しかし、私なんて中学生の時なんか何も考えてなかったよ。秋田県の湯沢市に住んでたけど、田舎だから、自然の中で、自然と一体になって、ボーッとして暮らしていた。
日本に天皇陛下がおるということも知らなかった。首相がいるということも知らなかった。どじょうは知ってたし、捕ってたけど…。自分が日本人だ、ということも知らなかったんじゃないかな。非国民な中学生だった。反日的な中学生だった。
だから驚きましたよ。中学3年生の藤波心ちゃんに会った時は。こんなに賢い子が日本にいるのか。こんなに真剣に物事を考えてる子がいるのか、とビックリでした。
心ちゃんは脱原発アイドルで、14才。とっても可愛い子です。8月31日(水)、文化放送の「夕やけ寺ちゃん活動中」で会いました。
「実は心ちゃんの方から、ぜひ鈴木さんに会いたいということで、今日の企画は実現しました」と寺ちゃん。
エッ?本当ですか。中学生が私のことなんて知らないでしょう。「いや、知ってたんです。右翼なのに左翼のデモに出たりして、心が広い。と思ってたんですって」。
そうですか。普通は、そんな人を見たら、いいかげんな奴だと思うじゃないですかね。それに中学生が右翼とか左翼なんて知ってるんですかね。私が中学生の時は、近くにそんな〈鳥〉はいなかった。右の翼も、左の翼もなかったよ。
と悩んでいるところに、藤波心ちゃんが登場。「鈴木さんの本も読んでます」と言う。
エッ?何を。「『新・言論の覚悟』(創出版)です。全部読みました」。「中学生は読んじゃいけない本じゃないの」と寺ちゃん。よど号、連合赤軍、靖国、ザ・コーブをめぐる闘い…とか、危ないことも書いてる。「読んでどうでしたか? 分かりましたか」と再度、寺ちゃん。
「分かりました。文章も分かりやすく、中学生でも読めるように書いてるし。鈴木さんは学校の先生もやってるし、それで文章が分かりやすいのかと思いました。私が生まれる前の事件も多く、知らないことも多いのですが、その頃のことも、よく理解できました。右翼なのに左翼の人とも接し、話をしていく。とても勇気があり、心が広い人だと思いました」と心ちゃん。
ありがとうございます。先生に褒められたような気がして、嬉しかったです。普通だったら、「そんな変な運動してる人には近づいちゃいけない」と思うだろう。でも、「会ってみたい」と思う。偉いですね。私なんて中学の時は何も知りませんでしたよ、と言ったら…。
「それがよかったんでしょうね。中学までは自然のままにスクスク生きて、そして、高校になってから政治のこと、愛国心のことを考えて、悩んだ。だから今の鈴木さんがあるんです」。
あっ、そうなのか。と思いました。ちゃんと見抜いている。この日の文化放送では、野田新総理のこと。日中問題。そして、「編集長は見た」のコーナーにもずっといてくれて、コメントしてくれました。
政治や経済、外交の話になっても、「ところで心ちゃんはどう思う?」と寺ちゃんがふります。的確にコメントしています。私よりずっとしっかりしている。
Wコロンが登場した「謎かけ」の時も、聞いていて、コメントしてましたし。「USTREAM」延長戦は、「芥川龍之介を語る」でしたか。そこでも、発言してました。私の知らない芥川作品についても指摘してました。
この日は、関西から出て来て、早く帰る予定でしたが、最後まで付き合ってくれました。
そうだ!Wコロンと出た時、隣の心ちゃんをチラッと盗み見したら、何と、自分でも「謎かけ」を考えて、3枚ほどメモしている。自分がふられたら答えようと思って考えてるんだ。凄い。
でも、披露する時間がなかった。普通のタレントなら、「実は、私も考えたんですよ!」と言って、発表するだろう。でも、謙虚な人なんだ。そんなことはしない。
そうか!私が言わなくちゃならんのだ。「心ちゃんも謎かけ、考えてるようですよ」と。ダメだな。私は。気がつかないで。何のためのゲストだ。と自分で自分を叱りました。申し訳ありませんでした。子心ちゃん!
この日、心ちゃんから本をもらいました。中学生で、もう著書があるんです。売れてるんです。『14才のココロ』(徳間書店)です。今年の5月31日に出てます。
原発批判ブログで超有名になったんですが、元々、アイドルだったんです。「小学校4年の時から活動してました」。「活動」って何? 学生運動?と条件反射で思う私が古いんですね。芸能活動のことですよ。本には、「中学3年&ときどきB級アイドル」と書かれている。ずっと、ブログをやってたんですね。原発批判ブログで、何と、3日間で300万PV!で、大ブレークなんです。
「著名人が絶讃!渦中の中学生からのまっすぐなメッセージ」と本の表紙には書かれています。
私も、ココロちゃんのブログは読んでましたし、新宿の反原発デモの時は、(遠くから)心ちゃんが挨拶し、歌をうたうのを聞いてました。「ふるさと」を歌ってました。とてもよかったです。デモの解散地点、新宿のアルタ前でも歌ってました。
心ちゃんの3月17日のブログには、こう書かれている。
おばあちゃんの時代なんか、今ほど恵まれた環境じゃなかった。
現代人は「人」としての、一番大切なものを悪魔に売り払っていたのかもしれない。事故ったらとりかえしのつかない。
未来子孫に大変な悪影響を及ぼすこんなシステムを誰が一体作ったのだろう。
イチカバチかみたいな便利さ・豊かさなんて、私は絶対要らない…。
これが本当に賢い人たちのすることなんですか??
人類は本当に進化しているんですか?? 科学は本当に発達しているんですか??
さらに、続きます。そうですよね。日本史や世界史を読むと、原始、中世、近世、現代…と、進化したと教えているが、本当は進化してないのかもしれない。道具や環境は進んでも、人間の心は逆に退化してるのかもしれない。
そんなことを、私は今頃、感じてます。でも心ちゃんは、中学生で、もう感じてます。驚きです。
それに、冒頭、「おばあちゃんの時代」と書かれてます。随分、昔だろうな。なんせ、「おばあちゃん」だから。戦前とか、大正とか明治とか。それで、「おばあちゃん」の年を聞いて、ビックリ!私よりも若い! じゃ、私も「おばあちゃん」か。おばあちゃんの時代はね、よど号事件や三島事件や連合赤軍事件もあったんだよ、と孫に昔話をしなくっちゃいけん。
お母さんの年を聞いたら、貞包アナウンサーが、「あら、私と同じ」。じゃ、貞包さんがお母さんだ。「編集長は見た!」のコーナーに出た「クーリエ・ジャポン」の富倉さんは、「じゃ、僕はお父さんの年代だね」。寺ちゃんは、「僕は親類のおじさんだね」。で、私は、おばあちゃんか。だったら、白い犬でいいよ。なんか、ソフトバンクのCMの家族のようだな。でも、白い犬はお父さんだっけ?
3月23日のブログには、こう書かれている。
これだけの状態になって、
それでも、原子力が必要だって言ってる人は
失礼かもしれないけど、ある意味
もう、麻薬中毒みたいなもんだと思う。
凄いですね。ズバリと言いますね。「よく言ってくれた!」「偉い!」と反響の嵐ですよ。でも、批判、抗議、中傷のメール、FAX、電話、手紙なども殺到したそうです。内容は、「ブログを閉鎖・削除しろ!」「不謹慎だ!」「謝罪しろ!」「芸能界引退しろ!」等々だったという。
ウーン、ひどいね。それに、どこの誰かも知らない匿名の人ばっかりだ。中には「中学生で売れてる。私は何十年経っても売れない」「かわいいから憎い」といった嫉妬心もあるのでしょう。嫌ですね。
ここで思ったんですが、芸能人のブログは、事務所やマネージャーが、酷いのはカットする。根も葉もない中傷や、いやがらせを、わざわざ見せる必要はないと思う。韓国なんて、中傷メールで自殺した女優もいるんだし。
ところが、心ちゃんは、全てを見る。そして、ちゃんと返事を書く。出来ませんよ、こんなこと。大人のタレントだって、やってない。でも心ちゃんはやる。「メゲたり、傷ついたりしないの?」。「随分と落ち込んだこともありますよ」。それでも、全て見る。偉いね。
そこで、遠藤誠弁護士の話をした。帝銀事件や永山則夫事件の弁護士で、私はとてもお世話になった。心の広い人で、左翼だが、私らのことも、かわいがってくれた。タダで弁護をしてくれた。
よく出版パーティをやったが、「スピーチする人に、これだけは言いたい」と必ず釘を刺す。「私のことを絶対褒めないこと。必ず批判すること」。
これには困った。皆、苦労していた。その苦労した「批判」「罵倒」を聞いて、ガハハ…と心地よく笑っていた。こんな心の広い人はいない。右翼、左翼じゃない、人間だよ、と思った。
そして今、心ちゃんを知った。こんなに心の広い、勉強家で、しっかりした人がいたのか。「遠藤弁護士と心ちゃん。この2人が私の先生です」と言っちゃいました。
そうだ。「麻薬中毒」には続きがある。
よく麻薬中毒だった人が、インタビューとかで、少量の麻薬なら、自分の仕事の効率を上げるためには必要悪なんだみたいな風に、自分に言い訳していた…。
とか言ってたの思い出します。
そうですね。どうせ世の中は放射能であふれてる。レントゲンや、人間ドック、東京・ニューヨーク間の飛行機でも、放射能をあびている。放射能はあびた方が健康にいいんだ…と。学者先生が言ってますよね。
ともかく教えられたこと一杯の心ちゃんでした。
そうだ。今週は、「どじょう首相」についても書く予定だった。
私も、相田みつをは好きですよ。野田さんも、「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよな」が好きだそうです。それで、(やはり相田が好きな)興石さんを口説いたそうです。
野田さんは子供の時から苦労してた人なんですね。どじょうです。これからは、もう、どじょうを食べられません。演説もうまいんですね。というより、こういう形で、皆の前で話すチャンスがなかったんでしょう。
今までは。私は海江田さんと知り合いだから、海江田さんになってほしいと思いました。でも、野田さんもいいじゃないですか。もうすぐ新聞も飽きて、又、バッシングをやるでしょうが、「最低2年は辞めさせない」くらいに、やってほしいですね。
それに、野田さんは、プロレス好きです。「攻め」だけでなく、「受け」も出来る人です。それに柔道2段です。いいですね。「じゃ、勝てるかな」と一瞬思いました。私は3段ですから。
でも野田さんは高校の柔道部で2段をとったそうです。だったら強い。「すみません。とても敵いません!」と謝りました。文化放送で。
「でも、柔道で戦う、という企画もいいですね」と寺ちゃん。やらないよ、どこも。でも、面白いな。政治対談番組は全部、柔道ルールか、ボクシングルールで闘う。はっきり〈結果〉が出るし、いいかもしれない。
1.人を動かす科学の最前線。全ては「心理」が決めていた。
2.ITを駆使して森林を守る“現代的”なアマゾンの先住民。
3.“コリアン・ドリーム”を目指して韓国に渡る中国人の若者たち。
特に1番が面白かった。生まれながらの「知能」よりも「努力」が大切だという。
〈ニューヨークの500人の子どもを対象にした調査では、テストの後で一方のグループは「本当に頭がいい」と知能を褒め、もう片方のグループは「がんばって勉強したね」と努力を褒めた。
その後、何度かテストを繰り返すと、努力を褒めた生徒たちは平均点が30%上がった。知能を褒めた生徒は20%下がっていた〉
ほう、「20%下がった」のか。初め、一方は「30%上がり」、もう一方は「20%上がった」んだと思った。ともかく、褒めりゃいい。でも褒め方で10%の差がつく。そう思っていた。でも、違う。「頭がいいね」と褒めるだけだと、20%下がるんだ。子供が慢心するからか。努力しなくてもいいや、と思うからか。
努力を褒められた子は30%上がり、知能を褒められた子は20%下がり、計50%の違いが出るんだ。決定的だよ。じゃ、美人もそうかな。「いつもきれいだね」と言われてる人はどんどん下がる。「きれいになったね」「どんどんきれいになるね」と言われる人は美人度がアップするはずだ。この統計もとってほしい。私の右傾度はどんどん下がりっぱなしだ。全く褒められないからな。
この日の文化放送は、そのあとWコロン。そしてUSTREAMでは、私の「芥川龍之介、現在」。今日は「羅生門」です。戦国時代の陰惨な話です。来週は、「藪の中」をやります。
夜、帰って、原稿を書く。朝までかかって書き上げて、宅急便で送る。ヘロヘロだ。
①8月31日(水)、文化放送。藤波心ちゃん、貞包アナウンサーと。心ちゃんは今日が夏休み最後だそうです。「宿題やったの?」と聞いちゃいました。
可愛らしくて、ピュアーで、しっかりしてます。「私はお母さんと同じ年だ」と貞包アナ。でも、どう見ても姉妹ですよ。
⑤「海江田新総理と」。と、キャプションをつける予定だったのに…。1位だったのに決選投票で負けました。残念です。でも、近いうちになるでしょう。海江田さんは、昔から、よくテレビや、いろんな集会でご一緒しました。
⑥石塚さとしさんと。月刊「マスコミ市民」の代表です。実は、この人が去年、茨城県議選に出たんです。民主党から。10月26日(火)に「石塚さとし君を県政におくる会」が行われました。
その時、海江田さん、江田さんなどが応援に駆け付けたのです。海江田さんは幕末の維新の志士の話をしてました。終わって挨拶したら、「鈴木さんを見かけたんで、意識して志士の話をしたんですよ」。ありがたいです。
⑦超過激な人たちです。8月7日(日)の私の「生誕祭」の時ですね。左から、パリ人肉事件の佐川一政さん。元刑事の飛松五男さん。指名手配になり15年間逃亡し、時効を迎えた、赤軍派の金廣志さん。オウムの村井最高幹部を刺殺した徐裕行さん。1人だけ普通の人。
⑬帰りの船の中です。疲れ果てて、バタンキューでした。でも、どうして私のカメラに写ってるんでしょうか。真ん中で寝てるのは私なのに。勝手に鞄から飛び出して撮ってくれたんですね。凄いカメラです。凄いITです。