「そんな金で普請してもらい、神さまは喜ぶのか」。もし、喜ぶようなら、そんな神さまを真面目に拝む気にはなれない…。

もしかしたら、神は人間が「発明」したのかもしれない。だったら、「素晴らしい発明」のはずだ。どんな人間にも「清らかな心」「聖なる心」がある。あるはずだ。それを発見して、〈神〉と名付けたのかもしれない。

青木理さんと対談しました(7/8)
青木理さんと対談しました(7/8)

だが、この時から、人間の苦悩も始まった。「自分だけ幸せではいけない」「他人をも幸せにしなくては」という気持ちだ。宗教も、政治運動〈革命〉も共に持つものだ。

極端にいうと、これが「戦争の始まり」かもしれない。自分だけが幸せでいい。他人はどうなってもいいと思っていると、皆、バラバラだが、戦争は起こらない。

ところが、「邪悪な神を信じてる人を解放したい」「神を知らない人に知らせたい」という〈善意〉の気持ちから戦争は始まる。十字軍戦争がそうだし、北米、南米に侵略し、神を信じない「野蛮な人々」を殺すのもそうだ。

「娘を売ってまで献金するのは間違っている」と思う人でも、集団の狂気には気がつかない。今のアメリカだって、そうだ。アメリカのイデオロギーを受け入れない国は、力ずくで潰す。

③小説家になるか、革命家になるか、どっちかだ

死刑について語る青木さん
死刑について語る青木さん

話が先走った。宗教が生まれて人間は幸せになった面はある。と同時に、宗教が生まれたために、人の心が常に不安になり、常に罪の意識を感じるようになった。

又、これは「神の愛」だからと、他人への侵略や殺戮をも「合理化」するようになった。とも言える。

次郎君も悩む。フッと、こう思う。

〈信仰のない人の心は、せっかく自然のままで、この空のように晴れているのに、信仰したばっかりに、いらざる悩みが雲のようにかかって、自分で不幸をつくるようなことになりますからね〉

だからといって、信仰を冷ややかに見て捨てるのではない。宗教は必要だ。そして、とことん考える。苦悩する。

絞首刑のロープ
絞首刑のロープ

これはまさに、現代の『聖書』だ。『人間の運命』は、いわば芹沢の「精神の成長物語」だ。森次郎は架空の主人公でありながら、自分自身だ。だって、次郎は小説家になって、多くの人々と交わり、教えを受ける。

これらは全て、実際の話だ。たとえば正宗白鳥が次郎の小説を誉めていた。三木清が、「自分達の時代の森鴎外になってほしい」と言った。次郎は「故郷の我入道を小説に書いておきたい」と弟の五郎に言うと、弟は言う。

「それはいいアイデアですよ。兄さんは『蟹工船』を読んでいないでしょうが、小林多喜二が兄さんの小説を読んで、将来を期待しているそうですよ」

弟は兄に、プロレタリア小説を書いてもらいたいようだ。でも、それはムリだ。でも、宗教を舞台にした人民の苦しみ、喜びを書いてもらいたいと言う。五郎はさらに、凄いことを言う。男の仕事は「物書き」か、「革命家」だという。

再現シーンです
再現シーンです
〈ぼくは男として甲斐のあることは、物を書くか、政治をするか、二つだと思います。物を書くには才能と運がなければならないでしょう?政治をするには、革命家らしく生命をすてる勇気がいるでしょう。ところがぼくはその勇気も才能もないから、絶望です。兄さんは羨(うらやま)しいですね〉

五郎の言うことは説得力がある。男は「作家」になるか、「革命家」になるか。物を書くのは、もどかしい。と思った人間は、命をかけて革命家になる。そして、どんどん死んでゆく。今だって同じだ。

④友情であり、愛なんだ。ところが…

雨宮処凛さん
雨宮処凛さん

さらに、革命家はプライドが強い。宗教家と同じだ。「世のため、人のため」にやってるのだ、という「使命感」があり、これは宗教と似ている。

五郎君の友達で、今は革命家になった人がいる。宗教などで悩んでいる五郎君を救いたいと思い、レポの女を寄越す。「党に献金しろ。そうしたら、君は救われる」と言う。宗教と同じだ。しかし、党のカンパに応じただけでどれだけの作家が捕まり、拷問されたか知っている。レポの女に、五郎君は、はっきり言う。

〈ぼくは命が惜しいから、弱虫だから、君たちの真似はできない。どうぞ早見君に伝えて下さい〉

早見君からレポ(伝令)、オルグ(勧誘者」として派遣された女性は言う。

〈わたしは今日、お宅に上って、彼の心がよく分かりましたわ。革命が今にも起きるというのに、先生はこんな大きな家に住むブルジョワで、平然と生きているのですもの。革命が起きたら生かしておいてもらえないでしょうからね。今のうちに資金のカンパに応じて、早く党に忠誠を示しておきませんと…。彼は先生を思えばこそ、わたしをよこしたんですわ。彼の友情ですわ〉
澤田哲生さんと(7/12)
澤田哲生さんと(7/12)

そうなんだ。「友情」なんだ。金を出させてやるのだ。そして、革命が起こっても殺されないようにしてやるのだ。愛情だ。友情だ。革命も宗教なのだ。

もうすぐ地球は滅ぶ。選ばれた人間だけが、UFOに乗れる。それが出来るのに、なぜ、あなたは迷っているのか。金を惜しんでいるのか。そういって布教している人もいる。

「愛」なんて皆、いいかげんなものだ。「愛国心」も、「人類愛」も、むしろ、そんなものがない人の方が、素直で明るい。

共産党のオルグは、「あなたを思えばこそ、救ってやりたいのだ」と言う。五郎君は応じない。論争が終わって、五郎君は言う。

〈「卑怯者だと笑って下さい」と面倒になって言った。
 「ええ、卑怯ですわ。敵に飼われて豚になったんですわ。革命が起きたら、真先に豚は四辻につれ出されて、見せしめのために、血祭りに上げられるでしょう」〉
一水会フォーラムでの澤田さん
一水会フォーラムでの澤田さん

怖いですね。資金カンパが得られなかったからといって、こんな脅し文句はないだろう。

宗教も革命も人間が考えたものだ。しかし、今や、その人間をも支配する。怖い話だ。人間の考えた「観念」が人間に取り憑き、その人間を突き動かし、「命だって惜しくない」と思わせる。自分の命だけならいい。他人の命をも要求する。

次郎君は、アンドレ・ジイドの小説の文句を思い出す。こんな言葉だ。

〈観念は人間と同じように生きている。観念は闘う。そして死にもする。勿論、観念は人間を通してのみ知り得るものと言えよう。それは、風が、それに吹き靡く葦(あし)によって知り得られるのと同様である。だが、風は葦よりやはり重要である。〉
〈…観念は人間によって存在する。だが、そこが実に悲壮なところだ。観念は人間を犠牲にすることによって、生きているのだ〉

⑤何としても読ませたい。その為には…

「不起訴」祝賀会で松岡社長と(7/12)
「不起訴」祝賀会で松岡社長と(7/12)

この『人間の運命』は、日本人全てに読んでほしい小説だ。そう思い、学校でも、言ったことがある。そしたら、本当に全14 巻を読破した生徒がいた。急に頭が良くなり、世の中のことが分かり、何と東大に入った。君だって全巻読んだら東大に入れる。

それなのに、世の中の愚かな連中は、電車に乗ると、携帯ばかりやっている。メールばかりしている。「本を読めよ!」と思う。昨日なんて、前のイスの9人、全員がメールしている。馬鹿のように。

突然襲いかかり、携帯を叩き落としてやろうかと思った。「本を読め!こんなことをしてると後で後悔するぞ!『人間の運命』を読め!」と。

今は私のことを狂気と思っても、後で感謝するだろう。これは確実だ。真理だ。でも、勇気がないから、携帯を叩き落とせない。私は革命家にも宗教家にもなれない。

その全巻読破した生徒と、この前、渋谷の「反原発デモ」で会った。今度、高木尋士さんや高橋さん達と『人間の運命』を読む座談会をやるんだけど、来てよ、と言った。いいですよ、と言ってた。

こんな時に、こんな所で会うなんて、人間の運命だ。レーニンさんや白井さんも読んでるという。でも全14 巻を読破した人でないと入れてあげない。

歌う東陽片岡さん(漫画家)
歌う東陽片岡さん(漫画家)

そうだ。最後に追記だ。03年の2月から7月まで5ヶ月で、14巻を読破した、と言った。よほど暇だったんだろう。と思った。

ノートパソコンを見たら、何と、イラクに行っていた。第1冊目を読んで、03年2月15日からは成田からイラクに向かった日だ。じゃ、飛行機の中で、読破した。バグダッドでデモや集会に出ながら、夜はホテルで読み、飛行機の中で読んでいたんだ。

さらに、3月10日は、「赤報隊」事件が時効を迎え、私は記者会見をしている。信仰していると、いいことがある。神の国が訪れたのだ。

又、4月18日〜21日は、「フランス国民戦線30周年大会」に招待され、木村三浩氏と共に、ニースへ行った。この時も、『人間の運命』を何冊もフランスに持って行って、飛行機の中で、ただひたすら読んでいたのだ。最も忙しく、最も激動的な時期だからこそ、頭に入り、考えながら読んだのだろう。

実は、『人間の運命』のことは、7月2日(土)の「仏教を考える会」で講師に呼ばれた時に、少し喋ったのだ。こんなに多くは喋らなかったが、少し話し、あと、日蓮宗のこと。なぜ右翼には日蓮主義者が多いのか(北一輝、井上日召、田中智学、石原莞爾など)…。又、創価学会をどう見てきたのか。について話をした。そのことを書く予定だったが、紙面が尽きてきたので、次の機会に。

又、『右翼は言論の敵か』で、中村武彦先生のことを取り上げた。右翼思想家だ。実は、その先生から、私は芹沢光治良の存在を初めて聞いたのだ。そのことも又の機会に書こう。アウフビーダーゼーエン。

【だいありー】
荒木浩さんと(7/9)
荒木浩さんと(7/9)
  1. 7月11日(月)午前中、原稿。1時、取材。夜、柔道。前から傷めていた膝を強打してしまった。歩けない。家までタクシーで帰って、すぐ寝た。
  2. 7月12日(火)中野ルノアールで堀辺正史先生にお会いする。7時、一水会フォーラム。澤田哲生先生(東京工業大学助教)。「原子力発電と新エネルギーを考える 第2弾」。澤田先生は原発推進派だが、バランス感覚がある。話せる先生だ。話もとても解りやすかった。最近はテレビでも引っ張りだこだし、この日も8時半で切り上げ、「これから京都です」。お忙しい中、本当にありがとうございました。
     終わって、二次会。私は中座して、鹿砦社の「祝賀会」に行く。2件、訴訟を起こされていたが、両方とも不起訴になったという。良かったですね。
     6時半から、屋形船を借り切ってのお祝い。そのあと9時から水道橋で二次会。携帯で連絡を取り合って、私はそこに合流した。松岡利康氏、深笛義也さん(作家)、東陽片岡さん(漫画家)らに会う。
出版記念トークの打ち上げで(7/6)
出版記念トークの打ち上げで(7/6)
  1. 7月13日(水)、午前9時〜1時まで、河合塾コスモ。夏期特別ゼミ。牧野剛先生が選んだ本を読む。熊野純彦著『日本哲学小史=近代100年の20篇』(中公新書)。なかなか、教えられる本だった。
     それから文化放送へ。今日のテーマは、「やらせメールにストレステスト。政治と原発、大迷走!」。被災地復興はそっちのけじゃないか。永田町の崩壊。永田町の復興ばかりが争点になっている。菅さんも、閣議では否決されるからか、テレビで思いつきを次々と言う。閣僚は大変だ。
     「編集長は見た!」は、月刊「ムー」の三上丈晴編集長。今日の特集は、
     「続々発見!火星に点在する謎の異常構造物群」
     東京スカイツリーの10倍の「火星タワー」もあるという。(落とした影の長さから測ったら、63kmだという)。
     「雲の中に巨大アダムスキー型UFOが出現!」
     「緊急警告!迫る!富士山大噴火」
     そして、極め付けは、
     「三島由紀夫がインドのアスカを極秘に訪れていた」
     インドにある地名の「アスカ」は理想郷という意味。それが、日本の「飛鳥」になったのではないか。三島も、インドに行った時に、アスカを訪ね、その秘密を探っていたという。
     これは、なかなか興味深い話だった。私も調べてみよう。
     Wコロンは屋外で取材。中継。
     「UST延長戦」は、「鈴木邦男の三島由紀夫講座」が終わって、今週からは「太宰治講座」。今日はサワリだけ。
  2. 7月14日(木)午前中、図書館。午後2時、骨法整体。膝が痛くて、足を引きずって歩いていた。思い切って治療に行った。一発で治った。ありがたいです。
     それから河合塾コスモ。夏休みで、もう授業は休みだが、自習室で勉強した。
     夜6時半、阿佐ヶ谷。レストラン山猫軒。鈴木義昭さんの『昭和桃色(ピンク)映画館』出版を祝う会。桜マミ、井家上隆幸、日名子暁さんらと会いました。
     思いがけない人にも会った。「30年後、僕は鈴木さんに襲撃されました。怖かったです。殺されると思いました。アッ、あの時の「被害者」か。申し訳ありません、と平謝りに謝りました。詳しくは次週に。あるいは、ツイッターで。
  3. 7月15日(金)11時、取材。2時、馬場「ミヤマ」。「布川事件」の桜井昌司さんと対談。『紙の爆弾』です。なぜ冤罪は生まれるのか。じっくり聞きました。
     又、桜井さんは長い間、千葉刑務所に入れられてました。「右翼の野村秋介さんは伝説的な人だから、よく話に聞いていた」と言ってました。見沢知廉にも会ったそうです。なかなか刺激的な話を聞きました。
  4. 7月16日(土)。東北学院榴ヶ岡高校の同窓会のため、仙台に行く。昼の新幹線で仙台へ。まず、兄貴の家に行く。
     それから、5時半から、ホテルメトロポリタン仙台。同窓会。そして懇談会。懐かしい同窓生達と会いました。終わって、仙台の夜の街へ。かなり飲みました。私の「武勇伝」を皆、覚えている。何もしてませんよ。教師を殴って退学になっただけなのに。「学院の恥ですよ」と言ったら、「いや、学院の誇りだ」。だったら、何度でもやりますよ。と言って笑った。
     仙台に泊まる。
  5. 7月17日(日)今日は2時から西宮で「鈴木ゼミ」だ。大変だな。まず、仙台から東京に行って、乗り換えて新大阪に行って、それから西宮と思ってたら、「飛行機がありますねん」と岩井氏。
     それで仙台空港から伊丹空港へ。岩井氏が迎えに来てくれた。そして西宮へ。早い。
     それから山田悦子さんと「冤罪事件」について話をする。「冤罪と私たちの社会=甲山事件から37年。冤罪を語る」。山田さんは無罪が確定するまで、事件から25年の長い歳月を費やしました。その長い闘いを支えたのは何だったのか、聞きました。又、他の「冤罪事件」の闘い方などについても話してもらいました。
     終わって、二次会。明日は神戸でトークがあるので、三宮に行って泊まる。
【写真説明】
青木理さんと対談しました(7/8)

①青木理さん(ジャーナリスト)と対談しました。7月8日(金)です。『紙の爆弾』の来月発売号に載ります。「死刑問題」を中心に話してもらいました。面会室で死刑囚の写真を撮り、大きな問題提起をしました。私は快挙だと思いました。これを契機に皆で、死刑の問題は、真剣に論ずべきだと思います。

死刑について語る青木さん

②高田馬場の「ミヤマ」の会議室で語ってもらいました。ギャラリーも7人ほどおりました。終わって皆で、近くの居酒屋「土風炉」に行ってお酒を飲みながら語り合いました。

絞首刑のロープ

③7月9日(土)、日本大学法学部三崎町キャンパス。「死刑廃止国際条約発効20周年記念集会」に行きました。集会の後、デモに行きましたが、「死刑台」もデモしました。絞首刑のロープも、実物そのまま(らしい)。後ろに「死刑囚」が控えています。

再現シーンです

④その「死刑囚」がいきなり、首を吊りました。私は何も出来ず、オロオロしておりました。

雨宮処凛さん

⑤集会で。対談が終わって、雨宮処凛さんが出てきました。オッカケとして、瞬間的にシャッターを押してしまいました。素敵なストッキングでした。

芹沢光治良

⑥芹沢光治良さんです。今回、取り上げた大河小説『人間の運命』の作者です。

『人間の運命』全巻(新潮社)

⑦『人間の運命』(新潮社)全14巻です。私もこの箱入りの版で読みました。感動します。あなたの人生が変わります。

昭和31年頃、東中野で

⑧昭和31年頃。新築する直前の東中野にて。芹沢さんは東中野に住んでたんですね。林芙美子は落合だし。この辺は偉い文学者が沢山住んでいたんです。

昭和40年頃、神田川で

⑨昭和40年頃。やはり、東中野です。神田川のほとりです。この辺は今も変わりませんね。

澤田哲生さんと(7/12)

⑩澤田哲生先生です。東京工業大学助教です。「原子力発電と新エネルギーを考える」。一水会フォーラムです。7月12日(火)です。

一水会フォーラムでの澤田さん

⑪原発推進の論を語ってくれました。

「不起訴」祝賀会で松岡社長と(7/12)

⑫鹿砦社が、訴訟を起こされて闘ってましたが、二つとも「不起訴」。その祝賀会が7月12日(火)、東京湾の屋形船で行われました。夜9時から陸に上がって二次会。私もそこに合流しました。松岡社長と2人でピースサインです。

歌う東陽片岡さん(漫画家)

⑬漫画家の東陽片岡さんも来てました。お祝いの歌をうたってました。

荒木浩さんと(7/9)

⑭7月9日(土)、死刑反対集会で。アーレフ広報部長の荒木浩さんと会いました。『紙の爆弾』で対談しましょうよ、と言ってるのですが。

出版記念トークの打ち上げで(7/6)

⑮7月6日(水)、阿佐ヶ谷ロフトで私の『新・言論の覚悟』の出版記念トークが行われました。終わって、打ち上げで…。レーニンさん、あゆみさん、篠田さん、植垣さんなどがおります。

【お知らせスペシャル】

ツイッターを始めたので大忙しです。でも一挙に1000人の友達が出来ました。励まされております。

@SuzukiKunyonです。

【お知らせ】
  1. 7月18日(月)、神戸。ギャラリー葉月(三宮駅徒歩4分。ビームスの北向かい)。戦争柄や三島柄などユニークな着物柄のデザイナーをしている芝崎るみさん、それに高木尋士さんと私が18日(月)2時よりトークをします。おしゃれな神戸で、おしゃれな話をします。
  2. 7月19日(火)6時45分、四谷区民ホール。月刊「創」主催で、緊急シンポジウム「原発とマスメディア」。出演者は、森達也、鎌田慧、河合弘之、綿井健陽、香山リカ、金平茂紀、鈴木邦男です。
  3. 7月21日(木)午後7時。代官山駅前の「山羊に聞く?」で、桃江メロンさん(作家)と私のトークがあります。見沢知廉氏のこと、民族派運動のこと、三島事件のことなどを話します。
  4. 7月25日(月)「和歌山カレー事件」を考える人々の集い。エル大阪6階大会議室(地下鉄谷町線、京阪天満橋駅下車)。18時20分開場。神田香織さん(講談師)と私の対談。弁護団報告などがあります。神田さんの新作講談「和歌山カレー事件」もあります。参加費800円。
  5. 7月31日(日)14時〜「7・31右から考える脱原発集会・デモ in東京 〜福島の子供たちと麗しき山河を救え!〜」があります。東京芝公園。
    いまこそ、すべての人に呼びかける脱原発のウェーブを!
    会場:芝公園23号地(東京都港区芝公園3丁目)
    http://www9.plala.or.jp/k1byking/bayside/shibakoen23.html
    (最寄駅/都営三田線「御成門駅」A1出口から徒歩3分
    東京メトロ日比谷線「神谷町駅」3番出口から徒歩4分)
    日時:平成23年7月31日(日) 14:00より集会 15:30〜17:00 デモ行進
    デモコース:芝公園〜東電前〜有楽町数寄屋橋〜水谷橋公園解散 (予定)
    参加費:無料 (どなたでもご参加いただけます。)
    詳しくは「右から考える脱原発ネットワーク」のブログを参照して下さい。
    http://maruta.be/anntokyo1107
  6. 8月7日(日)昼12時より、阿佐ヶ谷ロフト。「鈴木邦男生誕100年祭」トークイベント(その2)。
  7. 9月2日(金)新宿ネイキッドロフト。午後7時。漫画家のバロン吉元さん、植垣康博さん、私のトークです。「柔侠伝と戦後日本の歴史」です。
  8. 9月5日(月)7時。新宿ネイキッドロフト。見沢知廉第7回忌トーク。見沢映画完成の話を大浦信行監督に。他、山平重樹さん、高木尋士さん、私などが出ます。
  9. 9月9日(金)〜11日(日)。劇団再生による、見沢知廉七回忌追悼公演があります。「天皇ごっこ『蒼白の馬上』」です。小田急線千歳船橋駅前の「APOCシアター」です。11日(日)の14時からは特別トークがあります。大浦信行(映画監督)、山平重樹(作家)、高木尋士(劇団再生代表)、鈴木邦男による、「作品としての見沢知廉」です。
  10. 10月29日(土)、見沢知廉の映画が封切りです。大浦信行監督「天皇ごっこ。たった一人の革命」。新宿のk’cinemaで。この日より3週間上映です。