※岩波書店のWEB連載「3.11を心に刻んで」に私の文が載ってます。こちらもご覧下さい。
https://www.iwanami.co.jp/news/n22692.html
11月になると、どうしても三島事件を思い出してしまう。又、「思い出せ」と外から呼びかけられる。
11月24日は昔の野分祭がある(今は顕彰祭となっている)。25日は憂国忌がある。
そして、11月上旬には四日市に行って森田必勝氏のお墓参りをし、お兄さんに会っている。
今年はさらに、「週刊現代」で三島に関する座談会に出た。
又、12月になってから、三島の映画の「解説」をやった。11月から12月にかけて、「三島月間」は延びている。
日大芸術学部の映画学科の人たちがやったのだが、この映画祭は画期的だった。
統一テーマは「映画と天皇」だ。その中で、若松孝二監督の「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」が12月10日(日)の3時半から上映された。その後、私が「解説」と「トーク」をやった。
会場のユーロスペースは超満員だった。驚いた。やはり、「映画と天皇」のテーマは一番ヒットするものかもしれない。私もかなり興奮して喋った。
「11.25自決の日」は今まで10回ほど観ている。私も「企画協力」として名前が出ている。光栄だ。
そんな歴史に残る映画に協力させて頂き、本当に幸せだったと思う。10回観ても、いつも新しい。教えられることがその度にある。
「11.25自決の日」の上映の時は、立派なパンフレットが作られ、あの時は飛ぶように売れた。
そして今、その「映画と天皇」のためのパンフレットも学生たちによって作られていた。よく出来ている。立派な資料になる。これも売れていた。
全体の上映作品を観て驚いたが、よく、これだけの作品を集めたと思う。
そして、実にいい作品ばかりだ。今は全く観ることの出来ないものや、レンタルビデオ店にもない作品もある。
人々の記憶からも消えたのではないか。そう思われる作品もある。
たとえば、「孤独の人」だ。よくこんな映画が撮れたものだと思う。まさに〈奇跡〉だ。
だって、劇映画として、皇太子さまのことを取り上げている。「銀ブラ事件」など、お付きの人間をまいて、自由に銀座を歩いたり、いろんなエピソードが入っている。
配役や、その写し方など、ものすごい苦労したと思う。工夫されている。今ならもうとても撮れないだろう。
それに、撮るにしても愛がある。決してスキャンダル映画にはならない。
又、この映画祭は、〈天皇〉を考える上での大作、名作、そして〈問題作〉が集中している。
12月9日(土)から15日(金)までの7日間に、日本のトップの映画だけを並べている。私だって、もう一度、全部観たいくらいだ。
古典的な作品では、「明治天皇と日露大戦争」があるし、問題作としては、「戦ふ兵隊」「日本の悲劇」「軍旗はためく下に」「拝啓天皇陛下様」などがある。
我々の世代で衝撃を受けた作品としては、「日本のいちばん長い日」「ゆきゆきて、神軍」がある。
さらに、近いところでは、ソクーロフ監督の「太陽」さらに、「天皇と軍隊」「新しい神様」がある。
「新しい神様」は雨宮処凛が主役だ。右翼パンドを作り、一躍スターになっていく雨宮が出ている。
他に分かりやすいものとしては、「インペリアル 戦争のつくり方」などがある。これらのすべてについてトークしたい感じだった。
日大の芸術学部は優秀な人がいるんだと感心した。
この日のイベントで持てる力の全てを使ったような気がする。
しかし、一週間の中で「11.25自決の日」は1日だけだ。あっ、13日(水)もあるな。
あっ、そうだ。忘れてた。初め、私は、10日と13日の2日、頼まれていたのだ。両方とも「11.25自決の日」があるからだ。でも13日(水)は劇団「再生」の仕事が入っていて、どうなるか分からない。それで、13日は一応、勘弁してもらった。
それで、12月13日の話だ。劇団「再生」の芝居だった。
いつものように、高木さんとトークかと思っていたら、何と、「芝居に出てくれ」という。アーチャリー原作の本を基にした芝居だ。
このチラシ、ポスターが出来てきた。ネットでも出ていた。〈アーチャ語り 親子= 重たいドアをあけて 道はでこぼこ=〉と書かれている。
イラストが描かれていて、麻原彰晃と娘のアーチャリーが手をつないで歩いている。あっ、麻原の芝居なんだ」と皆思う。
では麻原を一体、誰がやるのか。ずっと話題になっていた。高木さんも悩んだようだ。既成の役者では皆断られる。
「そうだ。鈴木にやらせたらいいんじゃないか。面白い」と言う人がいた。それで、急遽、私に決まった。
麻原には会ったことはない。一度、会ってみたかった。世の中で言われるような人なのか。でも、スケールの大きな人だから、私なんて、一気に呑み込まれてしまうだろう。
でも、芝居で麻原になってみるのはいい。内面から知ることが出来るかもしれない。又、アーチャリーの親子の情を通じて分かることもあるかもしれない。
大変だったし、難しかった。でも、いい勉強になった。稽古もしたが、全くのシロウトだ。又、本をじっくり読ん勉強しようと思う。
ともかく、12月13日の〈芝居〉に出て、終わって、「ああ、今年も終わった」と思った。いちばん大きな仕事が済んだという気がした。
そして、私の本の方でも、大きな動きがあった。
『天皇陛下の味方です』がおかげで売れている。評判になっている。そして増刷した。
さらに、「東京新聞」には全5段ほどで、大々的に広告を出していた。やるよな、バジリコは。
〈国体としての天皇リベラリズム〉というサブタイトルもいい。
それに、表紙に書かれたキャッチコピーもいい。これは大いに気に入っている。
〈人は右翼というけれど、中国人と朝鮮人をやっつけろというのが右翼なら、日本人が一番エライというのが右翼なら、核武装せよというのが右翼なら、そして「愛国」を強制するのが右翼なら、私、右翼ではありません〉。
これはいい。バジリコの社長が考えてくれたのだ。私も気に入ってます。
そして、こう書いてます。
〈新右翼と呼ばれた天皇主義者が近現代4人の天皇の考察を通して提起する、破邪顕正の新国体論〉
これもすごいですね。ズバリと言い切ってます。ともかく苦労して書いた本です。瀧沢さんの読書会でも取り上げてもらい、話しました。
又、1月には名古屋で話します。大阪や金沢でもやるでしょう。頑張ってやっていきたいと思います。
それと、1月は、何冊か本が出ます。新しい本も頑張ってやりたいと思います。
今年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。(あっ、今年はまだありましたね)。
それに大勢が入ったので部屋が狭い。「ストーブを消して、どかしましょう」と片付ける。3時間、ストーブなしだ。「この部屋は寒いですね」と言っちゃった。
「テレビの取材でこのアパートに来たのは2回目ですね。テレ朝の連合赤軍の取材で青木理さんが来たのが最初ですね」と話しました。
そうだ。大浦監督の映画で、この部屋であべあゆみさんと対談したことがあったな。あの時はアパートにレールを敷かれ、重いカメラを動かしていた。すごいことをやる、と思った。おかげで、畳がへこんでしまった。
②何と、舟木一夫の舞台を観に来たのです。「忠臣蔵」です。テレビ局の御手洗さんが声をかけてくれました。「舟木さんを、皆に紹介出来るかも」と言ってました。彼女はテレビで舟木さんの特集を最近、作ったんですよ。
④入江杏さん。細谷亮太さんと。12月9日(土)、慶応大学です。二人はここの大教室でトークしました。超満員で入りきれない人が出ました。どうしてこんなに人気があるのか。入江さんは「世田谷事件」の被害者のお姉さんです。ずっとその解決を訴え講演などをしています。細谷さんは聖路加国際病院小児科医です。
⑩12月10日(日)、日大芸術学部映画学科の人たちが呼んでくれました。渋谷のユーロスペースでやっていた「映画祭」に出ました。若松孝二「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」を観て、そのあとトークです。この日は対談相手はなく、私が一人で話しました。