日本の国際化、その現実と問題点を考えた1週間でした。
「日本が好きだ」という国は多い。
日露戦争に日本が勝つと、ロシアに脅威を感じていた国、痛めつけられていた国々は日本を絶賛した。
6月1日(日)に、「キリスト祭」で会ったトルコの学者は言っていた。「トルコでは日本人を称賛し、自分の子供に“トーゴー”といった日本名を付ける人が多くいた」という。嬉しい話だ。
「日本人もトルコが好きですし、特に、ケマル・パシャは尊敬してます」と私は言った。戦前の昭和維新運動の人々も皆、ケマル・パシャを尊敬していた。そんな話をした。
フィンランドなど、北欧の国々でも日本好きな国は多い。
6月15日(日)、パラオ共和国の大使に会った。「第17回 日本パラオ国際親善大使プリンセス選考会」に出た。その審査員で出た。
そこで、会ったのだ。パラオの大使に。
パラオ共和国は親日的な国だと前から聞いていた。この大使の名前を聞いて驚いた。フランシス・マリウル・マツタロウさんだ。「松太郎」だ。
別に日本人の血が流れているわけではない。お父さんが、日本が好きで、子供に「日本名」を付けたのだ。そんな子供が随分といる、という。
戦争でパラオに行った日本軍に対しても、好感を持ち、感謝している人が多いのだ。
勿論、中国、韓国など、恨みを買ってる国も多い。どこに違いがあったのだろうか。これは現在にまで尾を引いている問題だ。
インドネシアなどでは、「日本のおかげで独立出来た」と言う人もいる。嬉しい言葉だが、それに甘んじてはならない。
「いや、独立したのは、インドネシアの国民の力です。戦争中はご迷惑をかけました」と言うべきだろう。
台湾では、日本の〈統治〉を懐かしむ人もいて、日本語の通じる人も多くいる。
それは日本人として嬉しいが、植民地にしたことは悪いことだ。西欧に反撥して、戦争を闘いながら、西欧の真似をして台湾や韓国を植民地にした。これは間違っていた。
それなのに、最近の若者の中には、「台湾、韓国を統治したおかげで両国は発展したのではないか。感謝されて当たり前だ」と言う人もいる。いや日本人の大人、政治家、学者の中にもいる。困ったことだ。
又、東南アジアを旅行して、「日本が闘ったおかげで、あなたたちは独立出来た。むしろ感謝してもらいたい」と思う若者がいるらしい。
とんでもないと思う。これは「愛国心」でも、何でもない。こんな思い上がった子供たちばかりが増殖したら大変なことになる。それよりは、まだしも「自虐的」な方がいい。とすら思う。
今でも日本に好意を持つ国。恨みに思っている国々。両方とも、きちんと話を聞き、どこに問題があるかを考えるべきだろう。
パラオ共和国の大使はマツタロウさんだが、他にも「日本名」の付いた人は沢山いるという。前の大統領は「クニオ」さんだという。
「エッ? 私もクニオですよ」と言ったら、「オー! 素晴らしい」と言っていた。この前大統領の場合は、日本人の血が流れている。「親は三重県から来た人です」という。
「パラオでは、日本語がまだ残ってます。パラオの言葉になって、今も日常的に使われています」と言う。
どんな言葉かと思ったら、「イモンカケ」「デンキュウ」「ダイジョウブ」…などだという。イモンカケなんて、日本の若者だって知らない。
「それに、チチバンドもそうです」と言う。あっ、これは聞いたことがある。ブラジャーのことを、昔の日本人は「乳バンド」と言った。(「乳隠し」とも言ったらしい)。もう日本では消滅した日本語が生きているんだ。
来年は天皇皇后両陛下もこ訪問されるという。私も行ってみたい。前大統領の「クニオさん」にも会ってみたい。「ぜひぜひ、来て下さい」と大使に言われた。
6月18日(水)は、BS11の生放送に出た。ムルアカさんに会った。
コンゴ共和国出身で、日本国籍を取り、日本人の奥さんと結婚している。日本の大学で教えている。
デカイ。2メートル9センチあるという。「コンゴでは一番大きいんじゃないですか」と聞いたら、「もっと大きい人、沢山います。私なんて小さい方です」。まさか、「小さい方」はないだろう。
鈴木宗男さんの秘書をやってたこともあり、宗男さんのパーティではよく会っていた。
パーティに来た人たちは皆、ムルアカさんと一緒に写真を撮りたい。だから、ズラリと並ぶ。宗男さんのところにも並ぶが、宗男さんよりも多い。私も列に並んで、写真を撮ってもらった。
ムルアカさんは、日本語もうまいし、優しいし、日本では人気者だ。テレビにもよく出ていたし、極真空手を習っていたので、格闘技の試合にも出ていた。
そうだ。この日のBS11のテーマは、「ヘイトスピーチと人種差別」だった。
ムルアカさんは日本じゃ大人気だし、皆から好かれている。「差別」なんて全く縁がないと思っていた。
ところが違うのだ。テレビに出ても、又、政治の世界でも、陰湿な差別はあるという。
日本とコンゴの架け橋になろうとムルアカさんは頑張っている。それなのに、それを快く思わない政治家がいて、邪魔をされる。その実例を聞いた。
全く知らなかったので驚いた。ムルアカさんほどの人気者でもそうなのか。日本人が恥ずかしいと思った。
このBS11は、実に勇気のある番組だと思った。だって大久保のヘイトスピーチのデモを、かなり長く紹介する。
又、大阪・鶴橋で起きた女子中学生の「在日の人を皆殺しにしたい。いやなら日本から出ていけ」という演説も、キチンと放送していた。
テレビで見たのは初めてだった。だって、どこも流さない。ヘイトスピーチに反対して報道してるのに、「なんで、こんな差別発言を流すんだ」と視聴者から局にクレームが来る。
それが煩わしいのだろう。大久保のヘイトスピーチデモだって、どこも流さない。
その点、BS11は偉い。勇気がある。
この番組は、BS11の生放送だ。午後9時から1時間、「報道ライブ21。IN side OUT」という番組だ。
司会は露木茂さんと、アナウンサーの黒塚まやさん。露木さんは前からテレビではよく見ていたが、会うのは初めてだ。
「同じ大学の卒業生です。よろしく」と言われた。早大政経なんだ。私の3年先輩だという。嬉しいですね。先輩が元気で活躍しているのは。
この日のテーマは、〈「ヘイトスピーチ」と「人種差別」〉だった。
ゲストはムウェデ・ムルアカさんと私。
ムルアカさんは現在、千葉科学大学教授だ。「国際協力論」と「生命と工学」を教えているという。生徒は熱心に聞いているという。6割が日本人。4割が外国人だという。
ムルアカさんは日本に帰化している。テレビの本番でも、「“我々日本人にとって”このヘイトスピーチは困った問題です」と言う。
「我々日本人」か。嬉しいですね。「日本人」もグッと幅が広くなって、豊かな感じになる。
ムルアカさんは、日本人だから選挙権も被選挙権もある。だから、「選挙に出たらどうか」と言う人もいる。
と同時に、「外国人が国政に出るなんて、とんでもない。許さん!」と公言する政治家もいるという。悲しい話だ。
野球やサッカーなどには外国の監督を呼んでいるし、それで強くなっている。閉鎖的な政治の世界をぶち破るためにも、ムルアカさんのような人は、どんどん活躍してほしい。
アメリカはオバマが大統領になったんだし、日本も、「ムルアカ首相」なんて、いいじゃないか。
ムルアカさんは、とても頭がいいし、日本とアフリカの関係について、日本が国際的にどう発言し、行動すべきか、などについて、的確に提言する。
どうしたら人種差別や、ヘイトスピーチをなくせるか。さまざまな点から提言してくれた。又、じっくり話を聞きたいと思った。
BS11は1時間の生放送だが、アッという間に過ぎた。
それに今まで、どこのテレビ局も「抗議」が怖くて、ヘイトスピーチデモの実態を余り報道しなかった。
それなのにBS11はやってくれた。かなり長時間、映す。その上で、「これを見てどう思うか。考えてほしい」と訴える。
鶴橋の例の「私たちは在日の人が憎い。殺したい。鶴橋大虐殺をやります!」という女子中学生の絶叫を、キチンと放送していた。
勇気がある。偉い。日本では「視聴者からクレームが来るから」とテレビ局は流さないが、外国では、どこでも流れている。
さらに、8月15日には靖国神社に軍服を着た人たちが集団で行進し、突撃ラッパを吹いたり、サーベルを振り回したりしている。それも全世界に流れる。
さらに、日本は今、改憲し、強力な軍隊を持とうとしている。その軍隊を海外に派兵し、アメリカと一緒になって戦争をしようとしている。そう思うのだ。日本の周りの国々は、いや、全世界は。それを「証明」するものとして、外国では流されているのだ。ヘイトスピーチデモや、8.15靖国での光景が。
それに対し、政府はキチンとコメントすべきだろう。それをやらないで、改憲だ、集団的自衛権だ、と言っている。これでは、世界中から、誤解されるばかりだ。
これからオリンピックを控え、多くの外国人を受け入れる。
それなのに、「外国人は出ていけ!」というデモが毎日のようにやられている。野放しにされている。これでは、「おもてなし」も何もない。
だから、それに対し、ヘイトスピーチ反対の声も上がっている。
ということで、「6月11日(水)には集会が持たれました」と紹介されていた。「鈴木さんもこの集会には行ったんですね」と露木さんに言われ、集会の様子を紹介した。
あっ、いけない。この集会のことを中心に書くつもりだったのだ。〈ヘイトスピーチってなに? レイシズムってどんなこと?〉の集会だ。
ともかく、「のりこえ」シンポは大盛況だった。明大の大きな教室を借りたのに、人が入り切れない。「のりこえ」としては初めての集会だし、どれほど人が来るかわからなかったのだ。
それに、いろんな形で「反ヘイト」の運動をしてる人が来た。
おとなしく、発言してる人。あるいは、ヘイトスピーチのデモに立ち向かう人。かなり危ない状況で対決する人。あるいは女性だけのグループ。いろんな人たちが来た。
私も、初めて会う人が多い。普段は別々に運動しているが、こういう時には、結集する。その初めての集会だったと思う。
凄い熱気だったし、圧倒された。石坂啓さん、寺脇研さん、八木啓代さん、辛淑玉さん(司会)の熱い対論があった。
じっと聞いてたら、「鈴木さんも“のりこえねっと”の共同代表なんだから」と前に出させられて、喋らされた。
これだけの人が集まり、これだけの運動報告がある。そして、どうしたらヘイトスピーチをなくせるか、と提言がある。
ここに来た人は、皆、勇気づけられたようだ。
終わって、二次会へ。でも、そこも超満員で入り切れない。ともかく、熱い熱い集会でした。二次会でした。
浜田さんが話し、そして大使が話し、そのあと2人で討論。さらに会場の質問を受ける。テレビでやっている「喧嘩」だけの不毛な議論ではない。実に建設的だし、勉強になった。最近、こうした対論は、ちょっとない。感動した。
ムルアカさん(千葉科学大学教授)と対談。ムルアカさんはどこに行っても人に囲まれ、サインをねだられ、「一緒に写真を撮ってくれ」と言われる。人気者だ。
差別なんかないと思っていたら、実際には、あるいという。特に政治家の世界では酷いという。コンゴと日本の交流をやってる中でも、随分と差別され、阻止されたこともあるという。
その上で、今、大久保などで行われているヘイトスピーチデモや人種差別などについてじっくり話す。そして、打開策を考えた。
番組は露木茂さんが進める。そして黒塚アナと。1時間がアッという間だった。とてもいい番組だったし、勇気のある番組だと思った。
そのあと、伏見に行って飲む。私は早めに失礼して、東京へ。やたらと仕事がたまっている。そうか。前の日も、ほとんど寝てないよ。
〈全国縦断シンポジウム・第1回(東京)
「これでいいのか日本!」〉
超満員だった。村上正邦さんが主催者の挨拶。そしてシンポジウム。森田実さん、平野貞夫さん、佐高信さん、菅原文太さん。とても熱い議論だった。
9時に終わり、控え室に行って皆に挨拶しました。佐高信さんから「メシ食いに行こう」と誘われ、「週刊金曜日」の赤岩記者らと、ご一緒しました。とてもおいしかったです。ごちそうさまでした。
①「のりこえねっと」のシンポジウムです。
〈ヘイトスピーチってなに?
レイシズムってどんなこと?〉
6月11日(水)午後6時30分から明治大学リバティタワー1096号室で行われました。大盛況でした。大きな教室なのですが、立ち見。通路にも座り込んでました。
第1部は、私たちの取り組み(友好団体の活動報告)。C.R.A.C。男組。女組。差別反対東京アクションなどです。
第2部は、シンポジウム。この写真がそうです。(左から)八木啓代さん(ラテン歌手・作家)。石坂啓さん(漫画家)。寺脇研さん(京都造形芸術大学教授)。辛淑玉さん(司会)。
③第1部で活動報告するC.R.A.Cの野間易通さん。ヘイトスピーチ反対で、積極的に活動しています。C.R.A.Cは、「Counter-Racist Action Collective」の略だそうです。
④「鈴木さんも“のりこえねっと”の共同代表なんだから」と辛さんに呼ばれて、話しました。
「のりこえねっと」は、「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」の略です。去年の9月に結成されました。ネットテレビもやってます。私も2回出ました。
⑧二次会で、辛さんに、いきなり抱きつかれました。「恐がってたわね」と辛さん。「顔がこわばってるよ」。いえいえ、感動し、喜んでるんですよ。顔が笑ってるじゃないですか。帰り際も「ハグしよう」と抱きつかれました。「あっ、私を投げようとしたでしょう」。つい、柔道の気分になって。すんません。
本当に、お疲れさまでした。集会の大成功は、辛さんのおかげです。「我々も感謝の意を込めて、辛さんを胴上げしましょう」と言ったら、皆に無視されました。
⑩「2014年 第17回 日本パラオ国際親善大使プリンセス選考会」が行われました。モッヅ出版をはじめとした日本の雑誌社が主催。パラオ共和国大使館が共催です。
500人の中から選ばれた美人の中から、さらに選びます。皆、日本人なのですが、170cm平均です。「あれっ、小柄な人だな」と思うと、165cmだったりして。175cmの人も5人いました。皆美しい人ばかりでした。
⑬駐日パラオ共和国の特命全権大使と。この大使のお名前ですが、(「主張」でも紹介しましたが)フランシス・マリウル・マツタロウさんです。松太郎です。
パラオは親日的な国で、お父さんが、日本名を付けたそうです。
⑯出来たばかりの虎ノ門ヒルズが見えました。「全国超高層タワー」を踏破しようというポスターがありました。東京タワー、スカイツリー、京都タワー、札幌タワー…と。全国で20のタワーが出てました。私は10タワー、登ってました。よし、残りの10タワーに挑戦しよう。これも「全巻読破」だ。
⑰6月17日(火)BS11の生放送に出ました。午後9時から10時まで。ムルアカさんは、よく会ってますが、本当に大きいです。2メートル09センチあります。
あれっ、ネクタイは蛇の柄です。蛇好きなんだ。「知り合いに蛇の指輪をしてる蛇好きの女性がいますから、紹介しますよ。結婚したらいいでしょう」と言いました。でもムルアカさんはすでに結婚してるんですね、日本の女性と。
⑳この日のゲストは、駐日本中国特命全権大使の程永華さんでした。日本語で話します。そのあと、浜田さんと対談し、さらに会場の質問を受けました。冷静に取り組み、今の日中間の問題を解決しようという真摯な姿勢が感じられました。とてもいい会で、勉強になりました。こういう会をもっともっと多くやってもらいたいと思います。
㉖6月13日(金)河合塾コスモの阿木さんの「人間関係論」ゼミで、大畑豊さんがゲストに来ました。私も聞きに行きました。
NGO平和活動に関わり、「非暴力・平和隊」の理事です。民族紛争の激しい地域に出向いて、話し合いで問題を解決する活動を続けています。とても勉強になりました。
㉙6月18日(水)名古屋に行きました。牧野剛先生のお見舞いに。その帰りに、名古屋コスモに寄りました。駅前で、大きいし、新しいです。「電子黒板」などもあり、ビックリしました。
屋上菜園で。小さなカボチャがありましたが、秋には大きくなって、ハロウィンに使うんだそうです。
㉛名古屋コスモに行く道に、へんてこりんな店がありました。「ちんちこちん」。間違って入りそうですね。名古屋弁で、「あつい、あつい」という意味だそうです。だから、焼き鳥の店なんですね。「あっ! あっ!」と言いながら食べるのでしょう。それを、「ちんちこちん!」と言って食べるんです。名古屋人は。