2012/08/13 鈴木邦男

デモが変える!抗議運動が変える!

①勝ったのは飯田さんの方だ!

坂本龍一さんと(8/3) 坂本龍一さんと(8/3)

「60年安保闘争を思い出すよな」と言ってる人がいる。「70年決戦の時のようだな」と言ってる人もいる。年輩の人たちも多い。

その中に、若者も混じっている。中には子供連れもいる。そんな人々を守ろうと、「ファミリー・ゾーン」も作られている。安全に、安心して「抗議運動」が出来るようにと配慮されている。

毎週金曜日に行われている官邸包囲デモ。又、7月29日(日)に行われた国会包囲デモ…。抗議の声、行動は大きくなるばかりだ。

一切無視を決め込み、「音が大きい」と言っていた野田首相も、〈これは音ではない。国民の抗議の声だ〉と、やっと分かったのだろう、「運動の代表者と会う」と言った。

しかし、党内からの反対の声で、延期になってしまった。「決断」を売り物にする首相だ。すぐに会えばよかったんだ。

あらゆる人々の声に耳を傾けるのは必要だ。それなのに、「特定の人と会うのはよくない」「ルールを無視してはいけない」と党内から突き上げられ、延期にしてしまったのだ。

飯田哲也さん、今井一さんと 飯田哲也さん、今井一さんと

変な話だ。どんな人であろうと、特定の人だろうと、多くの人々の声に耳を傾ける。そして国民の要望、不満を聞き、決断する。それが、「政治主導」ということだろう。

「永田町のルール」だけに縛られ、財界の要望だけを聞き、アメリカだけに目が向いている。それこそが、「特定の人々」への配慮だ。

でも、首相は、スポーツ選手の訪問を受けたり、「リンゴ娘」「サクランボ娘」に会ったりもしている。

だったら、「デモ娘」たちにも会っていい。多くの人々にあって、声を聞いたらいい。

7月30日付の「東京新聞」は、1面トップが「脱原発の灯 国会包囲」だった。

これは凄い。他の新聞は、皆、オリンピックが1面なのに。この時期、一般新聞も全て、「スポーツ新聞」になってしまった。

その点、東京新聞は偉い。今、何が一番大切かを、キチンと伝えている。その点産経は国会包囲デモについて1行も書いてない。〈事件〉を全く伝えない。変だ。

三上治さんと(テント村で) 三上治さんと(テント村で)

この日の抗議行動には私も行ってたが、人、人、人だった。「デモ」ではない。「抗議行動」だ。

全く人は動かない。歩かせない。歩道から少しでも出ると警察が大声で注意する。

それに対し、「抗議行動」参加者から怒りの声が飛ぶ。「いつまでこんな規制をしてるんだ!」「弾圧はやめろ!」「警察官は帰れ!」と。

いたる所で、警察官との口論がある。いつ、乱闘になるか分からない。ハラハラしながら、参加した。

8月3日(金)の官邸包囲行動にも参加した。ここでも20万人だ。周りの歩道は抗議する人々で、ぎっしりだ。全く身動きがとれない。

その時、知った声が耳に入ってきた。「山口県知事選を闘った飯田哲也さんが来てくれました! ご挨拶をお願いします」という司会の紹介のあとに、飯田さんが挨拶する。

選挙直前に山口知事選への出馬を決めた。25万票対18万票で敗れたが、自民、公明が推薦する山本繁太郎氏だって、「原発凍結」を言って、やっと勝った。飯田さんの主張を取り入れて、「抱きつき」で、かろうじて勝ったのだ。だから、結果的に飯田氏が勝ったようなものだ。

②ダメですね。弱気な私は…。

松元ヒロさんの熱演 松元ヒロさんの熱演

「選挙期間中は、もの凄い反応でした。1日1日、支援の声が増えていくのか分かりました。もう1週間あったら確実に勝てました!」と飯田さんは断言する。その興奮状況の選挙戦は見てみたかった。

実は、池田香代子さん(作家)に誘われていた。「一緒に、応援に行きましょうよ」と。

7月22日(日)に西宮で「鈴木ゼミ」をやった。その時、池田さんは言った。「今晩、これから山口に行きます」と。飯田さんの応援だ。「鈴木さんも行きましょう」と。

行きたかったが、私は東京に用事があって帰らなくちゃならない。残念だった。

それに、私なんかが応援に行ったら、かえってマイナスになるんじゃないのか。そんな心配もあった。

私は市民派の人や、左翼的な人にも友人が多い。時々、「選挙応援に来てくれよ」と言われる。

少しでも役に立てばいい。でも、周りから「迷惑」がられることも多い。本人は友人だから、「ぜひ来てくれ」「右から左まで応援が来ると、幅が広がる」と言うが、選挙事務所の人は、冷静に分析する。

あべ・あゆみさんたちと あべ・あゆみさんたちと

「いや、右翼はダーティイメージだ。それが来るとマイナスだ」「他の候補から、“右翼とつるんでる”“黒い付き合いだ”と批判される。怪文書も出される」と心配する。

地方に応援に行ったら、選挙の事務局長に呼ばれ、「候補者は、ああ言ってますが、右翼が応援に来たとなるとマイナスだ。相手候補から何を言われるか分からない。

だから、ここは黙って帰って下さい」と言われた。「俺は候補者に呼ばれたんだ」と思ったが、あとで、「お前のせいで落ちた」と言われたら申し訳ない。

だから候補者には、「すみません、急な用事が出来たんで帰ります」と言って帰った。

そんなことが何度かあった。「なんだ、わざわざ来て、帰るのか!」と候補者には恨まれるし、周りの人たちには、「右翼のくせに」と白い眼で見られる。

「右翼の原罪」だ。そんな経験が何度かあるから、つい、「選挙応援」には臆病になる。

保坂展人さんの世田谷区長選の時は、ロフト人脈や、極左の人、変わった人が総動員で応援に行った。

そんな時は、私が行っても、「変な人」の一員で応援出来た。だからよかったし、本人も当選した。

二次会が終わって 二次会が終わって

しかし、それ以外は、たとえ保守だろうと、革新だろうと、私が応援に行ったらマイナスだ、と思っていた。

山口県知事選に出た飯田さんの時も、その心配が働いた。本当にかわいそうだ、私が。

だから、8月3日(金)に官邸デモで飯田さんに会った時も、「私なんかが行ったんじゃマイナスだと思いまして」と正直に言った。

せっかく盛り上がっている「飯田ブーム」に水をかけちゃう。「何で右翼なんか来るんだ」「原発も右翼も帰れ!」と言われるんじゃないか。そう思ったんですよ…と。

「いや、違いますよ」と飯田さんに言われた。

「山口は保守王国だ。そこに、右翼運動を長い間やっていた鈴木さんが来て、脱原発を言う。そしたら、流れがガラリと変わりますよ!」

③私は賢者にはなれんよ。〈歴史〉に学んでない

1972年の鈴木(新聞社勤務の頃) 1972年の鈴木(新聞社勤務の頃)

そうなのか、と思った。申し訳ありませんでした、と謝った。少しでも貢献出来たのに、遠慮して行かなかった。

申し訳ありませんでした。自らの小さな経験からしか学んでない。もっと大きなところに目を向けなくては…と反省した。

「愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がある。この「愚者」とはまさしく、私のことだ。

「又、何かあったら連絡しますから、携帯を教えて下さい」と飯田さんに言われて、教えた。又、「次の行動」を考えているのだろうか。今度こそ、お役に立ちたいと思います。

この時は、飯田哲也さんは今井一さんと一緒でした。今井さんは、原発は国民投票で決めよう、という運動をやっている。

大賛成だし、私も賛同人になっている。2人としばらく立ち話をしていたら、マエキタミヤコさん、池田香代子さんたちに会った。

そして、メインスタジアム(というのかな。発言者のコーナー)に連れて行かれた。何と坂本龍一さんがいる。紹介され、話をした。

坂本さんは中沢新一さんとも親しいし、脱原発の「顔」になっている。いろんな話をした。もっともっと話を聞きたいですね。

次の週、8月10日(金)の「官邸前デモ」にも行った。「デモ」じゃないな。

デモなら車道を歩くが、官邸前は、国会関係や議員の車が多いから、デモは許可しない。でも、道路を歩くのはやむなく許可している。

歩くといっても人が多いから、止まって、叫んだり、演説するだけだ。

でも、それが20万人ともなると、永田町全体が「反原発」になる。ところどころで、舞台、というか、スピーチ台が造られ、演説している。

官邸のすぐ前がメインだが、他にも、いくつも、演説場がある。8月10日も、メインの場所を目指してたんだが、全く進まない。

そしたら、別のところで、ロフトの加藤さんが司会をしていた。「鈴木さんも喋って下さいよ」と言う。いいですよ、と言って、その前に全体を見てこようと歩いたが、全く進めない。全体の十分の一も進めない。

仕方ないので、加藤さんのコーナーに戻った。黒山の人だかりで、いろんな人が演説している。

「フランスにいる日本人です」「福島から来ました」「青森から来ました」という主婦も話している。

そのうち、「社民党の阿部知子さんです」と司会。おう、頑張っている。

終わって声をかけたら、「あら、鈴木さん久しぶり」。そこで立ち話をしてたら、隣に大きな人がいる。

あっ、共産党委員長の志位和夫さんだ。ビックリした。「あっ、久しぶり」と握手された。そして、写真を撮った。隣には、共産党・衆議院議員の笠井あきらさんがいる。

加藤さんが「次、鈴木さんお願いします」と言ったが、「忙しいとこを志位さんが来てるんだから、先にお願いしましょう」と言って、志位さんに挨拶してもらった。

さすがに、うまい。テレビカメラ、新聞社の人も、ドーッと集まって来る。

その次は、笠井さんだ。それから私の挨拶。

これも感動だ。こんなこと、なかなかない。社民党の阿部さんが挨拶し、共産党の志位さん、笠井さんが挨拶し、それから私だ。

周りにいた人たちもビックリしていた。「だから、右も左もないんですよ!」と挨拶した。

それに、ここに来て、ショッキングな体験もした。

④「脱原発」に右も左もない

8月4日の「大生誕祭」第1部 8月4日の「大生誕祭」第1部

何と、右翼の街宣車が走っていて、「何が脱原発だ!馬鹿野郎!」と怒鳴られた。「さっきは、右翼の人に怒鳴られました」と言った。

この日、竹島に韓国の大統領が上陸した。そのことで、韓国大使館に抗議に行き、その帰りにこっちに来たようだ。

勿論、竹島、尖閣列島、北方領土は日本の固有の領土だ。その島は守られなくてはならない。

今、福島は原発で汚され、住めなくなっている。その土地を守るのも日本人の努めだ。美しい日本を守る。日本の土地を守る。その点では竹島問題も「脱原発」も同じだと思う。

それに、こうした問題には、右も左もない。政党の違いもない。現に、こうして社民党、共産党と共に、私も喋っている。

さらに、年齢を超えて、これは全国民の問題なのだ、と訴えた。

森達也さんも加わって… 森達也さんも加わって…

そしたら、次の挨拶は、何と高校1年生だった。ハーフの子だ。とても、しっかりしている。なぜ脱原発なのかを理路整然と語る。凄い。皆の拍手を受けていた。

さらに、次は驚くことに、小学3年生だ。「なぜ原発は必要ないのか、お話しします」と言って、話す。凄い。なぜ野田首相は、原発と消費税にこだわるのか、についても話す。

驚いた。私なんて小学3年の時は、日本に首相がいるなんてことも知らなかった。首相の名前なんて、勿論、知らない。凄い、凄い。立派な活動家になるだろう。

ということで、午後8時まで、ビッチリ、やりました。

あっそうだ。今回は、「大生誕祭」の報告を書こうと思ったんだ。でもいいか。「脱原発」の方が重要で、大きなテーマだから。

第2部「北朝鮮論」 第2部「北朝鮮論」

ただ、一言だけ付け加えよう。「大生誕祭」は大盛況でした。

第1部は森達也、青木理、斎藤貴男さんたちと「言論の自由」「言論の覚悟」の話をした。ジャーナリズムの問題だ。

そして、第2部は「訪朝報告」だった。

訪朝報告は、もっと詳しくやろう。そこで、北朝鮮問題をもっと語ろう。という声も出ていて、椎野レーニンさんたちを中心にその企画は進められている。

それと、第1部の方も反響がよくて、「ぜひ続篇を!」ということになり、10月に「続篇」をやることになった。頑張ってやりましょう。

ロフトは最近、出ることが多いです。「週刊金曜日900号記念」「創30周年」「100才生誕祭」…と、他にも言論をめぐる〈大激論〉がいくつもあった。

そうだ。8月15日(水)は、終戦と日本の自立、憲法をめぐって、阿佐ヶ谷ロフトと、ロフトプラスワンで、同じような企画がある。

森達也さん、斎藤貴男さんと 森達也さん、斎藤貴男さんと

阿佐ヶ谷から先に声がかかり、行くことに決めた。そのあと、ロフトプラスワンからも「出てくれ」と言われた。「でも、阿佐ヶ谷が決まってますから」と断った。

その後にも、「ロフトプラスワンにも出てくれ」と強硬に言われ、両店の店長が会談、激論になった。竹島をめぐる日韓のバトルのようだ。

それで、「鈴木二分論」で話がついた。この日は昼、文化放送で、やはり、終戦の企画だ。

それが終わって、午後7時半から9時まで、阿佐ヶ谷ロフト。午後9時から11時までは、ロフトプラスワンだ。

大丈夫なのかな、と思いながらも、頑張ってやらなくっちゃと思ってます。

【だいありー】

「創」30周年トーク(8/7) 「創」30周年トーク(8/7)
  1. 8月6日(月)映画「カルロス」の試写会があったんですが、原稿が出来なくて、行けなかった。残念。あの有名な、伝説のテロリストです。それも、5時間半の大作です。9月1日から劇場公開なので、それで見ましょう。夕方、打ち合わせ。
  1. 8月7日(火)午前中、原稿。午後2時、国際問題を考える座談会。夕方までかかるだろうし、終わって、7時からロフトプラスワンに行こうと思った。「創」30周年トークライブがある。

ところが、座談会は2時間で終わった。じゃ、あの映画を見に行こうと思って、テアトル新宿に行った。4時45分から6時45分まで、ヤン・ヨンヒ監督、井浦新主演の「かぞくのくに」だ。試写会の案内をもらってたけど、見れなかったので劇場公開で見たのだ。

「時の人」清武英利さんと(8/7) 「時の人」清武英利さんと(8/7)

いい映画だった。「帰還事業」で北朝鮮に渡った16才の青年が25年ぶりに日本に帰る。病気治療のため、一時帰国だ。日本に帰り、何を見、何を考えたのか。「帰還事業」とは何だったのか。日朝関係はどうあるべきか。そんなことを考えさせられた。

終わって、ロフトプラスワンに行く。

創出版30周年記念イベント
(第1部)清武問題とジャーナリズム
(第2部)雑誌ジャーナリズムの現状

私は第2部参加だから、8時過ぎに来ればいいと言われてたが、清武英利さんに会いたかったので、早めに行きました。紹介してもらい、始まるまで、いろいろお話をしました。読売のナベツネ相手に闘うのですから、凄い勇気です。

第2部は田原総一朗さん、山口一臣さん、北村肇さん、矢崎泰久さん、綿井健陽さん、元木昌彦さん、そして私でした。白熱した対論になりました。

田原さんを囲んで(控え室で) 田原さんを囲んで(控え室で)
  1. 8月8日(水)午前中、図書館。午後3時、文化放送。今日のテーマは
〈原爆の日を迎えた被爆国ニッポンの進むべき道とは〉

広島は67回目の「原爆の日」を迎えた。忘れてはならない日だ。今回の平和記念式典には、広島、長崎への原爆投下を命じたトルーマン元アメリカ大統領の孫、クリフトン・トルーマン・ダニエルさんが初めて来日し、広島の平和記念式典に参列した。「祖父の決定は今ここで判断できない」と評価は避けながらも、式典で黙祷を捧げた際の心境を問われると、

「原爆で亡くなった魂のことを考えました。美しかった広島で何があったか、人々がどんな風に暮らしていたかを想像した」と答えた。さらに、「二度と核兵器が使われないよう自分も貢献したい」と語った。

これは立派だと思う。アメリカの政治家、又、ハリウッド俳優でも、平和式典参加には躊躇する。アメリカの「国策」が問われることになるからだ。しかし、それの評価は避けながらも、黙祷し、核のない世界を創りたい、と答える。ダニエルさんは勇気があると思った。

ダニエルさんは長崎には出席するが、アメリカの駐日大使も参加するという。だから、アメリカの事情もかなり変わってきているのだろう。アメリカ大使には、一水会の木村氏が何度も会い、書簡を出し、ぜひ祈念式典に参列してほしいと要望していた。

又、野田総理は、平和祈念式典で、「脱原発依存の基本方針の下、中長期的に国民が安心できるエネルギー構成の確立を目指す」と話した。「中長期的」という言葉は曖昧だ。誤魔化しだとの批判もあるが、脱原発の国民の声に揺れているのだろう。

さらに、広島、長崎では、被爆者の高齢化が進み、語り部が減少の一途をたどっている。こうした現状を受け、広島市は今年、語り部の後継者を募り、養成していく事業に着手したという。

こうした問題について語った。

「編集長は見た!」のコーナーは、久しぶり、月刊「ムー」の三上丈晴編集長。

特集は、「出口王仁三郎の大予言2012」。これは興味深かった。出口王仁三郎の大本教は、「生長の家」のルーツだ。谷口先生はここの出身だ。又、合気道の祖、植芝盛平先生も大本教にいた。だから、二重の意味で(つまり「生長の家」と合気道と)、大本教は私のルーツでもある。

又、大本教をモデルにした高橋和巳の『邪宗門』は、私の最も好きな本だ。

さて、出口の予言だが、

〈日本近海に眠る膨大な量の「宝」が日本を救済する〉

実際、鹿児島湾で見つかった180年分のレアアース。新潟県沖にあるとされる中東の中規模油田並の油田など…。

他にも、出口の予言の数々が紹介された。

他の特集では、

〈ハワイ・オアフ島の海岸に数百万匹。正体不明の小さな生物が打ち上げられた〉

もしかしたら、宇宙外生命体かもしれない。

〈石を食べて、電気にアレルギー反応!イギリスに想像を絶する病状に悩む女性達がいた!〉
〈ロシアの国立エルミタージュ美術館を守り続けるネコ警備隊の正体〉

美術品がネズミにかじられないように、「ネコ警備隊」が組織されていた。そういえば、昔、日本の修行僧が中国から仏典を日本に持ってきた時、仏典をネズミから守るためにネコを連れて来た。だからネコは偉いのだ。仏典を守り、美術品を守り…。

文化放送が終わって、急いで高田馬場へ。少し遅れたが、一水会フォーラムに出る。講師は小河正義さん(航空評論家)で、「オスプレイは安全か?」。今、最もホットな話題でもあり、満員だった。とても勉強になりました。終わって二次会。

  1. 8月9日(木)午前11時半から、新宿のK’s cinemaに行く。映画「ニッポンの嘘=報道写真家・福島菊次郎90歳=」を見る。凄い映画だった。たった1人で、こんなに凄い闘いをしてるとは。

戦争、原爆、公害、学生運動などの写真を、体当たりで撮り続けている。国家の犯罪を暴くためなら、自らも犯罪をおかしていい、という強固な信念を持っている。

自衛隊を取材した時、「約束を守らない」「騙して取材した」と批判されると、「自衛隊そのものが、国民を騙して作ったものだ」と反撃。凄いカメラマンだ。

そのあと、河合塾コスモで勉強。午後8時、代官山、ロックの会。脱原発の集まりだ。松田美由紀さん、マエキタミヤコさんたちが主催している。今月は、田中優さんと経産省資源エネルギー庁の村上敬亮さんとの対談。時に対立し、時に合意点もある。次のエネルギーをどうすべきか。それをめぐって、かなり具体的な話だったので、とても勉強になった。

政治家や活動家の報告よりも、こうした、具体的、建設的で、じっくりとした話し合いの方がいい、と私は思いました。

  1. 8月10日(金)午前中、原稿。12時、赤坂で人に会う。趙ビッグな人たちだ。それから、参議院議員会館。そして5時から、「官邸抗議行動」に行く。
     私も挨拶した。私の前は、社民党の阿部知子さん、共産党委員長の志位和夫さん、笠井あきらさん、それから私。だから、凄い取り合わせだ。脱原発に右も左もない。それを痛感した。
  1. 8月11日(土)午前中、原稿。午後2時、ホテルサンルート高田馬場。三島由紀夫研究会の公開講座に出る。案内を見たら、宮本雅史さん(産経新聞那覇支局長)が講師で、「沖縄問題にみる日本の国防」なのでこれは行かなくちゃと思った。久しぶりに宮本さんに会った。いい話だった。勉強になりました。
  2. 8月12日(日)午前中、図書館。午後から、ビートたけしの展覧会を見に行った。「絵描き小僧展」。東京オペラシティアートギャラリーで。面白かった。

【写真説明】

坂本龍一さんと(8/3)

①8月3日(金)官邸包囲デモで、坂本龍一さんに会いました。さすがに、いるだけで大きな存在感がありますね。中沢新一さんとも仲良しだし、そんな話をしました。又、ゆっくり話を聞かせて下さいと言いました。このあと、坂本さんはテレビの出演に行きました。

飯田哲也さん、今井一さんと

②山口県知事選を闘った飯田哲也さん(中央)。そして原発を国民投票で!という運動をしている今井一さん(右)と。「選挙応援に行けなくてすまみせん」と謝りました。今井さんの「国民投票」運動には私も賛同人になっております。お二人の力は大きいです。

三上治さんと(テント村で)

③官邸包囲デモのあと、経産省前まで行きました。脱原発テント村です。三上治さんがいました。頑張ってます。

8月4日の「大生誕祭」第1部

④8月4日(土)午後1時より、阿佐ヶ谷ロフトで私の「生誕100年祭」をやりました。その第1部です。〈闘う言論・表現の覚悟〉がテーマでした。(左から)司会の白井基夫さん(週刊金曜日)、鈴木、斎藤貴男さん(作家)、古川琢也さん(ルポライター)、青木理さん(作家)、中川右介さん(作家)。
 大好評でした。「ぜひ、この続篇をやってくれ!」という声が多く、10月にやることになりました。でも「生誕祭」が年に2回やるんじゃ、倍の早さで年取っちゃうよ。

森達也さんも加わって…

⑤第1部の終わり頃に、森達也さん(作家)が駆けつけてくれました。じゃ、残って、第2部にも出て下さいと、なりました。

第2部「北朝鮮論」

⑥第2部の「北朝鮮篇」です。初めに、貴重な「記録映像」が流されます。7月に行った訪朝団が、「よど号」グループと会い、討論する。遊園地で「絶叫マシーン」に乗る。…と、驚きの映像です。連合赤軍の植垣さんは、「よど号」赤軍の人々とは再会です。いや初めての対面です。同じ運動をしていながら、別々のところで闘っていたので、実際に会うのは初めてなんですね。
(左から)司会の椎野レーニンさん、塩田ユキさん、植垣康博さん、鈴木、新崎盛吾さん(共同通信社)、山中幸男さん(救援連絡センター事務局長)。7月に訪朝したのは、レーニン、塩田、植垣、山中さんです。

森達也さん、斎藤貴男さんと

⑦森達也さん、斎藤貴男さんと3人で。こんなポーズをして、本の表紙になったことがありましたね。『言論統制列島』(講談社)です。その後、河出文庫になりました。タイトルは、より過激に、『言論自滅列島』になりました。

松元ヒロさんの熱演

⑧あの人気コメディアンの松元ヒロさんが来てくれました。「見に来ただけです」と言ってましたが、無理に頼んで、コントをやってもらいました。さすがです。二次会、三次会にも付き合ってくれ、そこでも「原発ネタ」などをやってくれました。本当にありがとうございました。皆、大喜びでした。

あべ・あゆみさんたちと

⑨「劇団再生」のあべあゆみさんたちと。セブンイレブンで、プリントしてたら、知らないおばあさんが、覗き込んで、「かわいいですね。お孫さんですか?」。失礼な人だ。「ウルセー!」と言いそうになりました。でも、前にも同じことを言われたな。LIFEで。「同一犯人」かな?公安のSかな?

二次会が終わって

⑩二次会が終わって記念撮影。松元ヒロさん、森達也さんが中央にいますね。このあと、三次会に行ったんですよ。

「時の人」清武英利さんと(8/7)

⑪8月7日(火)、ロフトプラスワン。「創出版30周年記念イベント」。「時の人」清武英利さんと。読売のナベツネを相手に闘ってる人です。凄いです。本当に「言論の覚悟」ですよ。始まる前に、いろんなことを聞きました。

「創」30周年トーク(8/7)

⑫清武さんがこの第1部に出て、そのあと第2部は、「雑誌ジャーナリズムの現状」です。
(左から)北村肇さん(「週刊金曜日」発行人)、山口一臣さん(前「週刊朝日」編集長)、鈴木、元木昌彦さん(元「週刊現代」編集長)、矢崎泰久さん(元「話の特集」編集長)。矢崎さんは、「時間がないから帰る。一言だけ鈴木さんに言いたい!」と言って天皇問題、戦争について激しいことを言って、帰りました。

田原さんを囲んで(控え室で)

⑬ロフトの控え室で。(左から)鈴木、矢崎泰久さん、田原総一朗さん、山口一臣さん。田原さんは第2部の初めに出て、仕事ため中座しました。

「SAPIO」8月22・29日号

⑭『SAPIO』(8月22・29日号)は凄いです。各新聞、電車の吊り広告にも大きく出てました。特集「ネトウヨ亡国論」です。
〈これで「ニッポン」が救えるのか?
 この国の本当の「保守」とは何か〉
 本当の「保守」の櫻井よし子さん、小林よしのりさんが叱ってます。『ネットと愛国』の安田浩一さんが喋ってます。ともかく驚きの大特集です。

「右翼」から「ウヨク」への注文状

⑮私も喋ってます。「右翼からウヨクへの注文状」です。
〈君がやっていることは運動ではなく弱い者いじめだ。安全地帯から出よ、「尊敬できる敵」と戦え〉
と言ってます。

『東京人』(9月号)「特集1972年」

⑯『東京人』(9月号)の特集も凄いです。「特集 1972年」です。この年に〈全て〉があります。連合赤軍事件、田中角栄登場、ニクソン訪中、川端康成自殺…と。一水会が出来たのも、この年ですね。

御厨貴さん、泉麻人さん、鈴木

⑰この『東京人』で、座談会に私も出ています。御厨貴さん(前東大教授、現放送大学教授)、泉麻人さん(コラムニスト)と。座談会のあと、外で撮影しました。
「さよなら連帯、そして愉しき日常が始まった」
(1972年)を読み解き、あの年から日本の全てが変わったと言います。読んでみて下さい。

1972年の鈴木(新聞社勤務の頃)

⑱「じゃ、1972年には何をしていたのか」。その時の写真を持ってきて下さいと言われました。私の出したのはこの写真です。1970年に産経新聞社に勤め、初め販売局。1972年は広告局に移りました。これは広告局の社員旅行の時の写真です。伊東に行きました。
 後列、左から2人目です。何か、ボーッとしてますね。1人だけ、無能社員というのが一目で分かりますね。そして今もボーッとしています。

【お知らせ】

「SAPIO」8月22・29日号 「SAPIO」8月22・29日号
  1. 月刊「創」(9、10月号)発売中です。先頃亡くなった漫画家の畑中純さんのこと、そして青木雄二さんのことを書きました。
     やはり、発売中の『紙の爆弾』では、塩田ユキさんと対談しています。「笑の内閣」のお芝居「ツレがウヨになりまして」の、まるでモデルになったような体験の持ち主です。かつて岡山に住んでいた時、ツレが突然ウヨになったそうです。気の弱い、普通の男だったのが、突然、「愛国者」になって、活動し始めた。「警察も我々の味方だ。だから何をやっても捕まらない!」と豹変したそうです。そして破局。「恋人よりも国」を愛したのでしょう。その恨みから、彼女は、左翼になったそうです。ドラマチックな人生です。
「右翼」から「ウヨク」への注文状 「右翼」から「ウヨク」への注文状
  1. 先週も紹介しましたが、『東京人』(9月号)では、「1972年特集」です。御厨貴さん、泉麻人さんと私の座談会も載ってます。〈さよなら連帯、そして愉しき日常が始まった〉です。
     又、『SAPIO』(8月22・29日号)は、特集が「ネトウヨ亡国論」です。『ネットと愛国』の著者・安田浩一さん、小林よしのりさん、櫻井よし子さんらが書いてます。私も出てます。
  2. 8月15日(水)午後7時から9時まで、阿佐ヶ谷ロフト。9時から11時まで、ロフトプラスワンに出ます。
     阿佐ヶ谷ロフトは、〈戦後67年特別企画・「戦後」を超えて憲法から原発まで徹底討論〉。出演は、田中秀臣氏。古谷経衡氏、久野潤氏、山口祐二郎氏、そして私です。(私は前半だけ出ます)
『東京人』(9月号)「特集1972年」 『東京人』(9月号)「特集1972年」

ロフトプラスワンは、

〈平和だからできること。戦場よりリング場、戦場よりエロス場〉

出演は、前田日明氏、黒岩由紀子さん、戸川昌子さん、木村三浩氏、関川光雄氏、滑川裕二氏、花田紀凱氏、平井康嗣氏、福原進氏、三上治氏、三井環氏、元木昌彦氏、そして私です。(私は後半だけ出ます)

  1. 8月16日(木)〜19日(日)千歳船橋・APOCシアターオフィス再生の舞台があります。「正義の人びと=神の裁きと訣別するための残酷劇」です。8月17日(金)には、19時より、高木尋士氏と私のプレトークがあります。
御厨貴さん、泉麻人さん、鈴木 御厨貴さん、泉麻人さん、鈴木
  1. 8月20日(月)発売の「アエラ」(8月27日号)に原稿を書いてます。
  2. 9月14日(金)一水会結成40周年。「レコンキスタ」創刊400号大会。午後6時半、アルカディア市ヶ谷。お問い合わせ、出席お申し込みは、一水会事務局へ。03(3364)2015
  3. 10月7日(日)14時〜16時。河合由美子監督の「わたしの釜ヶ崎」の上映。その後、監督と私のトークです。大阪十三の第七劇場下の階の「シアターセブンBOX-1」です。
  4. 10月8日(月・祝日)。午後2時。「鈴木ゼミ」。西宮のCafeインティライミ。ゲストは上祐史浩さん(ひかりの輪代表)で、「オウム事件17年目の真実と意味」です。お問い合わせ、お申し込みは、0798-49-5302へ。
  5. 10月20日(土)午後7時、阿佐ヶ谷ロフト。ボンバイエ結成10周年記念。
    「ONE NIGHT ボンバイエ!」。ゲストは山本太郎さん、私、そしてスペシャルゲスト(交渉中)。
     20代・30代の若者が中心になり、平和問題や社会問題について真面目に考えるイベントです。明るく楽しい集まりで、前に一度、私は呼ばれました。その時のタイトルが面白かったです。「ボンバイエ!生麦・生米・生クニオ」でした。今回も、生クニオで、やります。