2013/03/18 鈴木邦男

3.11「祈りの日」を原点に。そして、「自由で、開かれた日本」に!

①「思いやりのない国民になった!」と亀井さん

3.11「祈りの日」。福島の合唱団 3.11「祈りの日」。福島の合唱団

「文明の反逆が始まったのだ」と亀井静香さんが言った。

「自然に対して人間はもっともっと謙虚でなければならない。それなのに安全性も確認されないのに、もう原発を再稼働させようとしている。又、外国に対し原発を輸出しようとしている。あの大事故を忘れたのか!貴い犠牲を忘れたのか!」

と獅子吼している。大自然への畏怖も敬意もなく、人間が征服出来ると思っている。傲慢になっている。

東北の復興も進まない。経済も回復しない。いつから日本人はこんなにも思いやりのない国民になったのか!と叫ぶ。魂の絶叫だ。

皆、シーンとして聞き入っている。東日本大震災から2年。3月11日(月)、明治記念館で亀井静香さんは叫んでいた。

挨拶する村上正邦さん 挨拶する村上正邦さん

〈3月11日 日本人の原点「祈りの日」式典〉で亀井さんは話したのだ。

2年前のあの日を思い、犠牲になった人々へ黙祷し、復興を祈り、行動する。そんな「祈りの日」だ。

世話人代表の村上正邦さん(元参議院自民党議員会長)が挨拶していた。

「政府主催の式典だけでなく、全国民が参加し、祈りを捧げられる式典をやるべきだ。たとえば、東京ドームでやるとか…」と。

その通りだと思った。政府主催の式典も大事だが、国民にしたら、それをテレビで見るしかない。あとは、大震災、原発事故の映像をテレビで見てるだけだ。祈りを捧げる場がない。

民間で、そうした「祈り」の場をつくろうと開かれたのが、この〈日本人の原点「祈りの日」式典〉だ。去年から行われ、今年も入り切れない人たちは廊下で聞いていた。

宮脇昭さんの講演 宮脇昭さんの講演

「昨年に引き続いて、東日本大震災で被災された方々のご冥福と天地神々の鎮魂、被災地復活と日本再生の祈りを捧げる。『祈りの日』を執り行います」と案内には書かれていた。

午後2時、「祈りの日」式典は始まった。総合司会は村上正邦さん、東てるみさん。開会宣言、国歌斉唱、開会挨拶(山本峯章氏)。

そして、「東日本大震災・避難呼びかけアナウンス」が流される。

2時46分、黙祷。献花。尺八演奏(久保誠三郎氏)。それから、佐藤栄佐久・前福島県知事の挨拶。合唱「ふるさと」被災地合唱団。

②宮脇さんの「森の防潮堤」に賛成!

挨拶する菅原文太さん 挨拶する菅原文太さん

休憩をはさんで第2部は、宮脇昭さん(横浜国立大学名誉教授)の記念講演。

俳優の菅原文太さんの挨拶。

それから亀井静香さんの挨拶。

閉会の挨拶(石井邦夫氏)。

予定では午後5時に終了するはずだったが、宮脇さん、文太さん、亀井さん…と熱い話、叫びが続き、時間は延びる。1時間以上も延びた。

亀井さんの憂国の絶叫にも心を打たれたが、記念講演の宮脇さんの話にも感動した。

「いくらコンクリートで高い防潮堤を造ってもダメだ。〈森の防潮堤〉を造ろう!」

と提唱し、実行している。

スライドを見せながら、木によって、又、鎮守の森によって日本がいかに救われてきたかを説明する。

獅子吼する亀井静香さん 獅子吼する亀井静香さん

宮脇さんの著書も読んだ。

『瓦礫を活かす森の防潮堤=植樹による復興プランが日本を救う!』(学研)だ。

又、「祈りの日」の案内状には、宮脇さんのことをこう紹介していた。

〈青森県から福島県に至る全長300kmの太平洋岸に、高さ15mの巨大防潮堤を建設する「森の長城プロジェクト」は、残土と被災地のガレキで造成するマウンドの上に、土地本来のシイ・タブ・カシなどの照葉樹を植樹して、ふるさとと人の命を守る鎮守の森を育成する壮大なブランです。かつて、日本人は、祈りの場としての鎮守の森をもち、森のいのちを生命の源泉としてきました。日本人の自然観や宗教観、和の心、同胞や国土を愛する心は、鎮守の森に育まれたといってよいでしょう。当日は、日本人の魂の揺籃である鎮守の森の祈りを捧げ、被災者の慰霊と被災地復興の心を皆様と共にいたしたく存じます〉
坂本龍一さんと(3/10) 坂本龍一さんと(3/10)

宮脇さんの講演は感動的だし、説得力があった。

森がいかに津波や災害から人々を守ってきたのか。スライドで説明される。

又、世界の文明史の話もする。エジプト、中国などの古代文明は、木を切り、燃やし、レンガを作り、それで巨大な建築物を造り、あるいは(中国では)万里の長城を造ってきた。

しかし、周りの森を切り尽くし、それと共に文明も亡びた。

なるほど、そうなのかと思った。日本でも、今、コンクリートで防潮堤を造ろうとしている。これは危ない。と言う。「森の長城プロジェクト」こそが日本を救う。そう力説する。その通りだと思った。

③前日は、お台場で、「脱原発」ライブ

坂本さんの演奏 坂本さんの演奏

宮脇さんは、国内外の1700か所以上で、4000万本を超える植樹を指導、熱帯雨林再生プロジェクトに参加。

熱帯雨林の再生に成功。1998年から、中国の万里の長城で、モウコナラの植樹を行うプロジェクトを進めている。

そうか。木を切り、森を亡ぼすことで四大文明は亡んだ。その亡んだ文明に再び木を植えて、生命を甦らせ、復興させようとしているのか。

これは現代の奇跡だ。その前人未踏の戦いに挑戦し、実際に成果を上げている。

まさに驚きの講演だったし、目からウロコが落ちる感じがした。

俳優の菅原文太さんも、この「森の防潮堤」造りには大賛成で、「それを推進するために今日、来ました。ここにおられる政治家の方々も、ぜひ、取り組んでほしい」と訴えていました。「私は東北出身で、仙台一高を出ましたし」と言っていた。

ガンダムと ガンダムと

そうだ。仙台なんだ。同郷だ。前に、保坂展人さんの出版パーティで、文太さんとは会って、その話をした。

又、文化放送では仙台の三女高にいて、ストライキをやった小池真理子さん(作家)にも会った。仙台出身の人は頑張っている。嬉しいですね。

〈3.11「祈りの日」〉は厳粛な中にも、未来へ向かう力強さを感じた。

9日、10日、11日と、日比谷などで「脱原発」の集会やデモがあったが、皆、行けなかった。

あっ、そうだ。10日(日)の脱原発のミュージシャンのライブには行ったか。写真を出してるが、「NO NUKES」のライブだ。

ともかく、もの凄い人だった。若い人が圧倒的に多い。原発については、「よく分かんない」と言ってた人もいたが、そんな人に向けても、お目当てのミュージシャンが〈脱原発〉のメッセージを送る。

そうすると考える。だから、初めから脱原発の「強い信念」を持った人たちだけに訴えるよりも、効果があるだろう。そんなことを感じた。

なんせ午後1時から9時まで、ぶっ続けた。

そして大ホールには椅子はない。観客は立ちっ放しで聞いている。

興奮し、手を挙げ、踊り出す。これだけの人々を感動させるのだ。

そして、〈脱原発〉のメッセージも届けていた。

福島菊次郎さん(92才)と 福島菊次郎さん(92才)と

坂本龍一さんも燃えていた。元ちとせさんもよかった。いとうせいこうさんも、脱原発、そして、〈がんばれデモ〉の詩を作り、自分で歌う。凄い人たちだと思った。

その前日の3月9日(土)は、文京シビックホールで福島菊次郎さんに会った。前から会いたいと思っていたが、やっと会えた。

「僕の方も、鈴木さんに会いたいと思ってたんですよ」と言う。光栄だ。

戦争、公害、原発…といった国家の闇、日本の嘘を暴いてきたカメラマンだ。「表に出せないものは引っ張り出して、叩きつけてやりたい」と言う。

今年92才。今でも過激だ。

④92歳。福島菊次郎さんが熱い!

福島さんのサイン会 福島さんのサイン会

去年、この福島さんを追った映画が上映された。長谷川三郎監督「ニッポンの嘘=報道写真家・福島菊次郎90歳」だ。

私は、見て驚いた。余りの衝撃で、上映後も立ち上がれない位だった。だって、こう断言する。

「問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を犯してもかまわない」

ここまで言える人はいない。

ヒロシマ、三里塚、安保、東大闘争、水俣、ウーマンリブ、祝島。そして原発事故の起きた福島。…と福島菊次郎さんは闘い続ける。

余りに過激な取材方法に対し、時には批判もある。襲われたこともある。家に放火されたこともある。

それでもやめない。捕まってもやめない。

広河隆一さんと 広河隆一さんと

又、自衛隊の取材をした時のことだ。「念書」を書いて取材した。

しかし、約束を破って、撮ってはいけないとこも撮ったりした。

又、「事前にゲラを見せる」という「約束」も反故にして、発表した。

防衛庁に呼ばれた福島さんは言う。「私のことを『約束を破った』といって非難する資格があんた達にあるのか。国民との約束を破って自衛隊を作ったのは、あんた達じゃないのか!」と。

凄い反論だ。その上で、「裁判所でもどこでも訴えろ」と言う。

しかし、これは訴えられない。「憲法裁判」になるからだ。そこに巻き込まれたら大変だ。負けるだろう。

そう思ったからこそ福島さんの「約束違反」を、あえて咎めなかった。

〈問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を犯してもかまわない〉
「おしどり」も来てました 「おしどり」も来てました

いい言葉だ。凄い言葉だ。しかし、ここまでの〈覚悟〉を持った人は、余りいない。ほとんどいない。カメラマンだけでなく、編集者も、ライターもそうだ。

この映画を見て、何とかして、福島さんに会いたいと思った。今、山口県にいるというし、そこまで訪ねて行こうと思った。ところが、こうして、会えた。

又、3月30日(土)に上京するそうだ。烏山区民センターで、この「ニッポンの嘘」の上映会が行われ、監督と福島さんのトークがあるからだ。

監督は長谷川三郎さんで、実は去年、私はこの監督とトークをした。銀座で。

⑤長谷川監督が撮った「一水会の若者」

「コスモ祭」で。生徒の落語 「コスモ祭」で。生徒の落語

この長谷川監督とは初対面だと思った。ところが、16年前に会ってるという。

「その時、一水会の若者を追うドキュメンタリーを作ったんです」と言う。

全く忘れていた。DVDをもらって見た。驚いた。実によく出来ている。

在日の20代前半の若者が「一水会に入りたい」と言う。

自分が在日であること、そして、「日本」のことを真剣に考え、皆と話し合う。

「来月は車の上で演説をやったらどうだ」と先輩に言われ、必死に考える。

原稿を書き、それを暗記し、演説口調で喋る。「ここはこうしたらいいだろう」「ここは何度も言って強調したらいい」と親身になってアドバイスする先輩。まるで、「初めてのおつかい」のようだ。

東洋大学「落語研究会」の皆と 東洋大学「落語研究会」の皆と

これは実にいい。こんないいドキュメンタリーを16年前はテレビで流せたのか。

今は出来ない。こういうのを流したら、「在日がなんで右翼になるんだ」「在日は出ていけ!」なんて抗議が集中するだろう。それが怖くてテレビもやれない。

そうだ。この映画の話をしたんだ。3月14日(木)の国会集会の時だ。「排外・人種侮蔑デモに抗議する国民集会」の時だ。

大久保などでやっている「排外デモ」は「朝鮮人は死ね!」「殺せ!」なんて言っている。叫んでいる。

もし同じことをネットで書いたら、すぐ、逮捕されるのに…。

又、「東京にオリンピックを招致しよう」と言っているが、こんな排外デモが野放しになっていては、開催国としての資格もない。

世界中から選手や観客が来た時に、「外国人は帰れ!」なんてやられたら、たまらない。

この問題は国会で、そして、マスコミで、又、こんな集会で。もっともっと議論したらいい。

何なら、そういうヘイト・スピーチをしている団体の人にも来てもらって大いに論じた方がいい。そう思った。

【だいありー】

近藤誠さん、本間龍さんと。阿佐ヶ谷ロフトで 近藤誠さん、本間龍さんと。阿佐ヶ谷ロフトで
  1. 3月11日(月)午前10時40分。渋谷ユーロスペースで映画「約束=名張ぶどう酒事件死刑囚の生涯=」を見る。何とも国家は残酷だ。50年以上も独房に閉じ込め、再審もしない。見ていて苦しくなる映画だ。

それが終わって、午後2時より明治記念館。〈3月11日 日本人の原点「祈りの日」〉。厳粛な祈りを捧げる日に、ふさわしい集まりでした。村上正邦さん、亀井静香さん他の挨拶がありました。宮脇昭さんの講演もよかったです。5時に終わるはずが、延長につぐ延長で、6時過ぎても一向に終わらない。

6時15分、終わった。急いで阿佐ヶ谷ロフトに行く。本間龍さんと私の対談本『だれがタブーをつくるのか』(亜紀書房)の出版記念トークだ。もう1人、ゲストが。慶応病院医師の近藤誠さんだ。3人で話す。「言論と覚悟」「タブーや権力(権威)との闘い」について話し合った。

近藤さん(左)と本間龍さん 近藤さん(左)と本間龍さん

近藤さんは40才の頃から、医学界のタブーを公開し始め、医学界のほとんどを敵に回している。「ガン検診はいらない」「ガンは切るな」と凄いことを言う。はじめ、『文芸春秋』に書いた時は、これで全てを敵にする。医者をやれなくなったらどうするか。と、司法試験を受けたという。医者で食っていけなくなったら弁護士になろうと思ったのだ。

凄い人だ。その医学界の話をしてもらう。勇気があると共に、腕のいいお医者さんだったから、クビに出来なかったのでしょう。何十冊と、ベストセラーを書いてます。『愚者よ、がんと闘うな』『がん放置療法のすすめ』(共に文芸春秋)などを読んでみて下さい。私は、10冊ほど読みました。

前半は3人で、後半は本間さんと私で、「現代のタブー」について語り合いました。終わって、打ち上げ。

真山仁さんと(3/13) 真山仁さんと(3/13)
  1. 3月12日(火)午前中、原稿。午後、打ち合わせ。午後6時、第一衆議院議員会館。「死刑廃止を求める国際世論を無視した谷垣法相による 死刑執行に抗議する院内集会」。安田弁護士、社民党の福島党首、それに担当弁護士が挨拶。宗教者として平和運動を展開している大本教の人も挨拶。
     終わって、少し話しました。大本教には昔から関心があった。「じゃ、ぜひ本部に来て下さい。案内します」と言ってくれた。ありがたい。集会のあとは、赤坂で打ち上げ。
  2. 3月13日(水)午前中、原稿。午後3時、文化放送。〈今日の夕刊読み比べ〉は、
一水会で講演する山口敏夫さん 一水会で講演する山口敏夫さん
〈どんどん広がる「トモダチ作戦」訴訟の輪〉

東日本大震災の「トモダチ作戦」に参加したアメリカ兵が「ウソの情報で被ばくした」として、東京電力を訴える損害賠償訴訟の原告にどんどん加わっている。現在、原告数が115人を超え、ますます増える見通しだ。兵士の個人的な考えというよりは米軍全体、アメリカの意向があるのだろう。TPPなどに関し、日本を揺さぶる意図があるのでは。と、つい勘ぐってしまう。

〈創業51年。都内最古。サウナ東京ドーム閉店〉
山口敏夫さんと 山口敏夫さんと

後楽園ホールの中にあるサウナだ。よく、プロ野球選手や、プロボクサー、プロレスラーらが利用していた。ところがビルも老朽化し、耐震工事が決定している。

しかし、工事の後の営業再開はなく、「都内最古のサウナが消滅。1996年には全国で2920あったサウナが、2011年には1883に激減。みんな、時間的、金銭的余裕がなくなったのか。又、銭湯にサウナが付いてることもあり、そこを利用するのだろう。

「ニュース 本音と建前」は、

〈『黙示』が警鐘を鳴らす、食の安全と農業の未来〉

今日のゲストは、経済小説『ハゲタカ』の著者として知られる小説家の真山仁さん。他にも『プライド』『マグマ』『コラプティオ』など数々のヒット作を世に送り出している。

今年の2月、最新作『黙示』(新潮社)が発売された。農薬をめぐる実に衝撃的な小説だ。農薬散布中のラジコンヘリが墜落し、撒き散らされる薬剤。痙攣する子供。大量死するミツバチ。それぞれの戦いが始まる。そして、米中の食糧戦略、狙われる農地。まさに現代の我々の食の問題だし、生活、生命の問題だ。

挨拶する小沢一郎さん 挨拶する小沢一郎さん

かなり厚い本だが、引き込まれて一気に読んだ。そして、我々が書いている「政治的な文章」「評論」と、「小説」の違いを感じた。たとえば、「評論」なら、自分のいいたいことだけを言う。「反対派」の弱い部分だけを見つけて、そこだけを叩く。

ところが「小説」だと、「反対派」の弱い部分だけでなく、強い部分や魅力的な部分も引き出して、登場させる。だからこそ、「戦い」もシビア-なものになるし、説得力がある。又、農業や、貿易や企業買収をテーマにしているようであって、実は、そこに出てくる人間の、いざという時の「決断」や「迷い」や「愛」や「闘い」を描いている。

だから、何十年、何百年経っても読まれる。人間が生きていく上での普遍的なテーマだからだ。

その点、政治論文は、5年前、10年前のものだって、もう読みに耐えない。古くなる。生きた〈人間〉が描かれてないからだ。ただその時々の時局のことや、〈考え〉をぶつけているからだ。そう思った。

小沢さんの後に、私が挨拶 小沢さんの後に、私が挨拶

又、真山さんは、高校の頃から小説を書き始め、大学を出たら、小説家になるために「役に立つ仕事」につこうと思って新聞社員になる。そして、地方を回る。この決断も凄い。

今回は、6冊ほど真山さんの本を読んだが、全部読んでみたい。「全部読んだら又、お話しして下さい」とお願いした。

続いてのコーナー、「編集長は見た!」は、月刊「文芸春秋」編集長の島田真さん。「文芸春秋」(4月号)の特集から。

〈IMFのクリスティーヌ・ラドルド専務理事、独占インタビュー。「日本は第二のギリシャにはならない」〉

知日派だ。そして日本人の勤勉性、使命感、公共心に絶大な信頼を置いている。日本は日本のためになるように政策決定を下すと信じている。震災直後は、「円高是正介入」を行い、成功した。危機対応能力の高さが評価され、彼女がIMF専務理事に推される大きな要素となった。

「アエラ」(3/18号) 「アエラ」(3/18号)

個人的な関心としては、政府が女性の雇用機会を増加させることに配慮するかどうか、又、少子高齢化社会への取り組みについてだと言う。

次の特集も面白かった。

〈ジャレド・ダイアモンド、福岡伸一特別対談。伝統的社会の叡智(えいち)に学べ〉

ダイアモンドさんは、『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』に続き、『昨日までの世界』を著し、人々に衝撃を与えている。伝統的社会から学ぶことは何か。伝統的社会でも農民はある程度、体罰を行い、狩猟採集民族では体罰はないという。

以前、品川正治さんと話した時、戦争中でも敵と交戦している実戦部隊では体罰はなかったという。そんな形で「味方の力」を削ぐ余裕はない。全体が一体となって闘うからだ。それが内地や、遠く戦地を離れていると、緊張感がなくなり、体罰も生まれるという。それを思い出した。

終わってから、急いで高田馬場へ。

『経営塾フォーラム』(3月号) 『経営塾フォーラム』(3月号)

午後7時、ホテルサンルート高田馬場。一水会フォーラム。山口敏夫さん(元労働大臣)が講師で、「安倍晋三はプーチン大統領といかに渡り合うか〜安倍晋太郎元外相の築いた対露政策の体験から〜」。政治の体験を通して語る。詳しい話だった。終わって、二次会。個人的に、政界のことをいろいろ聞きました。

  1. 3月14日(木)午前中、原稿。午後1時、渋谷の光塾で「戦争と一人の女」の試写会。私は前にDVDを送ってもらって見たが、スクリーンで見ると又、違う。迫力があるし、原作者(坂口安吾)の気持ち、監督の気持ちも分かる気がした。

実にいい映画だ。もうすぐ公開だ。ぜひ見てほしい。川本三郎さんと会ったので、いろいろと話をした。

午後3時半、参議院議員会館。打ち合わせのあと、4時開始。「排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会」。国会議員の有田芳生さん、田城郁さん、徳永エリさんたちが呼びかけた。大講堂に300人。満員だった。

講演の内容が載ってる 講演の内容が載ってる

初めに、『ネットと愛国』の著者・安田浩一さんが報告。そして金尚均さん(龍谷大学法科大学院教授)、上瀧浩子氏(弁護士)が、〈排外デモ〉の問題点について報告。さらに〈現場〉の三人が報告・挨拶。まず私。それから一水会代表の木村三浩氏。そして森達也氏だ。かなり熱い集会になった。

終わって、有田さん、田城さんらと食事。7時20分、車で神田神保町へ。三省堂神保町本店へ行く。8時から打ち合わせ、8時半から、「ミッドナイト・トークセッション」。『だれがタブーをつくるのか』出版記念トークで、本間龍さんとトーク。

本間さんは大手新聞を手にしながら、〈広告〉は、どう決められるのか。又、〈広告〉によって、新聞、テレビをどう変えられるのか。そんなことも解説してくれた。かなり、突っ込んだ、詳しい話になった。勉強になりました。

  1. 3月15日(金)、ここ3日ほどかかった。夜遅くまでやった。昨夜からずっと、今日の朝までやった。税金の申告だ。たいした収入はないんだが、申告すると、源泉徴収の分が戻ってくるので必死にやった。ネットでもやれるんだが、「算盤」の練習のため、算盤を使う。算盤4級の腕はなまってない。
3.14院内総会で 3.14院内総会で

午後、中野税務署に行く。受け取ってもらえたのでホッとした。前に、「計算間違いが多い」とか、「書き方がダメだ」と突き返されたこともあった。

一旦、家に帰って、原稿。4時半、家を出る。6時から京王線で東府中に行く。「府中の森市民聖苑」で山口昌男さんの通夜。この近くに住んでたという。多くの人が来ていた。中沢新一さん、秋山祐徳太子さん、坪内祐三さん…らに会う。

「『週刊金曜日』の坂本さんとの対談、読んだよ」と中沢さん。「僕とも又、やろうよ」。ありがたいですね。ぜひ、お願いします。

三省堂本店で本間龍さんとトーク 三省堂本店で本間龍さんとトーク
  1. 3月16日(土)午前8時、東京発の新幹線で名古屋へ。名古屋で運動の先輩と会って、話を聞く。夕方、他に寄ってから帰京。
  2. 3月17日(日)午前中、原稿。午後、図書館。夕方から、市民グループの勉強会に呼ばれて、話をする。終わって、打ち上げ。

【写真説明】

3.11「祈りの日」。福島の合唱団

①3月11日(日)午後2時。明治記念館。〈日本人の原点「祈りの日」〉。福島の被災地合唱団による「ふるさと」合唱。

挨拶する村上正邦さん

②世話人代表・村上正邦さんの挨拶。

宮脇昭さんの講演

③宮脇昭さんの記念講演。とても感動的な話でした。

挨拶する菅原文太さん

④「宮脇先生のプロジェクトを全力で応援する」と菅原文太さん。

獅子吼する亀井静香さん

⑤憂国の大演説でした。亀井静香さんです。

坂本龍一さんと(3/10)

⑥3月10日(日)お台場の「Zepp DiverCity Tokyo」で開かれた「NO NUKES2013」に行きました。坂本龍一さん、元ちとせさん、いとうせいこうさん、斉藤和義さん、岡村靖幸さん、小山田圭吾さん…らが出演しました。〈脱原発〉を訴える画期的なイベントでした。午後1時から9時まで。
 超満員でした。坂本さんの楽屋には2回、お邪魔しました。「いやー、燃えましたね!」と気合いが入ってました。

坂本さんの演奏

⑦坂本さんは2回出演。3時からは、青葉市子さん、小山田圭吾さん、ASA-CHANGさんと。2回目は、6時25分から、 AFRAさん、元ちとせさん、いとうせいこうさんと。
 とても熱の入った演奏でした。そして、脱原発へのメッセージを発してました。

ガンダムと

⑧全体で8時間です。休憩時間に外に出たら、巨大なガンダムがありました。又、このビルの中には、ボーリング場やテニスコートもあり、屋上には、農園もありました。フジテレビはすぐ向かいに見えました。

福島菊次郎さん(92才)と

⑨3月9日(土)午後7時、文京シビック小ホール。DAYS JAPAN9周年。そして「第9回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞」受賞作品発表会。
 92才の反骨のカメラマン・福島菊次郎さんが、特別挨拶しました。福島さんの孤高の闘いを描いた映画「ニッポンの嘘」もヒットしてます。会うのは初めてです。感激しました。

福島さんのサイン会

⑩終わって、福島さんのサイン会。(右の人が持ってますが)高い写真集なんですが、50人以上が並んで順番を待ってました。

広河隆一さんと

⑪「DAYS JAPAN」発行人の広河隆一さんと。

「おしどり」も来てました

⑫「おしどり」のケンさん、マコさんも来てました。この日、出演してました。いつも元気です。幸せそうです。

「コスモ祭」で。生徒の落語

⑬3月9日(土)午後1時から河合塾コスモに行きました。「コスモ祭」。生徒たちの芝居、落語などがありました。「おしどりさんの会で、オラも漫才をやったんだよ」と写真を見せてあげました。「えっ、ロケット団の三浦さんとやったんですか」と驚いてました。

東洋大学「落語研究会」の皆と

⑭コスモの卒業生が東洋大学に入って、「落語研究会」に入ってるですね。その落研の人々を連れて、落語、漫才をやってくれました。終わって、皆と記念撮影。

近藤誠さん、本間龍さんと。阿佐ヶ谷ロフトで

⑮3月11日(月)午後7時から、阿佐ヶ谷ロフト。本間龍さんと私の『だれがタブーをつくるのか』(亜紀書房)の出演記念トークです。近藤誠さん(慶応病院医師)も特別出演してくれました。
 (左から)亜紀書房の松戸さん(司会)。近藤誠さん、本間龍さん、鈴木。

近藤さん(左)と本間龍さん

⑯打ち合わせの時、控え室で。近藤さん(左)。本間さん(右)と。

真山仁さんと(3/13)

⑰ベストセラー『ハゲタカ』『プライド』の作者・真山仁さんと。近著『黙示』(新潮社)について熱く語ってくれました。3月13日(水)、文化放送で。

一水会で講演する山口敏夫さん

⑱3月13日(水)。一水会フォーラム。山口敏夫さん(元労働大臣)が講演。「安倍晋三はプーチン大統領といかに渡り合うか?」。日露交渉、北方領土問題について詳しく語ってくれました。

山口敏夫さんと

⑲講演後、山口さんと。このあと、打ち上げにも付き合ってくれました。政界の内幕話を詳しく聞きました。(⑱⑲はカメラマンの平早勉さんが撮ってくれました。ありがとうございました)

挨拶する小沢一郎さん

⑳3月7日(木)午後6時、豊島公会堂。「小沢一郎議員を支援する会」主催の集会。「小沢政治裁判の総括と新たな闘いへの出発」。小沢さんも出席し、元気に挨拶してました。

小沢さんの後に、私が挨拶

㉑小沢さんの挨拶のあと、私が挨拶しました。緊張しました。「国のため、小沢一郎を使え!」と言いました。お隣りに小沢さんがいます。呼び捨てしてすみません。

「アエラ」(3/18号)

㉒週刊「アエラ」(3月18日号)。杉山隆男さんの『兵士は起つ=自衛隊史上最大の作戦』(新潮社)の書評を書きました。実に感動的な本でした。

『経営塾フォーラム』(3月号)

㉓月刊『経営塾フォーラム』(3月号)の表紙になりました。雑誌の表紙なんて生まれて初めてです。光栄です。

講演の内容が載ってる

㉔1月29日(火)経営塾でやった私の講演要旨が載ってます。〈「生態系」が崩れる危うさ。右傾化を強める日本に警告〉

3.14院内総会で

㉕3月14日(木)午後4時から、参議院議員会館大講堂。「排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会」。有田芳生さん、田城郁さん、徳永エリさんたちが呼びかけ議員となって急遽開催。木村三浩氏、森達也氏と共に私も挨拶しました。

三省堂本店で本間龍さんとトーク

㉖このあと、8時半から神田の三省堂本店へ。『だれがタブーをつくるのか』出版記念トークです。「ミッドナイト・トークセッション」です。本間龍さんと熱く語りました。

【お知らせ】

    前田日明さんと対談します 前田日明さんと対談します(クリックでPDFが開きます)
  1. 3月23日(土)午後2時。マガ9学校。新宿カタログハウス本社地下2階。伊勢崎賢治さんと池田香代子さんの対談。〈世界にもし100通りの「平和」があったら=それでも、9条の「非戦」は有効か?=〉。私も聞きに行きます。
  2. 3月24日(日)午後2時、西宮で「鈴木ゼミ」です。会場はCafeインティライミ。ゲストは格闘家・リングス代表の前田日明さんです。テーマは「愛国心=理想と現実のはざま」です。参加申し込み、問い合わせは、0798(49)5302へ。
  3. 3月30日(土)映画「ニッポンの嘘=報道写真家・福島菊次郎90歳」の上映とトークの集い。烏山区民センター3階集会室。1回目14:00、2回目18:00。これは衝撃的で、実にいい映画です。問い合わせ。TEL・FAX03(5314)3502(古谷)。
  4. 4月2日(火)午後7時、ロフトプラスワン。『戦後史の正体』の孫崎享さんが出ます。私も出ます。
  5. 4月9日(火)「鈴木邦男シンポジウムin札幌時計台」が始まります。主催は地元の出版社で柏艪舎(はくろしゃ)です。統一テーマは〈「日本の分」について考える〉。
     第1回のこの日は、鈴木宗男さん(新党大地代表)と「北方領土問題」を考えます。午後6時より、札幌時計台ホールです。
  6. 「劇団再生」の「夜と一葉」が上演されます。5月9日(木)〜12日(日)千歳船橋・アポックシアターで、5月10日(金)には、「劇団再生」の高木尋士氏と私のトーク、「通質としての言葉」があります。
  7. 5月25日(土)午後2時、西宮で「鈴木ゼミ」です。ゲストは青木理さん(ジャーナリスト)。「言論の自由」と「公安」について話します。
  8. 6月11日(火)第2回「鈴木邦男シンポジウムin札幌時計台」です。中島岳志さんと「日本の革命思想について」語ります。中島さんは今、血盟団のことを書いていて、今と状況が似ていると言います。又、先日はNHKで、大本教について話してました。刺激的な話が聞けると思います。
  9. 7月7日(日)午後2時、西宮で「鈴木ゼミ」。ゲストは、内田樹さんです。内田さんは神戸女学院大学名誉教授で、『日本辺境論』『街場のメディア論』などのベストセラーがあります。
  10. 7月19日(金)〜21日(日)秋葉原ACT&Bで劇団再生の読書劇「二十歳の原点」の上演。20日(土)は、高木尋士さんと私のトーク。『「未熟であること」について』があります。
  11. 8月3日(土)午後1時、ロフトプラスワン。私の「生誕100年祭」です。
  12. 8月13日(火)午後6時、第3回「鈴木邦男シンポジウムin札幌時計台」です。ゲストは山口二郎さん(北海道大学教授)で、「参院選後の政治状況」について語ってもらいます。
  13. 9月6日(金)〜8日(日)秋葉原・ACT&B。劇団再生の読書劇「テロならできるぜ」(原作・見沢知廉)が上演されます。9月7日(土)は、高木尋士さんと私のトーク。「テロと言葉と見沢知廉」を行います。