2013/03/11 鈴木邦男

「岩波新書・70年」のベスト10。そして、『ビブリア古書堂』

①「新書」は全て全点読破してやろうと…

『ビブリア古書堂の事件手帖』 『ビブリア古書堂の事件手帖』

昔。学生時代に、「岩波新書を全点読破してやろう!」と決意したことがあった。

岩波文庫ならば余りに厖大だから無理だ。日本だけでなく世界の名作・古典もある。とても、「全点読破」なんて思わない。

ただ、岩波新書なら、出来そうな気がした。岩波新書は500冊も出てなかったろう。又、文庫と比べて薄いし、読みやすい。「やってやろうじゃないか」と思った。

当時の右翼学生の中には、「そんなのは志が低い。俺は、全ての新書を読破してやる。征服してやる!」と豪語する男もいた。

今、そんなことを考える人はいない。1人としていない。

ところが、その頃は出来た。いや、「やれば出来るだろう」と思わせたものがあった。

作者の三上延さんと(3/6) 作者の三上延さんと(3/6)

当時、新書は3つしか出てない。岩波新書、中公新書、講談社現代新書だ。出てるのも、月に各社1冊か2冊だったと思う。

だったら、この3社の新書を毎月読むのは可能だ。それをやりつつ、過去に出たものを読む。そうしたら、「日本の新書」を完全読破するのも夢ではない。

それに当時は、新書の〈質〉が高かった。そこにこそ日本の文化があった。それを読破することは、日本を知ること、世界を知ることだった。いい時代だった。

ただ、今は、新書を出しているのは3社ではない。40社くらいある。各社が毎月、4、5冊出している。

ということは「月に200冊」ほどの新書が出版されているのだ。恐ろしいほどの数だ。

「井上日召翁銅像」の前で(3/2) 「井上日召翁銅像」の前で(3/2)

しかし〈量〉は増えたが、果たして〈質〉はどうか。余りに多くて、〈質〉はどこにあるのか、分からない。文字通り「玉石混淆」だ。

そんな中で、5年ほど前、画期的な試みがあった。岩波新書の「ベスト50」を選ぶ試みだ。

その前に、「もう一度読みたい岩波新書」というのがあった。ちょっと紹介してみよう。

岩波新書が、〈現代人の現代的教養〉を掲げて、誕生したのは1938年11月20日だ。

そして、「岩波新書刊行70年」を記念して、この大アンケートが実施された。2008年だ。5年前だ。

その時点で、刊行された岩波新書は2600点。その中から、どれがよかったか、印象に残ってるのかを選んだ。

第1回目は、「読者が選ぶ もう一度読みたい岩波新書」

第2回目は、「私のすすめる岩波新書」だ。

これは〈各界の著名人218名の方々による推薦書目から50点を選ぶ〉というものだ。

実は、この「218名」の中に私も入っていた。

といっても、「50点を選んで下さい」というアンケートではなく、「3点を選んで下さい」というものだ。それを集計し、50冊を発表するのだ。

②私はこの3冊を挙げた

脱原発・梅見ツアーの一行です 脱原発・梅見ツアーの一行です

ウーン、これは困った。今まで、いろんなアンケートがあるが、これほど難しいアンケートはない。

第一、2600点のうち、どの位、読んでるか。2割位しか読んでない。それに、著者名、本の題名もうろ覚えだ。

だから、2600点の「目録」を送ってもらった。読んだもの、読んでないが、評判を聞いたものをチェックした。

そして、3点と、その理由を書いて送った。

何を挙げたんだろう。5年前だから、記憶がない。

ところが、便利だね、ネットは。この時のランキングだけでなく、「著名人218名」が、どの本を推薦したか、それが分かる。

私は、この3冊を推薦していた。そして、その「理由」も、出ている。

「昭和維新烈士之墓」の前で 「昭和維新烈士之墓」の前で

凄い。ネットさまさまだ。では、紹介しよう。

❶清水幾太郎『愛国心』

今ならば、「愛国心を持つのは当然だ!」と言われ、それで終わりだ。建設的な論議も何もない。思考停止だ。

ところが、この本は実に多角的に論じている。愛国心の牙も危険性も、それを持つ人の誇りも。50年前の本なのに新鮮だ。愛国心について論じた本では最高の本だ。

❷家永三郎『革命思想の先駆者—植木枝盛の人と思想』

120年も前にこんな革命的な「憲法試案」を作った人がいたとは驚きだ。植木枝盛はもっと評価されていい。革命権、抵抗権を認め、死刑廃止も言っている。「保守的な護憲論者」は見習ってほしい。

❸丸山眞男『日本の思想』

日本の政治思想の問題点や見取り図を教えられた。初めて、〈啓蒙〉された本だ。思想することの重要さを学んだ。

「幕末と明治の博物館」で 「幕末と明治の博物館」で

私が推薦したのはこの3冊だ。

そのあと、全体のアンケートの結果を見た。丸山の本は、認める人が多く、1位だった。

以下、紹介しよう。

「岩波新書」各界著名人218名が選ぶベスト50冊の中から、上位10冊だ。これを紹介しよう。

1位
『日本の思想』丸山眞男
2位
『万葉秀歌(上・下)』斎藤茂吉
『バナナと日本人』鶴見良行
4位
『歴史とは何か』E・H・カー
5位
『市民科学者として生きる』高木仁三郎
6位
『生命とは何か』E・シュレディンガー
『私は赤ちゃん』松田道雄
『ヒロシマ・ノート』大江健三郎
水戸・偕楽園前で 水戸・偕楽園前で
9位
『零の発見』吉田洋一
『新唐詩選』吉川幸次郎、三好達治
『羊の歌』加藤周一
『沖縄ノート』大江健三郎
『自動車の社会的費用』宇沢弘文

岩波新書、70年間のベストテンだ。218名の人が、これはいいと薦めたものだ。

まず、これを読めと私も言いたい。まず、この〈質〉を読破したあとで、現在の新書の〈量〉の海に船を漕ぎ出したらいいだろう、そう思う。

③470万部も売れた『ビブリア古書堂』

「水戸の梅娘」と 「水戸の梅娘」と

さて、次に、『ビブリア古書堂の事件手帖』の話だ。今年の1月からテレビ・月9で放送されている。剛力彩芽の主演で、大人気ドラマだ。

その作者・三上延さんに会った。3月6日(水)の文化放送で。

私は、テレビ放送は全て見ている。そして、文庫本で出ている4冊も全て読んだ。だからこそ、三上さんと会った時は感動した。話が弾んだ。

その前に、この本を少し紹介しよう。鎌倉にある古書店が舞台だ。

若く美しい女店主のもとに、いろんな本が持ち込まれる。いわくつきの本が持ち込まれることも。

彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように、解き明かしていく。

梅は少ししか咲いてませんが… 梅は少ししか咲いてませんが…

第1話は、2011年3月25日初版発行。翌2012年12月22日に、何と「30刷発行」だ。だから、TV化される前から爆発的な人気があった。

さらにTV化で火がついた。そして、今、「470万部!」突破だ。驚きだ。

それに、持ち込まれ、「いわくつきの本」が、皆、いい。この本を基に又、事件も起きる。

じゃ、この本も読んでみよう。という気にさせる。

日本文学の復興になりますよ。いや、外国の本も紹介されている。取り上げられた主な本は、以下だ。

水戸名物・「ネバネバ丼」です 水戸名物・「ネバネバ丼」です
〈第1巻〉
夏目漱石『漱石全集』
小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』
ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』
太宰治『晩年』
〈第2巻〉
アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』
福田定一『名言随筆 サラリーマン』
足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』
坂口三千代『クラクラ日記』
〈第3巻〉
『王さまのみみはロバのみみ』
『バート・F・ヤング『たんぽぽ娘』
『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』
宮沢賢治『春と修羅』
〈第4巻〉
江戸川乱歩『孤島の鬼』
江戸川乱歩『少年探偵団』
江戸川乱歩『挿絵と旅する男』

名作・古典が次々と出てくる。その本にまつわる秘密も。

又、その本をめぐって事件が起きる。

本そのものの秘密では、福田定一。

大洗海岸で 大洗海岸で

そして、『時計じかけのオレンジ』には驚いた。アッと叫んでしまった。

又、坂口三千代『クラクラ日記』は、最近、読んだばかりだったので、興味をひかれ、引き込まれように読んだ。

この4巻は「年間ベストセラー文庫総合」で1位だ。これは、当然だろう。面白い。

そして、ここに出てくる古典も読んでみよう。という気にさせる。

④『クラクラ日記』が重要な鍵ですね

ファミレスで、脱原発のミーティング ファミレスで、脱原発のミーティング

さて、『クラクラ日記』だ。これは、ウェブマガジン『マガジン9』の私の連載でも書いたが、この本は坂口安吾のことを奥さんが書いた本だ。

坂口安吾は新潟の人で48才の若さで亡くなった。安吾の自由な生き方、挑戦する姿にちなみ、7年前から、新潟市は「安吾賞」をつくっている。

今年は、若松孝二監督に贈られた。しかし、発表の直後に亡くなった。「主なき授賞式」だが、若松プロの人や役者さんたちが集まって、2月23日に授賞式は行われた。

その時、坂口安吾の息子さん、綱男さんに会った。12月に「発表会」が行われ、そこでも会った。

安吾の作品は私はかなり読んでいる。「家族の人で書かれたものはありますか」と聞いたら、「自分も書いてますけど、お袋が書いた『クラクラ日記』がいいです」と言う。それで読んでいた。

キティちゃんと キティちゃんと

そして、1月から始まる『ビブリア…』でも、この本が取り上げられていると聞いた。読んで驚いた。

この本は第2巻に出てくるが、それからずっと、出てくる。この小説全体の「通底音」のようだ。古書店の家族の秘密にもかかわってくる。ぜひ、皆さまも読んで下さいまし。

3月6日、文化放送では、そんな話から始まった。

坂口綱男さんと写した写真も、三上さんに見せた。

「これで安吾も高評価され、読まれます。嬉しいです」と綱男さんは言っていた。三上さんに伝えたら、とても喜んでいた。

この日、話したが、私も本はかなり読んでるつもりだ。

その本の感想や、それにまつわる自分の思い出も書いている。

1冊の作家、本をテーマにして書いてもいる。竹中労、太田竜、『蟹工船』とか。

『鈴木先生』の作者・武富健治さんと 『鈴木先生』の作者・武富健治さんと

でも、三上さんの凄いところは、そこから又、別の小説を創り上げる。凄い才能だ。とても我々には考え及ばない。

どこからこんなヒントが生まれるのだろう。本を読んでから、別の小説を考え、創るのか。あるいは、自分の頭の中で、〈物語〉が生まれて、そのあとで、それに当てはまる古典、名作を探すのか。

これは寺ちゃんも気になっていたようで、何度も聞いていた。

「いや、両方ありますね」と、三上さんは説明してくれた。

三上さんは、若い。そして、話しやすい。小説家だから、もしかしたら、「自分の世界」に閉じこもって、気難しい人かも…と思ったら、そんなことはなかった。

このシリーズは、これからも書いていきたいと言う。

以前、レコード店、古書店でアルバイトをしていた。その時の体験がかなりいるという。

交通事故防止です 交通事故防止です

扱うテーマはまだまだある。無限にある。『論理学入門』だって取り上げているんだから、毛沢東やレーニン、マルクス、三島の本も取り上げても面白い。

一杯事件が起こりそうだ。そうか。余りに事件がありすぎるから、かえってやりにくいということか。

「ぜひ、取り上げたい本があるんです」と、三上さんは、こっそり教えてくれた。それはいいですね。ぜひ、やって下さい、と私は言いました。第5巻以降が楽しみです。

【だいありー】

井浦新さんの写真展で(3/3) 井浦新さんの写真展で(3/3)
  1. 3月4日(月)朝、歯医者に行きました。午後、取材。4時半、河合塾コスモ。瀬島先生のゼミが今日で終わるというので、「最終講義」に出る。
     現役生だけでなくOBも沢山来ました。「せっかく鈴木さんが来たんだから」と、領土問題や愛国心について一緒に話しました。終わって、食事会に行きました。
  2. 3月5日(火)午前中、原稿。昼、中野図書館。午後3時、河合塾コスモ。英語の吉田剛先生と「合同ゼミ」。憲法や愛国心、右と左…などについて、真剣に話しました。生徒も沢山、聞きに来てくれました。終わって、食事会。
  1. 3月6日(水)午前中、新宿で取材。午後3時、文化放送。「今日の夕刊読み比べ!」。
井浦さんの作品を見る 井浦さんの作品を見る
〈さいたま市長選、自民ドタバタ〉
〈石原慎太郎「面会謝絶」〉

「ニュース。本音と建前」は、

〈朴大統領が求める 日韓歴史問題への対応〉

韓国の朴槿惠(パク・クネ)大統領が、先週の金曜日(1日)、日本の植民地時代の1919年に起きた最大規模の抗日運動「三・一独立運動」の記念式典で演説し、

「韓国と日本が過去の痛みを癒し、ともに栄ある未来に進むため、日本政府は積極的な変化と責任ある行動をしなくてはなりません」と指摘。さらに、

これも井浦作品 これも井浦作品

「加害者と被害者という歴史的立場は1000年たっても変えられない」と強調し、日本政府に対し、歴史問題などに対する、早期の対応を要求した。

「1000年」という言い方は、オーバーだと思うが、そんな語句のことを言っても仕方はない。「ともに栄ある未来に進」もうと言うのだから、日本も応じたらいい。歴史の事実問題は、並行して協議しながら、それでも日韓の友好は築けると思う。

前の大統領の時は、就任の時、「もう過去のことは言わない」と未来志向だった。余裕と自信があったのだろう。経済でも日本を抜くという自信があったからこそ出た言葉だろう。

しかし、今度の大統領は、かなり立場が厳しい。だから、「強い言葉」を言わなくてはならなかった。そう思う。

そのあと、竹島、従軍慰安婦問題について、話し合いました。又、「河野談話」「村山談話」についても。

撮影の現場の映像も 撮影の現場の映像も

先週の(水)、福島みずほさんの出版記念会があり、ここで村山富市さんと会った。「村山談話」について聞いたら、「否定し、破棄したら、アジアから日本は信用を失いますよ」と言っていた。

自分の言った言葉だから、というだけではない。政府が発表して、世界に向けてのアピールを、コロコロ変えられては、確かに日本は信用されなくなる。

安倍首相は、近いうちに朴槿惠大統領と電話会談することを明らかにした。日韓関係改善への意欲を重ねて表明した。これはいいことだ。ぜひ、直接現地に行って話し合ってほしい。

続いて、「編集長は見た!特別編」。

この日の、スペシャルゲストは三上延さん。テレビドラマ化、コミック化もされ、470万部を突破した人気沸騰中のミステリー小説『ビブリア古書堂の事件手帖』の作者・三上延さんだ。若い。1971年横浜生まれだ。

床の写真を剥がして持って帰るお客さん 床の写真を剥がして持って帰るお客さん

藤沢市の中古レコード店で2年。古書店で3年アルバイト勤務。2002年に『ダーク・バイオレッツ』でデビューし、30冊近く執筆。2011年にシリーズ作『ビブリア古書堂の事件手帖〜栞子さんと奇妙な客人たち』がメディアワークス文庫より発行され、ベストセラーになる。

三上さんは2才の時から本を読んでたそうだ。高校の時に 文芸部に所属し、もう、小説を書いてたという。

「『ビブリア』の古本が持つ特徴と持ち主たちの謎を絡ませるストーリーを生み出すのは大変だったのではないですか」

「本を読んでから、物語を考えるのか。自分で物語を作ってから、それにあった名作や古典を探すのか」…と寺島さんが質問。「両方のケースがありますね」と三上さんは具体的に話してくれました。

又、誰の、どんな作品に影響を受けてきたのか。これからはどういう作品を書きたいのか…などについても話してくれました。

彫刻の森美術館で 彫刻の森美術館で

今、一番売れてる作家だ。文庫の売り上げNo.1だ。大作家だし、気難しい人かなと思ったら、実に明るいし、フランクな人だった。それに若い。「自分は運がよかっただけですよ」と実に謙虚だ。

有り余る才能はあるが、同時に、大変な努力家でもあるようだ。広いジャンルの本を読んでるし、それを駆使して、謎解きが始まる。私は、『ビブリア…』の全4巻を、一気に読んでしまった。これからも、このシリーズをずっと続けてほしい。

  1. 3月7日(木)午前中、打ち合わせ。午後から河合塾コスモ。自習室で勉強していた。夜6時、池袋の豊島公会堂。「小沢一郎議員を支持する会」が主催の集会に行く。どんな様子か見に行ったのだ。
足湯もありました 足湯もありました
〈小沢政治裁判の総括と新たな闘いへの出発〉。

6時半から開始。早めに行ったら、もう満員。座る席がない。やっと客席を見つけて座る。そしたら隣りにいる人が、「鈴木さんも喋るんでしょう」と言われた。まさかと思ったら、プログラムにそう書いてあった。

あれっと思って、聞きに行ったら、そのまま壇上に上げられた。

三上治、伊東章、平野貞夫氏が主催者挨拶をする。それから、植草一秀さんの基調報告。それから、辻恵さん、石川知裕さん、仙波敏郎さん、三井環さんの挨拶。そこへ小沢一郎氏が登場。もの凄い拍手と掛け声が…。小沢氏が挨拶。

吉田剛先生との「合同ゼミ」 吉田剛先生との「合同ゼミ」

無罪になったが、私個人のことはどうでもいい。名誉回復を求めたりもしない。それよりも、日本の民主主義をきちんと確立しなくてはならない、と言う。

その直後、私の挨拶だ。小沢氏の隣りで挨拶しましたよ。さらに、二見伸明さん、東祥三さん、中村哲治さん、はたともこさん、姫井由美子さんなどが挨拶。満員の会場は割れんばかりの拍手。凄い集会だった。

  1. 3月8日(金)午前中、原稿。午後、新宿のコニカミノルタプラザ。『エコ&アートアワード。2013作品展』を見る。それと「Para展=並走する世界と交差点」を見る。面白い視点だ。面白い写真だ。3時、取材。夜、柔道に行く。
吉田剛先生(英語) 吉田剛先生(英語)
  1. 3月9日(土)午前中、原稿。午後から河合塾コスモ。コスモ祭。生徒たちが演劇をやったり、お菓子を作ったり、落語をやったり。演劇「帝国」は面白かった。今週はもう私の授業がない。でも、4日も来ちゃった。他の先生のゼミ。合同ゼミ。原稿書き。そしてコスモ祭だ。
     夜7時、文京シビック小ホール。「第9回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞」受賞作品発表会。
     92才の反骨のカメラマン・福島菊次郎さんも挨拶。おしどり(マコ&ケン)さんも出て挨拶していた。福島さんとは初めて会った。感動しました。
  2. 3月10 日(日)「週刊金曜日」の記者と一緒に、お台場に行く。「NO NUKES 2013」だ。アーチストが集まった脱原発のコンサートだ。坂本龍一、斉藤和義、元ちとせ、岡村靖幸、いとうせいこうさんらが出演した。楽屋を訪ね、坂本さんらに挨拶した。「又、ぜひ対談して下さい」とお願いしました。日比谷では脱原発の大きな集会をやっている。そちらにも行かなくちゃ、と思ったが行けなかった。1時から9時まであったので。

【写真説明】

「井上日召翁銅像」の前で(3/2)

①3月2日(土)「週刊金曜日」の白井記者主催による水戸・梅見ツアーに行ってきました。そのあと、護国堂(今は護国寺になってます)に行きました。ここは、「血盟団事件」のリーダー、井上日召さんがいたお堂です。そこに地元の若き青年、教師たちが集まり、「この日本ではダメだ。日本を救おう!」と話し合い、「一人一殺」「一殺多生」の血盟団事件を起こすのです。「井上日召翁銅像」が建ってました。

脱原発・梅見ツアーの一行です

②そこで皆と記念撮影。白井さんのツイッター仲間です。「脱原発」の人たちですね。

「昭和維新烈士之墓」の前で

③この護国寺には、「昭和維新烈士之墓」もありました。血盟団事件に参加した四元義隆さんが書いてます。重信房子さんのお父さん、重信末夫さんも、血盟団の同志でした。

「幕末と明治の博物館」で

④護国寺のすぐ隣りに、「幕末と明治の博物館」があります。広くて、とても立派です。山岡鉄舟、吉田松陰、藤田東湖の書。桜田門外襲撃団。明治天皇等身大銅像などがありました。歴史の勉強になりました。

水戸・偕楽園前で

⑤水戸・偕楽園前で降りたら、出迎えの一行が。「脱原発」のプラカードを持って、梅見をしました。変わった梅見です。

「水戸の梅娘」と

⑥水戸の梅娘さんたちと。毎年、10人の美女が選ばれているそうです。

梅は少ししか咲いてませんが…

⑦本当なら、もう梅は終わりなんですが、今年は寒くて、まだ1分咲きでした。又、見に行かなくっちゃ。

水戸名物・「ネバネバ丼」です

⑧お昼には、水戸名物「ネバネバ丼」を食べました。納豆、オクラ、トロロ、タマゴ、スジコ…と。ネバネバするものばかりです。日頃は、やる気がなく、すぐ諦める私ですが、これで「粘り」のある人間になるでしょう。

大洗海岸で

⑨大洗海岸で。東映映画「日本暗殺秘録」では、ここの海岸で血盟団の小沼正が座禅を組み、悟るんです。「そうだ!直接行動しかない!」「日本を救うのだ!」と叫ぶんです。

ファミレスで、脱原発のミーティング

⑩最後は、CoCo'sで食事しながら、脱原発について話し合いました。

『鈴木先生』の作者・武富健治さんと

⑪3月1日(金)、阿佐ヶ谷ロフトに行きました。『鈴木先生』で大ヒットを飛ばした漫画家の武富健治さんの話を聞きに行きました。教育や体罰などについて、今度、話をしましょう、と言ってました。

井浦新さんの写真展で(3/3)

⑫3月3日(日)、箱根の「彫刻の森美術館」に行きました。井浦新さんの写真展がやってます。〈空は暁。黄昏れ展〉です。素晴らしかったです。

井浦さんの作品を見る

⑬井浦さんの作品です。迫力があります。驚きました。

これも井浦作品

⑭ちょうちん状にした写真もありました。

撮影の現場の映像も

⑮1年半かけて、箱根の自然、祭りなどを撮ったんですね。その撮影の様子も映画になりました。かなり長い映画でした。

床の写真を剥がして持って帰るお客さん

⑯この日は最終日です。午後4時になったら、床のタイルに貼った井浦さんの写真を剥がして、持って帰っていいんです。満員のお客さんが、必死で剥がしてました。なんか、無料で後片付けをしてるようですね。

彫刻の森美術館で

⑰外には、いろんな作品が、展示されています。

足湯もありました

⑱展示のアート、タワー、レストラン。それに、「足湯」までありました。

『ビブリア古書堂の事件手帖』

⑲470万部突破! 文庫売り上げ第1位です。三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫)。4巻まで出ています。

作者の三上延さんと(3/6)

⑳作者の三上延さんと文化放送で会いました。3月6日(水)です。とても楽しかったです。『クラクラ日記』や江戸川乱歩、司馬遼太郎の話をしました。

吉田剛先生との「合同ゼミ」

㉑3月5日(火)午後3時、河合塾コスモで。英語の吉田剛先生と「合同ゼミ」をやりました。愛国心、右翼・左翼、領土問題…など、ハードなテーマで話し合いました。

吉田剛先生(英語)

㉒吉田剛先生は話がうまいです。心に訴えます。生徒の心をとらえます。

キティちゃんと

㉓巨大なキティちゃんと。どこで撮ったんでしょう。水戸かな。箱根かな。新宿かな。

交通事故防止です

㉔最近デブになったので、ダイエットのために中野図書館まで歩きました。そしたら、交通事故防止のためでしょう。こんな看板が。警察が出したんでしょう。
 「ちょっとまて。仏も見ているこの町は」。早く事故を起こして、仏の世界にいらっしゃいということかな。そんなはずはない。ここは、お寺が多いから、「仏も見ている」と書いたんでしょう。でも、ちょっと、なにげに不気味。

【お知らせ】

  1. 3月11日(月)東日本大震災から2年。午後から、明治記念館で行われる「祈りの日」に参加します。
     この日発売の「週刊アエラ」に原稿を書きました。杉山隆男さんの『兵士は起つ=自衛隊史上最大の作戦』(新潮社)の書評です。震災で命を賭けて救助に活躍した自衛隊の姿を書いてます。実に感動的な本です。涙なしでは読めません。ぜひ読んでみて下さい。
  2. 3月11日(月)午後7時、阿佐ヶ谷ロフト。本間龍さんと私の対談『だれがタブーをつくるのか』(亜紀書房)の出版記念トークです。本間さん、私、そして慶応病院の近藤誠医師を迎えて、「言論と覚悟」「タブーや権力(抗議)との闘い方」をテーマに話します。近藤医師は40才の頃から医学界のタブーを一般に公開し始め、それにより医学界のほとんどを敵に回しています。このバッシングと20年以上闘いながら、言論活動を続けています。『大学病院が患者を死なせるとき』(講談社+α文庫)、『あなたの癌は、がんもどき』(悟桐書院)『愚者よ、がんと闘うな』『がん放置療法のすすめ』(ともに文芸春秋)などの著書があります。
  3. 3月13日(水)午後7時、ホテルサンルート高田馬場一水会フォーラム。講師、山口敏夫氏(元労働大臣・元衆議院外務委員長)。演題「安倍晋三はプーチン大統領といかに渡り合うか?〜安倍晋太郎外相の築いた対ロ政策の経験から〜」。
  4. 3月14日(木)午後8時。本間龍さんと私の対談。『だれがタブーをつくるのか』について。三省堂書店神保町本店。1階特設スタジオ。
前田日明さんと対談します 前田日明さんと対談します(クリックでPDFが開きます)
  1. 3月24日(日)午後2時、西宮で「鈴木ゼミ」です。ゲストは格闘家・リングス代表の前田日明さんです。テーマは「愛国心=理想と現実のはざま」です。
  2. 3月23日(土)午後2時。マガ9学校。新宿カタログハウス本社地下2階。伊勢崎賢治さんと池田香代子さんの対談。〈世界にもし100通りの「平和」があったら=それでも、9条の「非戦」は有効か?=〉。私も聞きに行きます。
  3. 4月9日(火)「鈴木邦男シンポジウムin札幌時計台」が始まります。主催は地元の出版社で柏艪舎(はくろしゃ)です。統一テーマは〈「日本の分」について考える〉。
     第1回のこの日は、鈴木宗男さん(新党大地代表)と「北方領土問題」を考えます。午後6時より、札幌時計台ホールです。
  4. 「劇団再生」の「夜と一葉」が上演されます。5月9日(木)〜12日(日)千歳船橋・アポックシアターで、5月10日(金)には、「劇団再生」の高木尋士氏と私のトーク、「通質としての言葉」があります。
  5. 5月25日(土)午後2時、西宮で「鈴木ゼミ」です。ゲストは青木理さん(ジャーナリスト)。「言論の自由」と「公安」について話します。
  6. 6月11日(火)第2回「鈴木邦男シンポジウムin札幌時計台」です。中島岳志さんと「日本の革命思想について」語ります。中島さんは今、血盟団のことを書いていて、今と状況が似ていると言います。又、先日はNHKで、大本教について話してました。刺激的な話が聞けると思います。
  7. 7月7日(日)午後2時、西宮で「鈴木ゼミ」。ゲストは、内田樹さんです。内田さんは神戸女学院大学名誉教授で、『日本辺境論』『街場のメディア論』などのベストセラーがあります。
  8. 7月19日(金)〜21日(日)秋葉原ACT&Bで劇団再生の読書劇「二十歳の原点」の上演。20日(土)は、高木尋士さんと私のトーク。『「未熟であること」について』があります。
  9. 8月3日(土)午後1時、ロフトプラスワン。私の「生誕100年祭」です。
  10. 8月13日(火)午後6時、第3回「鈴木邦男シンポジウムin札幌時計台」です。ゲストは山口二郎さん(北海道大学教授)で、「参院選後の政治状況」について語ってもらいます。
  11. 9月6日(金)〜8日(日)秋葉原・ACT&B。劇団再生の読書劇「テロならできるぜ」(原作・見沢知廉)が上演されます。9月7日(土)は、高木尋士さんと私のトーク。「テロと言葉と見沢知廉」を行います。