2015/01/12 鈴木邦男

読書座談会で考えた。ノルマ、全集。そして内田樹さんの格差論

①「全集」に挑戦しましょう。皆で。

1/4の「読書座談会」です 1/4の「読書座談会」です

1月4日(日)、新年恒例の「読書対談」をやりました。「平成の読書王」といわれる高木尋士さん(「劇団再生」代表)と私です。

今年は他にも読書好きの人に声をかけて、10人ほどで、「読書座談会」になりました。

午後3時から6時まで。高田馬場の喫茶店「ミヤマ」の会議室です。

まず、各人に「去年読んだ冊数、反省」を言ってもらい、「今年の目標」そして、「全集」への挑戦を語ってもらいました。

「くらげカステラ」と「くらげネクタイ」 「くらげカステラ」と「くらげネクタイ」

「私はOLなので月にたった5冊しか読めません」と発表する人には、「よくやった!」。「いや、それではダメだ」「それで革命戦士といえるのか!」という叱咤の声も。「俺が援助総括してやる」という人も。

読書ノルマを達成出来ない人のためには、傍で読み聞かせてやる。それでノルマを達成させる。いいですね。読書革命の同志愛です。

「ツイッターをやめて、月に10冊に挑戦したい」という人には、「異議なーし!」という声が。

女優のあべさん 女優のあべさん

「月30冊」を実行してるのは高木さんと私だけですね。ここで、高木さんから緊急動議。「これだけは読んでおかないと恥ずかしい」という本を発表して、読ませよう」。

いいですね。「30代でこれを読んでおかなくては恥ずかしい」。40代、50代…と、決める。

たとえば、ドストエフスキーの『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』。高橋和巳の『邪宗門』…などだ。そのうち高木さんがリストアップしてくれるでしょう。

焼肉屋に勤めるOLは、「夏目漱石の全集に挑戦してます」。

本が売れてる礼仁さん 本が売れてる礼仁さん

他にも、「高橋和巳を全部読みます」。「谷崎潤一郎を全部読みたい」。

中には凄い人もいて、「熊楠を全部読みたい」。偉いですね。太田竜、平岡正明、竹中労という人はいないな。

そうだ。内田樹さんは、平岡正明が好きで、ほとんど読んだと言っていた。意外だったし、嬉しかった。「ありがとうございます」と礼を言っちゃった。

私は平岡は親しくお付き合いをさせてもらった。『山口百恵は菩薩である』が有名だが、『あらゆる犯罪は革命的である』など、挑発的・戦闘的な本も沢山書いている。

そのあとは新年会です そのあとは新年会です

私は、内田樹さんの本を全部読もうと思ったのだ。

去年、1年間、いろんな所で対談した。ホテルの部屋。内田さんの自宅。合気道の道場。映画館…と。今年はそれをまとめて本にする予定だ。

「対談するんだから、全部読んでからやろう」と思った。内田さんの本は200冊ほどある。

でも、出来なかった。まだ50冊しか読んでない。でも、今も挑戦している。対談しながらも読み、終わってからも読んでいる。

この人の本は、どれもが凄い。どんな本にも全力でぶつかり書いている。書き飛ばすことはない。

今年は内田樹さんとの本を出します 今年は内田樹さんとの本を出します

校正も徹底している。第三者になったつもりで、書いた人(前の自分)と対談している。そんな覚悟をもって校正してるなんて他にいない。ちょっとした手抜きもない。

その厳正さは、三島由紀夫と似ている。たとえば、『こんな日本でよかったね—構造主義的日本論』(文春新書)なんて、軽く書いたエッセーと思って読んでみた。

ところが違う。ガーンと頭を殴られた。

今、勉強している「格差」についても驚くべきことを言う。

これは1月4日の「読書座談会」でも話をした。そのことについて今週は書いてみよう。

②「格差は悪い」は大前提だが…

内田さんの合気道道場で 内田さんの合気道道場で

今は、「格差社会」だ。「格差社会はいけない」とよく言われる。「そうだ。我々も格差社会の犠牲者だ!」と思っている人が多い。

そうか。格差社会が一番悪いのだ。これを打倒しなくては。と思ってしまう。新しい「階級史観」のようだ。

我々プロレタリアは団結して、ブルジョア階級を打倒しなくてはならない…と。

昔、そんな運動をした人が、今、「格差社会」反対の運動をしている。そんなケースも多い。でも、よく分からない。

合気道の技を極められてます 合気道の技を極められてます

「何言ってんだ。現実を見ろよ。格差社会だということは事実じゃないか!」と言われると、「はい、そうですね」と思ってしまう。誰もが各自の不満を持っている。

貧乏だ。なぜ自分は認められないのか。恋人がいない。友人がいない。世の中がつまらない…と。

これは、「格差」があるからだ。それをなくさなくては…と、漠然と思っている。

投げ捨てられました 投げ捨てられました
〈格差がどんどん拡大しているから、これを何とかしなければならないという現実的な(あるいは非現実的な)さまざまの提言がなされている〉

と、内田樹さんも言う。そして、何とかする「提言」にばかり、皆、関心を寄せる。

しかし、内田さんは、もっと根本的なところから疑問を持つ。皆が当然だと思うところから、「問い」を始める。

「格差」についてこの本に書いてます 「格差」についてこの本に書いてます
〈どなたも、「格差がある」ということについてはご異論がないようである。だが、私はこういう全員が当然のような顔をして援用している前提については一度疑ってみることを思考上の習慣にしている〉

そうか。じゃ、「格差」って何だ、と考えたことはない。私もない。何とか分かった気になっている。

「人を差別しちゃいけないよ」というのと同じで、「格差社会はいけないよ」と思ってきた。

貧乏な人がいつまでも貧乏な社会。どんなに頑張って働いても報われない社会。それが今だ。日本は格差社会だからだ。と思ってきた。

シャンソンを歌う田嶋陽子さん シャンソンを歌う田嶋陽子さん

日本は格差社会だからいけない。そうだ、そうだ。それを是正し、打倒しなければ…と、いろんな「提言」はされるが、じゃ、「格差社会」そのものについてはあまり論じられることはない。

「今がそうじゃないか」「お前には見えないのか」「お前がその犠牲者だ」と言われると、何となく分かった気になる。

だが、その〈正体〉はよく分からないが、これが現代日本の〈最大の敵〉のようだ。正体がつかめない。あるいは、はっきりと「定義」出来ないが「諸悪の根源」のようだ。

でも、言葉にしてはっきりとは定義出来ない。その霧の中に内田さんは分け入って、定義してみせる。

四谷「蟻ん子」で。1/3 四谷「蟻ん子」で。1/3
〈「格差」とは何のことなの? メディアの論を徴する限りでは、これは「金」のことである。平たく言えば年収のことである。年収数億の人もいるし、年収数十万の人もいる。年収が低い階層のヴォリュームがこのところ急増している。パラサイト・シングルというのも、フリーター、ニートというのも、ネットカフェ難民というのも、過労死寸前のサラリーマンも、要するに「金がない」せいでそういう生活状態の選択を余儀なくされている。そういう説明がなされている〉

③「格差」は金で解決できるのか

佐竹律香さん、田嶋陽子さん、朝吹タツヤさん 佐竹律香さん、田嶋陽子さん、朝吹タツヤさん

この「説明」でいいんじゃないの。それなのに、「そういう説明がされている」と、少々突き放して書いている。

一般ではそう思われてるようだが、私は決して、単純に、「その『説明』に同意するものではない」。そう言いたいようだ。

実際、次に、こう言っている。

〈ここから導かれる結論は、論理的には一つしかない。「もっとお金を」である。しかし、果たして、この結論でよろしいのか〉
田嶋陽子さんと 田嶋陽子さんと

ちょっと乱暴な括り方だが、そうなるのかな。

でも、とりあえず金は必要だろう。仕事もない。チャンスもない。だからお金もない。そんな人に対して、まず「生き方を変えよ」「スキルを身につけなさい」と言っても、応急処置にはならない。

救いはお金だ。これは分かる。それが「全て」ではないが。

「お金」の問題は大きい。「しかし、果たしてこの結論でよろしいのか」と言った後、内田さんはこう続ける。

ちょっと長くなるが、ハッと思ったので書いておこう。

佐竹律香さんと 佐竹律香さんと
〈私自身は、私たちの社会が住みにくくなってきた理由のひとつは「金さえあればとりあえずすべての問題は解決できる」という拝金主義イデオロギーがあまりにひろく瀰漫したことにあると考えている。
「格差社会」というのは、格差が拡大し、固定化した社会というよりはむしろ「金の全能性」が過大評価され、その結果「人間を序列化する基準として金以外のものさしがなくなった社会」のことではないのか。
人々はより多くの金を求めて競争する。
競争が激化すれば、「金を稼ぐ能力」の低い人間は、その能力の欠如「だけ」が理由で、社会的下位に叩き落とされ、そこに釘付けにされる〉
四谷・須賀神社 四谷・須賀神社

これこそが「格差社会」の本当の説明じゃないのか。

そうか、「拝金主義イデオロギー」の社会か。やっぱり思想闘争だ。階級闘争だと思ってしまう。

しかし、「その先」が違う。内田さんは、こう言う。

〈その状態がたいへん不幸であることは事実であるが、そこで「もっと金を」というソリューションを言い立てることは、「金の全能性」をさらにかさ上げし、結 果的にはさらに競争を激化し、「金を稼ぐ能力」のわずかな入力差が社会的階層の乗り越えがたいギャップとして顕在化する…という悪循環には落ちこまないのだろうか〉

④「私だって格づけしている!」と内田さん

ここを潜ってお参りします ここを潜ってお参りします

ウーン、これは難しい。でも金のないことだけで不幸になってる人に対し、「お金だけが全てではありませんよ」と説いてもダメだろう。

飢えてる人には、『聖書』や『論語』を与える前に、パンだろう。

少なくとも、石をあげてはいけない。私などは、そう考えてしまう。

しかし、それは甘いのだろう。内田さんは、もっと根本的なことを問う。

「於岩稲荷」にもお参りしました 「於岩稲荷」にもお参りしました
〈私は刻下の「格差社会」なるものの不幸のかなりは「金の全能性」に対する人々の過大な信憑がもたらしていると思う。
であるなら、あらゆる不幸は「金の全能性」によって解決できるという信憑を強化することは、文字通り「火に油を注ぐ」ことにひとしく、ますます格差を拡大し、固定化する結果にしかならないだろう〉

うーん。そうなのかな。我々の、そして世間一般の「常識」、「思い込み」に対し、内田さんは、「ちょっと待て!」と言う。ストップをかける。

あの「お岩さま」を祀ってます あの「お岩さま」を祀ってます

そして、こう斬り込んでくる。

〈私自身は人間の社会的価値を考量するときに、その人の年収を基準にとる習慣がない。
どれくらい器量が大きいか、どれくらい胆力があるか、どれくらい気づかいが細やかか、どれくらい想像力が豊かか、どれくらい批評性があるか、どれくらい響きのよい声で話すか、どれくらい身体の動きがなめらかか…そういった無数の基準にもとづいて、私は人間を「格づけ」している〉
「解説」で私のことが出てました 「解説」で私のことが出てました

凄い!私だって「格づけ」している!と言う。

「格づけ」が悪いのではない。人間を年収からだけ「格づけ」しているのが悪いのだ。

又、それを否定とようとして、その論理の中だけでやる。「金の全能性」の中で、皆、考えている。あがいている。

その世界から離れてみませんか、と内田さんは言うのだ。

それにしても、私だって「格づけ」している。この言葉は衝撃的だった。

「格づけ」について、さらに言う。

この本で対談したんですよ この本で対談したんですよ
〈私がご友誼をたまわっている知友の中には資産数億の人から年収数十万の人までいるが、私が彼らの人間的価値を評価するときに、年収を勘定に入れたことは一度もない。
私にとって重要なのは、私が彼らから「何を学ぶことができるか」だけだからである。
同じ基準を自分にも当てはめて、以て規矩としている〉

最後の行がいいですね。内田さんとは最近よく会った。

本も読んでいる。50冊ほど読んだ。「学ぶこと」は大きかった。

さいとう・たかをさんと2時間半… さいとう・たかをさんと2時間半…

そうか、私も「格づけ」しているのか。

「学ぶとこがある人」「凄い体験を持ってる人」などをトップに格付している。又、「本を読む人」を上にし、「本を読まない人」は、最低に格付けしている。

(たとえ大学生であっても)月に1冊も本を読まない人は、「会う必要がない」「話が通じない」「人間じゃない、もう猫だ」と思ってしまう。

「格づけ」する私が傲慢なんだろうか。でも、斬り捨てないで、「猫だと思って、可愛がり、付き合っているのだから偉い」と高木さん(平成の読書王)に言われた。

対談の後、ビルの屋上で 対談の後、ビルの屋上で

そうかな。もしかしたら、この世は、もう猫だらけなのかもしれない。「猫の惑星」だ。

電車の中でも、猫が並んで、メールをしている。だからといって、「人間に戻れ!」と怒鳴って、猫たちの携帯を叩き落としたら、私の方が「狂人」として猫に逮捕される。

だから、じっと我慢して、猫に同化している。人間であることを隠して生きている。

⑤「猫の惑星」にいても、人間であるために。

浅草寺です。人、人、人です 浅草寺です。人、人、人です

そんな「猫の惑星」に住んでいても、時々、殊勝な人がいる。

「猫であることに耐えられません。今、三浦綾子を読んでます!」と言う人がいた。

又、「人類の知的遺産」の『マルクス』を読みました! という人がいた。

偉い。こういう人は国家か表彰すべきだよ。こういう本を読んでいる人こそ、「人類の知的遺産」だよ。

このシリーズはぜひ全部読んだらいい。完全な人間になれる。そして、さらに大きくなれる。

巨大なコマが空中で回ってました 巨大なコマが空中で回ってました

内田さんの本を読み、自信を持った。これからは、私も「格づけ」して生きてゆこう。

内田さんの文はさらに続いている。

〈私は個人的な度量衡で人間を格づけしている。だから、私の眼から見れば、この世界は「ウチダ的格差社会」である。勝手に格差をつけるのをやめろ、みんなひとしなみに扱えと言われても、こればかりは譲れない〉
スカイツリーも見えました スカイツリーも見えました

これも凄い。自分が格付けしてるのに不服の人は、その人たちが勝手に「格づけ」すればいいだけだ、という。

〈私がしているように、みなさんもてんでに固有の度量衡を以て他の人々を評価し、同じ基準で自己を律するならばよろしいかと思う。そうすれば、いうところの「格差社会」などというものは存在しなくなるだろう〉
巨大な羊が歩いてました 巨大な羊が歩いてました

そうか、これが「格差社会」をなくす最短の道か。

そうだ、声を大きくして言わないし、書いたりもしないが、人は内心で、この世の人々を「格づけ」して生きている。

これを読んでる皆さんだって、そうでしょう。受験生ならば、成績の順に格付けして、自分の心の中に「ベストテン」を書き入れている。

又、格闘技をやってる人ならば、「強いか、弱いか」で格付けしている。

家のそばにある小さな公園 家のそばにある小さな公園

宗教をやってる人ならば、どれだけ信仰的か、どれだけ祈っているのか、で格付けしている。

だから、本当は、何十、何百という度量衡があって、皆、勝手バラバラに「格づけ」しているんだ。入り組んだ、厖大な格差社会なのだよ、日本は。

でも、一番、分かりやすいから「年収」で格付けしてものだけが、まかり通っている。

それに、内田さんは年に20冊も本を出している。お金もあるだろう。だからこんなことを言ってられるのだ。貧乏人の苦しみが分からないのだ。という反論もあるだろう。失礼ながら私もチラッと、そう思った。

「そらまめ公園」というんです 「そらまめ公園」というんです

それに対し、内田さんは答えている。

〈私は長い間、同年齢の人々の平均年収のはるか下、底辺近い「貧困」のうちにあった。だが、私はいつだってたいへん陽気に過ごしていた。ご飯を食べる金がないときも、家賃を払う金がないときも、私はつねにお気楽な人間であり、にこにこ笑って本を読んだり、音楽を聞いたり、麻雀をしたりしている〉

そして結論だ。

菅原文太さんと最後に会った時です 菅原文太さんと最後に会った時です
〈「金持ち」とは、ある人の定義によるならば、「お金のことで心を煩わされない人間」のことである。私は「自分の不幸はおもに金がないせいであるというふうに考えない人間」という定義をこれに付け加えたいと思う。その意味でなら、私は貧乏なときもずっと「金持ち」であった〉

この最後の行が凄いですね。興味を持ったら、読んでみたらいい。

内田樹『こんな日本でよかったね=構造主義的日本論=』(文春文庫)だ。〈ウチダ先生と一緒に考えるこの国の過去・現在・未来〉と書かれている。

私たちも、そうなりたい。精神的には、「金持ち」なんだ。6畳のアパートに住んでいても、本当は「精神の王国」に住んでいるんだ。

じゃ、精神の「金持ち」ベストテンを作ってもいい。高木さんにやってもらおう。月に何冊読み、どんな全集に挑戦しているか。それで「格付け」してもらいたい。

去年1年は、この「知の巨人」内田さんに取り組み、本を読み、対談し、合気道の稽古をつけてもらった。その集大成とも言うべき本が今年出ます。お楽しみに。

【だいありー】

「オウム」について書きました 「オウム」について書きました
  1. 1月5日(月)年末〆切の原稿、校正がまだ残っている。正月なのに必死で書いている。今日〆切の原稿もあり、書く。
  2. 1月6日(火)午前中、原稿。
     午後、図書館。
     そのあとTSUTAYA。「図書館戦争」を借りる。
     夕方、一水会事務局へ行く。皆、働いていた。
     一水会フォーラム用のチケット、チラシを見せてもらった。凄い。皆、スキルアップだ。
     「鈴木さんはもうパソコン出来るようになりましたか?」と聞かれた。「今、チャレンジしてます」と言いました。
     帰って、原稿。
「オウム化する日本」を書いてます
「オウム化する日本」を書いてます
  1. 1月7日(水)午前中、原稿。
     午後、打ち合わせ。
     夜、新年会。

  2. 1月8日(木)学校は休み。でも、仕事があったので、学校の自習室でやる。夜まで原稿書き。そして校正。
勝手連の光永勇さんと対談
勝手連の光永勇さんと対談
  1. 1月9日(金)午前中、原稿。  午後4時、目黒雅叙園。JR総連の「新年の集い」。〈私たちJR総連は、これからも反弾圧、脱原発、えん罪のない社会を目指し、働く者が安心して暮らせる社会を築きあげるために運動を進めます〉と決意表明してました。
     凄い人だった。私も挨拶させられた。
     その後、7時から日本橋室町センタービルへ。福岡伸一さんが企画した「フェルメール 光の王国展2015」のオープニングレセプションに行く。久しぶりで福岡さんと会えると思ったら、本人はいない。ニューヨークからまだ帰ってない。でも盛況だった。とてもよかったです。
  2. 1月10日(土)午前中、原稿。
     午後、取材。打ち合わせ。
  3. 1月11日(日)午前中、原稿。
     午後、東中野で出版社の人と打ち合わせ。
     その後、雑誌の座談会。

【写真説明】

シャンソンを歌う田嶋陽子さん

①田嶋陽子さんの歌を初めて聞きました。素晴らしかったです。うまいし、声量があります。「雪が降る」「リリーマルレーン」など、シャンソンを10曲ほど歌ってました。四谷にあるシャンソン・ライブ・サロン「蟻ん子」です。
 田嶋さんは「朝まで生テレビ」「テレビタックル」「そこまで言って委員会」によく出てます。私も「委員会」で何度か一緒に出ました。
 「コンサートをやってるのよ。聞きに来て」と言われてたのですが、なかなか日程が合わず、1月3日にやっと行けました。店は満員でした。ファンが多いのです。素晴らしいコンサートでした。

四谷「蟻ん子」で。1/3

②お正月なのに超満員でした。

佐竹律香さん、田嶋陽子さん、朝吹タツヤさん

③3人が歌いました。右はこの店のオーナーの朝吹タツヤさん。左は佐竹律香さん。京都の「みの吉」のお嬢さんです。皆、素晴らしかったです。

田嶋陽子さんと

④終わって、田嶋さんと。久しぶりに会っていろいろ話しました。

佐竹律香さんと

⑤佐竹律香さんと。初対面ですが、以前、「みの吉」には行ったことがあります。おいしかったです。

四谷・須賀神社

⑥田嶋さんのコンサートは昼です。終わったら夕方でした。四谷の近くの神社に初詣をしようと探したら、須賀神社がありました。スサノオのみことがご祭神だそうです。

ここを潜ってお参りします

⑦丸いしめ縄があって、そこを潜ってお参りするんです。

「於岩稲荷」にもお参りしました

⑧ナビで見たら、須賀神社の傍に「於岩稲荷」がありました。「おいわ稲荷」と読むのでしょう。もしかして…と思って行ってみました。やはり、そうでした。そうか、ここは四谷か。「四谷怪談」のお岩さんなんだ。

あの「お岩さま」を祀ってます

⑨お岩さんを祀ってます。「田宮神社」と書かれていました。芝居や映画で「お岩さん」をやる時に必ず、ここに来てお参りするそうです。実在の人らしいですが、芝居と違って、本当は仲睦まじい夫婦だったそうです。

今年は内田樹さんとの本を出します

⑩去年1年間、内田樹さんと対談しました。今年の春には対談本を出します。

内田さんの合気道道場で

⑪映画館を借り切って対談したり。これは内田さんの合気道道場です。写真は、合気道の創始者・植芝盛平先生です。

合気道の技を極められてます

⑫内田さんに合気道の技を極められています。「ギャー!」と叫んでいます。全く抵抗出来ません。

投げ捨てられました

⑬投げ捨てられました。

「格差」についてこの本に書いてます

⑭今週書いた「格差」については、この本に書かれています。『こんな日本でよかったね』(文春文庫)です。

菅原文太さんと最後に会った時です

⑮去年です。菅原文太さんと最後に会った時です。「月刊日本」と村上正邦さんたちの主催の講演会の時です。
 文太さんは仙台一高から早大に行きました。「私も仙台です」と言ったら、「一高ですか?」「いえ、二高を落ちて学院榴ヶ岡に行きました」と言いました。そして仙台の話をしました。もっともっと話をしたかったです。

浅草寺です。人、人、人です

⑯お正月の浅草です。もの凄い人でした。

巨大なコマが空中で回ってました

⑰浅草の仲見世は人、人て全然進みません。巨大なコマが空中で回ってました。怖かったです。

スカイツリーも見えました

⑱晴れていて、スカイツリーもはっきりと見えました。

巨大な羊が歩いてました

⑲浅草の街を巨大な羊が歩き回ってました。そうか、私も年男か。今年も、「羊をめぐる冒険」が始まるでしょう。村上春樹の小説のようですね。

1/4の「読書座談会」です

⑳1月4日、午後3時から、「ミヤマ」会議室で、読書座談会をやりました。去年何冊読んだか。今年の目標は。何の全集を読もうとしているか。それで「格付け」しあっています。読んでない人は皆に「総括」されます。「連合赤軍化する読書会」です。

「くらげカステラ」と「くらげネクタイ」

㉑参加者が「くらげカステラ」を買ってきて、皆に食べさせてくれました。おいしかったです。あっ、「偶然の一致や!」と参加者。私のネクタイが「くらげ」だったんです。
 拡大して見て下さい。沼津の「深海魚水族館」で買ったものです。「お前はポリシーがない!」「信念がない!」「骨がない!」と皆に馬鹿にされるので、「どうせ私はくらげですよ」と自虐的に買ったのです。

女優のあべさん

㉒女優のあべ・あゆみさんも本について語ってました。きれいです。

本が売れてる礼仁さん

㉓椎野礼仁さん。本が売れてます。印税が入ったら、皆におごると言ってます。

そのあとは新年会です

㉔このあと、「土風炉」で新年会です。

勝手連の光永勇さんと対談

㉕勝手連の光永勇さんと対談しました。『nature(ナチュール)』(さんが出版)の特別号『まるごと勝手連』(永久保存版)です。

1/20「札幌時計台シンポ」

㉖1月20日(火)、時計台で逢坂誠二さんと対談します。「北海道のこれからを考える」です。

「オウム」について書きました

㉗年末に安田弁護士の忘年会で、アレフの広報部長・荒木浩さんに会いました。その時、「鈴木さん、オウムのことを書いてましたね。宗教雑誌に」と言われました。エーと、何の雑誌だったかな、と思って探したら、ありました。『宗教問題』(6号 10月25日号)です。巻頭は森達也さんで、
〈われわれは「内なるアレフ」との“共存”を模索しなければならない〉
 なかなか、凄いことを書いてます。

「オウム化する日本」を書いてます

㉘私は、〈今や日本全体が“オウム化”している〉を書いてます。「オウム化する日本」ですね。その前は、「連合赤軍化する日本」を朝日新聞に書いてました。

家のそばにある小さな公園

㉙中野図書館にはよく歩いて行きます。徒歩30分位です。いい運動になります。途中に、小さな公園がありました。

「そらまめ公園」というんです

㉚なんと、「そらまめ公園」というんですね。ビックリしました。村上春樹の『1Q84』に出てきそうな公園です、。あるいは、そらまめの好きな人だけが集まるのでしょうか。「えだまめ公園」はないのでしょうか。探しています。

「解説」で私のことが出てました

㉛新幹線の乗った時、よく「ゴルゴ13」を買って読んでます。疲れていても、1冊読むと元気になります。この「31」巻(独裁者の晩餐)を読んで、「ああ、面白かった」と思い、ついでに「解説」(杉森昌武)を読んでました。ゲッと驚きました。
〈『ゴルゴ13』の最終回について、ファンの間に流布している伝説に、「最終回の結末のコマ割りまでできていて、金庫の中にしまってある」という話がある。それについては『THEゴルゴ学』(小学館)のさいとう・たかを氏へのインタビューの中で、聞き手の鈴木邦男氏が質問しているが、「金庫の中にしまっている」という部分は嘘であることが、さいとう氏によって明らかにされている。ただ、さいとう氏の頭の中では結末のコマ割りまでできているというのは本当で、…〉
 のっけから私の名前が出てたんで、ビックリでした。

この本で対談したんですよ

㉜本棚を探したらありました。これがゴルゴのオフィシャルブックです。『THEゴルゴ学』(小学館)です。ゴルゴ13に関する全てが記録されてます。どれだけの人間を狙撃したか。その場所・時間。又、ゴルゴのライバル。抱いた女。出生にまつわる謎。…など〈全て〉が書かれています。
〈20世紀の最大の謎であり続けたGは、存在そのものが現代の神学である〉と書かれてます。さいとう・たかをデビュー40周年&「ゴルゴ13」400話記念出版。この巻末に、私が選ばれて、2時間半、インタビューしました。何で私が? だって、「人生に必要なことは全てゴルゴ13から学んだ」と言ってるでしょうと編集者。それで、マンガ喫茶に1ヶ月通い、全400話を読破して、インタビューに臨みました。

さいとう・たかをさんと2時間半…

㉝インタビューが終わって、さいとうさんと。

対談の後、ビルの屋上で

㉞さいとうさんの仕事場のあるビルの屋上で。この『THEゴルゴ学』は、凄い本です。全400話のストーリー、人物、事件、年代から、全てのことが書かれています。これを読むと、「世界の歴史」が分かります。

【お知らせ】

  1. 1月9日(金)発売の「週刊読書人」に原稿を書きました。書評です。猪瀬直樹さんの『さようならと言ってなかった=わが愛、わが罪』(マガジンハウス)についての書評です。
  2. 『紙の爆弾』(2月号)発売中です。私の連載「ニッポン越境問答」では、椎野礼仁さんと対談しています。最近、『テレビに映る北朝鮮の98%は嘘である』(講談社+α新書)を出して、爆発的に売れてます。編集者から著者への大変身の礼仁さんに聞きました。
1/20「札幌時計台シンポ」 1/20「札幌時計台シンポ」
  1. 1月12日(月・祝)「現代日本を考えるシンポジウム」を名古屋で行います。午後1時午後2時です。名古屋市教育館です。三上元さん(湖西市長)。樫村愛子さん(愛知大学教授)。鈴木邦男の3人が講師です。お問い合わせ、お申し込みは、岩井まで。080(5702)8405です。
  2. 1月14日(水)午後7時。ホテルサンルート高田馬場一水会フォーラム。講師は森田実さん(政治評論家)で、「今後の政治展望を読む」。参加申し込みは電話で。一水会事務局 03(3364)2015へ。
  3. 1月20日(火)札幌時計台シンポジウム。ゲストは逢坂誠二さんで、「北海道のこれからを考える」。逢坂さんは元ニセコ市長で、今回の衆院選に当選しました。そうした話も聞いてみたいです。著書も多いです。
     問い合わせ・申し込みは柏艪舎へ。TEL 011(219)1211
第1回「前田ゼミ」に出ます 第1回「前田ゼミ」に出ます
  1. 2月3日(火)札幌時計台シンポジウム。ゲストは岡田敦さん(写真家)。テーマは「表現の自由について=芸術とは何か? 猥褻とは何か?」
     岡田敦さんは、木村伊兵衛写真賞受賞者で、2014年の北海道文化奨励賞を受賞した写真家です。『Mother』(柏艪舎刊)で撮影した出産シーンは芸術なのか、猥褻なのかも含め、自己規制が増える昨今の表現の自由、言論の自由について語ってもらいます。
  2. 2月8日(日)午後2時、「前田日明ゼミin西宮」がスタートします。第1回目のゲストは鈴木邦男です。テーマは、「誠の愛国者とは=現代日本社会を読み解く」。
「右派の異端者。左派の異端者」 「右派の異端者。左派の異端者」
  1. 4月11日(土)午後1時、日本生物地理学会主催の大シンポジウムが開かれます。立教大学のタッカーホール。「次世代にどのような社会を贈るのか」。今年のテーマは〈対談! 右派の異端者。左派の異端者〉です。
     左派の異端者=森中定治さん(日本生物地理学会会長)と私の対談です。他にゲストとして、田原総一朗さん、宇都宮健児さん、紺野大介さんなどが出ます。このシンポジウムは10年前からやってるそうです。立教大学の千人入るタッカーホールでやってます。
  2. 4月21日(火)札幌時計台シンポジウム。講師には孫崎享さんが決まりました。