2018/09/17 鈴木邦男

大坂なおみの言葉

凄いですね。こういう状況で、こういう言葉をはけるなんて。私は文句なしに感動しましたね。テニスの大坂なおみ選手ですよ。9月10日に、何度も何度もテレビで見ていました。

全米オープンは満員。そして異様な雰囲気。チャンピオンのセリーナ・ウィリアムズを観客は皆、応援していた。

大坂は、〈敵地〉で、やりにくいなんてもんじゃない。全くのアウェイだ。

そこで、女王セリーナと闘った。セリーナへの応援の声で会場は圧倒されていた。そこで、よくぞ最後まで闘えたもんだと思う。

我慢して、我慢して、闘い、そして、何と勝った! 勝利が決まった瞬間、マイクを突きつけられて大坂はこう言ったのだ。謝った。

「みんながセリーナを応援していたことは知っています。こんな結果になってごめんなさい」。凄い! こんなことを言った人は大坂だけだ。

自分を苦しめ、そして応援の声で自分を圧倒していたファンに対し、恨み言を言わず、「ごめんなさい」と言ったのだ。どんな選手だって、政治家だって、言えない。それを言ってるんだ。凄い人だと思った。本当に、いいものを見たと思った。

大坂にとって、セリーナは子供の頃からの憧れの存在だった。インタビューで「みんなセリーナを応援してることは知っている」と言ったが、もしかしたら大坂だって、セリーナのファンだし、好きだったらしい。応援していたのかもしれない。

しかし、そんなファンとしての自分とも闘いがある。頑張った。そして、そんな自分に対しても、「ごめんなさい」と謝ったのだ。

決勝戦の前からずっと見ているが、大坂は、たどたどしい日本語だが、言ってる内容が凄い。

お父さんはハイチ出身だが、お母さんは日本人。でも彼女は「日本人」としての意識が強い。「大阪で生まれた人はみんな、オオサカという名字になるよ」なんてマスコミに冗談も言ったのだった。

又、受賞スピーチに出た時、「これは、おそらく、史上最悪の受賞スピーチになりそうです」なんて言ってのけている。

でもこれは多分、今年の最も感動を与えた言葉になるでしょう。「現代用語の基礎知識」を出してる自由国民社の言葉でもトップになるんだと思います。

私らは、子供の頃から日本語を使っているが、こんな気の利いたことは言ったことがない。ライター、政治家でも、いないだろう。

この言葉には〈生命〉が入っている。恨みも、憎しみも、全てを吹き飛ばした。たいしたもんだ。もし自分ならどうだろう、と考えてみたらいい。とてもこんな言葉は出てこないだろう。

何で自分だけ責められるんだ。私だって頑張ったのに!…という、ここぞとばかりに出てきそうだ。抗議、弁解の言葉ばかりが出てくる。日本の政治家などそうだよな。そして嘘をついてしまう。安倍政権が、そうだよ。

さらに、気遣いだ。日本の災害にも気遣っている。何度も何度も言っている。優しい人だと思う。

9月12日の産経新聞では、「憧れのセリーナに感謝」と見出しが出ていた。女王のセリーナが「感謝」だ。これはいい。

「でも私は日本人だ」「自分で自分を誉めてあげたい」なんてことは言わない。あとは、「ごめんなさい」だ。謝っている。「ごめんなさい」これはいい。実に感動的だと思った。

北海度根室市に住んでいるおじいさんは電話をもらって、「とにかく嬉しい」と言っていたそうだ。

「(大坂は今月中にも日本に戻る予定だが)直接会って、偉い、って、しっかり誉めてあげたい」

「北海道を襲った地震では、甚大な被害が出ている。なおみには、災害を恐れないプレーヤーになってもらいたい。被災された方々を元気づけられたら」。その期待にきっと応えてくれますよ。

彼女は「日本に帰ったら何をしたい」と聞かれ、「トンカツ、カツ丼、カツカレー、抹茶アイスを食べたい」と答えていた。20才の若者なんだ。

地震や大雨、災害が続く日本で、この大坂選手の活躍と、言葉は、唯一、明るく、人々を励ましてくれている。テニスがあってよかった、と思った。

【だいありー】

講演する田母神さん
講演する田母神さん
講演する田母神さん
講演する田母神さん
田母神さんと
田母神さんと
田母神さんと
田母神さんと
報告する木村代表
報告する木村代表
懇親会での田母神さん
懇親会での田母神さん
牛嶋氏が挨拶
牛嶋氏が挨拶
牛嶋氏が挨拶
牛嶋氏が挨拶
牛嶋氏と生徒たち
牛嶋氏と生徒たち
店の前で記念撮影
店の前で記念撮影
挨拶する寅次郎君
挨拶する寅次郎君
  1. 9月10日(月)午前中、原稿。
     午後、図書館。
  2. 9月11日(火)午前中、原稿。
     2時、新聞社の人と会う。取材。
     6時、一水会フォーラム。田母神俊雄さん。とてもよかったです。
  3. 9月12日(水)10時、打ち合わせ。
     1時、イギリス・ケンブリッジ大学の大学院生の取材を受けた。
  4. 9月13日(木)午前11時、取材。
     3時、コスモ。「現代文要約」。
     5時、「読書ゼミ」。今日読んだ本は、梅田悟司の『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版社)。なかなか面白くて、挑発的な本だった。
  5. 9月14日(金)午前中、原稿。
     午後2時、取材。
     6時、浦和で「日米地位協定改善を求める47プロジェクト」。とてもいい勉強会でした。講演者は3人。浅野目義英氏(埼玉県議会議員)。井筒高雄さん(元陸自レンジャー隊員)。鈴木邦男(のりこえねっと共同代表)。3人の話の後、全体のトークもありました。
  6. 9月15日(土)午前中、原稿。
     午後から、雑誌の対談。
  7. 9月16日(日)朝、新幹線で新潟に行き、そこから新発田へ。13時から、「大杉栄メモリアル2018」に出る。

【写真説明】

講演する田母神さん

①9月11日、一水会フォーラムで田母神俊雄さんが来て講演してくれました。とてもいい講演でした。

講演する田母神さん

②同じく

田母神さんと

③講演が終わって、一水会の皆と写真を撮りました。

田母神さんと

④同じく

報告する木村代表

⑤田母神さんの講演の前に、事務局からの報告、そして木村代表からの報告がありました。

懇親会での田母神さん

⑥懇親会の時の田母神さん。いつも元気一杯です。

牛嶋氏が挨拶

⑦九州から昔の学生運動仲間の牛嶋氏が来てくれました。挨拶する牛嶋氏。

牛嶋氏が挨拶

⑧同じく

牛嶋氏と生徒たち

⑨牛嶋氏と大学の生徒たちです。生徒たちに慕われているようです。

店の前で記念撮影

⑩懇親会の店の前で、記念撮影をしました。

挨拶する寅次郎君

⑪寅次郎君も挨拶してました。(後ろの右側の人です)

【お知らせ】

  1. 9月23日(日)。大阪のロフトプラスワン・ウエスト。お昼12時より。
    〈夫・林健治さんと迫る!「毒婦」和歌山カレー事件20年目の真実〉
     林健治さんと田中ひかるさん(『毒婦』の著者です)との対談です。私も聞きに行くつもりです。
  2. 9月29日(土)。六本木ストライプスペースで、劇団「再生」の「正義の人びと」が上演されます。9月28日(金)〜30日(日)。29日(土)は、午後7時から高木尋士さんとプレトークをします。「正義の人びと」の原作はカミュだ。私は学生時代に全巻読破しています。素晴らしい作品です。頑張ってやります。
  3. 10月10日(水)。一水会フォーラム。講師は佐高信さん。演題は「西郷南洲の生き方について」。
  4. 10月18日(木)。ロフトプラスワン。「ひかりの輪」の上祐史浩さんと対談します。
     ロフトの案内にはこう書かれています。
    〈松本智津夫元死刑囚らの死刑執行後、東京初の上祐史浩氏のトークイベント
    執行前に話題となった元「オウム事件真相究明の会」の鈴木邦男氏が徹底議論!
    さあどうなる!?
    上祐氏だからこそ知る オウム、アレフのこと。全てを語ります〉
  5. 11月24日(土)。三島由紀夫・森田必勝 両烈士顕彰祭。
    第1部 追悼顕彰祭。
    第2部 特別記念講演。荒谷卓氏(陸上自衛隊特別作戦群初代群長)。
    演題「三島・森田精神を現代に活かすとは」。