7月15日(日)、「愛知サマーセミナー」に出席しました。
これは、勉強する人々にとって、文句なしの「日本一のビッグイベント」です。名古屋市内の大学を会場にして、日本中から、学者、評論家、ライターを呼んで、大講演会をやるのです。今、話題の人を全部呼んでます。
大きなパンフレット(冊子)が作られ、県下の全高校生に配布されます。又、各家庭にも配布されます。
「主に大学生が中心」かと思ってましたが、そんなことはありません。高校生も中学生も来ています。又、ぜひ、この講師の話が聞いてみたいと思う社会人も沢山来ています。
さらに、講師陣も多彩です。このサマーセミナーを手伝っていた、ボランティアの人でも講師になれるのです。
自分がやっているテーマについて、「講演」をする。誰でも、先生になれるし、ここが大学です。
こんな凄いセミナーは全国どこを探してもありません。唯一、愛知県だけが出来たのです。とても、東京でも、大阪でも出来ません。ニューヨーク、ロンドンでも出来ないでしょう。
私が参加したのは、7月15日(日)の2限(11時10分〜12時30分)でしたが、7月14日(土)から7月16日(月)まで行われている。椙山女学園大学で。それも1限から4限まで、ビッチリと詰まってます。
たとえば、この学校の1限は、森田実さん、プリスカ・モロツィさん、久松真一さん、上井靖さんなどの講演があります。
2限は、私の講演。さらに、小林豊さん、福島昭治さん、まほろば遊さん、本間正人さん、岸田メルさん…などがあります。
3限は、田岡俊次さん、中内こもるさん、寺脇研さん、寺田ユースケさん、安田菜津紀さん…などがあります。
次の日は、五野井郁夫さんの話。そして、琉球新報社の塚崎昇平さんの「ネット右翼でした」。沖縄でネット右翼から記者になった、この人の話は知ってます。エッ、聞いてみたいなと思ったほどです。
そして、SAMさん、伊藤真さん、横田一さん、保坂正康さん、原武史さん…の講演があります。
保坂さんは「明治150年と平成30年」。原さんは「松本清張と昭和史」です。
うわー、どれも聞いてみたい。もう一泊して、又ここに来ようかな、と思ったほどです。本間龍さんの「巨大広告代理店に操作される憲法改正国民投票」もあります。
あっ、15日(日)には、孫崎享さんもやってますね。
岩井氏は少し早く着いたので、いろんな所を見て回りました。孫崎さんなども頑張ってるんですね。話がうまいし、人をグーッと惹きつけます。迫力が違いますね。
控え室で休んでたら、岩井氏は一人で、いろんな教室を見てきたんですね。「社会人だけの教室もあるし、沢山集まってた所もある。1人とか5人の教室もある」と言います。「そこは俺の教室だよ。人が来ないんだよ」と言いました。
このサマーセミナーのプログラムだけで100ページ以上あり、とても読み切れない。多分、今、日本で語られているテーマは全てあるでしょう。いろいろと発言してる人は、ほとんど来てるでしょう。
講師も凄いのですが、集まる人も凄い。大学生が中心ですが、高校生・中学生がいる。そして、社会人がいる。社会人にとっても、これは「ぜひ行ってみたい」と思わせる企画です。
私も知ってる人が多いし、名前だけ聞いてるが会ったことのない人もいる。スタッフの人が言ってました。
今日の夕方からは「打ち上げ会」があるという。今日出た人は来るだろう。そこで知り合いになれる。
嬉しい、と思った。さらに、パンフを見てたら、白石まるみさん、佐高信さん、佐藤優さん、小林節さん、金子勝さん、望月衣塑子さん…などもいる。皆に挨拶など出来ない。いくつか教室を回って、見てみるが、とても回りきれない。凄いイベントだ。
これは毎年、やられている。愛知だけがやれるイベントだ。
それは愛知県が「教育県」だからだろう。教育に力を入れている。昔から有名だ。
あの前川喜平さんも、ここ名古屋の中学に呼ばれて講演した。そしたら、ある国会議員が、「なぜ前川を呼ぶんだ。文科省を辞めた人間だ」とクレームを入れた。そして文科省に、クレームの電話をした。「文科省は知っているのか。文科省を辞めた人間が文句をつけるだけだ! ちゃんと監督しろ!」と。
文科省は慌てて、その中学に連絡した。「なぜ、この人間を呼んだのか。どんな話をしたのか。テープを送ってくれ」と言って。
でも、その中学は、文科省の要請を拒否した。当然だろう。「学問の自由」だ。又、愛知県の教員組合の連合などもそれに反論した声明を出した。
えらい。普通ならとても出来ない。文科省の言いなりになる。でも愛知県はやったのだ。前川さんだって、特に悪いことはしてない、とキチンと話している。
当日は、その話もかなり詳しく聞いた。大したものだと思った。
今は大学など、文科省の言いなりだ。大学では立て看板はないし、ビラもない。そんなことをやったら、すぐに警察が来るし、学生は退学だ。
「うちは学生運動なんかありません」と大学は言い、文科省の〈おぼえ〉をよくしている。
大学院のゼミの先生が、外部の人間を呼んで話を聞くのでも大学側からいろいろ言われるそうだ。「あの先生は、よくありませんね」「安倍政権の悪口を言ってますから」…と、もの凄く気を使っている。大変だ。
それほどしてまで文科省の言いなりになっている。もう「大学の自治」も「学問の自由」もない。あるのは愛知県だけだ!
だから、「愛知サマーセミナー」は本当に凄いと思う。世界では唯一だ。
そうだ。私の講演だ。数人しか集まらないだろうと思ってたら、教室が満杯だった。社会人も多い。でも大学生、高校生も多い。1時間話し、30分は質疑応答にした。何と、高校生が中心になって質問する。嬉しかったですね。
終わって、「一緒に写真を撮って下さい」と言う人も多くて、これも嬉しかった。サインもした。とてもよかった。勿論、私もとても勉強になった。質問というより、要望や批判もあったが、じっくりと聞いた。かなり多くの人から感想を聞いたと思う。
このサマーセミナーは毎年やっている。もう30年以上続いているようだ。
私は、5年前ここに来て、キャンパスを歩いてたら、前沖縄県知事の大田さんがいて、思わず声をかけた。「私も鈴木さんの本を読んでます」と言う。「私は右でも左でもなく、ナショナリストです」と言っていた。「ぜひ懇親会に出て下さい」と誘われて、一緒にお酒を飲んだ。感動した。こんなこともあった。
今回の私の講演のテーマは「真の愛国心とは―過去から学ぶ日本の姿―」だった。
パンフレットには、こう書かれている。
〈世の中が右傾化しているといわれ、安倍政権のもと、排他主義から右傾思想の持ち主が少なくない。安倍政権の5年間で日本はどう変わり、これからどうなってしまうか。一水会の元顧問が、本物の愛国心を語り、現政権に強くもの申す〉
サマーセミナーの実行委員の人が司会をして、岩井さんが私の紹介をしてくれた。私は、1時間話して、30分質疑を受ける。充実した時間だった。
〈愛国心〉〈愛国者〉という言葉は美しい。人を誘惑する言葉だ。私だって40年以上、この言葉に惹かれて、「愛国運動」をやってきた。
しかし、同じことを考えている人間だけが集まってると、必ず危険な方向へ行く。それを運動中に感じた。
皆、「いい子」になりたい。「愛国者」になりたいのだ。ただ歴史上、そういう誘惑に負けて、失敗した人は余りにも多い。
むしろ、この国のため、たとえ何と言われようとやってやる。「たとえ、売国奴め、と言われてもいい」と思った人だけが歴史上の仕事をした。
「売国奴と呼ばれてもいい」と思った人だけが本当の愛国者なのではないか、と最近は思っていて、そのことを詳しく話し、そのあと学生や社会人と共に語り合った。とても貴重な時間だったと思う。
日本で最大規模のセミナーです。「愛知サマーセミナー2018」に参加しました。県下の多くの大学を会場にして。大学、高校の人など6万人が集まります。日本最大のセミナーです。私は、7月15日(日)に椙山女学園大学に行きました。社会人も多くきてくれました。私は、「真の愛国心とは―過去から学ぶ日本の姿―」と題して1時間、話しました。