2017/03/06 鈴木邦男

防衛省に行った。テレ朝に出た

①やっと、入れた!

三島が演説した建物の前で
三島が演説した建物の前で
今も堂々と建ってます
今も堂々と建ってます
ミニチュアもありました
ミニチュアもありました
東京裁判の法廷です
東京裁判の法廷です
二階から見た「法廷」です
二階から見た「法廷」です
この案内を見て、行きました
この案内を見て、行きました
後ろは「展示コーナー」です 後ろは「展示コーナー」です

2月24日(金)、初めて防衛省に行きました。

三島由紀夫が演説をした建物を見ました。

ここのバルコニーで三島が演説し、隣りに森田必勝が仁王立ちしていた。あの場面が甦るようだ。

それから、「東京裁判」の法廷も見ました。

テレビや映画などでは何度も何度も見ました。相当大きな法廷かと思ったら、小さいんですね。それに当時は、クーラーも暖房もない。大変だったと思います。

「三島」と「東京裁判」は、まさしく「歴史」です。歴史に対面し、驚いた一日でした。

防衛省は、以前は「防衛庁」だった。六本木にあった。

学生時代、私はこの近くに住んでいた。乃木坂にある「生長の家学生道場」だ。

軍服や腕章などが 軍服や腕章などが

防衛庁までは歩いて3分位だった。だから昼などはそこの食堂で食べた。安いし、うまい。それよりも自衛隊員の「体力」の維持を考えて食堂側は作っているのだろう。そのおかげで私らの体力も維持されたのだ。

でも、その後、左翼学生が丸太を持って突っ込んだり、あるいは反戦自衛官が押しかけて、声明を読んだりした。

それからはものすごく警備が厳しくなり、とても我々が入れませんでした。近所の住民も入れません。

それ以来、ずっと自衛隊には縁のないものと思ってました。

ところが三島は「楯の会」を創り、自衛隊に何度も体験入隊をし、信用を築いていたんですね。

さらに1970年11月25日。市ヶ谷自衛隊で、自衛隊員を集めて、演説し、その後、自決したのです。

とにかく広いです とにかく広いです

その時の映像は、何十回と見ました。でも、その〈現場〉に行ったことはありませんでした。

とても入れないと、最初から思っていたのです。

ところが、たまに新聞や雑誌に出ています。「見学できますよ」と。

でも、俺たちでは無理だよな。「一般」の人だよな、と思ってました。

ところが、これは行けそうだ!と思ったんです。私が行っている予備校の河合塾で、「社会見学」として「防衛省に行こう」という案内が貼ってあったのです。

ヘリコプターを操縦してます ヘリコプターを操縦してます

さっそく担当の先生に聞きました。「あのー、私でも入れるんでしょうか」「あっ、大丈夫でしょう。申し込んでおきますから、当日、身分を証明するものを持ってきて下さい」と言われました。

それで、行ったのだ。2月24日(金)の午前8時半に、市ヶ谷駅集合です。私は勇んで行きました。

この案内にはこう書いてました。

〈防衛省に行ってみよう! 防衛省・自衛隊の「市ヶ谷地区見学」に参加して、旧日本陸軍中枢部、東京裁判法廷、そして自衛隊の今を見て、過去と現在を考えてみよう〉

②あの、バルコニーだ!

メモリアル・ゾーンです メモリアル・ゾーンです

何でも、見学は毎日、やってるんだそうです。

午前と午後、1回ずつ。30人とか50人とか定員があって、定員になるまでは入れます。だから、数日前に申し込めば、午前中なら入れます。

2月24日、市ヶ谷駅に集合し、そこから防衛省まで歩きます。

もう入口前には、他の見学者も待ってます。一人一人、身分証明書を見せて、確認します。それから中に入ります。

さらに待って、グループ毎に案内の自衛官と女性の方が付きます。

中はだだっ広いです。こうした官公庁の中では一番広いそうです。まるで、市か町ぐらいあります。

六本木の防衛庁にあったものや、ここの隣りにあった建物なども移築してまとめたそうです。

殉職者慰霊碑 殉職者慰霊碑

だから、あの三島が演説した建物のバルコニーもあります。「東京裁判」が開かれた法廷跡の建物もあります。

〈歴史〉です。リアルな〈歴史〉です。

自衛隊の方が説明してくれます。又、防衛省が作った映画も見ました。自衛隊の歴史です。

どうやって自衛隊が出来、今、どうなっているのか。これからどこへ行くのか、が語られます。

だけど昭和45年の「三島事件」は全く出てきません。自衛隊の歴史の中でも触れたくないものなのか。「タブー」なのかもしれません。

では、建物を案内しているうちに、(広報の)自衛官が、「そのドアに刀傷が付いてるでしょう。それは三島たちが乱入して、刀を振った時に付けたんですよ」と説明してくれた。

自衛隊のお土産です 自衛隊のお土産です

本当は言っちゃいけないのに、つい言っちゃったという感じでした。

三島が演説した建物の高さは、下から見ると案外、低いんですね。

でも、ここのバルコニーって、何のためにあるんだろう。と考え込みました。別に幹部が号令をかけるためでもないだろうし…。

三島由紀夫はそこに目を付けた。ここなら本当に絵になる。そして声も届く。外からは、実によく見える。

もし、撃とうと思ったら、確実に撃てた。でも自衛隊はやらなかった。三島は、それも予測したのだろうう。それ位の覇気が自衛隊にあれば、むしろ嬉しいと思ったのではないか。

しかし、やらなかった。三島は演説し、そして、部屋に入って自決した。

ここは実にいい場所だ。三島は何度も来ている。

そして、こうして見当をつけていたのだ。

③「東京裁判」の現場も見た!

食べると強くなれます 食べると強くなれます

余りに有名な場所だが、自衛隊は、一般には公開したが、取材や、ニュースや映画などには使わせない。

若松孝二の「十一・二五 自決の日 三島由紀夫と若者たち」でも、ここは使えなかった。

それで、静岡県の市役所を借りて撮った。そこは、今も市役所としての仕事はあるのに、貸してくれた。

ただ、下を電車が通り、かなりうるさい。ここの中で、井浦新さん(三島役)は、大声をあげて演説した。

市ヶ谷のこの場所が借りられたら、こんないいことはないのに。

又、ポール・シュレイダーの「MISHIMA」では、やはり、ここが借りられなくて、福島県郡山市の郡山市役所を使った。

皆、苦労して、「似た建物」を探して撮ったのだ。

「これがあのバルコニーか」と、じーっと見ていた。

三島、森田が現われて出るような気がした。

でも、そんな思いで見てたのは私くらいだろう。

河合塾の人もそうだが、合流したほかのグループでも、会社員の集まりなどが多かった。そんなに三島には関心はないようだ。

又、一切、三島の話はしないから、ちょっと分からない。

「四元数の月」の主演・鶴見直斗氏と 「四元数の月」の主演・鶴見直斗氏と

それから、「東京裁判」の法廷跡に行った。

エッ?これがそうか、と驚いた。だって、映画やテレビで見ると、かなり広い。

東條以下、日本の「戦犯」。弁護人。検事。裁判官。そして、世界中の報道陣がいる。又、被告人の家族たちもいる。すごい人数がいる。

でも、ここだって、撮影、取材では使わせない。だから映画で使う時は、どこかほかの場所を借りてやっている。

又、法廷の後ろの方には「展示コーナー」がある。

軍服がある。軍の腕章がある。手紙や武器もある。

硫黄島の守備隊長の手紙がいい。自分の子供に宛てたのだが、読みやすい。

四元数の数式を書いてます 四元数の数式を書いてます

手紙、マンガが入っている。絵の才能もあったのだ。

他の人でも、そんな、ユーモアが入っているハガキや手紙が多い。

 ともかく、いい機会だった。こんな機会でもないと、行けなかった。三島、森田の両氏に「再会」したような感動を覚えた。

又、「東京裁判」の現場を見れたなんて。全く予測しなかったので、嬉しい。ありがとうございました。

2月24日(金)は防衛省に行って、その3日後、驚きの体験をして、2月27日(月)だ。「テレビ朝日」に出たのだ。

そして、地上波でも衛星でもなく、何と、ネットや携帯でしか見れないらしい。

前に、去年の年末かな、出たことがある。

劇団「再生」の皆さんと 劇団「再生」の皆さんと

新宿の居酒屋の四畳半くらいの部屋で撮った。堀潤さん、村本大輔さん、原田曜平さんなどと出た。酒を飲みながらの「居酒屋トーク」だった。

じゃ、「今日もそうか」と思ったが、場所は「テレビ朝日」だ。

そこに行くと、やたらと大きく、きれいなスタジオに案内された。

「8時半に集合」で9時から11時まで、2時間やるという。

その後半で、「第一回 保守派サミット」をやるという。

そんなサミットあるんかいな。と思ったが、とにかく行った。

そして、参加しましたよ。保守とは何か。右翼、左翼は今、どう思っているのか。憲法はどうするのか。アメリカにどう向き合っていくのか。そして、天皇の退位について…などが議題に上る。

「アエラ」(3/6号) 「アエラ」(3/6号)

この日は、考えのかなり違う人もいたが、喧嘩にはならなかった。笑顔のうちに、熱い議論を展開した。

若い人は、結構見てました。

〈テレビ朝日とサイバーエージェントの共同企画で始まった。スマホで楽しみ、スマホで取材するというコンセプトを用いたスマートフォン向けの日本初の本格動画番組です〉と言う。

そして、この「Abema Prime」は2度目の出演だ。

又、今日は大スタジオでの本番だ。

又、後半は〈第一回 保守派サミット〉と銘打ってあった。

ヤダな。俺らは「保守派」じゃないよ。革新派だ。いや、革命派かな。と思っていたけど。

2月24日と27日、どちらも驚きの連続だった。とても勉強になった2日間だった。

【だいありー】

2/27(月)、「テレビ朝日」に行きました
2/27(月)、「テレビ朝日」に行きました
「Abema Prime」です 「Abema Prime」です
  1. 2月27日(月)午前中、原稿。
     午後2時、新聞社の取材。
     4時、市民運動の人と打ち合わせ。
     8時半「テレビ朝日」。9時から11時まで本番。
     テレ朝といっても、スマホで楽しむ、スマホで取材するというコンセプトを用いたスマートフォン向けの日本初の録画番組。テレビ朝日「Abema Prime」です。
     この日は、金正男暗殺などのニュースの他、後半は、「第一回 保守派サミット」。右翼と左翼の違い。保守とは何か。アメリカとどう向き合うか。天皇退位問題…などについて熱く論じました。
     小松靖さん、堀潤さん、村本大輔さん、原田曜平さん、竹田恒泰さん、古谷経衡さん…などが出ました。お世話になりました。
  2.  
竹田恒泰さんと 竹田恒泰さんと
  1. 2月28日(火)午前中、原稿。
     夕方まで家で仕事する。
     6時、講道館。久しぶりに柔道。先生に叩き付けられて、体が痛い。
  2. 3月1日(水)仕事が遅れている。今日も一日、家にいて仕事をする。
  3. 3月2日(木)学校。午後3時、「現代文要約」。
     5時、「読書ゼミ」。今日はこの本を読んだ。井上ひさしさんの『二つの憲法=大日本帝国憲法と日本国憲法』(岩波ブックレット)。
     これは実にいい本だった。分かりやすいし、憲法はどう生まれ、変わってきたのか。よく分かった。
  4.  
広いスタジオです 広いスタジオです
  1. 3月3日(金)午前中、原稿。
     午後2時、新幹線で大阪へ。4時30分新大阪着。阪急曽根駅の練心庵。「発掘!仏教埋蔵噺」(第3回)。これは貴重だ。ぜひ聞きたいと思って大阪まで来たのだ。
    〈絶滅した仏教系落語を一席。文我得意のネタを一席、さらに宗教学者・釈徹宗との対談もございます〉。
     出演は、桂文我、釈徹宗。
     よかったです。終わって、釈さんたちとお話しした。内田樹さんと釈さんとの対談『聖地巡礼』は全部読んでます。
     終わって、最後の新幹線で帰る。
  2.  
終わって、出演者全員で 終わって、出演者全員で
  1. 3月4日(土)午前中、原稿。
     午後2時から高田馬場の喫茶店「ミヤマ」会議室。14:00〜16:30。
    「循環する読書会」東京会。初めての東京会だが、多くの参加者があり、熱のこもった読書会だった。
     大阪から、中谷さんなどが来てくれ、東京の寅ちゃんたちと協力して、会を盛り上げてくれた。私の本『これからどこへ向かうのか』をテーマ本にして、参加者の「これから」や、感想を語ってもらう。「今この本が一番」という、お薦めの本のコーナーも。
     そのあと、居酒屋で懇談会。
  2. 3月5日(日)午前中、原稿。
     午後から、雑誌の対談。

【写真説明】

三島が演説した建物の前で

①2月24日(金)、市ヶ谷の防衛省に行ってきました。そして、三島が演説したあの建物も見ました。このバルコニーの上で自衛隊に向けて檄を飛ばしたんです。

今も堂々と建ってます

②記念すべき建物はここに移築したんです。今も建っております。

ミニチュアもありました

③中には、この建物のミニチュアが出てました。手前のバルコニーに三島の人形を置けばいいのに。

東京裁判の法廷です

④ここは「東京裁判」が開かれた場所です。思ったよりも狭いです。

二階から見た「法廷」です

⑤二階から見た「法廷」です。

後ろは「展示コーナー」です

⑥法廷」の後ろは展示コーナーで、軍服や、手紙などの資料が展示されてました。

軍服や腕章などが

⑦「憲兵」の腕章もありました。

とにかく広いです

⑧外に出ると、「防衛省」の敷地はものすごく広いです。まるで「町」か「市」ですね。

ヘリコプターを操縦してます

⑨ヘリコプターにも乗せてくれました。操縦しようとしてますが、飛び立ちません。

メモリアル・ゾーンです

⑩メモリアルゾーンです。

殉職者慰霊碑

⑪メモリアルゾーンの奥にありました。「殉職者慰霊碑」です。殉職者の名簿が収められてます。「軍隊」じゃないので、「戦死」ではありません。

この案内を見て、行きました

⑫河合塾コスモに貼ってあった、この告知を見て、私も行ってきたのです。防衛省に。

2/27(月)、「テレビ朝日」に行きました

⑬2月27日(月)。夜9時から11時まで。「テレビ朝日」に出ました。竹田恒泰さん、堀潤さんもいます。

「Abema Prime」です

⑭小松靖さん(アナウンサー)、村本大輔さん(タレント)、池澤あやかさん(タレント)、原田曜平さんもおります。テレビ朝日の「Abema Prime」です。後半は、「保守サミット」になりました。

竹田恒泰さんと

⑮竹田恒泰さんと。

広いスタジオです

⑯広くて、きれいなスタジオです。去年、この番組に出た時は、新宿の居酒屋でした。又、そこかなとおもったら、きれいなスタジオで、ビックリしました。

終わって、出演者全員で

⑰終わって、出演者全員で。お疲れ様でした。司会の古谷経衡さんもいます。

「四元数の月」の主演・鶴見直斗氏と

⑱劇団「再生」の鶴見直斗さんが主演する芝居「四元数の月」を見てきました。面白かったです。終わって、直斗さんと。

四元数の数式を書いてます

⑲ほっぺに「四元数の数式」を書いてました。

劇団「再生」の皆さんと

⑳劇団「再生」の皆さんと。

「アエラ」(3/6号)

㉑週刊「アエラ」(3月6日号)。青木理さんの『安倍三代』(朝日新聞出版)の書評を書きました。この本は力作です。いろいろ教えられました。

自衛隊のお土産です

㉒防衛省の売店で買ってきたおみやげです。「隊員さんの自衛隊サブレ」。

食べると強くなれます

㉓これもお菓子。「ときめいて自衛隊」。おいしくて、食べると強くなれます。愛国者になれます。

【お知らせ】

  1. 京都の劇団笑の内閣の高間くんの作品「ツレがウヨになりまして」 http://www.magazine9.jp/kunio/120530/ が、韓国での公演が決まったようです。
    資金集めの為にクラウドファンディング(ネット上での募金)を実施しているようです。 https://motion-gallery.net/projects/warainonaikakukorea
     韓国が嫌いなネトウヨのお芝居を韓国でするというとても挑戦的な試みだと思います。私は韓国まで観に行く予定です。みなさんもぜひ、ご支援をしてみてください。
  2. 3月9日(木)BS朝日。午後7時から9時。「ザ・ドキュメント」。〈連合赤軍事件45年後の総括〉。青木理さんがインタビュアーで、事件の関係者や、関心を持っている人たちに話を聞きます。私も取材されました。
  3. 3月13日(月)午後6時半。一水会フォーラム。6時半から。ホテルサンルート高田馬場。講師は八木秀次さんです。
  4. 3月14日(火)札幌時計台で講演会です。6時から。テーマは「これからどこへ向かうのか」。作家の鈴木亜繪美さんと鈴木邦男のトークです。
  5. 今度、第3回目ですが、保阪正康さんとの対談本『昭和維新史との対話=検証 五・一五事件から三島事件まで』(現代書館)が出ます。3月15日発売です。
  6. 3月18日(土)埼玉県川口市。「憲法カフェ」で講演します。
  7. 4月8日(土)有末剛「緊縛夜話」「盲獣--あなたの世間に唾を吐く」。ザムザ阿佐ヶ谷。14:00からの昼の部の終演後、トークイベント。有末さんと鈴木邦男。「昭和のエロスとタナトス」。
  8. 7月21日(金)渋谷アップリンク。午後7時から始まる、映画「ベースメント」の終了後に、舞台挨拶があります。