ちょっと遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
このHPは、今週が、701回目ですね。今年からは、会員制の「読書専門BBS」を作ろうと思ってます。
1月4日(金)、高木尋士氏(劇団再生代表)と、年頭恒例の「読書対談」をやりました。
その中で、本をどう読むか。いつ読むか。ノルマ式読書法は有意義なのかどうか。…などについて話し合いました。それは近いうちにこのHPで発表します。
その時にBBSの話が出たのです。前やった時は、関口君や、赤犬さんや、アズキさんなどが熱心に書き込んでくれ、建設的な方向で、刺激的な議論が進みました。
ところが、(反論ならいいのですが)、自分の本の宣伝だけを長々とやられたり、集会の告知だけを長くやられたりで、BBSとして機能しなくなりました。
他の人に聞いても皆、そうらしくて、今は、BBSをやってる人は、ほとんどいません。(それと、ツイッターやフェイスブックで十分だという人が多いようです)
だったら「会員制BBS」にしたらいいんじゃないの。と言われ、その準備をしてきました。
普通に、見ることは出来ますし、メールも出来ます。ただ、どれを取り上げるかは選ばせてもらいます。
主に、本の感想や、こんな本を読みたい。あるいは、これはお薦めの本だ。一緒に話し合おう。…といった建設的・刺激的なBBSにしようと思っております。
このHPの他に、ツイッターとフェイスブックを数年前から始めて、順調です。今年からは、それと、「ニコ生」か、「ユースト」を考えております。
孫崎享さん(外交評論家)を初め、多くの人がやってます。「孫崎チャンネル」開局記念で、孫崎さんと私は「ニコ生」で対談しました。孫崎さんは週2回(水と日)、発信しています。自分の家から、自分でセットして、放送するのです。
初めのうち2回ほどはニコ生の人が来て、教えてくれました。今はすっかり慣れて、1人でやってます。有料で、始まったばかりなのに、何千人もウォッチャーがいるそうです。
「鈴木さんも、ぜひやりなさいよ」と言われました。心が動いてます。一度、孫崎さんの家に遊びがてら、「調査」に行くつもりです。そして、「ミヤマ山荘チャンネル」を真剣に考えたいと思います。
さて、本をいかに読むかですね。「アエラ」の忘年会のビンゴで、囲碁セットが当たり、1人で囲碁をやってます。「5万円旅行券」や「Kindle」が当たった人もいます。悔しいので、私も、ヨドバシカメラでKindleを買いました。電車の中ではよく読んでます。
それと、ポータブルのDVDプレイヤーを買いました。「映画を見て、コメントをくれ」という仕事がやたらと多いのです。だから必要だと思いました。これだと小さいし、寝る時にも見ることが出来ます。とても助かってます。映画評やコメントの仕事が進んでます。
それでは、本題の「読書」ですね。1日のうち、どれだけ〈読書の時間〉を取れるか。これは大きな問題です。その量と質で、人間の質が決まります。
「平成の読書王」高木尋士氏は、「1日に4、5時間は読書の時間を取っている」と言ってます。それで年間500冊です。
でも普通の人々は真似出来ません。私にも出来ません。私も、たまには、そんな日もありますが、「毎日」ではありません。
たまにやる日というのは、こんな時です。400頁もある本の書評を頼まれた。今日中に何でもいいから、5冊読もう。…そんな時です。
家では出来ません。外に出て、JRに乗り、山手線を5周する。ちょうど5時間です。あるいは、ロイヤル・ホステスで、ひたすら読む。長時間いるんですから、食事したり、ケーキを食べたり、いろんなものを注文して、粘るんです。
そんな時は、「1日に4、5時間」読書することはある。
あと、何気なく読み始めた本が、もの凄く面白くて、電車を降りてからもホームのベンチに座り込んで3時間も読み続けちゃった。ということも稀にだがあります。その時は、「あっ、こういう至福の時間を過ごす為に、人は生きてるんだ」と思いますね。
学生時代は、「ながら読書」とか、「並行読書」とかもやりました。
前者は、「ラジオを聞きながらの読書」「テレビを見ながらの読書」「(つまらない)講演を聞きながらの(隠れてやる)読書」「映画を見ながらの読書」(これは暗いからムリか。Kindleで見てたらつまみ出される)。
後者は、机の上に3冊の本を置いて、同時に3冊を読み、同時に3冊の頁をめくる。
速読術をマスターすれば出来ると思う。(実際、高木氏は2冊を並行して読むことがあると言ってました。それは「読書対談」の時に詳しく紹介しましょう)。速読術だと、1行1行を上から下に読んでゆくのではない。頁の真ん中に視点を集中する。そうすると「自然に」上下、左右の文字が頭に入る。だから、1秒か2秒で1頁を読める。
これは、ある程度は理解出来る。我々の目は、カメラの絞りとは違う。一点に焦点を当てたら、上下左右は、ぼけて見えないということはない。周りのものだって、(見ようとしなくても)目に入る。視界に入る。それを、もっとクリアーに見えるように、意識して訓練するんだ。
そうすると、頁の中心を見たら、上下、左右の1頁分が、瞬間に見えるようになる。そういうことだろう。訓練次第では、誰でも出来るはずだ。
そして、これが出来たら、読んでる本の、上下、左右にも本を置く。計5冊だな。真ん中の本を1秒で読めたとしたら、上下、左右の本も、もう2秒位で読める。はずだ。速読だと、1冊を20分位で読める。
じゃ、「5冊並行読み」ならもう少し時間がかかるとして、30分か40分で読める。
それで、年末に、この本を読んだ。
日本速読協会・井田彰さんの『新書1冊を15分で読む技術=スーパー速読法1週間=』(祥伝社新書)だ。
井田さんは、日本速読協会発足当初からのスタッフで、協会主催の読書会では主任講師を担当している。速く読んでも、「理解しない」「脳が追いつかない」と思いがちだが、それは違うという。本の扉には、こう書かれている。
〈「スーパー速読」のトレーニングシステムで正しく訓練を積めば、10人が10人、誰もがそれまでの8倍から10倍以上の速さで本が読めるようになります。そうすれば、「新書1冊15分」は十分可能ですし、努力次第では、1分間に1冊(10万字)も夢ではありません。
また、速読能力の向上は「書籍を速く読む」能力ばかりでなく、脳を活性化し、記憶力の飛躍的な向上をもたらします。さらには集中力の訓練により、あなたの秘められた無限の潜在能力を十二分に発揮させることができるようにもなるのです〉
特に後半が魅力的ですね。だったら高木氏に、実験してもらったらいい。何なら劇団員を何クラスかに分けて、「実験」する。その結果どうなったかを芝居にしたらいい。
「新書を15分で読む」ことは案外出来るかもしれない。又、3時間も4時間も、じっくり時間をかけて読むほどの「価値」のない新書が多い。
だから、私の周りにも、「新書は30分で読む」「20分以上時間をかけない」という人が結構いる。「速読術」を身につけてるわけじゃないが、「流し読み」とか、目次を見て、必要な所だけ読むのかもしれない。
佐藤優さん(作家)は、「速読の達人」だ。専門的に学んだのだろう。
その〈力〉を見せつけられたことがある。
ある人の出版記念会で、彼は指名された。「まだ家に来てないので読んでない」と言う。普通なら、これで終わりだ。
ところが、「本を貸して下さい。2分待って下さい」と言って、後ろを向いて、読んでいる。カッキリ2分経った。
それからは滔々と論じたてる。凄いと思った。速読の奇跡的〈現場〉を見せてもらった。
佐藤さんに聞いたら、普段は月に00冊。多い時は月に500冊読むことがあると言っていた。又、原稿は多い月は1000枚だという。これだったら、月に3冊ずつ本も出せる。とても真似出来ない。
高木氏と話をしたが、どの位の速さで読めるか。時速何頁が可能か。適正か。話し合った。そして思った。それが必要な時もあるだろうが、それよりも、せっかく確保した「読む時間」を守る方が重要だろう。
高木氏は1日に、4、5時間、読むという。私は、せいぜい1時間か2時間だ。
それで速読で、30分で出来たとして、あとの1時間半を別のことに回そうとは思わない。
又、2時間の間に、今まで単行本の半分しか読めないのを、新書4冊読めるようになる。となっても意味ないと思う。
ゆっくり読む中で考えたり、悩んだりする。「ムダな時間」がある。それが必要だと思っているからだ。
つまり、「入力」の時間を少しでも増やし、そのことによって「出力」の質を高めようと思う。読んだり、人に会って話を聞いたり、実地に見学・取材して考える…。それが「入力」だ。
「出力」は原稿を書く、対談する、講演する…などだ。
「入力」に努力しないと、「出力」の質が低下する。前にも紹介したが、高橋和巳は「読書」(入力)と「書くこと」(出力)のバランスについて「八対二」が良いと言っている。
これは、ものを書く人間にとっての「黄金律」だと思う。こう言うのだ。
〈読むことと書き述べることの比率が時間的に八対二ぐらいであるのが一番精神に健康であるような気がする。あまり読んでばかりで表現する場がないとせっかくの知識や思弁も腐敗するが、書いたり喋ったりする比重が大きすぎても壊れたレコードのように堂々めぐりをはじめる〉
ここに尽きていますね。ものを書いたり喋ったりする人は、少なくともその4倍は勉強しなさい、ということだ。
本も読まず、ただ喋り、書き散らかすのでは、「壊れたレコード」になる。
今やこの表現は古くなり、若い人には分からなくなってるかもしれないが、「進歩なく、同じことばかり言ってる」人のことだ。左右の活動家には多い。
もしかしたら、宮台真司さんは、ここから「表現」と「表出」の違いを考えたのかもしれない。
「表現」とは、キチンとした裏付けがあり、説得力があって、言うことだ。一般の人々に伝わる言葉のことだ。「言論」の場に乗る言葉だ。
一方の「表出」は、ただの言いっ放しだ。左右の絶叫、アジ演説などがこれだ。又、ネットの罵詈雑言もそうだ。ただの悪口、憂さ晴らし…などだ。これは「言論」ではない。「表現」ではなく、ただの「表出」だという。
「八対二」の黄金律の裏付けのないもの。又、きちんとした〈型〉をもっていないもの。それらを「表出」と呼んだのだろう。
「オレは愛国者だ!」「戦争を辞さずの覚悟でやれ!」「中国、韓国など、やっちまえ!」というは、ただの「表出」だ。
雑誌、新聞、テレビという「言論の場」にすら、〈表出〉が現れたのだ。嘆かわしい話だ。〈考える時間〉がなくて、即、反応しなくてはならない。〈デジタル思考〉だ。これでは思考とは言えないだろう。
哲学者の西田幾多郎は、午前中に思索し、それに疲れると、午後に読書したという。そのあと執筆だ。
つまり、〈読書〉と〈思索〉は違う時間帯だ。私らは、読書を通じてしか「考える時間」を取ってない。何の手掛かりもなく「思索の時間」は持ってない。
いや、持てない時代なのかもしれない。1日を3分割して、午前中に思索。午後は読書。夜は執筆。これもいいかもしれない。でも、まだその境地には達しない。
格闘家の須藤元気さんは、午前中に読書と思索。午後は人と会って打ち合わせ。夜は格闘技の練習。と言っていた。それもいい。ざっくり、1日を3分割して、勉強も、仕事もするのだ。
今、ちょっと思いついたが、まず、「本を読む時間」を確保することだ。
何なら、人と会う時間と同じように、強制的に、1日に3時間とか、取って、スケジュール帳に書き込むべきだ。
その間に何冊、読めるかの「効率」は考えなくていい。速読で6冊読んでもいいし、1冊の半分しか読めなくてもいい。3時間取って、そこに自分が束縛されている。そこに意義があると思う。
あるいは、万歩計のように「読書計」を作って、あっ、20分読んだ。あっ、電車で30分読んだ…。というのを記録する。それで、「今日は、合計2時間読んだな」と分かればいい。「精神の健康」を保つためだ。
これが基本だ。まず「入力」を増やす。それが「ムダ」だと思ってはダメだ。ムダな時間は他に沢山ある。
下らないテレビ、ネットを見ている。下らない話を聞いている。下らない友人たちと、だべっている。そんな時間はもっともっと、切り詰めたらいい。
心の中のリモコンで「3倍速」「4倍速」にして、早いとこ打ち切ることだ。あるいはoffにして、もっと有意義なことに時間を使うべきだと思う。
そんなことに今年は挑戦してみたい。その手始めとして、高木氏らと共に「読書BBS」をやってみたい。関口君、赤犬さん、青豆さんたちも協力して下さいな。
仕事を終えて、大晦日の夜は、浅草に。浅草寺に行きました。それから新宿の花園神社に行きました。初詣です。今年も元気で仕事が出来ますように、日本も世界も平和でありますように、と祈りました。
年末ギリギリに、アメリカの友人からメールが来た。憲法24条を書いたベアテさんが亡くなったという。残念だ。何度も会ってるし、ニューヨークでは、「憲法討論会」に一緒に出た。一度、憲法の話をじっくり聞きたいと思ってたのに。そして本を作りたかったのに。
そしたら、長野に行っていて、電話は自動的に転送になるそうです。
「おふくろも、嫁さんも去年から、皆、こっちに来てるんだよ。邦男ちゃんが来るなら、喜ぶよ。おふくろは、96才で、今んとこは元気だから。喜ぶよ」。
遠いから、やめます。とは言えなくなった。じゃ、明日、行きます。と言いました。
おばさんも喜んでくれた。「邦男ちゃん、元気だね」。親類の人たちは、いくつになっても、「○○ちゃん」と呼び合うんだ。ちょっと恥ずかしい。「博ちゃん元気?」と私の姉のことを聞く。自分の娘のように心配してくれる。だから、iPadに入っている写真を見せてあげた。12月に札幌に行って、姉に会ってきた時のだ。「あっ、博ちゃん。それに康ちゃんも」と喜んでいた。60年前の私の遠足の写真も見せてあげた。
昔話や、鈴木家、神谷家の歴史を教えてもらった。私の母は9人兄弟姉妹なんだそうだ。知らなかったですね。私もメモを取りながら、我が家のルーツを聞きました。大河ドラマになりそうな話が沢山ありました。「泊まっていきなよ」と言われたんですが、「明日、高木さんとの対談があるから」と、帰りました。
帰り際に、96才のおばさんは、私に「はい。お年玉」。いやー、嬉しかったですね。何年ぶりだろう。お年玉をもらうなんて。子供に返ったようで、嬉しかったです。帰りは指定が取れない。立つ覚悟で駅に行ったら、臨時あずさが出ていて、悠々座れた。今年はついてる。と思った。よかった。
帰って、朝まで仕事しました。
③12月29日(土)安田好弘弁護士の事務所の忘年会です。死刑反対運動や人権運動をやってる人が沢山集まって、身動きが出来ないほどでした。
7時から始まったのですが、その前に、亀井静香さんと鈴木宗男さんが来たそうです。松元ヒロさん(コメディアン)が、時局ネタで皆を笑わせてくれました。大好評でした。
⑮1月2日(水)午後6時より、高田馬場「土風炉」で。『紙の爆弾』の打ち合わせ会ですね。ゼミの話、「越境問答」の話などもしました。右の金髪の人はアメリカ人ではありません。鹿砦社勤務の特派社員のようです。