2017/04/10 鈴木邦男

三島・ベジャールの「M」。そして野党共闘が

①衝撃のバレエ「M」を再び見た!

「楯の会」と三島少年(オペラ「M」) 「楯の会」と三島少年(オペラ「M」)

濃密な2日間の勉強会だった。3月31日(金)は、大阪から来た新聞記者の取材を受ける。

「あの事件」について、詳しく尋問される。大変だった。

夜はユージンプロで、文学論トークを聞く。栗山文昭さん(作曲家)と佐々木幹郎さん(詩人)のトーク。「抒情は詩人の武器であったのか?」。とてもいい話でした。

終わって、懇親会。

翌4月1日(土)は、午後3時から、「ビブリア文明講座」。衝撃的な対談。そして衝撃的なDVDを見る。

終わって、6時から、近くのたんぽぽ舎で、北朝鮮のよど号関係の本の出版記念報告会。

三島少年とおばあちゃん 三島少年とおばあちゃん

珍しいDVDが公開され、この本について、いろんな人が語る。両方とも内容の濃い、いい集会だった。

北朝鮮で買ってきたアコーデオンを弾いてくれる人もいる。

「ヨーロッパで買ったら100万はします。でも北朝鮮では、十分の一以下で買えました」と言う。音もいい。

この2日間は、グッと凝縮された勉強会だった。

特に、4月1日の「エスパス・ビブリア文明講座」だ。ここで、〈三島〉をバレエで甦らせたベジャールの話をする。

世界的に有名なバレエの振り付け師であるモーリス・ベジャールの話をしてたのだ。ベジャールをよく知る2人の人が対談をする。

ベジャール ベジャール

その中で、ベジャールのバレエ「ザ・カブキ」と「M」の話になり、かつてNHKで放映されたものも流された。これは貴重だ。

ベジャールは大の日本好き。そして、三島を尊敬していた。

世界中で公演しているが、日本で公演したのは2回。1986年に東京・上野の東京文化会館で、バレエ「ザ・カブキ」を上演した。

これは大評判になり、私もやっとチケットを手に入れて見に行った。

日本の歌舞伎を基にしてバレエを作った。ヘエー、こんな歌舞伎があるのかと驚いた。

それから7年後、今度は、やはり東京の東京文化会館で「M」を上演した。

ベジャール。黛敏郎(右) ベジャール。黛敏郎(右)

これは、「三島の生涯をバレエにしたものだ」と大評判になった。

世界一のバレエ振り付け師が、世界一の作家の生涯をバレエにする。

ものすごい評判になり、チケットもすぐに完売。

私は大変な苦労をして、チケットを手に入れ、見た。

これは、同時代の人間として、絶対に見なくてはならない、と思ったのだ。

すごいバレエだった。本当に三島の生涯なのだ。

ただ、ベジャールは、「三島」の名前は出さない。どんなに似ていても主人公は「M」だ。三島だと特定したら、いろいろと問題があるのだろう。潰された映画もあったし。

そんな点を考慮したのか。新聞では、こうも言われた。これは三島の「M」だ。そして、モーリス・ベジャールの「M」だ。又、音楽を担当した黛(まゆずみ)の「M」だ。…と。

でも、見た感じでは、三島だった。学生服を着た小学生の三島が出てくる。おばあちゃんに手を引かれて。

②この時、黛敏郎さんに会ったのだ

三島少年 三島少年

そして、このおばあちゃんに連れられた三島は小学生の時から、歌舞伎を見てたのだ。

そして、ノートに「感想」を書いていたという。早熟な天才だ。

その三島少年は、いろんな事件に出会い、後に「楯の会」を作る。

屈強な若者たちが「楯の会」の制服を着て、踊る。

でも、三島は小学生のままだ。

そして一人、正座して、目の前の短刀を取る。そして切腹する。

そこで世界は崩壊する。「楯の会」も崩壊する。

そこに、おばあちゃんが又、現われ、三島を立たせ、連れて行く。あっちの世界に連れて行ったのだ。

NHKで放送した NHKで放送した

この世に、何年か置いたのは、文学のために見せたのかもしれない。この世界を。三島はずっと子供のままの純真な心のままに生き、そして、この世を卒業した。そんな感じがした。

しかし、小学生の三島が切腹するなんて。何という衝撃的な舞台だろう。かなり昔に見たバレエなのに、あの時の衝撃は忘れられない。

それに、この日、私は黛敏郎さんに初めて会った。

有名な方だし、三島との友情は知っていた。でも、会う機会はなかった。

それに、この人は、三島に「絶縁された人」だ。

「M」について語る、柏木さんと広渡さん(4/1) 「M」について語る、柏木さんと広渡さん(4/1)

仕事を一緒にしていたが、三島の書くものが〆切に間に合ったが、黛の作る曲が遅れて、それで仕事はパーになった。

三島はとりわけ時間に厳しい人だった。この「遅刻」で三島は黛と絶縁した。

「時間に厳しい三島」「仕事に厳しい三島」を伝える、格好のエピソードとして、有名になった話だ。

でも、「論争ジャーナル」誌にしろ、この黛敏郎にしろ、三島サイドから出た話だ。余りに三島が偉大だったから、三島の言うことだけを我々は信じた。

黛さんと会った時も、「本当はどうだったんですか」と、とても聞けなかった。言い分はあっただろうに。

広渡さん。横尾さん。黛さん。ベジャール 広渡さん。横尾さん。黛さん。ベジャール

あのことも含めて、ベジャールの二つのバレエは、今でも覚えている。でも、見てる人は、私の周りには誰もいない。

ここのビブリアに来て、二人の講師の話を聞き、昔の記憶が甦ったのだ。あの頃は、とても幸せだったと思う。

この「M」はNHKでもやったので、今もYouTubeなどで見れるという。すごい。

これを見ただけで私は昔の記憶が甦り、「M」の衝撃に襲われた。しばらく立ち上がれなかった位だ。

対談した二人の先生にも又、ゆっくりと話を聞いてみたい。

小中陽太郎さんと
小中陽太郎さんと
対談を聴く人々
対談を聴く人々
ベジャールのコーナーも
ベジャールのコーナーも

③「頑張れ!野党共闘」に出た

森ゆうこさん。4/5 森ゆうこさん。4/5

それと、今週はもう一つ、あったな。

そうだ。4月5日(水)の参議院議員会館だ。ちょっと変わった会合だ。〈小沢一郎を支持する会〉主催で行われた会だ。

〈新潟県の2つの選挙から学ぶ野党共闘〉。

森ゆうこ、そして、新潟県知事選で、野党共闘で二連勝した。その勝利を踏まえて、これからの野党共闘を考えようという集まりだった。

もう一つテーマがある。〈喫緊の課題、森友学園疑獄事件を解明せよ。そこから野党共闘へ!〉。

メインの森ゆうこさんが勝利の挨拶をする。小池晃さん(日本共産党)、松木けんこうさん(民進党)、青木愛さん(自由党)などが元気に話す。

青木愛さん 青木愛さん

そして「森友問題について」と言われて、私が指名された。それで、思っていることを語った。

人も多かったし、意気が上がった集会だった。

私も、この問題では随分と取材されていて、新聞、テレビ、そして「10万人デモ」でも喋ったな。

しかしまだ、解決しない。変だよね。子供たちが「教育勅語」を暗唱している。

そんなのを見たら、首相としては、それは否定されたものだ、やめなさい、と注意すべきだろう。

ところが、共鳴したからか、感動し、いい人だと思った。愛国者だと思い、信用した。

私も挨拶しました 私も挨拶しました

ここがおかしいと、そんな話をした。

この問題はまだまだ続く。こんなことでいつまでも時間を浪費してるのか。

この集会が終わって、小池さん、松木さんと、いろいろ話をした。

小池さんは、「共闘するなら、命をかけて共闘しろ!」と言っていた。迫力がある。その通りだろう。

でも、皆、他の野党は共産党が一番しっかりしてるから、怖いのだろう。腰が引けてる。そんな感じでした。

これから野党共闘もどうなるのか。何とか頑張ってもらいたい。

【だいありー】

小池晃さんと 小池晃さんと
  1. 4月3日(月)午前中、原稿。
     午後、図書館。
     夜、柔道。
  2. 4月4日(火)午前中、原稿。
     午後1時、ホテルサンルート高田馬場。「アエラ」の打ち合わせ。
  3. 4月5日(水)午前中、原稿。
     午後2時、取材。
     午後5時半、参議院議員会館1F。「小沢一郎を支持する会」主催で〈新潟県の2つの選挙から学ぶ野党共闘〉。森ゆうこさん、小池晃さん、松木けんこうさん、青木愛さんが演説。私も「森友」問題で喋らされました。
     帰り際、九段で桜を見る。
松木けんこうさんと 松木けんこうさんと
  1. 4月6日(木)午前11時、新井薬師駅前集合。TBSのバンで、哲学堂公園に行く。許可を得て、満開の桜の下で、取材。
     移動式の大きなイスを二つ並べて。「あれ、何だろう」と、見物客が大勢見ている。そこで、「教育勅語」「パン屋」「愛国心」の話をする。
      TBSの「報道特集」の取材だ。8日(土)の夜放送だという。
      昨日は九段で桜を見た。今日は哲学堂で桜を見た。「今日の夕方から天気は崩れるようですよ」とテレビ局の人。実際、そうなった。
      だからこれが最後の花見になった。
九段の桜を見ました
九段の桜を見ました
  1. 4月7日(金)10時半、河合塾コスモ。全体会議。
     午後1時から入塾式。
  2. 4月8日(土)午後2時、有末剛「緊縛夜話 盲獣ーあなたの世間に唾を吐く」。ザムザ阿佐ヶ谷で。
     この終演後、トークイベントに。有末剛さん、高木尋士さん、そして鈴木邦男。テーマは「昭和のエロスとタナトス」。熱く語りました。
     この日、夜5時からTBS「報道特集」に出る。6日(木)に哲学堂で収録したものだ。「戦前回帰? 教育を考える」。
  3. 4月9日(日)午前中、原稿。
     午後、図書館。
     夕方、打ち合わせ。
「えん罪・欧州拉致」報告会。4/1
「えん罪・欧州拉致」報告会。4/1
浅野健一さん
浅野健一さん
北朝鮮で買ってきたアコーデオンで
北朝鮮で買ってきたアコーデオンで
3/31栗山さん、佐々木さん
3/31栗山さん、佐々木さん
栗山さん、佐々木さん、鈴木
栗山さん、佐々木さん、鈴木

【写真説明】

「楯の会」と三島少年(オペラ「M」)

①モーリス・ベジャールのバレエ『M』(1995年)。三島のM。モーリス・ベジャールのM。黛敏郎のM。と言われましたが…。でも三島の名前は出さず、ずっと「M」で通してました。上野の東京文化会館で行われました。やっと切符を手に入れて私も見ました。バックは「楯の会」。その前に正座してるのは、三島少年のようです。

三島少年とおばあちゃん

②おばあちゃんに手を引かれて、三島少年が登場です。

ベジャール

③モーリス・ベジャール。バレエの世界的な振り付け師です。三島を深く尊敬していました。

ベジャール。黛敏郎(右)

④ベジャール。右は黛敏郎。

三島少年

⑤三島少年はあくまでも毅然としています。この後、少年は切腹をします。そうすると全ては消え、又、おばあちゃんが現われ、三島少年の手を引いて向こうの世界に帰っていきます。

NHKで放送した

⑥NHKで放映しました。YouTubeで見ました。

「M」について語る、柏木さんと広渡さん(4/1)

⑦4月1日。ベジャールの『M』について語ってくれました。左は柏木隆雄さん。右は広渡勲さん。二人ともとても詳しいです。

対談を聴く人々

⑧皆、熱心に聞いてました。

広渡さん。横尾さん。黛さん。ベジャール

⑨広渡さん。横尾忠則さん。黛さん。ベジャール。

ベジャールのコーナーも

⑩この部屋にはベジャールのコーナーがあり、本やCDなどもありました。

小中陽太郎さんと

⑪何と、元ベ平連の小中陽太郎さんも来ていました。ベジャールが好きなんだそうです。休憩時間には、ヘルムート・ニュートン(写真家)の本を見てました。1冊20万円。下に置く台座付きです。1万部売ったそうです。

森ゆうこさん。4/5

⑫4月5日(水)。〈4・5シンポジウム「新潟県の2つの選挙から学ぶ野党共闘」への呼びかけ。「小沢一郎を支持する会」主催です。新潟で当選した森ゆうこさん(自由党)。

青木愛さん

⑬青木愛さん(自由党)。

私も挨拶しました

⑭私も挨拶しました。

小池晃さんと

⑮小池晃さん(日本共産党)と。

松木けんこうさんと

⑯松木けんこうさん(民進党)と。

九段の桜を見ました

⑰そのあと、九段の桜を見ました。

「えん罪・欧州拉致」報告会。4/1

⑱4月1日(土)。6時から「えん罪・欧州拉致」報告会。神田のたんぽぽ舎で。救援連絡センターの山中さんが挨拶。

浅野健一さん

⑲浅野健一さんも挨拶。

北朝鮮で買ってきたアコーデオンで

⑳最後に、アコーデオンで皆が闘いの歌をうたいました。北朝鮮の楽器は、ヨーロッパの十分の一だそうです。でも、とても音がいいと誉めてました。

3/31栗山さん、佐々木さん

㉑3月31日(金)夜7時。ユージンプロダクトの勉強会に出る。テーマは、〈抒情は詩人の武器であったか?〉。 (左)栗山文昭さん(作曲家)。佐々木幹郎さん(詩人)。戦前、戦中の詩人の運命について、詳しく話してくれ、とても勉強になりました。ぜひ本にしてほしいですね。

栗山さん、佐々木さん、鈴木

㉒栗山さん、佐々木さん、鈴木。

【お知らせ】

  1. 月刊「創」(5・6月号)発売中です。私は連載で、「森友10万人デモ」に出た話を書きました。『紙の爆弾』(5月号)も発売中です。私は元「楯の会」の本多清氏と対談しています。三島事件の前後について貴重な話を聞きました。彼はまさに歴史の証人です。
  2. 4月13日(木)一水会フォーラム。午後6時半。ホテルサンルート高田馬場。ジャーナリスト・石高健次氏。「拉致事件が明白となって20年」。
  3. 4月20日(木)。午後7時から、BS朝日。「連合赤軍事件。45年後の総括」。3月9日に行われましたが、好評のため再放送するそうです。
  4. 4月21日(金)〜22日(土)。ソウルで高間響の「ツレがウヨになりまして」の公演が行われます。私も行くつもりです。芝居の前に高間氏とトークをやります。なお資金集めのためにクラウドファウンディングを実施しています。ご支援をお願いします。
  5. 4月28日(金)六本木ストライプハウス。19時からプレトーク。芝居は、カミュの「正義の人びと」で、プレトークの演題は「正義の尺度」。
  6. 5月13日(土)衝撃の映画「いぬむこいり」が新宿k's cinemaでロードショー。〈天孫降臨の地より、日本の千年を撃つ〉。4時間の驚きの迫力です。私も、パンフレットに書きました。
  7. 5月26日(金)。三島由紀夫原作、吉田大八監督の映画「美しい星」がこの日から上映です。
  8. 6月10日(土)高円寺パンディッド。(高円寺北3-8-12フデノビル2F)。13時スタート。元「楯の会」阿部勉氏を語る会。又、阿部氏が主演した映画も紹介する予定です。(出演者)日野繭子さん(女優)。小川晋さん(映画史研究家)。鈴木邦男、他。料金2500円(1ドリンク付)。
  9. 6月20日(火)札幌時計台ホール。ゲストは小林節さん(慶應大学名誉教授)。
  10. 6月24日(土)劇団「再生」。『二十歳の原点』公演前に高木尋士氏とトーク。
  11. 7月15日(土)12時30分。渋谷ロフト9。
    〈連合赤軍事件45年。トークイベント〉
    第1部 戦後史の中で連合赤軍事件が与えた影響
        白井聡、青木理、鈴木邦男
    第2部 映像制作者がとらえた連赤
        足立正生、高橋伴明、原渕勝仁、馬込進吾。
    第3部 表現者はどう描いたか。
    桐野夏生、山本直樹、金井広秋。
  12. 7月21日(金)渋谷アップリンク。午後7時から始まる、映画「ベースメント」の終了後に、舞台挨拶があります。
  13. 7月29日(土)午後1時から阿佐ヶ谷ロフト。例年のように、「鈴木邦男生誕祭」です。ゲストは寺脇研さん。
  14. 9月7日(木)劇団「再生」。見沢知廉十三周忌追悼公演でプレトーク。
  15. 9月15日(金)青森県弘前市で講演です。