2014/04/21 鈴木邦男

連合赤軍事件。映画の後、当事者たちと語り合った

①日常生活の中から、ヒョイと飛んだ!

「連合赤軍事件を語る」4/14(月) 「連合赤軍事件を語る」4/14(月)

血盟団事件と連合赤軍事件か。両方とも、当時の日本を震え上がらせた大事件だ。

血盟団事件は、1932年(昭和7)に起こった。「一人一殺」のテロ事件だ。

連合赤軍事件は、それから40年後の1972年(昭和47)に起こっている。

同志大量虐殺事件、そして、あさま山荘銃撃戦だ。

この血腥い2つの大事件の間に関連性はない。「連合赤軍事件は血盟団だった」というつもりもない。全然、別物だ。

連赤の「仲間殺し」の前には、「一人一殺」のテロの方が、ずっと「人間的」に見えるし、「宗教的」にも見える。

実際、テロをやった血盟団の人間は、「宗教的行為」としてテロを実行した。その点ではオウム真理教とも似ている。

森達也さん(右)も登場 森達也さん(右)も登場

そうすると、血盟団と連合赤軍事件とオウム事件。この3つを並べると、戦後日本の危なく・暗い部分を代表しているようだ。

日本の「病理」を読み解くには一番分かりやすい対象だろう。

オウムと連合赤軍を比較対照して論じた本はいくつかある。田原総一朗さんも書いている。

これは、その前に「朝まで生テレビ」でやった「オウムと連合赤軍」をまとめて解説したものだ。

凄い番組だった。今はあんな危ない過激な番組は無理だろう。

その歴史的な番組に私も出た。オウム脱会者、宗教評論家、それに連合赤軍だった植垣康博さんたちが出た。「突破者」の宮崎学さんも出た。元東大全共闘もいた。

高橋伴明さん足立正生さんを中心に 高橋伴明さん足立正生さんを中心に

学者の人が、「なぜオウムが悪いかと言うと、人を殺しているからです」と、当然のことを言うと、元活動家たちはドッと批判する。糾弾する。

「何言ってんだ。どこの宗教だって戦争してるじゃないか! 十字軍戦争を見ろ!」と言う。

ワーッと言われ、その先生は黙り込んでしまった。

又、連合赤軍の人は、「我々はオウムとは全く違う。無関係の一般人を殺したりはしない」と具体的に言う。

それに対し、オウムを擁護する立場の人は、「連合赤軍は仲間まで殺している。オウムより悪い」という声も出て、大混乱になった。

そうだ。8月2日(土)午後1時から阿佐ヶ谷ロフトで、「生誕祭」を開く。

ゲストは10人以上です ゲストは10人以上です

その時に、連赤の植垣康博さんと、元オウムの上祐史浩さんに出てもらって、「オウムと連合赤軍」をやろう。

2人とも、〈極限状況〉に置かれ、そこを抜け出して、それをキチンと「言葉」として表現してる人だ。

とても体験出来ない〈地獄〉を体験し、それを伝えてくれる。

極限状況では人間はどうなるか。残酷ないわば「人体実験」が行われたのだ。

「それに、これは誰もがいつ入るか分からない危機ですからね」と植垣さんは言う。

たとえば、軍隊に志願して戦争に行く。ゲリラ兵士として戦場に行く。

司会の椎野レーニンさん(左) 司会の椎野レーニンさん(左)

そんな時は、「この平和な世界」から大きく踏み出して、戦争の世界へ飛び込むのだ。大きな決断も必要だ。

ところが、日常的に大学で集会をやり、デモをやっている。その延長線上で、山に登って、訓練をする。「合宿」のような気分だ。

誰も、人殺しが行われるとは思わない。ビクニック気分で、来る人もいる。兄弟3人で来る人。恋人同士で来る人。身重で、「山で子供を産もう」なんて考えて来る人もいる。「日常」の延長だ。

ところが、その「日常」の延長が殺し合いの「修羅場」になる。体験者の植垣さんが、言うのはそのことだ。

②「血盟団事件」への中島さんの熱い思い

始まる前に記念撮影 始まる前に記念撮影

そうだ。「〈極限状況〉で読み解く日本史」を書いたらいいのもかしれないな。

じゃ、8月2日には『血盟団事件』(文芸春秋)を書いた中島岳志さんにも来てもらって話してもらおう。

ちょっと話が先走ってしまったな。今週は「血盟団事件と連合赤軍事件」について書くつもりだった。

2つの間に直接の関係はない。(あるとするなら、そのうち見つける)。そうではなく、つい最近、2つの事件について、真剣に考えたからだ。4月11日(金)と14日(月)だ。

4月11日(金)は一水会フォーラムで、中島岳志さん(北海道大学准教授)が講演してくれた。

白井さん、足立正生さんと 白井さん、足立正生さんと

タイトルが凄い。「血盟団事件=昭和維新テロから現代は何を学ぶか」。

会場(ホテルサンルート高田馬場の会議室)は超満員。予約申込みも随分と断ったという。勿体ない。

当日は右翼・民族派の活動家も沢山来ていた。「血盟団事件については俺の方がよく知ってるよ」と自負している人もいる。

中島さんと初めて会った時は、私もそう思っていた。

私は昔、血盟団、5.15事件、2.26事件などの関係者に会って話を聞き、本にまとめたことがある。『証言・昭和維新運動』(島津書房)だ。

前蔵相の井上準之助を殺した小沼正さんはまだ健在だったので、会って話を聞いた。

終わって、打ち上げで 終わって、打ち上げで

又、北一輝の片腕・西田税は裏切り者だから殺せという指令を受けて、西田を撃ち、逃走した川崎長光さんにも話を聞いた。

血盟団公判記録も全巻読んだし、「血盟団」のことは何でも知ってる。「今さら聞くこともないだろう」と思っていた。

ところが、会って驚いた。詳しい。本当によく調べている。

それに、実に情熱的に話す。「えっ、大学の先生がこんなに血盟団にシンパシーを持っていいのか」と、こっちが心配になった。

中島さんは、初めは、「マガジン9」で対談し、その後、中島さんがやっているラジオで対談し、札幌時計台シンポジウムでも話をした。森田必勝氏の地元・四日市でやった、〈三島事件を考える会〉にも来てくれた。

そして、一水会フォーラムでの講演だ。一水会では、2時間、一気に、怒濤のように喋る。

熱い。アジ演説のようだ。右翼・民族派の人々もただただ圧倒され、感動していた。

この日はマスコミの人もいたし、元財務相の城島さんも聞きに来ていた。皆、「凄かったですね」と言っていた。

③「光の雨」これは今と同じだ、と。そして連赤事件も…

12時過ぎまで飲みました 12時過ぎまで飲みました

中島さんは、『血盟団事件』(文芸春秋)という本を書いている。去年の8月に出した。

血盟団事件については何十冊と書かれた本があるが、これはダントツだろう。

詳しいだけでない。血盟団の井上日召や小沼正、菱沼五朗らにポンと入り込んで、彼らの内なる声を聞く。憂いを聞く。そしてこの事件は決して「終わったことではない」「歴史でない」と言う。

時代は今も同じだ。若者の怒りや憂いは、今も同じだという。これは、〈現代の問題だ〉と言う。

本の帯にはこう書かれている。

高橋監督と指輪の女性 高橋監督と指輪の女性
〈格差問題。ワーキングプア、社会的孤立、新興宗教、自分探し——。 「血盟団事件は、きわめてアクチュアルな事件である。当事者の姿は、現代の我々の鏡像に他ならない」(著者)〉

ズバリと言い切ってますね。ぜひ、皆も中島さんの『血盟団事件』を読んでほしい。そこに〈全て〉があると言ってます。

私も衝撃を受けた。頭が真っ白だ。勉強をし直したい。そして又、どこかで対談してみたい。

次は、連合赤軍事件だ。

先週も詳しく書いたが、11月14日(月)、阿佐ヶ谷ロフトでやった、「連合赤軍事件を語る会」だ。

映画「光の雨」から。射撃訓練 映画「光の雨」から。射撃訓練

正確には、こういう。

〈鈴木邦男『連合赤軍は新選組だ!』発売記念。
高橋伴明監督と『光の雨』を見よう!〉

高橋伴明監督は2001年、映画「光の雨」を撮って公開した。連合赤軍事件を扱った映画だ。

「光の雨」は、「これはフィクションであり…」と断っているが、連合赤軍事件だ。立松和平さんの小説「光の雨」を基にして撮った映画だ。

立松さんの小説は初め、丁寧に調べあげ、実録風に書き始めた。

ところが連合赤軍の人間からクレームがついた。自分の本から無断引用していると…。

左は森恒夫役の山本太郎さん 左は森恒夫役の山本太郎さん

連赤関係の当事者の資料は余りない。そこから参考にしたら当然、同じ記述になるだろう。

いいだろうと思ったが、関係者はひかない。

裁判支援者も説得したらいいのに、しない。したけど、ダメだったのか。

それで、立松さんは、それまで書いたものを全て廃棄する。もう、やめた、となった。

しかし、いろんな所から励まされ、全く構想を変えて書いた。それが『光の雨』だ。

今度は、完全な小説〈フィクション〉にした。

何年か、何十年か、それ以上か。ともかく「これから先」の時代設定だ。

獄中の連赤幹部が出所してくる。そして、ボロアパートに住む。独居老人だ。

隣には受験生が住んでいる。この2人の会話から始まる。

受験生は老人の過去を知り、連赤事件について、あれこれと聞いてゆく。

その中で、連赤事件が語られるのだ。老人の反省もあるし、後悔もある。又、闘い続けてきた反権力の志もある。

④小説「光の雨」をなぜ映画化したか

〈総括〉シーンです 〈総括〉シーンです

この小説を基にしながらも、映画「光の雨」は設定を大きく変えている。

ボロアパートの同居人同士の話では何とも暗い。映画としての華がない。

それで、映画作りの話にした。

今の段階で、若者に、あの事件はどう映るのか。そのために、〈劇中劇〉をつくる。

「光の雨」という映画を、ある監督が撮ろうとする。元全共闘の監督だ。そのためにオーディションをやる。

役者たちも、連合赤軍については皆、「理解出来ない」「分からない」なんて言う。それが当然だ。

「あさま山荘」での銃撃戦 「あさま山荘」での銃撃戦

でも、映画の撮影に参加しているうちに、段々と変わってゆく。そして「連赤化」してゆくのだ。この変化が凄い。

山本太郎が森恒夫役だ。裕木奈江が永田洋子役だ。この2人が実にいい。

他の役者たちも急激に変わってゆく。撮影の合間にも、「それはおかしい。プチブル的だ!」「革命精神が足りない!」と、怒鳴り合ったりする。

ウーン、こうなるだろうなと思わせる、もの凄く説得力がある。

阿佐ヶ谷ロフトでは、6時45分から「光の雨」を上映し、そのあと、監督の高橋伴明さんを中心にして、トークをする。

初めは、高橋監督と私のトークの予定だったが、どんどん増えた。

山平重樹氏の『連合赤軍物語・紅炎』 山平重樹氏の『連合赤軍物語・紅炎』

森達也さんがスペシャルゲストで来てくれた。役者の大久保鷹さんが来てくれた。

又、連合赤軍に参加し、刑務所に長い間入っていた人たちも来てくれた。

27年の獄中生活を終えた植垣康博さんをはじめ、雪野建作さんたちだ。

2001年に上映された時は私は勿論見た。そして13年ぶりに見た。「内容は知ってるさ」と思っていたが、今見ると、「全く新しい映画」だった。そう見えたのだ。

これには自分でも驚いた。このあと、ゆっくり又見ようと思ってDVDも買った。

連合赤軍事件から30年経っての映画化だ。この時でもまだ、〈連赤=悪〉のままだ。

一水会で講演する中島岳志さん。4/11(金) 一水会で講演する中島岳志さん。4/11(金)

左翼運動が潰れたのも、若者が変革の夢を捨てたのも、全ては連赤のせいだ。これが悪の元凶だ。そう思われていた。

皆、この事件については、触れたがらない。語りたがらない。

その中で、連赤を撮る。タブーへの挑戦だ。

脚本は何度も書き直した。どう書いていいのか分からない。迷い、悩みながら脚本を書き、映画の撮影に入る。

DVDには、この映画の脚本・プロデューサーの青島武氏の文章が入っていた。

〈そして劇中劇あり〉と題し、脚本、撮影の苦労が語られている。悩んだ末に、こう思って、脚本を書いた。という述懐が語られている。

元財務相の城島さん、中島さん、木村氏 元財務相の城島さん、中島さん、木村氏
〈『光の雨』とは連合赤軍事件を総括する物語ではなく、事件をありのままに伝えようとする物語、語る人と聞く人との物語なのだと思った。立松さんや監督は歴史の闇の中に眠る死者たちに光を当ててあげたかっただけなのだ。いつの間にか30年間誰も映画化出来なかった事件を映画化する。そんな勝手な気負いと驕りに凝り固まっていたのだ。
事件を劇中劇として、事件や時代への疑問や思いをそのまま描くことにした。小説『光の雨』を映画『光の雨』にしようとする人々。いわば僕たち自身のいまの物語になった。こうしてシナリオは出来上がった。—そして劇中劇あり〉

⑤これは高橋伴明監督たちの物語だ

中島岳志さんと 中島岳志さんと

そうなのか。高橋監督や脚本の青島さんたちの〈物語〉なのか、これは。

だから、疑問に思い、悩みながら、映画を撮っている。

山の中に入った連赤の兵士たちもそうだったんだろう。

映画が終わった後、阿佐ヶ谷ロフトでは、当の連赤兵士たちが、ズラリと壇上に並ぶ。

彼は、今でも考え続けている。なぜ、あそこで戻れなかったのか。なぜ、反対出来なかったのか。森の威力に射竦められたのか。

いやいや、「やれ!やれ!」と一般兵士が煽ったのだという。

日本が戦争に突入する時も同じだった。一般の人間が煽った。

「この点は、オウム事件と似ている」と森達也さんは言う。

周りの者たちは、麻原の気に入る「情報」だけを持ってくる。麻原の特異な性格もあろう。

懇親会場で 懇親会場で

だが、皆で「麻原」を作った面もあるという。連合赤軍も似てるという。

この日、阿佐ヶ谷ロフトに来た人たちは、幸せだったと思う。

貴重な映画を見て、高橋監督、森達也監督、足立正生監督…と、3人の監督の話を聞けた。

又、映画に出ていた連赤の人々を、目の前に見て話を聞けた。

質問が出来て、私も、この中で、「アッ!」と思ったことがいくつもあった。又、新発見もあった。

「今度、高橋監督と私で話をさせて下さい」とお願いした。そこの中で生まれてくることも多いと思う。

又、4月19日(土)は、静岡に行き、植垣さんがやっているお店「バロン」で話をした。

三島がよく来ていた下田のお菓子屋の娘・横山郁代さん。そして私と植垣さん。この3人で、「連合赤軍と三島由紀夫」について語り合ったのだ。

そうか。私らも、ただ、回顧し、歴史的事件を見ているだけではない。そのことによって、時代を生き、新しい体験をしているのだ。

私らも〈物語〉を作っているのだ。〈物語〉を生きているのだ。そう思った。

【だいありー】

「18歳未満は買えない」私の本 「18歳未満は買えない」私の本
  1. 4月14日(月)午前中、原稿。午後、新聞社の取材。6時、阿佐ヶ谷ロフトに行く。
〈鈴木邦男『連合赤軍は新選組だ!』
 発売記念!
 高橋伴明監督と『光の雨』を見よう!〉

超満員だった。6時45分から「光の雨」の上映。

2001年に見た時とは全く違っていた。「新しい映画」を見てる感じだった。その後、連赤関係の多くの人たちに会い、話を聞き、書いてきたからか。実にリアルで感動的な映画だった。

又、連赤事件とは何か、解明しようとする監督やスタッフ、役者たちの熱意が伝わってくる。

9/9(火)高遠菜穂子さんとトーク 9/9(火)高遠菜穂子さんとトーク

終わって、9時近くからトークを始める。11時まで、森達也監督、足立正生監督。それに、植垣康博さん始め、連合赤軍関係者がずらりと壇上に並ぶ。

今、映画で見た〈総括〉シーンに出た人、猟銃強奪をした人、山から脱走した人…などが出るのだ。凄いトークだ。

終わって、その場で打ち上げ。12時過ぎまで。

42年も昔の話なのに、まるで〈現代〉の話のようだ。あの事件は決して〈総括〉されてない。連赤の「悪い遺伝子」だけが伝えられている。「連合赤軍化する日本」だ。

  1. 4月15日(火)午前中、原稿。午後、図書館。日本紙芝居全集を今、集中的に読んでいる。昔の記憶も甦ってくる。夕方、柔道。
映画「ファルージャ」 映画「ファルージャ」
  1. 4月16日(水)昼、取材。夕方から、集中的に本を読む。電車、ファミレスで、5時間、読書。
  2. 4月17日(木)11時、東中野で、若松プロの人たちと会う。
     「若松孝二記念館を作って下さい」「司馬遼太郎の“菜の花忌”のような、シンポジウムをやりましょう」と提案した。
     若松プロにいた人が、今、どんどん映画を作ったり、脚本を書いたりしている。若松さんの反骨精神が広がり、日本を変えるだろう。期待したい。
     午後から河合塾コスモ。今日から新学期が始まる。
     3時から「現代文要約ゼミ」。
     5時から「読書ゼミ」。今日は、星亮一さんの『明治を支えた「賊軍」の男たち』(講談社+α新書)を皆で読み、考えた。
     これは実にいい本だ。渋沢栄一、福沢諭吉、榎本武揚、原敬、野口英世など、「賊軍」の男たちの不屈の物語だ。そして、実はこの人たちこそが日本の「明治」を作った。
  3. 4月18日(金)午前中、原稿。午後、出版社の人と打ち合わせ。それから、週刊誌の取材。夜、柔道。
  4. 4月19日(土)午前中、原稿。
     午後1時、品川区中延の親類の家に。叔母さんが亡くなって、午後1時から告別式。
     私の母の妹だ。99才だった。去年の正月に挨拶に行った時は元気だったのに。あの時、「邦男ちゃん、はい、お年玉」といってもらった。
     申し訳ないけど、ありがたくもらいました。いくつになっても、叔母さんにとっては「邦男ちゃん」だ。いいですね。とても元気だったのに、「鈴木家のルーツ」などについても教えてもらった。
     この日は、仙台の兄貴、函館の従兄弟(上谷俊夫さん)なども来た。他にも、久しぶりに会う親類の人たちがいました。
     私は4時半に失礼した。5時半の新幹線に乗って静岡へ。植垣康博さん(元連合赤軍兵士)のやっているスナック「バロン」で「歌と講演の夕べ。三島由紀夫と連合赤軍を語る」。
     私は、ちょっと遅れたが参加する。『三島が来た夏』の著者で、歌手の横山郁代さん。植垣康博さん、私で。横山さんの歌を聞き、皆で三島と連赤について語る。阿佐ヶ谷ロフトで14日(月)、植垣さんと話したので、それの「続編」をやる。人も一杯で、盛り上がった。
     最終の新幹線で帰った。
  5. 4月20日(日)早朝の新幹線で福島へ。いつも一水会フォーラムに参加してくれている福島の医療法人「生愛会・総合リハビリテーション医療ケアセンター落成披露宴」に出る。
     生愛会は頑張っている。去年は、木村代表と私を呼んで講演会をしてくれた。
     午前9時から11時。内覧会。
     11時から、ケアセンター落成披露宴。
     12時から本間達也先生の厚生労働大臣表彰受賞を祝う会。とても盛大でした。
     東京から、一水会の木村三浩代表他、数名が来ていた。
     終わって、いろいろと話を聞いた。夕方、東京勢は帰京。私は福島の友人と会い、その後、三春の滝桜を見て、夜、帰る。

【写真説明】

「連合赤軍事件を語る」4/14(月)

①4月14日(月)阿佐ヶ谷ロフトで。
〈鈴木邦男『連合赤軍は新選組だ!』発売記念!
高橋伴明監督と『光の雨』を見よう!〉
 超満員でした。午後6時45分から映画「光の雨」を上映。その後、9時から11時まで、高橋伴明監督を囲んでトーク。連合赤軍事件の参加者も登場して、豪華なトークイベントになりました。
(左から)司会の椎野レーニンさん、鈴木。『証言・連合赤軍事件』を出している皓星社の晴山生菜さん。特別ゲストの森達也監督。高橋伴明監督。元連合赤軍の前澤虎義さん(山から脱走した人です。命懸けです)。植垣康博さん(総括に参加し、27年も刑務所に入った人です)。

森達也さん(右)も登場

②森達也さんは仕事の関係で前半だけ出演。後半は、足立正生監督が出演しました。
 森さんは高橋監督が作った袴田事件を扱った映画『BOX』を取り上げ、その事件を中心に語りました。

高橋伴明さん足立正生さんを中心に

③森達也さんのあとは足立正生監督が登場して、〈連合赤軍と日本赤軍〉の話をしました。

ゲストは10人以上です

④ゲストは10人以上になりました。右の小上がりのとこにも並んでます。
(左から)元連合赤軍の雪野建作さん(真岡の銃砲店を襲い銃を強奪した人です)。元赤軍派の金廣志さん(指名手配され、時効までの15年逃げ切り、無事社会復帰した人です)。森達也さん(足立監督と交替してからも、もう少し居てくれました)。舞台俳優の大久保鷹さん。

司会の椎野レーニンさん(左)

⑤ご苦労さまでした。司会の椎野レーニンさん。
 右の晴山さんは連合赤軍の本を出してるだけあって、雰囲気が連合赤軍っぽいです。

始まる前に記念撮影

⑥(左から)椎野レーニンさん、大久保鷹さん、植垣康博さん、鈴木、高橋伴明監督。

白井さん、足立正生さんと

⑦元「週刊金曜日」で、今は皓星社の白井基夫さん。足立正生監督、鈴木。
(ここまでは、プロカメラマンの平早勉さんが撮ってくれました。ありがとうございました。又、一水会の中島岳志さんのところもそうです)。

終わって、打ち上げで

⑧午後11時半頃から、打ち上げです。鈴木、高橋監督、前澤虎義さん、植垣康博さん。

12時過ぎまで飲みました

⑨12時過ぎまで飲みました。この後、植垣さんを中心に11人ほどのメンバーがゴールデン街で飲んだそうです。朝の8時まで。元気な人たちです。
私はその前に逃亡しました。私の隣は平田竜二君ですね。植垣さんは33才年下の奥さんをもらってます。「君も頑張れ」と励ましました。「僕、まで33になってません」「じゃ、奥さんはまだ生まれてないな」と皆に言われてました。

高橋監督と指輪の女性

⑩あの「金の蛇の指輪」をした女性です。若松孝二監督の熱烈なファンです。「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」は20回見たそうです。「実録・連合赤軍」は10回。又、高橋伴明監督の「光の雨」は「今回が3回目」
 。今度、三島事件、連赤をめぐって、女性だけの座談会をやろうと思ってます。  しかし、金の指輪を5つもしてます。「皆、結婚指輪じゃないの?」「夫が5人、いるんじゃないの?」「多額の保険をかけられて、次々といなくなったりして…」と皆、無責任なことを言ってました。

映画「光の雨」から。射撃訓練

⑪ここからは、映画「光の雨」のシーンです。連合赤軍兵士が、山の中で、銃の訓練をしています。本当は、天然記念物の動物なども標的にして撃ったそうです。でも、立件する事件が余りに多すぎて、こうした「犯罪」は裁判では無視されたそうです。

左は森恒夫役の山本太郎さん

⑫女性に「自分を殴って総括しろ!」と命令する森恒夫です。山本太郎さんの迫真の演技です。

〈総括〉シーンです

⑬総括し、縛られています。

「あさま山荘」での銃撃戦

⑭あさま山荘に立て籠もって銃撃戦です。でも、この後、陰惨な「仲間殺し」「総括」が分かるのです。この銃撃戦は恐ろしい〈終わり〉の始まりです。

山平重樹氏の『連合赤軍物語・紅炎』

⑮連合赤軍事件については、多くの人が書いてます。元民族派運動をやっていた山平重樹氏も書いてます。対極にいたからこそ見えてくる〈真実〉があります。とてもいい本です。あっ、私が「解説」を書いてます。『連合赤軍物語 紅炎(プロミネンス)』(徳間文庫)です。

一水会で講演する中島岳志さん。4/11(金)

⑯4月11日(金)一水会フォーラムで中島岳志さん(北海道大学准教授)が講演してくれました。「血盟団事件—昭和維新テロから現代は何を学ぶべきか」。熱い講演でした。超満員でした。

元財務相の城島さん、中島さん、木村氏

⑰(左から)鈴木。元財務相の城島光力さん、中島岳志さん、木村三浩代表。城島さんも聞きに来てくれました。驚きました。

中島岳志さんと

⑱懇親会の会場前で、中島岳志さんと。

懇親会場で

⑲懇親会で。中島さん、木村氏、城島さんと乾杯。

「18歳未満は買えない」私の本

⑳一水会フォーラムに来た女性が持ってました。私の『天皇制の論じ方』(アイビーシー)をネットで買おうとしたら、「18才未満は買えません」と言われ、「30才だ」と証明して、やっと買えたそうです。こう書かれてました。
〈アダルト商品につき18歳未満の方は購入できません。商品は外から見えないよう、厳重に梱包してお届けします〉
 えっ、そんなに危ない本なのかな。それに、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」として。
 石井一昌『信念のために人を殺れるか—正伝・暗殺集団』。うっ、こっちは本当に危ない本だ。怖い。
 私の『天皇制の論じ方』は、本の帯にこう書かれています。
〈天皇制をめぐる様々な事件と論争の渦中にある新右翼のリーダー鈴木邦男が、あときは天皇の「お言葉」に涙し、あるときは、自らの体験をもとに右翼テロリストの心情に踏み込み、あるときは、左翼の立場になって「天皇制廃止の方法」を考え、またあるときは、もっと穏やかに論じ合おうと呼びかける。異色の書下ろし長編エッセイ〉
 なかなか、うまいですね。もしかしたら、「あるときは、左翼の立場になって『天皇制廃止の方法』を考え」が危ないと思われたのかもしれない。それで、「18才未満は買えない」「アダルト商品」になっちゃったのか。もう一度、読み直してみよう。

『ヘイトスピーチってなに?』

㉑『ヘイトスピーチってなに? レイシズムってどんなこと?』(七つ森書館)が発売されました。上野千鶴子さん、香山リカさん、北原みのりさん、辛淑玉さん…など19人が書いてます。私も書いてます。
 本の帯にはこう書かれています。
〈偉そうな思想や信念なんか要らない。反論できない立場の相手を、ウソついて陥れるような手合に黙っていられない〉

5/20(火)伊東秀子さんとトーク

㉒「鈴木邦男シンポジウムin札幌時計台」は次は5月20日(火)です。伊東秀子さんがゲストで、「冤罪と特定秘密保護法」です。

9/9(火)高遠菜穂子さんとトーク

㉓伊東さんの後、7月15日(火)は合田一道さんで、その次は、9月9日(火)。高遠菜穂子さんで、「イラクから学ぶ=“対テロ戦争”とは何か」です。さらに、10月21日(火)は、上祐史浩さんが決まりました。6ヶ月先まで、決まってます。

映画「ファルージャ」

㉔高遠菜穂子さんも出演しています。映画「ファルージャ=イラク戦争・日本人人質事件…そして」。実にいい映画です。全ての日本人に対し、問題提起しています。監督は伊藤めぐみさんです。

【お知らせ】

『ヘイトスピーチってなに?』 『ヘイトスピーチってなに?』
  1. 『ヘイトスピーチってなに? レイシズムってどんなこと?』(七つ森書館・1600円)が発売されました。4月26日(土)全国書店発売です。のりこえねっと(ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク)編です。上野千鶴子さん、香山リカさん、辛淑玉さん、田中優子さんを初め19人が書いてます。私も書いてます。
  2. 4月25日(金)7時。週刊金曜日主催の緊急集会。「さらば、独裁者=徹底検証・暴走する安倍政権」。北原みのり、小森陽一、佐高信、鈴木宗男さんらが発言。私も聞きに行きます。文京区民センターの2A会議室です。
  3. 4月26日(土)映画『チスル』は、渋谷ユーロスペースで絶讃公開中です。韓国の済州島事件について初めて映画化されたものです。この日、14時30分の回の上映終了後、16時18分からトークがあり、私も出ます。
  4. 5月15日(木)7時。一水会フォーラムホテルサンルート高田馬場。藤和彦さん(世界平和研究所研究主任)で、「今こそ日露エネルギー同盟を締結せよ」です。
5/20(火)伊東秀子さんとトーク 5/20(火)伊東秀子さんとトーク
  1. 5月20日(火)午後6時。札幌時計台ホール。「鈴木邦男シンポジウムin札幌時計台」。ゲストは伊東秀子さん(弁護士)で、「冤罪と秘密保護法」です。
     なお、7月15日(火)は合田一道さん(作家)。9月9日(火)は高遠菜穂子さんの予定です。高遠さんも出演している映画「ファルージャ=イラク戦争日本人人質事件…そして=」は、札幌では4月5日から上映です。
     又、10月21日(火)の時計台シンポジウムのゲストは上祐史浩さんが決まりました。
  2. 5月23日(金)シンポジウム「小沢一郎ならどうする—日本の外交と経済」。午後6時より、豊島公会堂。小沢一郎さん、植草一秀さんが出演。
  3. 5月24日(土)劇団「再生」の高木尋士氏とトークをします。APOCシアター(小田急線千歳船橋駅徒歩1分)で。「スーザンナ・マルガレータ・ブラント」の上映(午後7時)の前に行います。テーマは、〈鈴木邦男が芸術を語る〉
     なお、演劇は5月23日(金)〜25日(土)まで行われます。
  4. 5月25日(日)「飛松塾in姫路」
     飛松五男さん、植垣康博さん、鈴木邦男。
     東京では、「マガ9学校」があります。午後1時半から。新宿NPO協働推進センターで。「集団的自衛権と自衛隊」。講師は伊勢崎賢治さん、柳沢協二さん。
6/22(日)豊橋市民文化会館で講演 6/22(日)豊橋 市民文化会館で講演
  1. 6月22日(日)午後2時から、「浜岡原発の危険性を考える会」で講演します。三上湖西市長との対談もあります。会場は豊橋文化会館リハーサル室。
  2. 6月23日(月)秋葉原アトリエACT&B。読書劇「二十歳の原点」(劇団「再生」)の午後7時30分の回の前に、プレトークをします。高木尋士さんと私です。テーマは〈学生運動を知っていますか?〉。なお演劇は6月23日(月)と24日(火)の2日間あります。
  3. 6月24日(火)午後2時から。「飛松塾in姫路」。ゲストに上祐史浩さん、鈴木邦男を迎えて、飛松五男さんが熱く語ります。
  4. 7月15日(火)「鈴木邦男シンポジウムin札幌時計台」。合田一道さん(作家)がゲスト。
  5. 8月2日(土)午後1時、阿佐ヶ谷ロフト。毎年恒例の「生誕祭」です。