おかげさまで好評でした。先週と先々週の「宗教対談」です。
高木さん、阿部さん、管理人さん、その他、お世話になった方々。本当にありがとうございました。
それにしても、事前に60冊ほどの本を読み、それで対談するなんて。
高木さんにはもの凄い無理なことをお願いしました。でも立派にやり遂げてくれました。さすが、「平成の読書王」です。私なんぞ、いらない位でした。
高木さんは、「普段は読む機会がない本を読み、新鮮でしたし、考える事がありました」と言ってました。
そうですね。余程のことがないと「宗教書」なんて読まないですね。
ましてや、「読んだ」後で、皆で「話し合う」ということはありません。
私は、谷口先生の『生命の実相』(全40巻)を、もう5回ほど読み直しています。10年に1度は、読み直して自分に喝を入れようと思ってます。
ただ、その上で他の人と話し合うことはありません。
「生長の家」の学生運動をしてた時もそうです。
これは「聖典」ですから、感動し、そのまま自分のものにする。それが大事です。あれこれと分析したり、話し合ったりすることはありません。
「輪読会」といって、皆が輪になって読み合うことはあります。
でも、「これは真理である」「この通りだ」と決まっていますから、「批判」したり、「反論」することはありません。そういう人は、初めから、そんな読書会には来ません。
『生命の実相』40巻は〈聖典〉ですから、生長の家の信徒は全員、読むものです。
入信してなくても、関心を持って読んでる人もいます。政治家でも沢山います。
それに本屋にも置いてますから、たとえ「反対意見の持ち主」でも、冷やかし半分でも、読むことはできます。
読んだ人には、すぐに「勧誘」に来る…ということもありません。「幸福の科学」だって本屋にあります。私は、(だから)安心だと思います。
ところが、カルトと呼ばれる宗教は本屋にはありません。
本屋の方で、(危ないと思い)拒否する。ということもありますが、カルトの方も拒否するのです。
街頭で、相手と対面して売る。あげる。それが大事だと思っているんです。
又、一軒一軒、家を訪ねて行き、「救われる話」をするんです。
ともかく、個人的に会って、「勧誘」するのが主目的なのです。
本屋において、サッと読んだり、冷やかしで読まれたら、たまらない。と思っているんです。
『生命の実相』は、入信してない人でも本屋で買えます。だから、安心して買える。
そして、1千万部とか、2千万部とか、途方もない数の本が売れてます。
宗教のバイブルだからこそ、広く広まり、多くの人に読んでもらえた。
教団の人が多いから、その人たちが読んでも1千万、2千万になるのです。
もう一つ、こんなことも思います。『生命の実相』の中でも、「自伝篇」「霊界篇」「戯曲篇」などは、むしろ、(教団を離れて)一般の本として、新書などで出した方が、ずっとずっと売れると思います。これからの課題でしょう。
キリスト教の「聖書」や仏教の経典なども今やホテルにもあるし、歯医者などの待合室にも置いてます。
そういう形で、広まり、いろんな人が「安心して」読めるような環境を作る必要があるでしょう。
その意味で、高木さんと対談した「宗教対談」は実に革命的なものだったと思います。
教団の人、入信してる人とは、こういう自由な討論はできません。
これからも「宗教」に限らず、多くの本に挑戦していきたいと思います。
高木さんは、野村秋介事務所の蜷川氏が出している本『燃えよ祖国』に読書論を書いてますが、一番最近の号では、『北一輝著作集』(全3巻)を読んだ、と書いてました。
いろんな人が北の解説書を書いてますが、やはり『北一輝著作集』を読んで下さい。素晴らしいです。
少し時間をおいて高木さんと対談しましょう。テーマはこの「北一輝」ですね。
それと、最近、やろうと思ってるのが、伊藤整の『日本文壇史』です。全40巻近くあります。
伊藤整は、亡くなってしまい、そのあとは別な人が引き継いで、『日本文壇史』を続けています。
私が読み終わった『日本文壇史』は全部、高木さんに送りました。40巻近くあります。頑張って読んで下さい。読んだ頃に対談をしましょう。
大阪の読書会も初の試みでしたが、大成功でした。
政治の話はなくて、本の話ばかりでした。私が読んだ本について話すだけでなく、出席者一人一人は、「最近読んでよかった本」を発表してもらいました。
他の場でも、こういう雰囲気が出てきました。
高橋和巳の『邪宗門』を読んだと言う人が、もう、7人ほどいました。
決して読みやすい本ではないのに、ありがたいと思いました。高橋和巳に成り代わって、私が礼を言いました。
そして、表彰し、何か他の本をあげたりしました。さらに、驚いたことに、大阪では、「高橋和巳全集」を買って、今、読んでる。という人もいました。
これは凄いです。偉いです。
私も昔、読みましたが、今、読めと言われたら、できるかどうか分かりません。
今度、全集を読み終わったら、私と対談しましょう。高木さんにも加わってもらって。(そうすると高木さんも「高橋和巳全集」を読まなくてはなりませんね)。
これからは皆、何でもいいから、「全集に挑戦する!」ということをやったらいいでしょう。
前に、「週刊読書人」で私は上野先生と、「全集を読む」という対談をしました。
高木さんとも何回かやって、本にしたいですね。宗教、文学、変革運動を中心にして、「全集を読む」ですね。
全集に挑戦すると、人間が変わります。生きていく上で、大きなことに挑戦しているという意欲が湧きます。又、「全集」を読むと、山脈を征服した気分になります。
それに単発で本を読んだ時よりも、その物事、事象についての理解がグンと進みます。又、いろんなことを考えます。
上野先生とは、「全集を読むこと」の効用を随分と話しました。今度、少しずつ、エッセンスを紹介していきましょう。
それと、5年前に出した、『鈴木邦男の読書術』(彩流社)ですね
。ここでは、初めに、「全集読み」について、具体的に書いてます。
ちょっと目次を見てみよう。こうだ。
第1章 出会いと別れの読書術
第2章 大作を読み通す読書術
第3章 読書戦争・ちくま編。対談。高木尋士×鈴木邦男
第4章 行動派のための読書術
第5章 何を読んだか。1900年・2000年・2009年
目次を見ただけで、かなり力が入っていると分かる。
「読書論」の本は今まで5冊位出してるが、これは文句なしに「決定版」だ。高木さんとの対談も入ってるし。
又、昔出した『行動派のための読書術』も1冊入っている。読書論の「全集」みたいだ。
第2、3、4が、「全集」読みについて書いている。
この第2章「大作を読み通す読書術」では、さらに小見出しが面白い。多分、私ではなく編集者が考えてくれたんだろう。私じゃ、こんな、気の利いた、面白い小見出しはつけられない。
では、紹介しよう。
〈第2章 大作を読み通す読書術〉
①「決定版 三島由紀夫全集」全44冊を読破した。
②探し続けて40年。読破した大河小説『人生劇場』全11巻。
③私の原点は司馬遼太郎の『燃えよ剣』だ!
④「新潮現代文学」(全80巻)を読破した!
⑤中里介山の『大菩薩峠』(全41巻)を読まにゃ、日本人じゃない!
⑥今年は、司馬遼太郎の『坂の上の雲』(全8巻)だ!
うーん、よく読んでますね。
じゃ、次の章も紹介しようか。高木さんとの対談だ。
〈第3章 読書戦争・ちくま編〉
①まずは、初めに『戦後日本思想大系』(全16巻)を読んでみよう。
②次は頑張って『現代日本思想大系』(全35巻)を読んでみよう!
③これからの課題だね。『近代日本思想大系』(全36巻)は。
④芹沢光治良の『人間の運命』(全14巻)で、「刷り込み」と「脱却」を知る。
⑤活動家の必読書だよ。立花隆の『天皇と東大』は。
今、思い出したけど、私らが学生の時は、新書は3つしかなかった。
岩波新書と中公新書と講談社現代新書だ。それが月に1冊位出ていた。
だから、この3つの新書は「全部読もう!」と思って挑戦したことがある。
他にも何人かが挑戦した。でも、負けだ。すぐに、月に1冊以上出る。
さらに、他の出版社からもどんどん新書が出る。「新書は全部読む」なんてできなくなった。
しかし、今、考えてみる。どれか一つ位、突破して、征服してみたいものだと。
「日本一の愛書家」の寅ちゃんは、岩波新書を随分と読んでいる。だから、「岩波新書を全部読んでみれば」と勧めている。
何冊あるんだろう。3千冊位あるかな? 私は、どこか、少ないとこに、狙いを定めてやってみよう。
その前に、データを出さないと。今、どれだけの新書があるのか。月に20冊位出てるだろう。一つの出版社で3冊も4冊も出してるとこがあるし。
それで、今まで、どれだけ出てるのか。データをそろえてみる。
そして、数が少なくて、読みやすく、かつ、有意義な新書から狙いをつけて、突破してゆく。
そして、いつかはすべての新書を読破する。
ウーン、そこまではやる必要がないか。
まずは寅ちゃんの「岩波新書」読破に期待したい。
しかし、岩波新書でも無理な企画をやるよな。
「岩波新書の3冊」(1冊だったかな)というアンケートがあった。今まで出たうちで、どれが良かったかを書けという。
無理だよ。皆、1割だって読んでない。それで、「これが良かった」と書く。
でも私は結果はわかってた。これしかないと。(前にもここで書いたが)、丸山眞男の『日本の思想』だ。あれが最高だ。
じゃ「1冊」か「3冊」に縛られないで、「これは読みたい、岩波新書の50冊」とかをやってほしい。
他の新書でも、そうしたら、いいところを皆、読めるじゃないか。
ということで、今週は本の話だけで終わりだな。まあ、それもいいだろう。
大阪の「読書ゼミ」のようなものを又、どこかでやりたいね。高木さん、寅ちゃんを入れて。
又、伊藤整の『日本文壇史』。それに哲学の本では、『ソフィーの世界』もいいね。筒井康隆の『大いなる助走』もいい。『日本文壇史』にも通じる。
今まで私らが知ってる作家は、ドロドロとした戦いを勝ち抜いてきた人ばかりだ。そして初めて作家になる。
でも、そのドロドロの中で潰れた人も多いのだ。前段階で潰れ、消えた人々だ。
その人たちのことも書いている。伊藤整の本にも、それはある。
そんな人々の戦いを思いやりながら、皆と話してみたい。
その中で、元刑事の北芝健さんに登壇してもらい、覚醒剤の清原問題。右翼・左翼・宗教に対する警察の取り締まり方法…などを聞いた。この人が一番、危ない話だったかもしれない。
椎野礼仁さんが司会で、上祐さん、私、北芝さんで。では、この危険な日本をどう生きるか。どうやって身を守るのか。といった話をした。
質問時間には会場からも活発な質問が出た。中には、喧嘩になるのでは…と思うような激しい批判や質問もあった。熱くなって夜の12時近くまで話し合った。
主催した桃江メロンさん。お世話になりました。ありがとうございます。代官山だけあって、新宿とは違い、ハイソな人や、きれいな人が多かった。
きれい好きで、掃除好きの寅ちゃんも来ていた。真剣に聞いていた。「新宿と違って、きれいな人が多いですね」と寅ちゃん。そういえば、そんな気もする。私はすぐに洗脳される。
あれっ、桃江メロンさんに似てる人がいる。それも3人もいる。これは凄い。突撃取材をした。「きれいですね。桃江メロンさんに似てますね」と3人に質問した。マイクを持って。さて、3人の回答だ。
Aさん「そうかしら。似てないでしょう」
Bさん「嬉しい。そんなにきれいじゃないけど」
Cさん「何言ってんの。頭、変になったんじゃないの」
(あっ、ヤベー! 本人でした)
世田谷区の人口が88万人。人口は増えてるし子供も増えている。人口が世田谷区より少ない県が7つもあるという。凄い。
じゃ、東京から独立してもいい。「世田谷」を「区」から「県」にする。いや、「世田谷都構想」でもいいな。
でも保坂さんは、そんな冗談は言わないし、夢のような話はしない。真面目だ。ここで休憩。
第2部は、パネルディスカッション。テーマは、「①ポートランドから学べることは」「②世田谷でめざす住民自治とは?」。パネリストは4人。宮台真司さん(社会学者)。松尾貴史さん(俳優)。藤村龍至さん(建築家)。とても勉強になりました。
終わって、打ち上げに行きました。
①2月17日(水)午後7時から。代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」で、上祐史浩さんと鈴木邦男のトークが行われました。「テロ・暴力…混迷の時代を生き抜くには?=未来を切り拓く思想」です。トークする2人と、司会の椎野礼仁さんです。
⑤2月12日(金)。午前11時より。喫茶店「ミヤマ」の会議室で。原田正治さんと対談しました。原田さんは弟さんを殺され、でも犯人に会いに行き面会を重ね、今は死刑反対運動をやってます。「奇跡の人」です。最近公開された映画にも出ています。「望むのは死刑ですか。=考え悩む“世論”」です。3月19日(土)には午後3時から、大阪のセブン劇場で、この映画が上映され、その後、原田さんと鈴木のトークがあります。
⑧2月13日(土)。浦安市民プラザで。「浦安ドキュメンタリーオフィス」設立10周年記念上映会。11時から。「壊された5つのカメラ=パレスチナ・ビリンの叫び」。13時30分から。「それでも僕は帰る=シリアの若者たちが求め続けたふるさと」。上映後にトークがありました。主催者の中山さん(左)と、ゲストの臼杵陽さん(日本女子大学教授)です。
⑪会場になった浦安市民プラザは大きいし、きれいで、おしゃれなビルです。ホール、映画館、飲食店街があり、見晴らしもいいです。ジャッキー・チェンの映画だと、こういう所で、エスカレーターから飛び降り、アクションが展開されるんですよね。私は無理です。デブだから。
⑫「あれっ? 遺骨ですか」と聞かれてました。よく聞かれるので、「遺骨ではありません」と書いておこうかと言ってました。終戦直後はこういう光景が沢山あったんですね。でも、駅の網棚には、よく忘れていったそうです。
⑭30巻以上あります。相当前に読みました。二回続けました。高木尋士さんにあげて、今、読んでもらってます。読んだら、対談をやります。「宗教対談」の次ですね。伊藤整は亡くなって、今、別の人がこのシリーズを引き継いでいます。発行された全てを読んで、対談します。
㉚打ち上げ会で。居酒屋「はちく」です。きっと、「破竹の勢い」から取ったんですよ。店長に確認したら、そうでした。それに「竹鶴」のマッサンのボスターもありましたし、「竹」ですよ、キーワードは。打ち上げ会の〆は松尾さんが挨拶してました。