1月8日(火)、夕方から「志の輔らくご」を聴きに行くつもりだった。
でも、場所がよく分からない。案内状を探してみた。「銀座 観世能楽堂」と書かれていた。
あれ、変だな。銀座に能楽堂なんてあったかな。千駄谷じゃないのかな。でも違うようだ。
スマホで調べてみたら、銀座の「SIX」地下3Fと書かれていた。ああ、あの新しいビルか。
確か昔は銀座松坂屋だった。ここが「銀座SIX」になった。ここの書店が有名で、何回か見に行ったことがあった。でもよくは知らん。
銀座SIX地下3Fに「二十五世観世左近記念観世能楽堂」と出ていた。ちゃんと能楽堂が出来ていたんだ。銀座のど真ん中に。
少し時間の余裕をもって、行ってみた。分かった。時間が早かったので、先に食事をしてから行った。
驚いた。客席は満員だ。能の舞台がしつらえられていた。
そして回りに客席がある。銀座の中に、こんな幽玄な世界があったのか。
しかし、ここで落語をやるのは大変だろうと思った。でも志の輔さんならやれる。落語の中で、唯一、芸術の域に達している。
落語といっても、変に笑いを強制したりしない。変な笑いのない「話芸」だけで、30分、1時間と続ける。それが出来る唯一の人でしょう。
この能楽堂で聴いてみて、本当にビックリした。凄い。能楽堂で落語が出来る人なんか、志の輔さんだけだろう。
だったら、全国の能楽堂を回って、そこで落語をやったらいい。雰囲気もいいし、ピッタリだと思う。
この日は、じっくりと志の輔ワールドにひたりきって、志の輔さんの「芸術」を味わった。本当によかったと思う。
終わって、志の輔さんに挨拶した。随分と人が並んでいた。
「いやー、楽しかったですよ。能楽堂にピッタリ合ってましたよ」と言った。「それにこの前は富山に行ってきました」と言った。
富山は志の輔さんの出身県だ。「志の輔を生んだ」ことは富山の最大の誇りだ。そのことを言った。
そして、市役所から見た立山連峰の美しさ。そして、段差のある運河を船で行った話をしました。合宿を富山でもやってみたいと言いました。「さすが鈴木さん。富山でいい所をちゃんと見ましたね」と誉められました。そうだ。世界一美しい喫茶店も見たよね。
しかし、今でもあの富山のことは忘れられない。又、行ってみたい。
そうだ、この「銀座SIX」ビルには、大きな書店がある。蔦屋だ。6Fにある。蔦屋は全国的に大きい店を作ってるし、中には、いろんな店があったり、子供の遊び場も作ったりしている。
でも、ここは凄い。なんせ、お店の中に滝がある。巨大スクリーンもある。そこを観るだけでも楽しい。勿論、本も沢山ある。私は3回ほど行ってるし、皆さんもぜひ行ってみて下さい。
ここには、本屋の他にも、いろんな店がある。13Fまである。凄いビルだ。レストランは各種あるが、B2の「フード」階はよかった。
本を読みながら、ちょうどこの日は本郷和人の『上皇の日本史』(中公新書ラクレ)を読んでいた。
とても勉強になった。面白いし。
〈200年ぶりの天皇譲位を前に、知っておきたい歴史の中の上皇〉
と表紙には書かれている。
本郷さんの文は分かりやすいし、説得力がある。
そうだ。15日は一水会で講演をするので、そうした本は随分と読んでおいた。そして、16日からは新潟だ。忙しい。でも、汽車の中で本をゆっくりと読めるだろう。
ともかく、1月8日は、志の輔さんの落語を聴いて、考えさせられた。幸せな気分になった。でも、じゃ俺は何をしてるのか。何をしてたのかと思いましたね。
体を治してから、頑張りたいと思います。