2月20日(木)、テリー伊藤さんと対談した。週刊「アサヒ芸能」だ。3月中旬に出るだろう。
久しぶりに、じっくりと話をした。テリーさんは全共闘世代だし、デモにもよく出てたという。その世代なので、分かり合えることが多い。
「鈴木さんの本を最近7冊買って、集中的に読んだんです」と言う。気合が入っている。嬉しい。対談するテーブルの上には、『愛国者の憂鬱』と『連合赤軍は新選組だ!』が置かれていた。
「いやー、嬉しいです。じゃ、これも…。来週月曜日に発売なんですが」と、渡しました。
前日、見本誌をもらったばかりの本だ。『反逆の作法』(河出書房新社)だ。2月24日(月)、発売だ。今年になって3冊目だ。
3月上旬には、『「日本の分」について考える』(鈴木宗男さん、中島岳志さんとの共著。柏艪舎)も出る。
ありがたい。いい仕事をさせてもらっている。出版社や編集の人が優秀だから、こんないい本が出来たのだ。感謝感激だ。
では、『反逆の作法』についてだ。
〈「文句」を「反逆」に高める作法を先人に学べ〉
と、本の帯には書かれている。
私が影響を受けた人々11人について書いた。文句を「反逆」に高めた人だ。
そして、文句、抗議、だけでなく、皆が分かる一つの「ジャンル」「作法」に高めた人たちだ。
たとえば、他人との争い・喧嘩でも、格闘の「術」になり、「道」になる。〈芸術〉になる。宮台真司さんが言ってる「表出」と「表現」の違いを思い浮かべる人もいるだろう。
飲み屋で喚いている。街頭で騒いでいる。ネットで悪口を言い合っている。そんなものは、「表出」だという。
我々が過激な運動をやってきた時も、大声で怒鳴り、感情的に爆発し、そうした「表出」が多かったと思う。
ところが、「表現」は、違う。(関心のない)一般の人たちにも分かる「型」「スタイル」を持ったものだ。
本を作る。一般向けの講演をする。テレビ、ラジオに出る。つまり、人々の「反論」を聞き、「質問」を聞き、冷静に話し合う〈場〉を持つ。
いきなりキレたりしない。殴りつけたりしない。そういう〈場〉に出る覚悟を持つ。
それが「表現」なのだろう。
その境界線ははっきりしてるようで、実は、あいまいだ。
「ミニコミ」が「表出」で、「マスコミ」が「表現」。という訳でもない。
小さな同人誌や、ネット、ツイッターでも、立派に「表現」としての品格と覚悟を持ったものもある。
一方、本屋に並ぶ新刊書の呆韓、反韓、反中…といった罵詈雑言だけの本もある。新聞、週刊誌でも、ただ排外主義、差別を煽るだけのものもある。テレビの激突番組で、怒鳴りまくってる人もいる。
大マスコミ、大出版社だが、中味は、「表出」でしかない。そんなものも多い。
今、思ったが、「自制心」があるのか、ないのか。その違いかもしれない。
そんなことを考えながら、『反逆の作法』を書いた。
書いたのは去年だが、「著者、久々の書き下ろし」と帯に書かれている。
去年から今年にかけて、かなり集中して仕事をし、本を出してきたと思ったが、対談や、今まで書いたものをまとめたものが多かった。
その点、この本は、どこかに連載したものではない。全て書き下ろしだ。だからキツかった。
連載や対談ならば、読んでくれてる人の反応が分かる。
これは面白いな。これは違うかな。こんな話をしたらいいかな。と自分の進んでいる道・方向が分かり、自分で進路を変えることも出来る。
その点、「書き下ろし」は周りが見えない。周りの声が聞こえない。自分一人の世界だ。霧の中を突き進んでいるようだ。まっすぐ歩いているのか、大きく脇道に外れて、崖から落ちようとしているのか、分からない。
そんな不安と戸惑いを抱えながら、1年かけて、必死に書き進めてきた。
それがこの本だ。本の帯には、さらにこう書かれている。
〈後ろを振り向くことで、「助走」ができるのだ。イエス・キリスト、山川惣治、山口二矢、森田必勝、高橋和巳、北一輝、ドストエフスキー…。
常識に刃向かうことで思想を得た11名の人々を今、学び直す〉
あれっ? と思う人も多いだろう。三島由紀夫、野村秋介が入ってないじゃないか、と。
「お前は三島、野村に影響を受けて、運動を始めたんだろう。だから新右翼と言われるんだろう」と。
その通りだ。今まで自分が書いてきた本も、ほとんど、この2人について触れている。それだけ大きい存在だし、一番影響を受けた2人だ。
ただ、この本の中では、「それ以外の人々」を中心にして書いてみた。
前にも書いたが、三島、野村氏に出会い、影響を受けたのは事実だ。
しかし、その前に、受け入れる「素地」「土壌」が自分の中にあったと思う。
全く反対のことを思い、あるいは、国家や民族、愛国心について、全く関心がなかったら、2人の発言を聞いても、それほど共振するものはない。影響も受けないだろう。そんな国民の方が多いのかもしれない。
自分は2人に出会って、感動し、感銘を受けた。その2人を受け入れる土壌・素地があったからだ。それに、もう〈運動〉は始めていたのだし。
「じゃ、その素地について書いて下さいよ」と出版社の人に言われて書いたのだ。だから、「ナショナリスト鈴木邦男の出来るまで」だ。
今までの本とは別の視点から見、考えてみた。だから、ちょっと変わった本になったと思う。
小学校時代に感動し、影響を受けた山川惣治がいる。杉浦茂の漫画がある。高校生の時に出会った「生長の家」。学校で強制されたキリスト教。又、高校生の時にテレビで見た、浅沼社会党委員長刺殺事件。読みまくった北一輝。ドストエフスキー。
…そうした事件や人々のことを書いた。
最初は、とりとめもなく書き始めた。
人々だけでなく、子供時代に住んでいた東北の田舎。その自然。そこに住む人々。山や川や、雲からも影響を受けたはずだ。
しかし、そこまで拡げると、まとまりがつかない。
だから、11人に限定し、書き始めた。アトランダムに書き始めた。
まるで雲の中を歩いているような感じだった。この道でいいのかな。道を踏み外して、崖に向かっているんじゃないのかな。と不安に駆られながらも1年間書いた。
11人について、別々に書いたから、どんな順番にし、どんな流れにするか。考えもしなかった。
自分の旅は、そこまでだ。
それを河出の武田さん、編集者の椎野、高橋さんが大胆に整理し、直してくれた。
私の書いた粗っぽい〈素材〉を生かして、料理の腕をふるってくれたのだ。
「目次」を見て、「ほう! これは凄い!」と思った。
自分の原稿が、きちんと整理され、大きな河の流れになっている。
目次、見出しの付け方もうまい。編集をする人々の「匠の技」を見せてもらった。
おかげで、こんな素晴らしい本になった。ありがとうございました。
そうだ。この素晴らしい目次を紹介しよう。
凄いですね。この目次で、本全体を語っている。
いや、これほど過激に「主張」し、煽動している目次は見たことがない。私なんかじゃ、とても書けやしない。何度見ても、凄い。うまい。唸ってしまう。
どうです。読んでみたいと思うでしょう。
今まで出した本の中で、最も刺激的な目次だ。「目次大賞」だ。
本の表紙の見返しのところには、こう書かれている。この本を書いた著者の〈動機〉だ。
〈人はなぜ思想を持つのだろう。
巨大な時代や世界に対する恐怖からかもしれない。ちっぽけな自分が思想を持つことで、時代や世界と対峙できる。また対峙する同志が得られる。
では、人はいつ、誰によって思想を教えられるのだろう。私の思想を育んだこの11名は、反逆を「作法」の域に高めた人たちである〉
11名の中には、有名な人もいるし、「えっ誰?」と思う人もいるだろう。
しかし、〈私〉を作ってくれた人たちだ。私の〈素地〉〈土壌〉は、この人たちによって作られた。
だからこそ三島由紀夫や野村秋介さんに会った時に感動し、影響を受けて、〈行動〉し始めたわけだ。
読んだ人も、「あっ、俺にもこんな人がいるな」「私にとっては誰かな」と考えることだろう。
無名であってもいいのだ。その人にとっては、限りなく大きな人なんだから。そんな話もやってみたい。
そうだ。この本だけに絞って「読書対談」をやってもいいな。
「読書対談」は、新年早々にやったから、その第2弾だ。
あれっ、第1弾はまだこのHPにupしてないよね。それをupして、その次にやるか。それとも、こっちの方を先にやるかな。
「読書の作法」についてでもいい。でも、こう言うと、やけに、おとなしくなっちゃうな。「反逆」だから作法でサマになっている。
読書はいいんだ。闘う読書道、読書戦争で。
そこで、九條今日子さんに紹介された。女優で、寺山修司の元奥さんだ。お名前はかねがね。お会い出来て光栄です、と挨拶しました。寺山修司の話ばかりを皆でしてました。
他に「月蝕」の女優・吉永まりさんと、作家のくらもとさんもいました。死後もこれだけ騒がれ、読み継がれるのは、寺山修司と三島由紀夫だけだな。という結論になりました。
それから私はポレポレ東中野に。「標的の村」を見ました。オスプレイ反対で闘った沖縄の人々の記録映画です。凄いです。
終わって帰ろうとしたら、女性に声をかけられました。昔、一緒に学生運動をやってたそうです。私と。中央大学の女性でした。旦那さん、娘さんも一緒でした。家族で沖縄に行って支援の闘いをやってきたそうです。偉いです。
そこで今、長嶋りかこさんの個展をやっている。それを見に行ったのだ。坂本龍一さんと私の対談集『愛国者の憂鬱』のカバーデザインをしてくれた人だ。イッセイ・ミヤケのカバンのデザインや私の本も並べてある。
素晴らしかったです。さすが坂本龍一さんが「ぜひデザインは長嶋さんに」と言うわけだと思いました。
いろいろとお話をしました。出版記念トークにもぜひ、出てほしいです。
帰る時、他のギャラリーで松田美由紀さんの写真展をやってたので見ました。満島真之介さんなどの大きな写真がありました。つい並んで写真を撮っちゃいました。
夕方、6時。高田馬場の土風炉。布川事件の冤罪被害者・杉山卓男さんと新年を祝う会。若い美女を中心に15人ほどが集まりました。
元占い師のサカイさん。インディユニオン委員長の小林蓮実さん。出版社勤務の晴山生菜さんなど。
レーニンさん、塩田さん、山中さん、あさこさん、村瀬さん、原淵さん。それに、元検事で今は弁護士の市川寛さんも参加。
私は文化放送で、一昨年、会いました。初対面の人が多いので、名簿が渡されました。「訪朝2回」「訪朝3回」とか書かれてる人も。7回の人もいる。30回の人もいる。
それに、「×」とか「××」が付いてる人も。離婚の回数らしい。「バツイチ」「バツニ」だ。お見合いでもないのに…。「個人情報」だよ。私のことも×を2つ位、付けておいてくれよ。(見栄張って)。
〈久能靖が語る激動の昭和
シリーズ第二弾
「あさま山荘事件の真実」〉
あの事件の時、久能さんは日本テレビのアナウンサーとして、現場で実況放送をしていた。その時の声・映像が流れる。そして、あの事件の真実は何だったのかが語られる。
元連合赤軍兵士・植垣康博さんがゲストで証言する。他に、インタビュアーは原元美紀さん(フリーアナウンサー)。
そして、講談師の神田きらりさんが講談「あさま山荘」をやる。凄いです。
連赤漫画「レッド」を描いている山本直樹さんも来てました。又、女優の音無美紀子さんも聞きに来てました。満員でした。11時頃までいました。そのあと、植垣さんたちと近くの居酒屋で飲みました。
椎野レーニンさんから見本誌をもらいました。『反逆の作法』(河出書房新社)です。24日(月)全国書店発売だそうです。表紙もきれいだし、いいですね。今年は、3冊目です。嬉しいですね。
終わって、河合塾コスモへ。3時から、「現代文要約」。5時からの「読書ゼミ」は、今週はお休みで、〈OB、OG座談会〜私のコスモ活用法〜〉。
卒業生で大学生になった先輩が2人来て、体験を話し、コスモの活用法を話す。1人は居合道をやってるというし、もう1人は、難易度の高い大学に合格しながら、あえて、漢文をやりたいために、別の大学に進んだという。しっかり考えて、勉強している。
私は、途中で抜けて、タクシーで、サンポール麹町へ。6時半から松木けんこうさんの誕生日祝い。議員として頑張っていたのに、今は浪人だ。残念だ。でも、民主、維新などの議員が大勢駆け付けて、激励していた。
民主の原口さん。維新の松浪ケンタさん…などに会った。又、北芝健さん、苫米地英人さん、白川勝彦さん、ベナン共和国のゾマホンさんなどに会いました。
6時、高田馬場土風炉。佐藤ゆうこさんが京都に帰るというので、送別会。
昔、早稲田大学に入る前に、この辺で下宿してたんだ、と思い出して、探しました。でも、よく分かりませんでした。
それから、練馬区立美術館に行きました。「野口哲哉展—野口哲哉の武者分類図鑑」を見ました。よかったです。面白かったです。
⑥2月15日(土)午後1時より、水道橋の東京学院1階会議室で。「第25回国賠ネットワーク支援集会=公権力の闇・特定秘密保護法と国賠裁判」。
清水雅彦さん(日本体育大学准教授)が記念講演しました。「情報公開と特定秘密保護法」。
⑩杉山寅次郎さんと。「私は落合に住んでるのに、近くでは全く会わない」と言ってました。そうですか。「でも、札幌、西宮、姫路などでは会ったのに…」と。遠くまで講演を聞きに来てくれて、ありがとうございました。
⑪2月16日(日)午後1時。飯田橋の東京しごとセンター。
〈日韓つながり直しキャンペーン2015。スタート集会〉
来年(2015年)で、日韓国交正常化から50年目です。それに向けての集会です。何が出来るかを考える集会です。満員でした。
⑰終演後、月蝕歌劇団の高取英さん(右)に誘われ、阿佐ヶ谷駅前のスナック「月は夜を見て」に行きました。九條今日子さん(左)にお会いしました。女優で、寺山修司さんの元奥さんです。寺山の話を沢山聞きました。中央に中森さん、あとの2人はライターと役者さんです。
㉔2月19日(水)恵比寿の「アート・カフェ・フレンズ」。
〈久能靖が語る激動の昭和
シリーズ第2弾「あさま山荘事件の真実」〉
その事件の中継をしていたのが、久能さんです。当時、日本テレビのアナウンサーです。現場まで行き、寒さに震えながら実況をしてたそうです。
左から、元連合赤軍兵士の植垣康博さん、久能靖さん、神田きらりさん(講談師)。原元美紀さん(フリーアナウンサー)。