体調を崩した。忙しくて、柔道にも行けないし、闘ってない。
それがいけないのだろう。そんなに仕事が沢山あるわけではないが、私の仕事がのろいのだ。能力がないのだ。
だから遅れに遅れ、たまりにたまってしまう。
それに今月は地方へ行くことが多い。三分の一は地方に行ってる。
家に帰ると、寝る間も惜しんで仕事をしている。寝不足だ。それでカゼをひいて、熱を出した。
でも、予定されてる集まりに行かなくてはならない。フラフラしながら、行きました。
7月4日(土)、5日(日)は函館。唐牛健太郎さんの墓前祭。
7月10日(金)は大阪。「そこまで言って委員会」収録。放送は7月19日(日)。
7月12日(日)は西宮。「鹿砦社弾圧10年。復活の日」集会。
7月18日(土)、19日(日)は北海道。白老アイヌ民族資料館。
7月20日(月)は、大阪。「カレー事件」集会。
7月21日(火)、22日(水)は金沢。計9日間は地方だ。
では、「カレー事件」だ。7月20日(月・祝)。朝9時東京発の新幹線で行く。
新大阪は11時33分着。大阪止まりだから安心して眠ってられる。
前に、寝過ごして、次の駅まで行き、戻ってきたことがある。
携帯も持ってないし、連絡が大変だ。といって大きな目覚まし時計を持って行って、「ジリジリ…」と大きな音がしたら他の人に迷惑だろうし…。昔は、目覚まし付きの腕時計があったけど、今はない。
どうしたらいいんだろう。そんな心配があるので下中さんは、いつも「大阪止まり」の新幹線を指定して、「これで来て下さい」と言う。この前、「鹿砦社弾圧10年。復活の日」集会の時もそうだった。
それで、7月20日(月)だ。いつも、この頃に大阪で「カレー事件」の集会を開いている。前は和歌山でもやったことがある。関西の事件だから、集会も関西でやる。ということらしい。
ただ、1回だけ、東京でやった。今年の3月だ。手帳を見たら、3月14日(土)だった。文京区民センターでやった。
あの時も、やたら忙しかった。
翌、15日(日)は、松元ヒロさんのライブを見に行っている。
16日(月)は内田樹さんとの本『慨世の遠吠え』(鹿砦社)の発売。
そして、この日、中野税務署に並んで、申告している。
そして、3月17日(火)に韓国に行っている。
18日(水)は、ソウル大学で講演をした。その時の講演録が本になって、最近、送られてきた。
では、3月14日(土)の「カレー事件」東京集会について、まず少し、触れておこう。
東京では初めて、ということで、もの凄い人だった。又、準備する側も、大いに張り切っていて、初めに「カレー事件」関係の映像を流す。
これが実によく出来ていた。林眞須美さんが笑いながら、マスコミ陣にホースで水をかけている。
又、彼女は保険金詐欺をやっている常習犯だ。近所でも嫌われていた。
お祭りの日にカレーの鍋に砒素を入れて人を殺すなんてことが出来るのは、この人しかいない。
そういえば、カレー鍋のそばにいた。自宅にも砒素があるようだ。…と、見聞、状況証拠だけが積み重ねられ、一方、「ふてぶてしい眞須美」像が流される。「犯人はこいつしかいない」と人々も思う。
そして逮捕だ。初めは黙秘だったが、途中から喋る。「それも不自然だ」「やっぱり、犯人だろう」と人々は思う。
本当は、そう思わせるようにリードしていたのだ。
でも、真実の眞須美さんは優しくて、子供思いで、そんなことの出来る人ではありません。…と、東京集会では力説する。
又、この裁判には安田好弘弁護士、さらに(ロス疑惑事件の)三浦和義さん、それに私までが加わっている。
「林眞須美さんを支援する会」の初代代表が三浦和義さん。二代目は私だ。三浦さんから口説かれて、私は支援活動に加わった。
眞須美さんにも何度か面会に行っている。
安田弁護士も、ちょっと見には強面の弁護士だ。
山口県光市の事件では、加害者の少年を弁護して、かなり激しく叩かれた。
どんな人でも弁護士は付くのだし、当然の行為なのに、「あんな悪魔のような人間を弁護するのか?」「無罪にしようとしてるのか?」と批判が集中した。
又、人間は死んでも押入れに入れておけば生き返る。と少年は言った。などと発言し、「そこまでしても、裁判に勝ちたいのか」と非難された。「こんな弁護士は辞めさせろ」とテレビで発言する人もいた。
ともかく、国家の弾圧がモロに被さっている。ともかく、変わった人、強面の人が支援している。そんな印象だ。「東京集会」で流されたビデオの最後はこうなっていた。
「安田弁護士は嫌いでも、私のことは嫌いにならないで下さい」。 ほう、面白いことを言う。AKB48のメンバーの科白だったんだろう、と思って見ていたら、次。
「鈴木邦男は嫌いでも、私のことは嫌いにならないで下さい」。
ゲッ!と驚いた。でも、面白いと思った。7月20日(月)の「大阪集会」でも、そのことを思い出していた。
あの時は、「ほう、面白いな」と思っただけだが、今考えると、不思議だ。奇妙だ。
だって、安田弁護士や私のことは嫌いな人は、「初めから林眞須美を嫌いだろう」。そう思ったのだ。「林眞須美は嫌いでも…」と言うのなら、分かるけど。
それに、眞須美さんは、「いい人」ではない。どっちかといえば、「悪い人」だろう。
だって、砒素を使ってわざと体を壊し、病院に入院して、「保険金詐欺」を繰り返していたからだ。これは事実として認めている。
「詐欺」を犯すような奴は、「人殺しだってやる」と一般の人は思うだろう。
しかし、違う。「詐欺」「泥棒」と「殺人」の間の距離は無限に遠い。
むしろ、社会の一般の人の方が近い。サラリーマンや、高校生や女子大生が、カーッとなって瞬間的に人を殺した…という事件が多いではないか。70過ぎの老人もキレて、人を襲う。
でも、この人たちは、「詐欺」「泥棒」という比較的軽い「犯罪」をやって、準備し、そして殺しをした。という人は誰もいない。
一般人が、いきなり「人殺し」をやるのだ。
それに、「詐欺」「泥棒」を何度もやり、捕まったことのある人間は、「殺人は一番、ワリがあわない」と知っている。犯罪に走ったからこそ、「殺人」はやらない。
眞須美さんのケースは、とても「人殺し」になどなりえない。そんなケースだ。
それに、眞須美さんの旦那さんの証言だ。何回も会ってるが、こう言ったんだ。
「私らは保険金詐欺のプロです。お金も随分と入ってきました。金にも汚いと言われてます。だからこそ、一円にもならない殺しなんかやるはずがないです」と言う。
ウッと思った。これは実に説得力がある。昔、「SPA!」で元警察官、元ヤクザ、元右翼の座談会があった。「元右翼」は私だ。
その時、カレー事件の話をした。〈悪〉〈法律を犯す〉ことには詳しいし、プロだ。だからこそ「眞須美さんは犯人じゃないな」と3人の考えは一致した。
そして座談会のタイトルはこうだ。「林眞須美は無罪である!」。
凄いタイトルだ。でも、これは本当だと思う。
一生、犯罪を犯すことのない人。一生、警察に捕まることのない人は、普通に警察発表を信じてしまう。マスコミを信じてしまう。
だからこそ、この事件は難しい。マスコミ、警察情報の垂れ流しの中で、人々は「自分の頭」で考える能力を失っている。
「ほらみろ、こんな悪い奴じゃないか」
「砒素を使って何度も保険金詐欺をやっているんだ。だから、殺人だってやってるさ。決まっている」
「他にやりそうな人はいないじゃないか」…と言って、警察発表に納得する。
でも、今までの冤罪事件も全て、「最も犯人らしい」人間が捕まり、新聞も、「こいつに決まっている」「じゃ、他にいるのか」と言ってきた。
又、「悪そうな人」を見つけるのがうまいのだ、警察は。
いや、普段から、そういう人物をリストアップしているのだ。
たとえば、冤罪事件が証明された「布川事件」がある。
強盗殺人事件で2人が捕まった。自供もある。2人は、地元の有名なワルだった。「目撃者」もいる。
ところが後にDNA鑑定で2人は無罪が証明され、出獄した。
この2人には私は何度も会った。『紙の爆弾』で対談もした。
「じゃ、地元の人は喜んだでしょう」と言ったら、全く逆なんだ。この2人のワルの行状は今でも皆、憶えている。
だから、「たとえ無罪でも、ずっと刑務所に入れておいてほしかった」と言ってるという。
驚いた。それほど、恐れられ、憎まれていたのか。地元の人々の気持ちも分かるような気がする。
でも、どんなにワルでも、やってもいなかった事件で「死刑」にされてはたまらない。「疑わしきは罰せず」だ。
ところが今は、「疑わしい」だけで、罰している。
林眞須美さんは嫌いでも、無実の罪で死刑にしてはならない。
大阪集会の時、河合教授の講演の前に10分間の休憩があった。
私は廊下に出たら、支援者の人が、「じゃ、鈴木さんにかわりますから」と携帯を渡す。
誰かと思ったら、眞須美さんの旦那さんの林健治さんだ。
前は車椅子に乗って出てきてたが、今は、体調が悪くて、出歩けないらしい。
「行けなくて、申し訳ありません」と言っていた。
「皆、頑張って一日も早く再審請求が出来るように頑張っていますよ」と言った。
「昨日、テレビ見ましたよ。頑張ってましたな」と言う。
読売テレビの「そこまで言って委員会」だ。7月10日(金)に収録したのを、昨日、放送したようだ。激論に次ぐ激論で、喋るのは大変だ。でも、「そこまで言って委員会」は、もの凄く影響力がある。
「カレー事件でもお世話になったんですよ」と私も思い出して言った。
まだ、たかじんさんが元気でいた時だ。「カレー事件をテーマにやりたい」と言うから驚いた。
メチャクチャ言われるんだろうな、と思った。「こいつしかいない」「他に犯人がいるか?」と。でも、取り上げてくれるだけでありがたいと思った。
収録の前に、「林眞須美さんに面会したい」というので、プロデューサーや、ざこばさんを案内して面会してもらった。
そして、次の収録の日だ。今までのカレー事件の報道と全く違う。
そうか。パネラーは皆、自分の考えを持ち、けっこう意固地になる人が多い。だから、警察、マスコミ発表を鵜呑みにしたりしない。それでカレー事件を考える。
「証拠、自供もないのに有罪と決めつけるのはおかしい」「新しい機械で有罪と決めてるが、新しい機械はそれだけ。実績もないのだから、不安だ」「あれだけ金にこだわる人が、全く金にもならない殺人をするだろうか…」と。
今までにない番組になった。あれでカレー事件、林眞須美さんに対する見方も大いに変わった。テレビの力は大きいと思った。「そこまで言って委員会」の力は凄いと思った。
19日(日)放送の分も、面白かった。又、戦後の学生運動、労働運動などについての資料映像もしっかり作られていて、とても勉強になった。このまま、教科書にしてもいい位だ。と思った。
大阪「カレー事件」集会の日は、元兵庫県警の飛松五男さんも来てたので、「何とか、本を作りませんか」と提案した。
あるいは、どこかのテレビ局でもいい。「飛松五男捕物帳」でもいい。いろんな事件を、じっくりと考えるような番組だ。
ゲストは1人か2人でいい。飛松さんだけでいい。カレー事件を含め、再び捜査し、じっくりと考えて、語ってもらう。いい番組になると思うのだが…。
又、和歌山でもやりましょう。岩井さん。名古屋でもやりましょう。
カレー事件のこと、その後の生活。中で絵を描いて発表している。その絵も紹介された。いい番組だった。
そのあと、まず私が挨拶。「林眞須美さんを支援する会代表」として今日の集会の意義を話す。
続いて、「再審請求弁護団報告(現状と課題)」。
そして今日のメイン。河合潤・京都大学教授の講演。
一般的には、「カレー事件」でカレー鍋に入れられた砒素と、林眞須美さんの家から発見された砒素が「同じ」だとして逮捕され、死刑を宣告されている。そう思われている。
しかし、2つの砒素は、成分も形成過程も全く違うものだと河合教授は言う。警察に頼まれて、「同一だ」と鑑定した人々の証言を次々と崩してゆく。
とても分かりやすいし、説得力がある。
終わって、会場から活発な質問があった。
「ではだれが犯人なのか」「その犯人を名指して、こちら側も、きちんと物語を作る必要があるのではないか」…と。
中には、「国立大学の教授なのに、国家に反逆するようなことをやってクビになったりしないのか。国家や警察から弾圧はないのか?」。凄い質問をする人だ。と思って見たら、東京中野区から来た寅ちゃんだった。
河合教授は、「それは全くありません」と。学者の良心にかけて研究し、証言してるんだ。そんなことはさせない。という自信もあるのだろう。
質問した寅ちゃんは、つい12日(日)にも西宮で会った。札幌や、姫路などでも会っている。
東京に住みながら、東京では、ほとんど会わない。確か、私の家のそばだというのに。
会社で必死で残業をして、そのお金で地方の講演を聞きに行ってるそうだ。偉い。
「カレー事件」の集会は16時半に終わり、そのあと、近くの居酒屋で二次会。皆と遅くまで話をし、この日は大阪に泊まる。
民主党の議員たちが大勢来ていた。函館からは逢坂誠二さんも。7月5日(日)に、私が函館の街を歩いてたら、逢坂さんが街頭で演説していた。挨拶したら、
「じゃ、鈴木さんも喋って下さい」とマイクを渡され、私も演説した。
その時のことを逢坂さんも、円さんの会で喋っていた。
他にも、山本太郎さんはじめ、多くの人に会った。
終わって、志の輔さんを訪ねて、「よかったですね、感動しました」と言いました。
私は「円朝全集」に挑戦し、全巻読破している。円朝の凄さも分かるし、それを演る志の輔さんの芸、力量にも感銘を受けた。
そして、楽屋で海江田万里さんにバッタリ会った。「えっ、聞きに来てたんですか!」と驚いた。
元・民主党党首だ。一番大変な時に引き受けた。偉い人だ。昔、東海テレビの討論番組では、一緒に出てた。その頃の話をしました。
夜、6時半。水道橋。在日本国韓国YMCAアジア青少年センターに行く。9階国際ホール。ヘイトスピーチに反対する「のりこえネット」の集会だ。「のりこえ祭り」だ。
辛淑玉さん、佐高信さん、小室等さんらと会う。
第1部は活動報告。
第2部は音楽イベント。「歌は抵抗、歌は希望」。小室等さん、佐藤直子さん、ATS(えいてぃーえす)あつしさんの歌。
小室等さんは若い女性と共に登場。「親子ほどの年の違う…」というから、「年の違った奥さん」かと思ったら、違う。「親子ほど年の違った娘です」。
なんじゃ、こりゃ。親子で歌をうたい、演奏する。いいね、仲が良くて。
「でも、ここまで来るまでは大変だったんです」という。「妻は元々、他人だけど、娘は他人にはなれないから」。そんな話も十分に聞きました。
第3部は「交流会」。次々と挨拶が続く。「では次に、おなじみ三人組に登場願います」と司会の辛淑玉さん。三人組とは、佐高信さん、小室等さん、そして私だ。 「お笑い三人組」かな。
反ヘイトスピーチのこと、安倍政権のこと、我々の闘いについて語る。
①7月19日(日)放送された「そこまで言って委員会」です。私もゲストとして出演しました。〈シリーズ戦後70年企画〉の一つです。この日は、〈「あの時、日本は熱かった! 戦後社会運動史」徹底検証スペシャル〉。
「学生運動とは何だったのか」「労働運動が“格差”を生んだ!」「市民運動と“プロ市民”」「女性解放運動で男女平等は実現したのか?」の4つのコーナーで激論が闘わされました。パネラーは8人です。
②パネラーがヘルメットを被ってます。「Z」という実在の党派のヘルメットもありますが、あとは、この日、考えたものですね。「決別」派なんていいですね。「中日」派。「非暴力」「クリーン派」も。「軍同」「愛国」もあります。「反男」なんてのも。田嶋さんらしい人が被ってます。
③あんなに激しかった学生運動も、その後、どうなったか。志を持ち続けている人は少しだがいる。さらに「過激派」になった人もいる。
でも圧倒的多数は、市民社会に舞い戻り、企業戦士になったり、大学の先生になったり。政界・財界の中心人物になった人もいる。
⑧7月20日(金)。大阪で「カレー事件」の集会が開かれました。〈和歌山カレー事件再審請求のいま、これから〉です。
会場の「エルおおさか」は超満員でした。弁護団による「再審請求弁護団報告」。そして、河合潤さん(京都大学教授)による講演が行われました。
⑬衆議院議員の逢坂誠二さんが挨拶してます。「この前、地元函館の街頭で演説してたら、偶然、鈴木邦男さんが通りかかったので、一緒に演説してもらいました」と言ってました。そうなんです。バッタリ会ったんです。
⑯楽屋に行ったら、何と海江田万里さんに会いました。「うわー、久しぶり!」と思わず大声を上げてしまいました。頑張ってますね。昔は、東海テレビの討論番組でよく会ってました。その頃のことを思い出しました。「又、あんなアットホームな政治討論をやりたいですね」と言いました。
㉝7月16日(木)。学校に行って、「函館のつたやに行ってきた」と話したら、「二子玉川と湘南にもあります」。ええっ!そうなの。じゃ、まず「ニコ玉」に行こう、と出掛けました。広かったです。疲れました。函館のつたやも豪華だけど。