2018/10/08 鈴木邦男

樹木希林さんの葬儀に参列しました

樹木希林さんの葬儀。9/30(日) 樹木希林さんの葬儀。9/30(日)

女優の樹木希林さんが亡くなった。9月30日(日)に葬儀が行われた。私も列席した。

とてもお世話になったし、いろんなことを教えてもらった。この日は台風が来るというので葬儀も中止になるのではと言われていた。

それも、中目黒のお寺(光林寺)でやる。お寺の前に人が大勢集まるのだろう。雨が降ったら大変だな、と思っていた。とても並べない。といって、皆、中に入ってもらうわけにもいかない。

この日は他にもいくつか行事があった。でも、時間は重ならない。樹木さんの葬儀は午前10時からだ。こんなに早いのも珍しい。

歌手のPANTAさんが、「一緒に行きましょう」と、落合まで車で迎えに来てくれた。助かった。

10時から、12時半で終わり、そこから私は新宿へ。河合塾コスモで全体会議が2時まである。

それが終わって、今度はロフトプラスワンだ。「大島てるがやって来る!! 事故物件ナイトvol.22」だ。

これも本当にやるのか。危ない。行ってみて中止だったじゃ、目も当てられない。

お寺には大勢の人が集まりました お寺には大勢の人が集まりました

コスモの会議は終わった。一度行ってみた。5時前なのに、もう大島てるさんは来ていた。「今日はぜひやりましょう」と張り切っている。

JRの電車は8時で止まるらしい。「それまでに終えるでしょうね」と言うが、ちょっとムリのようだ。

8時過ぎても、地下鉄は動いているし、私は帰れる。それに、家まで歩いても帰れる。大島さんは「お客さんはなんかあったらホテルかカラオケにでも泊まってもらうんじゃないでしょうか」と言う。

しかし、6時の時点でも、半分以上の人がいた。大島さんのライブはいつも170人ほどが集まり、満杯だそうだ。

7時半開始なので、時間になったら、さらに集まるんだろう。その人たちは、「もうどうなってもいいという固い決意の人ばかりだ。熱烈なファンなのだ。

午前10時から始まりました 午前10時から始まりました

「はい、分かりました。じゃ、今日は断固、やりましょう」と決意し合って、一旦、外に出た。食事をして、夜の闘いに備えた。

新宿も、人が全く通ってない。そして、店には全て「8時で終わります」「7時で閉めます」と書かれている。やっているのはロフトだけだ。

食事を終えて、7時過ぎにロフトに戻った。ビックリした。満員だ。ロフトが満杯なのだ。

聞くと、東京だけでなく、「名古屋から来た」「大阪から来た」という人もいる。

凄い。これじゃ台風でも帰れない。「どうにでもなれ!」という気分なのか。いやいや、熱烈なファン根性ですよ。

夜は「大島てる 事故物件ナイト」に 夜は「大島てる 事故物件ナイト」に

そうだ。司会はDJ急行さん。かつて私の右翼vs左翼のライブにも来たことがあると言っていた。とても勉強家だ。

大島さんのライブは私は初めてだ。難しい本は随分と読んでるし。だから、一度会いに行ったことがある。

「大島てる」は女性名だが、実は男だ。「てる」とは自分の本当のおばあちゃんの名前らしい。

今日の大島さんもそうだろうが、東京の人は、ほとんどが地方から来ている。そして、アパートやマンションを借りて住んでいる。

ところが、そこが〈不良物件〉だった場合だ。つい先月、自殺した人の部屋だとか、ヤクザの部屋があって人が殺されたとか。人違いで、殺されるかもしれない。

会場は満員でした 会場は満員でした

だからアパート、マンションの管理人は必ず、その情報を知らせる義務がある。そうでないと大変なことになる。

中には知らせないで、住居人を募集してる人もいる。それに対して、大島てるさんは自分の情報をサイトに載せている。住む人には正しい情報を知らせる必要があると思っている。

大島さんのやっている「事故物件ナイト」には昔から興味があって、いろんなとこで話を聞いていた。

私のアパートだって、「事故物件」かもしれない。そんな話を大島さんにした。私のせいで人が入らないとしたら心苦しい。

又、ヤクザの事務所として使っていて、あるいは新左翼、右翼の事務所として使っていて、もめて、事件になることもある。

かなりエキサイティングな話になりました かなりエキサイティングな話になりました

隣にいる人も、「何だ」と思っていたら、いきなり、巻き添えで殺される。そうなると大変だ。同じアパートの人は安心して眠れない。

それに、平和を守るべき公安も守ってくれない。

敵対党派がターゲットのアパートが見つけられない時、公安は教えてやる。それで警察が手引して、事件を起こしているのだ。

これじゃ彼らも「殺人」をしているのと同じだ。残酷だと思う。それに反対する人が一人もいないのか。

公安は「公共の安全」を守るというが、「日本の安全」を守っているのではない。左右がもっと暴れ、日本人が不安になり、そして我々「公安」がいることで日本を守っているという自己満足があるだけだ。

台風なのにお客さんは誰も帰りません 台風なのにお客さんは誰も帰りません

ロフトプラスワンでは、そうした左右の話がありました。だってお客さんは一般の人だけだ。それも女性が多い。

どんなに偉い人でも、忙しい人でも、夜、寝るときは落ち着いて寝たいと思う。安眠の時間が必要なのだ。そのためにアパートやマンションを借りている。

公安が「敵」をおびき寄せているなんて、ひどい話だ。公安なんて日本に必要はない。公安がいるので安全が守られているのではない。逆だ。彼らこそが「犯罪者」なのだ。

ロフトのライブは、ハラハラ、ドキドキの話で一杯でした。お客さんからの質問もかなり多かった。

お客さんからも熱心な質問が… お客さんからも熱心な質問が…

そしてやっと終わったのが10時半。台風でJRは止まっている。私は地下鉄大江戸線で帰った。

そうだ。午前中のことをもう少し書いておこう。樹木希林さんの葬式だ。お寺に着いたら、お寺の周りをぐるりと囲んで長い長い列が出来ていた。一般の人、関係者の列はいろいろあって全く進まない。

多くの有名人も来ていた。鶴瓶さん、北大路欣也さん、吉永小百合さんなども来ていた。さすが希林さんは交際が広い。そして皆から、好かれて、尊敬されていた。

自分が病気なのに多くの人たちを励ましていた。とても出来ることではない。

裕也さん、娘さん、モッくんなども出席していた。

「事故物件」の写真と地図も出してます 「事故物件」の写真と地図も出してます

内田裕也さんとは30年以来別居だ。でも、同居していなくても愛があったという。不思議な夫婦愛だったようだ。

そうだ。受付に行ったら、「香典はいただきません」と言う。希林さんの意志だったようだ。こんなことは今までない。これが初めてだった。

そして、帰る時に、「希林さんからのお返しです」と言って封筒をもらった。

あれっ、香典を出してないのに「お返し」だけはもらえる。何だろうと思って見たら、希林さんの写真だ。横になって寝ていた。「死ぬくらい自由にさせてよ」と書いている。

驚いた。「希林さんらしい」と皆、言っていた。

終わって、記念撮影 終わって、記念撮影

このお別れ会では、竹中労さんの娘さんもいた。去年、山梨で「竹中労を偲ぶ会」があった。娘さんが主催していた。希林さん、水道橋博士などが出たし、随分と盛り上がった。本当にありがたいことと思う。

希林さんが竹中さんとの出会いからの話をしていた。とてもいい話だった。

でもそれから数ヶ月後、今度は希林さんが病気で倒れ、亡くなってしまった。何とも残念だし悲しい。希林さんにはとてもお世話になり、教えられた。

では我々で希林さんの「偲ぶ会」をやるか。労さんの妹さんのところに行って相談してみよう。

【だいありー】

レーニンさんの事務所で、映画を観ました
レーニンさんの事務所で、映画を観ました
PANTAさん、レーニンさんもいますね
PANTAさん、レーニンさんもいますね
中村監督の撮った私の映画です
中村監督の撮った私の映画です
アーチャリーも出ています アーチャリーも出ています
  1. 10月1日(月)午前中、原稿。
     午後、図書館。
  2. 10月2日(火)午前10時、打ち合わせ。
     2時、取材。
     7時、椎野レーニン事務所。中村監督の映画「鈴木邦男」が出来上がったので観た。とてもいい出来だった。来年には映画館で上映します。
  3. 10月3日(水)午前中、原稿。
     午後3時、試写会。
これはみやま荘で撮ったシーンですね これはみやま荘で撮ったシーンですね
  1. 10月4日(木)午前11時、週刊誌の記者と打ち合わせ。昼から学校に行く。
     3時、「現代文要約」。
     5時、「読書ゼミ」。今日、読んだ本は、川喜田二郎の『発想法』(中公新書)。50年前の名著の復活だ。とてもよかった。
  2. 10月5日(金)午前中、原稿。午後、図書館。
  3. 10月6日(土)午前10時、取材。午後から雑誌の対談。
  4. 10月7日(日)午前中から取材で出る。午後、打ち合わせ。
これは「再生」のプレトークです
これは「再生」のプレトークです
「再生」の劇団員たちと
「再生」の劇団員たちと
先週紹介した『ヒタメン』です
先週紹介した『ヒタメン』です

【写真説明】

樹木希林さんの葬儀。9/30(日)

①樹木希林さんの葬儀が9月30日(日)に午前10時から行われました。そして、PANTAさんと一緒に行く。もの凄い人でした。お寺の周りは人、人、人でした。希林さんの本名は「内田啓子」というんですね。知らなかったです。

お寺には大勢の人が集まりました

②お寺で並び、かなり遠くから見てました。

午前10時から始まりました

③朝早いのに、遠くからも来てました。

夜は「大島てる 事故物件ナイト」に

④この日の夜は、ロフトプラスワンで、「大島てるの事故物件ナイト」に出ました。台風なので出来るかな?と思いましたが、熱心なファンが全国から来るので中止は出来ませんとのこと。

会場は満員でした

⑤随分前から、会場は満員でした。

かなりエキサイティングな話になりました

⑥かなり過激な話になりました。「事故物件とは何か」についても、詳しく聞きました。

台風なのにお客さんは誰も帰りません

⑦この日は台風が来るとのことで、外の他の店は皆、閉めてました。開いてるのはロフトだけです。

お客さんからも熱心な質問が…

⑧名古屋、大阪から来てる人もいて、初めから泊まるつもりです。「台風なんか関係ないよ」という、覚悟の人たちばかりです。

「事故物件」の写真と地図も出してます

⑨ここで事故がありました、と物件の写真と地図も出して説明します。

終わって、記念撮影

⑩終わって、記念撮影です。右が大島てるさん。左は司会者。

レーニンさんの事務所で、映画を観ました

⑪10月2日(火)の夜、レーニン事務所に、寅ちゃんなど、皆で映画を観ました。

PANTAさん、レーニンさんもいますね

⑫レーニンさんやPANTAさんなどもおります。

中村監督の撮った私の映画です

⑬何の映画を観たのでしょうか。中村監督の撮った映画で、私を撮ってます。これは私が演説してた時ですね。「鈴木邦男、暴力右翼。75歳」かな。いや、まだタイトルは決まってないそうですが、「右翼崩れ」とか「ダメ右翼」とか、いろいろ案があるそうです。でも、嬉しいですね。監督さん、ありがとう。

アーチャリーも出ています

⑭アーチャリーも出ています。オウム、新左翼…といろんな人々が登場します。

これはみやま荘で撮ったシーンですね

⑮これは、「みやま荘」で取材された時です。

これは「再生」のプレトークです

⑯これは9月29日です。劇団「再生」でカミュの「正義の人々」を上演し、そのプレトークとして高木尋士さんと話したのです。私のデビュー作『腹腹時計と〈狼〉』を取り上げて、カミュの話をしました。

「再生」の劇団員たちと

⑰終わって、「再生」の皆さんと一緒に撮りました

先週紹介した『ヒタメン』です

⑱これは先週、紹介しましたが、岩下尚史さんの『ヒタメン(直面)=三島由紀夫若き日の恋』(文春文庫)です。とてもいい本です。皆さんもぜひ読んで下さい。

【お知らせ】

  1. 10月8日(月・祝)。「相模原障害者殺傷事件の真相に迫る」。ロフトプラスワン。オープン12時30分。スタート13時30分。【開けられたパンドラの箱】出版記念トーク。

    【出演】
    篠田博之さん(『創』編集長)
    香山リカさん(精神科医)
    西角純志さん(津久井やまゆり園元職員)
    岩坂正人さん(横浜市精連)など。
    私も聞きに行こうと思ってます。寅ちゃん、行きましょう。
  2. 10月10日(水)。一水会フォーラム。講師は佐高信さん。演題は「西郷南洲の生き方について」。
     会場がいつもと変わりますので、お問い合わせ下さい。
  3. 10月18日(木)。ロフトプラスワン。「ひかりの輪」の上祐史浩さんと対談します。
     ロフトの案内にはこう書かれています。
    〈松本智津夫元死刑囚らの死刑執行後、東京初の上祐史浩氏のトークイベント
    執行前に話題となった元「オウム事件真相究明の会」の鈴木邦男氏が徹底議論!
    さあどうなる!?
    上祐氏だからこそ知る オウム、アレフのこと。全てを語ります〉
  4. 10月27日(土)、28日(日)。富山で合宿。岩井正和さん主催。布清信氏との対談。講演などがあります。
  5. 11月8日(木)〜11日(日)。三島由紀夫作品上演企画2018。三島由紀夫原作の『殉教』をやります。脚本・高木尋士(オフィス再生)。企画・演出は劇団再生です。会場はAPOCシアター(小田急線千歳船橋駅5分)。日時は、11月8日(木)が19時。9日(金)と10日(土)は、14時と19時。11日(日)は14時開演です。10日(土)の19時からは、プレトークがあります。高木尋士、鶴見直斗、鈴木邦男の3人が三島について語ります。ご期待下さい。チケットは3500円。
  6. 11月24日(土)。三島由紀夫・森田必勝 両烈士顕彰祭。
    第1部 追悼顕彰祭。
    第2部 特別記念講演。荒谷卓氏(陸上自衛隊特別作戦群初代群長)。
    演題「三島・森田精神を現代に活かすとは」。