未来が見えるのかもしれない。
「お前はその場の思いつきだけでものを言っている」「いいかげんな妄想、ハッタリを言ってる」「オオカミ少年だ」…などと言われることが多いが、違う。
先が見えるのだ。未来が見えるのだ。
「連合赤軍化する日本」とか、「天敵がなくなり、生態系が崩れた」(左翼が死滅し、ネトウヨが増殖した)と言ってきた。その通りになった。
「政治は漫画化・幼稚化する」「選挙権は18歳からになる」と言ってきた。
「まさか」「そこまではしないだろう」と多くの人に言われたが、政府は本当にやるようだ。又、憲法改正もやるようだ。
2月18日(水)の「産経新聞」1面トップにはこう書かれている。
〈18歳から選挙権成立へ。
来夏参院選にも適用〉
やっぱり、そうだったじゃないか。急展開だ。それも来年夏に一挙にやるという。
1週間ほど前には、「来年夏の参院選後には憲法改正を」と出ていた。一連の動きだ。
保守票はどんどん増えている。若者も、保守化している。18歳以上に選挙権を与えたら、どっと保守票が増える。
そう睨んでいるのだ。その通りになるだろう。しかし、やり方が露骨だな。
ヨーロッパなどでは「18歳以上」が多かった。でも日本では、そんな「世界の流れ」にずっと抵抗していた。
それは、「若者は革新」だと思われていたからだ。
実際、若者を主役とした左翼の学生運動、労働運動が強かった。「こんな時に、18歳以上に選挙権を与えたら、皆、社会党、共産党に票が行く」と思ったのだ。
そんな危機感があって、自民党は絶対に認められないと、抵抗してきた。
でも、その左翼はなくなった。死滅した。
天敵はなくなり、ネトウヨという新種がはびこり、世の中は、どんどん保守化し、右傾化していった。
大学でも学生運動はないし、立て看を出しただけで警察を呼ばれ、逮捕される。
又、これに対し、学生からの叛乱もない。文句を言う学生がいない。月に1冊も本を読まない大学生が全体の4割だという。
これじゃ、もう「学生」じゃない。「若者」でもない。
本は読まないくせに、「ネットで情報を得ている」などとほざく。そんなのは情報じゃないよ。企業の宣伝だよ。
電車に乗ったら、ずらりと皆、携帯を持って、どうでもいい「情報」を見ている。ゲームをしている。
そんなことより本を読めよ!ものを考えろよ!と言いたい。
では、2月18日付の「産経新聞」に戻る。「選挙権引き下げ」には、前段階があった。
〈選挙権年齢の引き下げは、昨年6月に改正国民投票法が成立・施行されたことを受けた措置。憲法改正の是非を決める国民投票の投票年齢は国民投票法施行から4年後に「18歳以上」へ自動的に引き下げられることが決定している〉
憲法改正なんて、ずっと先のことだと思っていた。
いや、出来はしないが、まあ、「政府の決意」として「宣言」だけはしてるのだろう、と思われていた。
だから、あの時の「国民投票」の年齢なんて、皆、真面目に考えなかったのだ。
「いつかは…」「仮にだよ、やるとして…」という話だ。漠然とした「将来」の話だった。
「まあ、いつか将来、そんなことが論議されたら、そりゃ、18歳以上でもいいだろう」…となったのだ。全く、議論になることもなく決まった。
でも、この「既成事実」は大きい。
じゃ、普通の選挙の時も、「18歳にしないとおかしいよね」という声も出た。
いや、自分たちが出させたのだ。
自民党にとっては、おいしい話だ。60年代、70年代の頃の「18歳以上」は危ないし、反体制、反自民だ。
でも今は、この層は「保守層」だ。これでグッと自分たちの票も増える。
こうなると、「憲法改正の国民投票」だって、あるいは「18歳選挙権」を認めさせるための大掛かりな「伏線」「仕掛け」だったのかもしれない。
いやいや、両方とも考えたのだろう。自民のうまさが光る。
優秀な広告代理店か、プランナーがいるのだろう。
そうだ。2月18日の産経新聞には、この提案は「与野党」が提出、と書かれていた。
若者の票は全部、自民がもらえる。そういう目算だ。
でも、そんな目論見に賛成する野党がいるのか。
だって、「自民独り勝ち」をさらに増大させるだけではないのか。と思っていたら、愚かにも、これに賛同し、「あわよくば、我が党もおこぼれを」と願う〈野党〉がいたのだ。こう書かれている。
〈自民、民主、公明、維新などの与野党は17日、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる公選法改正案を来週にも衆院に再提出する方針を固めた。今国会で成立する見通しだ〉
与野党一致で急に決まり、そして、「今国会で成立する」と断言する。
でも分からないのが野党だ。公明は連立を組んでるから分かる。まあ維新も自民に近いから分かる。でも、民主までもか!と再度、「政権交替」を目指すのではないのか。
それなのに…と思う。「若者に選挙権を」「これが民主主義だ」「欧米でもこれが当たり前だ」と言われると反対出来ないのだろうか。なんとも情けない。
18歳以上の若者層は、トッと自民に投票するよ。自民の「独り勝ち」がさらにさらに進むだけだ。野党は皆、甘いよ。
きっと小選挙区制を導入した時も、こんな感じだったんだろうな。
反対党が強力になって、いい意味の二大政党制になる。そして、何かあったら、スムーズに政権交替が出来る…と。そんな建前だけで、皆、(野党も)賛成したのだ。
その結果、どうだ。〈二大政党〉なんか生まれない。単独政党の自民党だけになったではないか。
終戦直後、婦人参政権が認められた。戦中・戦前、女性にはなかった。投票することも立候補することも出来なかった。
ところが、戦後に認められた。民主化だ。
でもこの時、保守派が諸手を挙げて賛成したのだ。
なぜだと思いますか。民主化だとか、婦人の解放だなどといっても、そんなものは、ほんの一部だ。
婦人は皆、保守的で、主人の言うことを聞く。だから、一家のうちの主人の票がもう1票増えることだ。そう思って、賛成した。
婦人をなめている。馬鹿にしている。
でも、実際にはその通りになったのだ。「主人に言われるままに」、あるいは「主人に聞いて」投票した。保守票の倍層だ。
終戦直後は「婦人参政権」。そして、戦後70年の今は、「18歳以上の若者」への参政権だ。
「民主主義」「人権」「政治参加」という美しい言葉に乗って、物事の本質を見誤ってはならない。
今、新聞を整理していたら、「産経新聞」(2月8日)の1面に、こんな記事が出ていた。
〈改憲項目 国会で年内選定
原案、来年通常国会に=
自民「行程案」判明〉
なるほどと思った。改憲の時は、前文、1条、2条と変えていくわけではない。論争になるようなところは後回しだ。いきなり「9条」では、議論が進まない。
だから自民は、「9条」などハードなところは後回しだ。「やりやすい点」から改正する。
それで既成事実を作れば、又、どんどん改憲もやれるようになる。
自民党としては、連立を組む公明党を引き止めなくてはダメだ。そして、公明党もその時点ではピンと来ない。
「うん、これは必要だ」「それに環境権」などだ。公明党も、同じ自由を主張し、国会の自由権を主張している。
つまり、「環境権」を入れても、「これならば入れていい」と思うだろう。
それに、もう一つ「緊急事態条項」だ。状勢が急に変わり、全く連絡が取れない時、どうするのか。
そんな、「もしも」の時、どうするか。だから、その2つだけでも入れたらいい。そう思い、提起する。
〈自民党の憲法改正推進本部が議論の俎上に載せようとしている改正項目は、環境保全の大切さなどを規定する「環境権」や大規模災害時を想定した「緊急事態条項」の新設だ〉
なるほど、うまい。本当は「前文」「1条」「9条」を変えたい。でもこれは難しい。
だから、誰でも賛成出来るような事(だから本当は憲法に書く必要もないような事)を、まず変えるんだ。「この位は当然だ」「うん、ちょっと付け加えるだけだ」と思わせる。
そして、憲法をいじることに対するタブー感をなくす。それに、これは公明も賛成しやすい。
〈環境権は「加憲」を掲げる公明党がいち早く主張してきたテーマで、野党にも忌避感はない。緊急事態条項は、昨年11月の衆院憲法審査会で共産党を除く7党が必要性に言及しており、「理解が得られやすい」とにらむ。このほか健全財政を目指すための財政規律条項の新設なども候補だ〉
うん、うまい。野党として、「必要だ」と思うものを、「憲法」の中に入れちゃう。それで、どんどん改憲作業を進めるのだ。そして、前文、1条、9条…となる。その時には、改憲への「抵抗感」はもうなくなっている。〈強い国家〉を目指して、「いいね、いいね」と合唱するのだ。
これらは権力者が、「力ずく」でやるのではない。軍隊を使って弾圧しているのでもない。マスコミ、国民の〈支持〉を得て、やっているのだ。
自衛隊は海外に出せ、やれることを狭めるな…と言う。「軍隊」として出来ることは全てやらせようとしている。自衛隊の中からさえ、不安の声が上がっている。
そんな政権は、でも、支持率が上がっている。
「戦争をやってでも島を取り戻せ」「外国になめられるな」と強がりを言い、絶叫する人に、「そうだ」「そうだ」と言う。情けない国民だ。
そんなことを含めて、西宮で前田日明さんに聞いた。
又、2月18日(水)は、書店トークで孫崎さんに聞いた。
さらに、「強い国家」を欲しがる症候群(シンドローム)について、内田樹さんに聞いた。
内田さんと対談した本は3月中旬には出るだろう。出たら、又、いろんなところでトークをやりたい。そして、1年間話し合った、「その後」の状況について聞きたい。又、そこをどう打開するのか、についても聞いてみたい。
それからサンテレビへ。1時半から、本番。「カツヤマサヒコshow」に出る。
勝谷さんと、日本の右傾化、ネトウヨ、ヘイトスピーチ…などについて話す。放映は3月21日(土)の予定。夜11時から。
終わってから、甲子園球場を見る。初めてだ。感動です。
それから、鹿砦社へ行く。ここからは『がんばれ!新左翼』を初め、多くの本を出している。お世話になっている。松岡社長とも会う。
そして帰京。
そのあと、サイン会があり、打ち上げ。そこにちょっと出て、タクシーで高田馬場へ。
今日は、一水会フォーラムが行われている。下村満子さんが講師だ。テーマは「改めて問う、戦後処理の実質」。講演は聞けなかったが、二次会に合流。お話をしました。
5時、「読書ゼミ」。今週は斉藤先生の選んだ本を読む。吉田満の『戦艦大和ノ最期』(講談社文芸文庫)。
これは名著中の名著だ。何回か読んだ。この日、テープの朗読を聞きながら、読む。このテープもいい。私も初め図書館でテープを借りてきて聞き、感動した。それで本も読んだ。
終わってから急いで、ネイキッドロフトへ。「塩見孝也の出版を祝い、清瀬市市議選出馬を激励する会」に出る。平野さん、レーニンさん、森てるおさんが来て、応援。私も「応援」。
講師は宮下盛さん(近畿大学水産研究所所長)で、テーマは〈クロマグロの完全養殖達成と新たなる挑戦〉。思わず引き込まれて聞いてしまった。
終わってから宮下さんにいろいろ質問した。宮下さんは1943年生まれ。同じ年だ。その人が、この革命的な仕事に成功したのだ。そのせいもあり、近大の人気は急激に上がり、今年の入試の出願者は日本一になった。凄い。
それから、他の仕事があり、6時半から、「松木けんこうさん新年会・誕生日会」。でも、それ以上に、衆院選で勝って、国会に戻ってきた。それを祝う声が大きかった。
私も、そのつもりで行ったのだ。本当によかった。「こういう男は日本の国会には絶対に必要です」と皆、言っていた。本当によかった。
〈大杉栄メモリアル2015=うたと言葉で日本の近現代史を振り返る=〉。大杉栄全集(ぱる出版)刊行記念。16時より。新潟県新発田市生涯学習センター。
第1部。柳本幸子「自由・愛・平和=大杉栄の世界をうたう=」
第2部。講演。「大杉栄の眼で現代を視る」(鈴木邦男)。
舞台挨拶 栗原康(東北芸術工科大学講師)
大盛況でした。終わって、打ち上げ。泊まりました。
①2月17日(火)、神戸のサンテレビに出ました。「カツヤマサヒコshow」です。今の愛国、右傾化、ネット右翼、ヘイトスピーチ、集団的自衛権…などについて熱く語り合いました。(左から)榎木麻衣さん(アナウンサー)。勝谷誠彦さん。
④サンテレビが終わって、「じゃ、鹿砦社に行こう」と私が提案。いつもお世話になりながら、一度も行ってないし。「甲子園球場のすぐ隣です」と言うので、球場も見ました。高校野球やプロ野球のやってる時は、もの凄い人ですが、冬は、ひっとりとしてます。「この季節は、安い料金で、草野球にも貸してくれるそうですよ」と福本氏。
「じゃ、やろうよ」と私。会費を取って、球場を借りる。1人1万か2万出せば、借りられるようだ。「オラは甲子園で投げたんだ!」と孫に自慢出来る。ぜひ、やろう。
⑪打ち上げを中座して、車で高田馬場へ。一水会フォーラムは終わっていて、二次会でしたが、そこに参加しました。下村満子さん(評論家・元「朝日ジャーナル」編集長)とお会いしました。講演会も満員だったそうです。
⑫あの政界の暴れん坊・荒舩清十郎さんのお孫さんが来てました。荒舩丈一さんです。政治家かと思ったら違いました。荒舩医院の理事長でした。埼玉県秩父郡横瀬町だそうです。あっ、先週、「大氷柱(つらら)を見に行きました!」と言いました。
⑬2月11日(水)井脇ノブ子さんの誕生日パーティです。原宿の南国酒家で。でも、国家の誕生日(建国記念の日)と同じ誕生日なんて、凄いですね。やっぱ、国会に出て闘うしかないですよ。元衆議院議員で、次の参院選を狙ってるようです。頑張ってほしいです。井脇さんは私より2歳下。民族派学生運動では一緒に闘いました。
㉔これは2月19日(木)です。再び、塩見さんの「出版記念・市議選出馬」のお祝いと激励の会です。ネイキッドロフトです。午後7時から。私は学校があったので、少し遅れて行きました。(左から)司会の椎野レーニンさん。鈴木。塩見孝也氏。平野悠さん。
㉘「産経新聞」(1月5日付)に感動的なニュースが載ってました。小金井のたばこ屋の犬です。とても賢くて、店番をします。お客が来ると注文を聞いて、タバコを渡し、お釣りも渡します。そんな記事だったと思います。世界中から、この犬に会いに多くの人たちが来ます。
㉙これはぜひ行かなくっちゃと思ってました。忙しくてなかなか行けなかったのですが、2月15日(日)、やっと行けました。でも、毎日、ドッと人が押し寄せて、疲れ果てて、下で寝てました。ガラス越しに見ています。残念です。
㉜「赤塚不二夫会館」で。右は赤塚さんが着ていた服です。赤塚だから赤です。そうだ。塩見さんも赤軍だから、全身、赤の服にしたらいいのに。髪も赤髪に染める。これはいい。いつもレッドアロー号に乗ってるんだし。
㉟4月21日は、札幌で又、孫崎さんとトークです。孫崎さんは4月11日は西宮ゼミでも出るんですね。前田日明さんとの対談です。私も聞きに行きたいのですが、立教大学で講演会で、行けません。では、札幌でお会いしましょう。