これは平成の玉音放送だと言う人もいる。
確かにそうだと思う。
左翼的な人や、普段、政治には関心のない人も、「感動した。涙がこぼれた」と言う人が多かった。
天皇陛下の「生前退位」の強い思いが全国民に伝わったと思う。
ただ、その中でも少しでも「異変」や「不満」を見つけて書こうとするのが週刊誌だ。
「花田紀凱の週刊誌ウォッチング」(8月13日)には、そのことがよく書かれていた。
〈『週刊文春』8月11・18日号が「天皇生前退位に『日本会議』が猛反発〉。『週刊朝日』(8月19日)が〈天皇「お気持ち」で割れる保守〉。
反対論の代表は百地章さん(日本会議の有力メンバーの一人)。
〈これは立憲君主制の否定です。日本国憲法第4条では「(天皇は)国政に関する権能を有しない」とされています。(中略)陛下に直接の「お気持ち」を語っていただくなど、宮内庁の責任のがれだと言える〉。
これに対して、花田氏が言う。
〈たしかに法的には論議もあろうが、朝日新聞の世論調査でさえ、法を改めて「生前退位をできるようにする」ことに賛成が84%、反対派わずか5%。ここは陛下の意を汲んで差し上げるべきなのではなかろうか〉。
そして、こう続ける。
〈『ポスト』では『天皇論』の著者小林よしのりさんが、ゴーマニズム宣言スペシャル「『生前退位論』。天皇は「国民主権」の奴隷なのか?」8ページを〈特別描き下ろし〉。〈陛下の自由意志を認めよ!〉と“ごーまんかまして”いる〉
おっ、これは凄い。と、さっそく『週刊ポスト』(8月8日)を買った。「ゴーマニズム宣言スペシャル」だ。
はじめに、こう書く。
〈天皇陛下の「生前退位」のご意向が判明した。大多数の国民は陛下の尋常でない多忙さに同情し、82歳という高齢にも配慮して、ご意向の通りにしてさしあげたいと思っている。これが日本国民としての普通の感情だろう〉。
その通りだ。朝日新聞の世論調査だって、84%以上の人がそう思っている。日本国民は、ほとんどがそうだ。
〈ところが驚くべきことに、これに異を唱え、妨害する者がいるのだ〉
と、小林さんは書く。
〈自称保守派の論者らは、陛下の公務を減らせばいいじゃないかと言う。そして「摂政」を立てて、皇太子と天皇で公務を分担すればいいと言う。だがこれは、「摂政」の意味を全くわかっていない者の考えである〉。そして、諄々と説明する。〈天皇陛下は公務の削減を進めていくくらいなら、「生前退位」をして、皇太子殿下に「譲位」したいという考えなのだ〉。
〈政府は速やかに皇室典範を改正して陛下のご意向を叶えてあげてほしい。これが常識ある国民の願いなのだから〉。
〈そもそも天皇・皇族には、「退位の自由」も「即位を拒む自由」も「皇籍を離脱する自由」も許されていない。職業選択の自由が認められていないからだ。天皇や皇族の方々は、国民が持つ「基本的人権」のほとんどが奪われている。移動の自由、転居の自由、思想信条の自由、表現の自由から選挙で投票する自由まで、我々が持っている自由のほとんどがない〉。
そして言う。
〈天皇は国民ではないのだ〉。〈見ようによっては、天皇は国民の奴隷ではないか?〉
凄いことを言う。でも、当たっているかもしれない。「自由」は全くない。義務、公務ばかりだ。
なぜなのか。国民が〈強制〉しているからだ。
〈天皇は民主主義の「自由」「平等」という価値に反している。よってリベラル知識人の中には、天皇を「被差別者」と見て、「天皇を解放すべきだ」という意見を持つ者もいる。この考えには説得力があると、わしは思う〉。
そして、怒って言う。
〈現に見よ! 自称保守派の者たちは、82歳の天皇の「退位」の自由すら妨害しようとしているではないか! 彼らは天皇陛下を敬愛していない。天皇の「自由意志」を封殺したがる。その根拠は何なのか?〉。
そして、こう断言する。
〈彼らの天皇よりも自分たちが上だと思い込める原因は実は憲法の「国民主権」にある。自称保守派は、「国民主権」の名のもとに完全に天皇を奴隷化している!〉
これは凄い。でも、本当だ。あとは、『週刊ポスト』を見てほしい。
小林さんは、『サピオ』にも描いている。一番、過激で、一番、本質を突いている。
でも、思い上がっている保守派は一部だろう。
国民の9割は、「天皇陛下はおかわいそうだ」「義務ばかり押し付けている政府や我々国民が悪い」と思っているはずだ。
そうだ。靖国神社は、その参拝風景が変わったかもしれない。これだけ、国民が反省してるんだし。
靖国神社は天皇も参拝できない。その申し訳なさもあるだろう。
そう思い、8月15日(月)の午前中に行ってきた。
でも、変わっていなかった。去年と同じだ。
いや、去年より、さらに劣化・暴走している。
靖国神社に行くまでに、政治的な出店がギッシリ並んでいる。「中国、韓国を許すな!」「自虐的な歴史教科書を変えろ!」「憲法を改正しろ!」…と、叫んでいる。
やっと靖国神社に着く。境内では静かに参拝するはずだ。
「静かに参拝しましょう。旗やのぼりを持ち込んではいけません」と書かれている。
当然だ。でも、中に入って驚いた。やけに騒がしい。
「自虐教科書を許すな!」「憲法改正しろ!」と大声で怒鳴り、デモをしている。旗やのぼりを立てている。
そして、「軍服」を着た「兵隊さん」らしき人が沢山いる。
まいるよなー。それを外国のカメラマンがパチパチ撮っている。
軍服を着た兵隊さんが沢山いて、デモをやっているのを見て、アジアの国々の人々は、「また戦争が起こるのか」「日本は戦争をしようとしてる」と思う。そう誤解する。
悲しい気持ちになる。外に出た。
夜は、ロフトプラスワンに行った。もう、15年ほど高須基仁プロデュースの〈終戦記念イベント〉をやっている。
昔は、左翼の幹部と右翼の幹部を闘わせて〈左右激突〉をしていたが、今は、その左右がいない。
人数も、どんどん少なくなる。今年なんて、客席には10人もいない。淋しい。
でも、テレビ映画の予告編を見た。そして高須さんの『病める海のまち・闇』出版記念もある。
テレビの方は、BSフジで8月20日(土)に放映するという。岩手めんこいテレビが作ったテレビ映画で、「フィンランドで見つけたBUSHIDO」。〈新渡戸稲造と平和の島〉。
我々は全く知らなかったが、『武士道』を書いて世界中に翻訳された新渡戸だが、国連事務局次長としての活動も多い。
フィンランドでは自分の島々を巡って、スペインと領土紛争が続いた。
そこで、フィンランドは国連に提訴した。それを担当したのが新渡戸だ。
よくやったものだ。どこからも文句が来るし、憎まれる。
しかし、新渡戸はやり遂げた。
現地の人々に聞くと、「その新渡戸裁定」があるので、我々は今、平和に暮らせるのだと言う。知らなかった事実だ。
「今、日本にいたらなー」と皆、嘆いた。
北方領土、尖閣、竹島…と、日本も紛争中の島々がある。新渡戸なら、どう解決させたのか。どう「裁定」したのか。フィンランドのことを勉強してみよう。
ロフトは、人数は少なかったけど、とてもいい、勉強になるイベントでした。
⑦8月15日の夜は、毎年、ロフトプラスワンで高須基仁プロデュースの〈終戦記念イベント〉をやってます。今年は、〈TV番組「フィンランドで見つけたBUSHIDO」〜新渡戸稲造と平和の島〜」公開記念です。8月20日(土)全国放映です。これを作った「岩手めんこいテレビ」の工藤哲人さん。主演した女優の松本莉緒さんも来てくれました。その前に、作家・団鬼六さんの夫人だった黒岩安紀子さんが登壇してくれました。
㉒「魔法の絨毯」に乗って空を飛びました。でも、ここまでくると、嘘っぽいですね。そういえば、このイベントは、「大トリック展」というんですね。じゃ、命をかけて井戸を渡ったのも、キリンに餌をやったのも、一輪車に乗ったのも、全てが「トリック」だったのでしょうか。夢だったのでしょうか。スーパーアリーナに行ったのも夢だったのでしょうか。
㉓そうだ。埼玉には有名な「ピアノおじさん」がいると思い出して、行きました。埼玉じゃないか。戸田です。そこで電車を降りて、かなり探しました。ありましたよ。巨大なモニュメントが。ピアノを弾いているおじさんです。
㉔でも、高いビルの屋上にあるんです。巨大なピアノを弾いてるんです。おじさんが。何のためにピアノを弾いているのか。こんな重い、大きなものを、どうやって屋上に運んだのか。前に、テレビでやってました。こんな凄いモニュメントが戸田にあるんだと。
㉕この近所を調査して分かりました。このビルの隣は、「ピアノ運送株式会社」です。じゃ、マンションは、会社の社員寮かもしれません。会社の車も並べられてます。ピアノ運送だから、巨大なピアノやおじさんを屋上に引っ張り上げることができるんですね。「ピアノ運送」のCMになってたんです。それにしても、随分と金と手間がかかっている。
㉘近田さんは、上祐さんともトークをしてるんですね。「これから宇宙はどうなっていくのか」。上祐さんも、元々、宇宙関係の仕事をしてたんですよね。それから〈心〉の宇宙へと飛ぶんです。「じゃ、今度は3人でやりましょうよ」と近田さん。いいですね。私も宇宙には興味があります。モーガン・フリーマンの「時空を超えて」は毎回、真面目に見てます。「生長の家」では、「人類光明化」と共に、「宇宙浄化」と言ってたんですね。壮大な話だ。