7月26日(金)、「ビデオニュース・ドットコム」に出た。
午後7時半から12時半まで、5時間。ぶっ通しで出た。
「マル激トーク・オン・ディマンド」(第641回)。『日本の右翼と保守』だ。
社会学者の宮台真司さん(首都大学東京・教授)と哲学者の萱野稔人さん(津田塾大学・准教授)。そして私の3人だ。後半、アメリカ取材から帰ってきた神保哲生さんも加わった。
「鈴木さんは、この番組は3回目ですね」と司会の萱野さんに言われた。
エッ、そうだっけ。それにしては、場所が分からなくて、ウロウロしちゃった。
「2006年と2008年に出ています」と、データを示してくれる。
①マル激トーク・オン・ディマンド第297回(2006年12月08日)
テーマ:教育基本法と愛国心のふぞろいな関係。
ゲスト(Part1)鈴木寛氏(参議院議員)
ゲスト(Part2)鈴木邦男氏
②マル激トーク・オン・ディマンド第367回(2008年04月13日)
テーマ:言論の自由を宝の持ち腐れにしないために。
ゲスト:森達也氏(ドキュメンタリー作家)、鈴木邦男氏
本当だ。3回目だ。「鈴木さんは3回目です」と私を紹介し、次は宮台真司さんを紹介する。
「ところで宮台さん、3人目のお子さまが無事お生まれになったそうですね」と言う。「そうです。ジョージ君と、ほとんど誕生日が同じです。同じ星座です」と言う。
ジョージ君とは、イギリスのロイヤル・ベイビーのことだ。宮台さんのお子さまは7月21日の深夜に生まれたそうだ。男の子だ。命名「宇陸(うりく)くん」。陸に降り立つ、という意味らしい。凄い名前だ。
「3人目」というから、もう2人の名前は?と聞いたら、女の子で、「はびる」さんと、「まうに」さん。それぞれ、地方の言葉で、「ちょうちょ」「ハマナス」を意味するそうだ。覚えるのが難しい。森鴎外の子供たちも難しい名前だったよな。
「自分でちゃんと覚えているんですか」と聞いたら、宮台さん、「当然ですよ」と言っていた。
名前も難しいけど、この日の「マル激トーク」も難しかった。
「保守と右翼」はどう違うか、といった表面的、現象的な問題ではない。もっと根源的、思想的な問題を論じる。
バーク、ウェーバー、カント、ヘーゲル…といった名前が出て来て、お二人は説明する。哲学と社会学の先生が、難しく議論をする。
そんな難しいことを考えて運動してる人なんて、誰もいませんよ、と言ってやった。
私一人だけ、無知で、話について行けなかったんで…。
右翼のテロの歴史なども、ボードに映し出される。知ってる事件が多い。
血盟団の小沼正から始まって5.15事件、2.26事件…そして三島事件、経団連事件、右翼内ゲバリンチ殺人事件…と。
この辺の話は分かるので、少し喋った。でも他は、お二人の話について行けず、余り喋ってないようだ。
見た人に言いたいが、「3人のトーク」と思うから間違いだ。本当は、哲学者と社会学者。日本を代表する2人の学者に、素人の私が話を聞いた。
そういう番組だった。贅沢な授業だ。
そういえば、この1週間。毎日、高度で贅沢な個人授業を受けていたような感じだ。
前日、25日(木)は、『領土とナショナリズム』出版記念討論会で、木村三浩、前田朗、四宮正貴、金東鶴、清水雅彦の各氏と話し合った。教えてもらった。
24日(水)は、ヘルマン・ゴチェフスキさんさん(東大准教授)の「君が代」成立の講演を聞いた。その後、森達也さんも入って3人でトークをした。
22日(月)は、代官山の「山羊に聞く?」で、保江邦夫さん(ノートルダム清心女子大学教授)、矢作直樹さん(東大教授)の講義を受けた。
21日(日)は坂本龍一さんと5時間、対談した。
私は生徒だ。幸せな生徒だ。こんな豪華な先生たちから直接、講義をしてもらった。質問もさせてもらった。暑い夏に、さらに熱い授業ですよ。
そうだ、本もそうだね。この夏、熱い本が3冊出た。3冊とも共著だ。私も、揉まれて、参加している。
1冊目は、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川oneテーマ21)だ。
〈是か非か!?国防軍、改憲、武力衝突〉をテーマに、8人が書いている。保阪正康、東郷和彦、江田憲司…さんらと共に、私も入っている。実にいい本だ。そこに書かせてもらい、光栄だ。
2冊目は、池上彰編『先生!』(岩波新書)だ。
27人が、「先生」について書いている。私も書かせてもらった。
この2冊は、今の時代に大きな〈問題提起〉になっている。そして、これは長く残る本だと思う。その〈問題提起〉に私も参加させてもらい、嬉しいです。
そして、7月30日、3冊目の、巨大な〈問題提起〉の本が出た。『漫画が語る戦争』(全2巻。小学館クリエイティブ)だ。
1冊が1500円。2冊で3000円だ。高いが、それだけの価値はある。それに、厚い。2冊で1000頁だ。
それを事前にゲラで短期間で読み、宮崎学氏(作家)と私が「解説対談」をした。そこの発言から引用し、本の帯には、こう書かれている。
〈あなたたちが望んでいる戦争とは格好よいものでもなんでもなく、残酷で空しいものでしかないということを本書で知ってほしい。宮崎学〉
これは、『漫画が語る戦争。(兵士の鎮魂歌)』のカバーに書かれている。『漫画が語る戦争(戦場の挽歌)』のカバーは私の言葉だ。
〈ゲーム感覚で戦争をとらえがちな現代の日本人の覚悟を問う警鐘の書。漫画の底力を感じる。鈴木邦男〉
収められているのは、両方で20編の戦争漫画だ。
「兵士の鎮魂歌」では、編集部のこんな言葉が書かれている。
〈本書は、戦争をテーマにした漫画のうち、内地にあって戦災にあったり、外地からの引き揚げで大変な想いをしたりといった「銃後」の庶民の惨禍や戦時下の暮らしぶり、戦後にまでいかに戦争の傷跡が残ったか、といったことをテーマにした作品を集めました〉
収められた漫画は次の9編だ。
手塚治虫「カノン」
巴里夫「石の戦場」
早乙女勝元・作、政岡としや・画「火の瞳」
北条司「少年たちのいた夏」
中沢啓治「黒い鳩の群れに」
曽根富美子「ヒロシマのおばちゃん」
ちばてつや「家路1945〜2013」
山上たつひこ「回転」
村野守美「垣根の魔女 御身大事に…」
もう1冊の「戦場の挽歌」は、〈戦争をテーマにした漫画のうち、戦場が舞台となっている作品を集めたのが本巻です〉と編集部の言葉。11編の漫画が収められている。
水木しげる「敗走記」
楳図かずお「死者の行進」
野間宏・作。滝田ゆう・画「真空地帯」
古谷三敏「寄席芸人伝・噺家戦記。柳亭円治」
新谷かおる「イカロスの飛ぶ日」
比嘉慂「砂の剣」
立原あゆみ「銀翼(つばさ)手紙〜敬礼」
湊谷夢吉「『マルクウ』兵器始末」
かわぐちかいじ「テロルの系譜 一人だけの聖戦」
白土三平「泣き原」
あべ善太・作。倉田よしみ・画「味いちもんめ。若竹煮」
1冊が、ほぼ500頁。2冊で1000頁だ。
このゲラを4日間で読んだ。そして宮崎学氏と対談した。
1000頁のゲラを受け取ったのは6月14日(金)だ。出版社からはもう少し早く送られていたが、忙しくて、ずっと留守なので、6月14日(金)の午前中にやっと受け取った。ドサリ!と置かれた。ぶ厚い。
ゲッ!とても読み切れないよと思った。これを4日間で読んで、6月18日(火)にANAコンチネンタルホテルで宮崎学氏と「解説対談」しなくてはならない。大変だ。
出来るのかな。大体、読み切れるのか。
この日、14日(金)は夜、角川書店本社で東郷和彦さんと対談し、それをネット配信した。
『内心、「日本は戦争したらいい」と思っているあなたへ』(角川oneテーマ21)の出版記念トークだ。
そして、翌15日(土)は朝早く、福島に行く。福島の病院で昼から講演会だ。木村三浩氏と行く。その日は、福島泊まり。
16日(日)の夕方、帰京。
17日(月)は新宿ロフトプラスワンで『終わらないオウム』(鹿砦社)の出版記念トーク。上祐史浩さん、徐裕行さんと3人で出る。夜遅くまで話し合った。
そして、翌18日(火)の午後2時から、宮崎学氏と対談だ。
とても読めないよ、と思った。それに、ザーッと読んで、〈戦争〉と〈表現〉の問題について語るだけではない。20編の漫画、一つ一つについても2人でキチンと解説してほしいと言う。
これは大変だ。真面目に、じっくりと読まなくはならない。
でも、とても読めないよな、と思っていたが、イザ、読み始めたら、面白い。スリリングだ。引き込まれた。
メモを取り、付箋を貼りながら、読んだ。必死で読んだ。夜も遅くまで読んだ。
福島への行き、帰りの新幹線の中でも、ひたすら読んだ。
福島の宿でも、ずっと起きて読んだ。凄い漫画ばかりだった。知らない世界ばかりだ。
こんな凄い〈戦争漫画〉があったのか。それに、これらを取り上げた選択の眼の優秀さを感じた。編集部の力だ。
又、戦争を見るに当たっての「上から目線」がない。
戦争を語る時、よく「あそこでもう少し敵を叩いておけば戦局は変わった」「あそこで闘ったのはマズかった」「なぜあそこで戦艦は反転したんだ」…といった戦略的な次元でだけ語られることが多い。上から目線だ。
だから、「ゲーム感覚」のようになってしまう。
その点、ここに集められた漫画は、一般の人々の生活体験、一般の人々の視線だ。空襲、疎開、引き揚げ。そして、極限状況の夫婦、親子の情愛が語られる。
今、小説『真空地帯』などは、なかなか読めない。『野火』などもそうだろう。
暗いし、読むのがキツイ。今の人生だって辛くて暗いのに、さらに小説を読んで暗くなりたくない。そう思っているのかもしれない。
でも、(この中にもあるが)、漫画でなら、読める。
兵士たちは、〈戦闘〉で死んでいった人は少ない。むしろ、飢餓、病気で、兵士たちはバタバタと死んでいった。さらに、引き揚げ、空襲…。救いようのない世界だ。
そこを漫画なら、描ける。
たとえば、映画だと、〈戦争〉を描いても、「こんな極限状況の中でも、愛があった」「真の勇気が試された」などといって「逃げる」ことも出来る。
でも現実の戦争は、そんなことはない。愛もない。勇気を試されることもない。ただ悲惨で、残酷だ。全く、救いはない。
それを映画には出来ないが、漫画でなら描ける。救いも、希望も、愛も、勇気もない。そんな中で、バタバタと死んでゆく。
今、そうした救いのない〈極限状況〉を表現出来るのは漫画しかないのかもしれない。そんなことを感じて、宮崎学氏と対談した。
本当は、戦争体験者がキチンと語ってくれればいい。戦争を知らない世代が、ゲーム感覚で戦争を語るのは怖いことだ。
実際の戦争は、戦死だけでない。飢餓、病気、内部のリンチ。そして、捕虜虐待や慰安婦もあった。
だが戦争に行って帰ってきたお爺さん、お父さんは、そんな話を一切しない。娘の前で、孫の前で、「捕虜を殺した」とか、「強姦した」「慰安所に行った」とは言わない。
又、子供や孫たちも、「おじいちゃんは大変な苦労をしたんだ」と思い、それ以上、聞いたら、いけないと思う。「優しさ」なんだろう。
だから、戦争の実態は伝わらない。
「我々だって、そうかもしれないね」と宮崎氏と語り合った。
左右の学生運動だって、「権力と闘った」「パクられた」といった華々しい面しか伝えられない。
組織内部でのドロドロした内部抗争、リンチ。そして、上の官僚的人間が下の活動家たちをいかに虫ケラのように扱い、潰していったか。
そんな「暗い面」は伝わらない。書く人間がいないからだ。
又、過去、少しでも関わった人間は、その体験を無意識のうちに美化してしまう。
これは自分自身の書いたものの中にもあるだろう。気をつけなくっちゃ。と、武装闘争をやった宮崎氏とも確認し合った。
3時間、かなり集中して、長く話し合った。その「解説対談」も2冊に分けて収められている。紙面の関係で、少なくしたようだ。
又、どっかで、この「続き」をやってみたい。
対談が終わって、「いい勉強をさせてもらいました」と編集部の人に礼を言った。こういう機会でもないと、こんなに集中して戦争漫画を読むこともなかったし。
こんなに素晴らしい、考えさせられる漫画があったとは知りませんでした。皆、初めて読む漫画ばったりだし…。と言った。
「いや、昔読んで、案外と忘れているものもあるでしょう」と、編集者は言う。「少なくとも、かわぐちかいじの漫画は読んでるはずですよ。だって、鈴木さんは文庫本で『解説』を書いてましたから」。
エッ!と思った。家に帰って本箱を探した。
あった。かわぐちかいじ『テロルの系譜=日本暗殺史』。(ちくま文庫)だ。2002年発行だ。そうか!この本だったのか。
この本は、来島恒喜、血盟団、そして、2.26事件と描き、最後に東條の自殺未遂をめぐる「一人だけの聖戦」がある。
この最後の部分だけが、『漫画が語る戦争・(戦場の挽歌)』の中に収められていたのだ。
『テロルの系譜』は表紙が血盟団事件のイラストだ。そして本の帯には、こう書かれている。
〈『沈黙の艦隊』『ジパング』へといたるかわぐちかいじ作品の原点〉
「解説」を私はは9頁も書いている。かなり長い。
読んでみて驚いた。うまい。迫力がある。今の方が、どんどん下手になっている。
11年前か。この時の方が、緊張感に溢れた生活だし、必死で書いていたのかもしれない。かつて「テロリスト志望」だった自分の体験と重ねながら。
だからこそ、『テロルの系譜』を読むのが怖かったと言っている。
そして、時代と個人。テロルを思いつめる心境などについて書いている。
今なら、こういう文は書けない。堕落したのだろう。
では、そんな話をしようか。河合塾コスモで。そう思った。学校は夏休みだが、その夏に、3つの特別授業がある。他の先生との合同授業だ。
1回目は、終わったが、7月15日(月)、「三島由紀夫を語る合同ゼミ」をやった。大岡先生、永田先生と、小説、戯曲、活動から三島を読み解くゼミだった。
2回目は、8月17日(土)で、吉田剛先生との「合同ゼミ」だ。現代日本のキナ臭い状況について話す。憲法改正、排外主義、TPP…について。
そして、『先生!』(岩波新書)にも書いたが、「教育とは何だろう」といった話もしてみたい。
3回目は、8月22日(木)で、漫画に詳しい小屋先生と、「漫画と戦争」について語る「合同ゼミ」だ。『漫画が語る戦争』(全2巻)と、かわぐちかいじ『テロルの系譜』をテキストというか、叩き台にして、生徒と話し合ってみたい。
では、終わり。と思っていたら、中島岳志さんの『血盟団事件』(文芸春秋)が送られてきた。8月10日(土)発売だ。
凄い本だ。〈「破壊し尽くしてやる!」〉と表紙には書かれている。5年をかけて書いた渾身の歴史ノンフィクションだ。
〈膨大な史料から見えてくる、煩悶青年たちの叫び。元首相・中曽根康弘の証言。生きている最後の血盟団員へのインタビュー。そして暗殺された団琢磨の曾孫の告白〉
いやー、凄いですね。今、読み始めました。よく書きましたね。よく、これだけ調べましたね。
又、ゆっくり中島さんとは話をしたいですね。
さらに、もう1冊、〈戦記もの〉の本をもらった。『証言・連合赤軍』(晧星社)だ。「連合赤軍事件の全体像を残す会」編だ。
厚い!大判で、なんと、700頁もある。定価は4700円だ。
「こんな高価な本は、もらえませんよ。買わなくちゃ」と言ったら、「鈴木さんも“証言者”ですから」と言う。
確かに名前が出ている。連合赤軍の集会で何回か喋り、それが入っている。
連赤関係者だけでなく、連赤について本を書いた人。喋った人なども入っている。全部で56人が証言している。
これも〈戦史〉だ。歴史に残るだろう。そのうち、『漫画が語る学生運動』なんて本も出来るだろう。
山本直樹さんの『レッド』なども入るな。まず、この『レッド』が完結してからだ。そしたら、他の学生運動漫画も入れて、全10巻くらいで作ったらいい。
そして又、宮崎学氏と一緒に「解説対談」をやりたいですね。
長い、苦しい闘いを聞いた。そして、「冤罪」を防ぐにはどうしたらいいか、を聞いた。又、獄中で会った人々。永山則夫、金嬉老、見沢知廉、吉野雅邦…などの話も聞いた。
終わって、居酒屋「土風炉」で飲みました。
午後、雑誌の対談。
7時、「土風炉」。編集者の椎野レーニンさん、それに出版社の人たちと打ち合わせ。
いつもは、杉正太郎さんと「ダブルバースディ」をやるんだ。杉さんは元「ザ・ニュース・ペーパー」の社長さんです。私と誕生日が一緒なので、ここ数年、荻窪の「HANA」で一緒に誕生会をやっていた。今年も、やる予定だった。滝大作さん(元NHKプロデューサー)も入れて。
ところが、「HANA」の家族にご不幸があり、当分、お店を休むという。それで今年の「ダブルバースディ」は中止になりました。
それで今日は、1人、柔道に行って汗を流したわけですよ。
飛松五男さん、有田芳生さん、植垣康博さん、塩見孝也さん、徐裕行さん、有末剛さん、杉山卓男さん…たちが来てくれました。飛び入りで、大川豊さん、北芝健さん、漫画「鈴木先生」の作者・武富健治さんも来てくれました。豪華なゲストです。大阪や、札幌からも来てくれました。ありがたいです。
午後1時から4時まで。そのあと、近くの居酒屋で二次会。そして三次会…と。
①7月26日(金)、「ビデオニュース・ドットコム」の「マル激トーク・オン・ディマンド」に出ました。午後7時半から12時半まで、5時間の生放送でした。第1部はテーマが「右翼と保守」。萱野稔人さん(津田塾大学准教授・哲学者。中央)と宮台真司さん(首都大学東京教授・社会学者。右)。
⑥漫画が語る戦争」に収められた作品は全て、初めて読むものでした。圧倒されました。と思っていたら、一つだけ昔、読んでました。それに、「解説」を書いてました。かわぐちかいじ『テロルの系譜』(ちくま文庫)です。2002年7月発行です。
⑩杉山卓男さんの本が出ました。『冤罪放浪記=布川事件 元・無期懲役囚の告白』(河出書房新社)です。本の帯には…。
〈獄中生活30年、殺人犯の汚名を着せられた男の恨み節〉
〈ニセ自白・ニセ証拠、刑事補償金目当てのオンナ、“凶悪犯罪者”との獄中交友録…〉
⑪(杉山さんに、肩に手を置かれた)晧星社の女性にもらいました。『証言・連合赤軍』(晧星社)です。700頁もある厚い本です。4700円です。でも、それだけの価値はあります。
連合赤軍事件の全ての関係者、研究者、支援者などの貴重な証言が載ってます。私も書いてます。パトリシア・スタインホフさん(ハワイ大学教授)の特別寄稿もあります。「国際的背景から見た連合赤軍」です。
⑫そういえば、元連合赤軍の人たちとは、私は随分と対談している。『紙の爆弾』や『創』『週刊金曜日』などで。
それだけをまとめてもいいよな。『連合赤軍に聞く』でもいいし。『連合赤軍を総括する』でもいい。編集者のレーニンさん、やって下さいよ。静岡の植垣康博さん(元連合赤軍兵士)のスナックにはよく行って話してますよ。これは6月29日(土)の夜ですね。
⑬ビルの外には、「ふしぎな酒場。スナックバロン」と看板が出ています。バロン(男爵)のいわれですか。
①顔が「男爵イモ」に似てたから。
②バロン吉元の漫画『柔侠伝』の主人公に顔が似てたから。…等々、いろんな説があります。
いっそ、店名を「こわい酒場。総括」にすればいいのに。こわいもの見たさの女の子で満員になりますよ。スナック「連合赤軍」。スナック「粛清」でもいいですね。
㉒沖縄旅行中の友人が、フェイスブックに載せてました。「パーラーみやま」が沖縄にあったんですね。じゃ、私も行ってみなくっちゃ。
喫茶店「ミヤマ」。バーバー・みやま。デリヘル・みやま…。みやまチェーンは多いです。木造アパート・みやまもあります。「全日本みやま連合」を作らなくっちゃ。
㉓大久保のネイキッド・ロフトの左隣りに長光寺があります。そこに書いてました。
〈受身
柔道の基本は受身
受身とはころぶ練習。まける練習。
人前でぶざまに恥をさらす稽古
受身が身につけば達人。
まける尊さが分かるから〉
凄いですね。この住職さんも柔道か合気道をやってるんでしょう。人生の極意を伝えています。内田樹さんの
ようですね。
㉔あっ、いけない。早く行かないと終わっちゃうよ。と思って、急いで行きました。8月1日(木)、山種美術館です。川合玉堂展を見てきました。とてもよかったです。本も買いました。
「日本の風景は川合玉堂がつくった」と言われてます。川合の絵を見て、初めて日本の風景が分かります。日本人としての自覚がわきます。
㉕川合玉堂の代表作「早乙女」です。田植えです。1945年(昭和20年)の作です。戦争中です。川合は戦争画を一枚も書いてません。そして、自らの信念に従って日本の美しさ、日本の素晴らしさを描き続けてきました。