2012/11/05 鈴木邦男

若松監督亡きあと、日本映画はあるのか

①「11.25自決の日」の舞台になった阿佐ヶ谷ロフトで…

鈴木、足立監督、塩見氏、金氏(若松監督追悼イベント) 鈴木、足立監督、塩見氏、金氏(若松監督追悼イベント)

10月27日(土)、午後1時から、阿佐ヶ谷ロフトで「若松孝二監督追悼イベント」をやりました。

50年以上もパートナーを組んでいた足立正生監督を中心にして、関係者が集まり、話し合いました。

若松監督の「実録・連合赤軍」には赤軍派議長の塩見孝也さん、兵士の金廣志さんが出ています。格好いい役者が演じてます。この〈実物〉2人もゲストで出てくれました。

若松論をめぐっては足立vs塩見のバトルもあり、会場も沸きました。

しかし、映画の中の「塩見孝也」は格好いい。格好よすぎる。どうしてだろう。若松監督はそんなに塩見さんを評価していたのか。

「いえ、私の人徳です」と、当の塩見さんは恥ずかし気もなく答えてました。

ちょうどこの会場でよかったんですよね。と思いました。だって、映画で使われていたからです。

「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」の中で、東大全共闘と三島が激論するシーンです。この阿佐ヶ谷ロフトが、東大の巨大な教室に化けるのです。

信じられませんでした。映画を見ても信じられない。

ところが、撮影風景を撮った「メーキング・ビデオ」を前に見せてもらいました。

白井氏、椎野氏、平野氏、鈴木、足立監督、金氏 白井氏、椎野氏、平野氏、鈴木、足立監督、金氏

阿佐ヶ谷ロフトに集まり、地下の会場に機材を運び込んでいる。そして、狭い店内を東大の大教室に変えてゆく。人も入れて、満員の東大全共闘、学生が揃う。

やっぱり、この阿佐ヶ谷ロフトだったんだ。と分かりました。

そしてすぐに「三島と東大全共闘」の激論は始まります。

会場からは、「ナンセンス!」という野次も飛び、三島は、「君たちが一言、天皇と言ってくれたら共闘できるのに」と言います。有名な言葉です。

そのシーンがまるで40年の時代を超えて、生で迫ります。

学生たちの身振り、言葉遣い、言葉のイントネーションも全く同じです。40年前の〈光景〉がそのまま再現されていました。よく撮ったものだと思います。

この撮影現場にいた増田監督、昼間氏も、「若松監督追悼イベント」に出席してくれました。その日の撮影風景について詳しく語ってくれました。

パネラーは他に、徐裕行さん、本間龍さん、古川琢也さんなどでした。ロフト席亭の平野悠さん。「連合赤軍事件の全体像を残す会」の椎野礼仁さん。…なども出てくれました。

若松監督のやってきた偉大な仕事の数々。そして、これからやろうとした映画について、皆で考え、話し合いました。

②これはまさに「映像の覚悟」だ

超満員の阿佐ヶ谷ロフト 超満員の阿佐ヶ谷ロフト

急遽、「追悼イベント」にして、よかったと思います。

元々は、誰かの「生誕祭」で借りていました。「生誕祭なんてやってる場合じゃないだろう」と司会の白井基夫さんが言い出し、このイベントになりました。

一昨年から始まった「生誕祭」は毎年8月に行われ、今年8月に「第3回 S君生誕100年祭」が行われました。その時、森達也、斉藤貴男さんたちとやった「言論の覚悟」がよかったから、第2部をやろう、となり、10月27日(土)に予定を押さえていたのです。

「言論の覚悟」じゃなく、「映像の覚悟」だな、と白井さんは言います。

確かにそうですね。そうなりました。この時、一昨年の第1回生誕祭の映像が流れました。実は、若松監督が出ていたからです。

「第1回生誕祭」には、他にも佐川一政さん、元連合赤軍兵士の植垣さん、雪野さん、金さん。それに元刑事の北芝健さん、飛松五男さんなども来てました。

「キャタピラ−」が大ヒットし、「次は三島映画を撮る!」と若松監督は阿佐ヶ谷ロフトで言ってました。ただ、まだはっきりとは構想がまとまってないようで、「これから脚本を作るんだ」と言ってました。

増田氏、古川氏、昼間氏、本間氏、徐氏 増田氏、古川氏、昼間氏、本間氏、徐氏

「17才シリーズ」の完結編を作ると、言ってました。

人間が、対社会的に目覚め、行動に駆り立てられるのが17才です。若松監督はこの年に家出をして上京しました。

私も、「17才」は、60年安保の時でした。

山口二矢(17才)が社会党の浅沼委員長を刺殺します。同じ17才の私は、その「刺殺シーン」をテレビで見てました。衝撃でした。こんなことをする人間がいるんだ、と。

そして、山口二矢は自決します。自分は受験のことしか考えていない。しかし山口二矢は国のために人を殺し、自決した。これが「国のため」「愛国」ということなのかと考えました。

17才の時に、この事件に出会わなければ、私の人生も、平穏なものになったでしょう。

若松監督は、〈17才〉が全てを決める、と考え、「17才シリーズ」を撮るわけです。

第1作目は、「17歳の風景」で、母親殺しの少年が自転車で、北を目指します。その間に多くの人に出会い、そして考えるのです。

第2作目は、「実録・連合赤軍」です。あさま山荘に立て籠もった中に、17才の少年がいました。最後に、「自分たちには勇気がなかったのだ」と叫びます。17才の少年の眼から見た連合赤軍事件です。

③「17才シリーズ」3部作を完成した

若松監督のビデオも流された 若松監督のビデオも流された

さらに、第3作目は、山口二矢です。一昨年の阿佐ヶ谷ロフトでも、その抱負を語っていました。

さらに、山口二矢から始まって、60年代、70年代を闘い、駆け抜けた男たちを撮ってみたい。と、構想はさらに膨らんでいました。「山口二矢、三島由紀夫、永山則夫、野村秋介…を撮りたい」と言ってました。

この日、このビデオを見るまで、忘れてました。そうか、永山則夫、野村秋介も撮りたいと思っていたのか。

若松監督の告別式の時は、三女の宗子さんが、「監督は、原発事故、沖縄戦、731部隊、白虎隊を撮りたいと言ってました」と挨拶で言ってた。

じゃ、これから10本以上の映画を撮ろうとしたのか。

そう言ったら足立監督が、「いや、それは違う。それらが全て、一つのものとして若松監督の頭の中にはあったのだ」と言います。これも凄い話ですね。

オウム事件も撮ってもらいたかった。その意味もあって、徐裕行さんを若松監督に紹介しました。

又、福島原発事故を撮りたいというので、『電通と原発報道』(亜紀書房)を書いた本間龍さんを紹介しようと思っていたのに…。残念でした。

「ナショナリズムの誘惑」(10/28) 「ナショナリズムの誘惑」(10/28)

それにしても、不思議ですね。「若松監督追悼イベント」をやったら、それに関わりのあることが、どんどん起きてくるのです。忘れたことも思い出されます。

10月20日(土)は、野村秋介さんの墓前祭に行きました。野村さんも若松監督とは親しかったです。そして、野村秋介さんを映画で取り上げようとした。見たかったですね。

9月29日(土)には、四日市で、森田必勝氏のお墓参りをし、お兄さんに会いました。

お兄さんは、「ぜひ若松監督にお会いしたい」と言うので、「じゃ、連れて来ますよ」と約束した。しかし、その1ヶ月もしないうちに亡くなるとは思ってもみませんでした。

10月29日(月)には、永山則夫遺品展を見てきた。こんなにも勉強していたのかと驚きました。

4人も殺したことは勿論許せません。しかし、獄中で反省します。総括すべく『無知の涙』を書きます。又、膨大な本を読んでいます。

貧しさ故に、犯行に走り、裁判でも、一度は「無期懲役」になります。しかし、「死刑」に戻り、処刑されます。

遠藤誠弁護士も弁護しました。「遺品展」には遠藤弁護士に宛てた手紙も展示されていました。マルクス、サルトル、万葉集、古今和歌集、そして、中国の古典なども読んでました。

園子温監督「BAD FILM」 園子温監督「BAD FILM」

ただただ驚きました。そんな若き永山の犯行と反省について、若松監督は映画を撮りたいと思ったのでしょう。見てみたかったです。

若松監督の亡くなった後、多くの映画監督に会いました。高橋伴明、崔洋一、園子温、河合由美子…と。若松監督がやり残したことをやってほしいと思いました。

「だいありー」にも書きましたが、園子温監督に会った時、驚くべきことを聞きました。

17年前に、今の「ネット右翼」「在特会」を予言する映画を撮ってたんですね。

「BAD FILM」です。外国人から高円寺を守るために自警団をつくり、「中国人は出ていけ!」「高円寺を守れ!」と叫ぶんです。

本物の街宣車を使い、本物の街宣をするんです。ダミーのビラも作って、配ります。

何と、それを〈本物〉と思い、「私も外国人を叩き出す運動に参加したい!」と入会を申し込む若者がいたそうです。在特会のハシリです。

10月28日(日)の「ナショナリズムの誘惑」というシンポジウムで園監督が発言し、その映画のシーンを見せてくれました。

「この時、友人の鈴木邦男さんから街宣車を借りたのです」と言ってました。これには又もやショックでした。完全に忘れてました。

「でも、この映画は見たのかな?」と思いました。多分、見てないのでしょう。だって、映画としては完成されず、フィルムのままとってあったそうです。

17年経ち、今年になって完成させ、11月に発売される「園子温初期作品集」に収められるそうです。ぜひ、劇場公開もやってほしいですね。

④続く監督はいるのか?

園子温監督と 園子温監督と

この話を聞いて、もう一つ思い出しました。前に書きましたが、90才の反骨カメラマン福島菊次郎さんを撮った映画『ニッポンの嘘』です。

この監督は、長谷川三郎さんですが、16年前に、一水会の在日の青年を撮ったのがキッカケで、映画監督になったと言ってました。

又、17年前に、一水会の街宣車を使って「BAD FILM」を作り、その後、次々と衝撃作を撮るようになった園子温監督。

不思議な縁です。2人の監督の出現に、私も少しは貢献したのかもしれません。

本屋に行ったら、「若松監督追悼」と出てました。そして、監督の書いた本、対談集などが並んでました。

いろんな本を出してるんですね。対談集の中には、阿部勉氏(元楯の会。一水会副代表)との対談も入ってました。彼が、野村さんや私を若松監督に紹介してくれたんです。

そうだ。阿佐ヶ谷ロフトでやったトークも、まとめて本にしたらいい。

水道橋博士と園子温監督 水道橋博士と園子温監督

それに今年、ロフトプラスワンでやったよね。私が4月に訪朝し、「11.25自決の日」を「よど号」の人たちに見せた。その感想をここで聞いたのだ。

ロフトから北朝鮮に電話して、話を聞いた。あの時の映像もある。

ロフトに出た時の映像だけでも、まとめてDVDを作ってもいい。又、一水会フォーラムでも今年、話してもらった。

又、私は、以前『まとりた』という雑誌で若松監督と、「新・天皇論」と題し、話したことがある。「五右衛門」という有名な豆腐料理店でやった。

あれも貴重な対談だったな。珍しく監督はナショナリズム論、天皇論を語ってくれた。

余り知られていないが若松監督は、『明治天皇と日露大戦争』の助監督をやっていた。主演の嵐寬寿郎のお世話係もして、大変だったようだ。嵐寬寿郎は、休憩時間も完全に天皇になり切っていたという、興味深い話も聞かせてくれた。

話が飛ぶ。どうも頭が混乱している。崔さん、伴明さん、園さん、河合さんたちとは、これからの日本映画について、私は、しつこく聞いた。「若松監督亡きあと、日本映画なんてあるのか」と。

若松監督がやろうとしたことを撮れる人がいるのか。

いや、それは若松監督しか出来なかったことだ。それはもう「完結した世界」として、考えるべきなのか。皆が立ち上がって、拍手で送るべきなのか。まだまだ分からない。考えている。

足立さん、園さん、河合さんたちとも又、このテーマで考えてみたい。

【だいありー】

「永山則夫遺品展」で(10/29) 「永山則夫遺品展」で(10/29)
  1. 10月29日(月)午前中、原稿。午後から、本間龍さん(作家)と対談。市ヶ谷で。午後6時に終わって、北区志茂の「いのちのギャラリー」(北区志茂2-16-3)に行く。「永山則夫 処刑15年特別展示」をやっていたので見に行ったのだ。
     遺留品601点が展示されている。案内状にはこう書かれていた。
〈1997年8月1日、東京拘置所内で処刑された永山則夫さん。享年48才。事件時19才の少年の、内省と償いの作業の28年間の独居生活の最後の日。残されたものは? この夏、初めて展示された永山則夫さんの遺留品。この秋、期間限定で、再び公開〉
永山氏の読んだ本 永山氏の読んだ本

驚きました。こんなに本を読み、作品ノートを作り、小説を書いていたのかと。その精神的闘いの現場を見た感じでした。ドストエフスキー、マルクス、サルトルは分かりますが、意外だったのは、中国の古典を沢山読んでいたことでした。ノートも、几帳面に、きれいに書かれています。又、普段使っていたフトン、着ていた服なども展示されています。貴重な品々を見せてもらい感謝します。

この展示会は、10月11日(木)から11月18日(日)まで開いてます。ただ、ギャラリーは毎日開いているわけではないので、電話で問い合わせて行って下さい。090(9333)8807 市原さんです。

この日、29日(月)は、特別講演がありました。『永山則夫 聞こえなかった言葉』(日本評論社)の著者・薬師寺幸二さん(元家裁調査官)です。永山事件に触れた、いい話でした。「若松監督も永山則夫の映画を撮りたいと言ってました」と言ったら、驚いていました。

中国の古典も多い 中国の古典も多い

そうだ。永山さんから遠藤誠弁護士に宛てた手紙も展示されていました。遠藤弁護士からも永山さんのことは聞いていました。

  1. 10月30日(火)昼、図書館に行きました。午後5時半、衆議院第2議員会館1F多目的会議室。「滝実前法相の死刑執行に抗議し、死刑執行停止を要請する院内集会」に出ました。死刑廃止国会議員連盟会長の亀井静香さんが開会の挨拶。

世界の流れは死刑廃止に行っている。日本は遅れている。犯罪人引き渡しを求めても、「日本は死刑を残しているから」といって拒否されることもある。又、死刑賛成か反対かのアンケートの「聞き方」もおかしい。「死刑存置」に導くような問い方になっていると批判。

本人使用のフトン、ノートなど 本人使用のフトン、ノートなど

その後、安田弁護士が、民主党の強行した死刑の実態について報告しました。又、死刑にされた人々の弁護士さんからも報告がありました。亀井さんは途中で帰られたので、挨拶しました。朝日新聞(9月19日)の「オピニオン“愛国”」の話になりました。

「これはよかった。勇ましいことを言ってるだけでは何も変わらん。頑張ろう」と言われました。死刑廃止議員連盟副会長の福島みずほさんには言われました。「鈴木さんはもう社民党よ!」。ありがとうございます。私も「進化」しました。

1時間ほどいて、私は中座しました。ホテルニューオータニで行われている「サルキソフ・コンスタンチン博士 古稀を祝う会」に出ました。サルキソフさんは大変な親日家です。日ロの架け橋になっています。

薬師寺幸二さんと 薬師寺幸二さんと

サルキコフさんは、ロシア科学アカデミー東洋学研究所の日本研究センター所長を永年務め、現在は、ロシア日本研究会名誉会長として日ロ友好関係の促進に取り組んでいます。

会は、600人ほどが集まり大盛況でした。ロシア大使、池口恵観さん、木村三浩氏(一水会代表)も来てました。木村氏は昨夜帰国したと言います。ドイツ、ハンガリーなどを回り11日間の旅です。ヨーロッパの「愛国者会議」にも出たようです。

その後、木村氏や、新聞社の人たちと一緒に赤坂のレストラン「カナユニ」へ行きました。1966年開業だそうです。趣のある店です。「実は、三島由紀夫さんが、よく来ていた店です」と木村氏。店のマスターは「そこの中央の椅子に座って、オニオン・グラタン・スープを飲んでました」と言う。我々も皆、同じものを飲みました。

亀井静香さんと 亀井静香さんと
  1. 10月31日(水)午前中、原稿。午後3時、文化放送。今日の特別ゲストは、京都大学大学院教授の藤井聡さんです。本日のテーマは、「石原新党と日本維新の会」。第三極の中心になるのか。又、日本維新の会と合流はあるのか。
     「あまりに距離があり過ぎて、合流はありえません」と藤井さん。橋下さんは石原氏と「党としてではなく、個人として付き合いたい」と言ってます。だから、党として手を組むことはないでしょう。原発、TPP、増税に対し、これだけ考えが違う。一緒になることはないと藤井さん。
     安倍、石原、橋下…と「右傾化」の競合のように見えてるが、その中で、日本維新の会は「地方主権」「道州制」を言っている。ユニークさを示そうとしている。しかし、大震災などを見ても、とても「道州制」では危ない。と藤井さんは言います。
     「編集長は見た!」は、『クーリエ・ジャポン』の富倉由樹夫編集長。12月号の特集は。
サルキソフ・コンスタンチン博士(10/30) サルキソフ・コンスタンチン博士(10/30)
〈イギリス。サンデー・タイムズ・マガジンより。
「逆差別」と貧困にあえぐ南アフリカの哀しき白人たち〉

これは全く知りませんでした。ネルソン・マンデラがアパルトヘイトを撤廃して、20年近くが経つ。人種間の融和が進んでいるかと思いきや、今度は白人貧困層の問題が新たに浮上している。65万人の白人(16才以上)が失業状態にあるという。

次は、アメリカのニュース。

〈現代の「1%」は、カネだけでなく権力も持っている。世界は二つに分断されてしまうのか〉
サルキソフさんと サルキソフさんと

人口たった1%が富の40%近くを独占している。アメリカではそんな不平等な社会が現実になっている。昨年秋、アメリカ各地で盛り上がった「オキュパイ・ウォールストリート」運動は、われわれは「99%」だというキャッチフレーズで、暴利を貪り続ける1%に対する抗議運動を行った。

〈イギリス。ニューサイエンティスト誌より。
なぜ「格差社会」は生まれたのか〉

一方、「競争」も「平等」も大嫌いな不思議な日本人という記事も紹介されている。しかし、日本の所得格差を問題視している人も多い。そうした問題を考えました。

祝辞を述べる池口恵観さん 祝辞を述べる池口恵観さん

このあと、「隣りの芸人さん」、Ust延長戦…。藤井さんは最後まで残って付き合ってくれました。そして、皆で、プロレスの話などもしました。

このあと、私は、講道館へ。久しぶりの柔道です。でも、入場する時、カードが入らない。「変ですね。他のカードと一緒に入れてませんか?」。入れてますよね。図書館、銀行、TSUTAYAのカードなどと。「他のカードの磁気に負けたんですよ」。エッ?そんなことあんの。それに、他のカードの磁気に負けちゃダメだろうよ。講道館は。仕方なく預けて、直してもらうことにした。でも柔道は出来たし、久しぶりに身体を動かして闘ったので、とても気分がよかったです。

「三島オニオン・グラタンスープ」を飲んだ 「三島オニオン・グラタンスープ」を飲んだ
  1. 11月1日(木)今日から11月ですね、と思ったら、寒くなりましたね。午前11時、高田馬場で新聞社の取材。午後3時、河合塾コスモ。「現代文要約」。5時、「読書ゼミ」。梶原しげる『ひっかかる日本語』(新潮新書)を読み、皆で(日本語)について考えました。そのあと、生徒と食事会。ラーメンを食べました。
  2. 11月2日(金)昼、原稿の打ち合わせ。5時、高田馬場の喫茶店「ミヤマ」会議室。『紙の爆弾』の対談。河合由美子監督と話をする。「わたしの釜ヶ崎」の監督だ。元、渡辺文樹監督のもとで助監督をやっていた。又、若松監督の助監督もやった。2人の厳しい監督にもまれ、育てられた。これからが楽しみな監督だ。
     今までの苦労、これからの抱負を聞いた。そうだ。園子温監督もかつて渡辺文樹監督の助監督をやっていたことがある。2人には期待したい。園子温監督にも、この連載で話を聞いてみたい。
  3. 11月3日(土)早朝の飛行機で函館へ。札幌にいる高橋浩二君と合流する。土方歳三の戦死した地を訪ね、それに唐牛(かろうじ)健太郎さん(60年安保の時の全学連委員長)のお墓参りをする。唐牛さんにはとてもお世話になりながら、ずっと、ご無沙汰していた。申し訳ありませんでしたと謝りました。
     それから人に会ったり、街を見たり。夜は夜景を見ました。又、高橋君たちと、今後の戦略会議。
  4. 11月4日(日)私の高校の修学旅行が、函館でした。トラピスチヌス修道院などを訪ねました。そこを再び訪ね、センチメンタル・ジャーニーをやりました。夕方、帰りました。

【写真説明】

鈴木、足立監督、塩見氏、金氏(若松監督追悼イベント)

①若松孝二監督追悼イベント。10月27日(土)。阿佐ヶ谷ロフト。(左から)鈴木、足立正生監督、塩見孝也さん、金廣志さん。

白井氏、椎野氏、平野氏、鈴木、足立監督、金氏

②白井基夫さん、椎野礼仁さん、平野悠さん、鈴木、足立正生監督、金廣志さん。

超満員の阿佐ヶ谷ロフト

③会場の阿佐ヶ谷ロフトは超満員でした。

増田氏、古川氏、昼間氏、本間氏、徐氏

④ゲスト席の(左から)。増田俊樹監督、古川琢也さん、昼間たかしさん、本間龍さん、徐裕行さん。

若松監督のビデオも流された

⑤一昨年、阿佐ヶ谷ロフトでやった若松監督とのトーク映像も流されました。

「ナショナリズムの誘惑」(10/28)

⑥10月28日(日)「座・高円寺ホール」で開かれた「ナショナリズムの誘惑」。(パネラーの)安田浩一氏、木村元彦氏、園子温監督。

園子温監督「BAD FILM」

⑦園子温監督の17年前の作品。「BAD FILM」が流されました。

園子温監督と

⑧園子温監督と。

水道橋博士と園子温監督

⑨パネラーの皆さんと打ち上げに行きました。超熱く語り合う、水道橋博士と園子温監督。

「永山則夫遺品展」で(10/29)

⑩10月29日(月)「永山則夫 処刑15年特別展示」を見に行きました。北区志茂の「いのちのギャラリー」です。

永山氏の読んだ本

⑪永山氏の読んだ厖大な本の一部。サルトル全集。マルクス、万葉集、古今和歌集、宮本常一、大江志乃夫などの本も…。

中国の古典も多い

⑫中国の古典も随分と読んでます。

本人使用のフトン、ノートなど

⑬本人が独房で使用していたフトン、ノート、便箋など…。

薬師寺幸二さんと

⑭『永山則夫 聞こえなかった言葉』(日本評論社)の著者・薬師寺幸二さん(元家裁調査官)の特別講演もありました。

亀井静香さんと

⑮亀井静香さんと会いました。10月30日(火)、「滝実前法相の死刑執行に抗議し、死刑執行停止を要請する院内集会」で。

サルキソフ・コンスタンチン博士(10/30)

⑯「サルキソフ・コンスタンチン博士 古稀を祝う会」で。挨拶するサルキソフさん。ホテルニューオータニ。10月30日(火)午後7時。

サルキソフさんと

⑰サルキソフさんと。

祝辞を述べる池口恵観さん

⑱祝辞を述べる池口恵観さん。右がサルキソフさん。

「三島オニオン・グラタンスープ」を飲んだ

⑲そのあと、赤坂のレストラン「カナユニ」に行きました。三島由紀夫がここによく通い、オニオン・グラタン・スープを飲んでいたそうです。それで我々も、このスープを注文して、飲みました。おいしかったです。

【お知らせ】

  1. 11月5日(月)午後2時半から、TBSのCS「ニュースバード」に、足立正生監督と共に出る予定です。若松孝二監督の追悼特集です。夜9時から再放送します。
  2. 11月6日(火)月刊「創」(12月号)発売です。「若松監督特集」を組むそうです。私も、連載の中で、「若松監督と三島事件」を書きました。
     又、『紙の爆弾』(12月号)も発売です。私の連載では、「アクティオ」(元・戦旗派)の水沢努さんと対談しました。過激な新左翼団体から、どうやってNPO法人になったのか、学生運動のイメージをどうやって変えたのか、詳しく聞きました。
  3. 11月7日(水)この日の「毎日新聞」の夕刊で「若松孝二監督特集」をするそうです。
  4. 11月11日(日)秋田に行きます。北村肇さん(「週刊金曜日」発行人)とトークします。午後5時半から、秋田市土崎港ベイパラダイス2階ドリームタイムです。トークのテーマは、「言いたいことは山ほどある、2012=愛国について」です。
  5. 11月24日(土)三島由紀夫・森田必勝両烈士追悼の「野分祭」です。
鈴木ゼミ告知 西宮の「鈴木ゼミ」です。クリックでPDFが開きます。
  1. 12月1日(土)新潟市で講演です。午前10時半より12時まで、新高教(新潟県高等学校教職員組合。日教組加盟組合)の教研集会で講演します。テーマは〈教育と「愛国」〉です。会場は、新潟ユニゾンプラザ中研修室です。
     本来は教職員の教研集会ですが、私の講演に限って、一般に公開するそうです。関心のある方は、いらして下さい。
  2. 12月4日(火)山形市・大手門パルズ。午後6時から、佐高信さんと対談します。テーマは「右翼と左翼の交差点」です。
  3. 12月16日(日)「鈴木ゼミ」です。西宮です。午後2時から。神田香織さんの講談、そして2人でトークがあります。