2009/08/03 鈴木邦男

念じたら、世界は動く!

①村山富市さんに会いました

村山富市さんと(7/25)
村山富市さんと(7/25)

エッ、まさか。驚いた。信じられなかった。岩波ホールで、バッタリと村山富市さんに会ったのだ。「やあ、久しぶり」と言われた。一昨年の10月にも会った。それ以来だ。あの時は、社民党の人や同志が沢山いた。だから心配はない。でも、この日は、たった1人だ。ガードはない。大丈夫なんだろうか。右翼に会ったりしたら困るだろう。「村山は国賊だ!」と言ってる人もいるんだし。 首相経験者にはSPが付く。24時間付く。数人が付き、交替でガードする。首相経験者は、日本では10人以上いるだろう。それだけでも莫大な予算だ。でも村山さんは、「僕はいい」と断ったと聞いた。だから、この日も1人だった。偉い。

7月25日(土)、岩波ホールで会ったのだ。夕方5時半から7時半まで、羽田澄子監督の記録映画「嗚呼 満蒙開拓団」を見た。とてもいい映画だった。何とも、かわいそうだ。夢を求めて大陸に渡った人々の悲劇がリアルに描かれている。

茂木健一郎さん(左)、渡辺直也君(右)と。東京芸大で
茂木健一郎さん(左)、渡辺真也君(右)と。東京芸大で

7時半、映画が終わって、さて帰ろうかと思っていた時に、村山富市さんと会ったのだ。「あっ、久しぶり」と、覚えていてくれた。「いい映画でしたね」と言ったら、「貴重な映画だね。人も記憶も、どんどん失くなっていくからね。大事な仕事ですよ」。私は羽田監督の映画は随分と見ている。「歌舞伎役者・片岡仁左衛門」とか、「山中常盤」などだ。いい映画が多い。その話をした。そして、しばらく映画の話をした。「一昨日から上京してるんだが、これはぜひ見たかったんで」と言っていた。

社民党のパーティには私はよく出ている。福島みずほさん、保坂展人さん、辻元清美さんの出版パーティには、ほとんど出ている。土井たか子さん、阿部知子さんなどとも何度も話している。村山富市さんとも会っているし、挨拶している。しかし、キチンと話をしたのは一昨年の10月が初めてだ。

07年10月12日(金)、午後2時、永田町の憲政記念会館で、「故浅沼稲次郎委員長追悼集会」が開かれ、そこで会ったのだ。47年前(1960年)のこの日、浅沼委員長は17才の右翼少年・山口二矢によって刺殺された。社会党の凋落はこの日から始まる。

「和歌山カレー事件」再審請求の記者会見です(7/22)。安田弁護士、林健治さんと
「和歌山カレー事件」再審請求の記者会見です(7/22)。安田弁護士、林健治さんと

この追悼集会の時に、村山さんと話をした。浅沼さんの思い出を聞いた。そして、思い切って、「例の話」を聞いた。村山さんは、右翼の人から抗議されることが多い。ある時、自宅に右翼の人が来た。普通なら警察を呼ぶ。ところが、「じゃ、中で話そう」と言って、家に上げて、お茶を出し、じっくり話を聞いた。その態度に右翼も驚き、考えは違うものの、平和的に話し合い、帰ったという。かなり広く流布している「話」だ。5.15事件の時の犬養毅首相のようだ。青年将校に、ピストルを向けられても、「話せば分かる。まあ座れ」と言った。その犬養さんの態度と同じじゃないか。でも、このあとは違う。犬養さんは殺された。「問答無用」と言って、青年将校は殺したのだ。青年将校が去ったあとも、虫の息で「彼らを連れてこい。話して聞かせてやる」と言っていた。凄い人だと思う。

村山さんは、いわゆる「村山談話」や、自民との連立や、はたまた、安保、自衛隊を認めたことで批判もある。せっかく首相になったのだから、自爆覚悟で、社会党らしさを出したらよかったじゃないかと思う人もいる。私もそう思う。それで社会党が玉砕していれば、又、「再生」の可能性も大きく出たと思うのに。それは又、会った時に、ゆっくり聞いてみたい。右翼との「話」は、かなり大袈裟に伝わっているが、でも、村山さんならあり得るだろうと、思われている。伝えられている。そう思った。

②見沢知廉にだって、すぐ会えるさ

ホーキング青山さんと(7/21)
ホーキング青山さんと(7/21)

先週のこのHPで、「信じられない人に会った」と書いたら、「見沢さんじゃないの?」と何人かから聞かれた。「それは来週のお楽しみに…」といって言葉を濁した。でも、今でも、見沢氏は生きてると思ってる人はいるんだ。足を折っただけで、本当は助かったと。だから、そのうち会えるだろう。8月21日〜23日の「生誕50年展」で会えるさ。

大浦信行監督の映画「見沢知廉」の撮影の時も言ったけど、いまだに私は、見沢氏の死を信じられない。信じたくない。肉体的、精神的にボロボロになっていたが、でも、「強い男」だと思っていた。絶対に「自殺」などする男じゃない。自殺など考えられなかった。今、思い出したが、亡くなる寸前、連日、夜中に電話があった。「脳の中を覗かれている」と言っていた。何を馬鹿なことをと私は一笑に付した。

「いや、鈴木さんが自分で書いてたじゃないですか。相手の考えていることが分かる機械が出来たって」。えっ?そんなこと言ったかな。彼は横浜に住んでいたが、近くに米軍の通信基地があって、巨大なアンテナがあり、そこから、日本人の考えてることを全部読み取っている。見沢氏はそう言う。

そう言えば、『公安警察の手口』(ちくま新書)を書いた時から、奇妙な電話や手紙が集中した。普通の主婦や、サラリーマンなのに、「尾行されている」「盗聴されている」と言う。「鈴木さんの本を読んで分かりました。犯人は公安です」と言う。おいおい、いくら何でも、そこまではやらんよ。政治運動をしてない人間にはやらんよ。そう言うと、「いや、まだ行動してないけど、私の脳の中を覗いているんです」と言う。何でも巨大な人工衛星があって、そこから、電波を発して、「考えていること」を盗んでいるという。「思考盗聴器」が使われているんです。と言う。こっちまで、おかしくなりそうだ。

産経新聞(6/30付)です
産経新聞(6/30付)です

でも。もしからしたら、あのことか。と思い当たったことがある。「脳波」を感知する装置が出来た。ということは前に書いた。見沢氏はそのことを言ってたのかもしれない。又、私の本を読んで電話をよこす人は、さらに、「その先」の社会を予見して私に訴えていたのかもしれない。激動する社会の中で、一番繊細で、ある種、病的な人々に、まずそれは感じられるのかもしれない。

6月30日付の「産経新聞」を見たら、驚いた。脳波を感知して動く車イスが発明されたという。手も足も使わない。声も出さない。頭の中で、「動け!」と念じるだけで動くのだ。

ここまで来たのか、とビックリした。脳波研究は、前は、寝た切りの人の意志を知る手段として開発された。寝た切りで、しゃべれない。口も手も動かせない。まばたきも出来ない。でも、脳波は動いている。それ感知して、その病人の〈意志〉を知るのだ。

手を少しでも動かせるのなら、質問に答えることは出来る。「イエスなら1回、握り返して」「ノーなら2回」と。手も足も動かせなくても、又、口も動かせなくてもまぶたが動くのなら、その

まばたきの回数で「イエス」「ノー」を伝え、〈会話〉することも出来る。

しかし、手も足も口も、目も、全てが動かせない時でも、脳がある。脳波の動きで、意志が伝達され、〈会話〉が成り立つ。これは凄いことだ。

③念じるだけで車は動く。会話も出来る

(左から)鈴木、あべあゆみさん、大浦信行監督(7/22)
(左から)鈴木、あべあゆみさん、大浦信行監督(7/22)

車イスの話からしよう。産経新聞に出ている写真を見てほしい。研究者は、両手を上に上げている。手を使ってないことをアピールしているのだ。勿論、足も使っていない。アゴも使っていない。7月21日(火)。「志の輔らくご」を聞きに行った時、ホーキング青山さんに会った。この人は、車イスをアゴで操作している。この人は車イスの芸人だ。落語もやる。自分も大変なのに、人々を楽しませようと努力している。偉い人だ。

では、「脳波で動く車イス」の話だ。

〈トヨタ自動車は29日、独立行政法人の理化学研究所などと共同で、人が頭の中で考えるだけで、その脳波を感知して動く電動車イスを開発したと発表した。手による操作は一切不要で、高齢者の生活支援などに生かすことができる〉
みやま荘で撮影中です
みやま荘で撮影中です

凄い話だ。頭の中で考えたことで車イスを動かせる。又、会話も出来る。ということは、それを「盗聴」することも出来るのだ。見沢氏はそのことを言っていたのだろう。今は、いいこと尽くめだが、必ず、悪い方向に利用されるかもしれない。権力者が人民の考えを全て読み取り、コントロールすることも可能だ。そんな危険性を感じていたのかもしれない。

今は、そんな「危険」はないが…。では、どうやって脳波で車イスを動かすかだ。産経に戻る。

〈開発したシステムは5つの電極を装着した帽子をかぶり車イスに座る。自分の右手を動かすイメージを思い浮かべると、脳波の振幅の変化をセンサーが読み取り、搭載したパソコンが信号化して車イスに指示を出し、右方向に動く〉
10キロのダンベルを持ち上げるあゆみちゃん
10キロのダンベルを持ち上げるあゆみちゃん

じゃ何でも出来るかというと、違う。今のところは、左右の旋回と前進の3通りしか出来ない。でも、バックだろうが、何だろうが、すぐ出来るようになる。車イスだけでなく、ロボットでも成功している。ホンダが、脳波を感知して二足歩行ロボットを動かす技術を開発している。そうすると、リングの上で、ロボット同士が闘い、「格闘技世界一」を決めることも出来る。両方のセコンドが脳波でロボットを動かすのだ。セコンドの「脳波戦争」だ。

乗用車だって、手でハンドルを操作しなくても動く「夢の車」が登場するかもしれない。と産経ではまとめている。でも、こうなったら、ちょっと怖いな。手を使わなくていいんだから、楽だ。女の子を抱きながらだって運転出来る。でも、かえって事故が増えそうだ。

④石森章太郎の「幻魔大戦」のようだ。君も僕も、エスパーだ!

玄関に並んだ靴です
玄関に並んだ靴です

さて、これからが問題だ。我々は「考えた」ことを即、実行しているわけではない。「考える」ことだけなら、「いいこと」も「悪いこと」も考える。恥ずかしいこと、悪いことも考える。でも、それを即、「行動」には移さない。

向こうから母親に手を引かれて、ヨチヨチと子供が歩いてくる。こんな子供なら、回し蹴り一発でKO出来るな、と思う。そんなことしたら、死んじゃうかな。と、いろいろ考える。しかし、「実行」はしない。又、向こうから、プロポーションのいい美女が来る。「抱きつきたいな!」と思う。でも、「行動」には移さない。我々の日常生活はそうした「葛藤の連続」だ。こんなことばっかりだ。

それが、脳波を全て見られたら、恥ずかしい。こいつは、こんなことばっかり考えていたのか、と思われる。寝た切りの病人の脳波を見て、看護人が、「あ、水がほしいんだな」「あ、寝返りを打ちたいんだな」と分かって、それに応じてやる。その分にはいい。でも、「あっ、私の乳を吸いたいと言った!」「私を犯したいと思った!」と脳波を証拠にして、いきなり、殴られても困る。殴り所が悪くて、死んじゃったらどうする。

『姜流』に私も書いてます
『姜流』に私も書いてます

でも、「私は犯されるところだったんです。この脳波が証拠です。私は正当防衛です」と言われるだろう。妄想、空想ばかりしてる私なんて、とても病人になる資格はない。殺される。「脳波キャップ」をかぶせられたらもう終わりだ。「こんなことを考えてる」「許せん!」と抹殺されちゃう。過去の犯罪も全部、読み取られてしまう。大変だ。怖い。

こうなると、もう、「聖書」の世界になっちゃう。邪な目で女性を見たら、もう姦淫したことになる。心の中でいやらしいことを考えたら、姦淫だ。怖い。じゃ、いいことだけを考えよう。そうしたらいい社会になるのだろうか。人間は、まだまだ、その〈理想〉には達しないと思うけど。

まあ、でも、「夢の車」はいいかな。とも思う。これから免許更新も楽だ。苦手な「車庫入れ」も、「縦列駐車」もスーイスイだ。それに、つい面白がって、「飛べ!」なんて言いそうだ。そしたら飛ぶだろうな。あるいは、「襲え!」とか。そしたら、車に乗ってる人は皆、自爆テロ要員だよ。怖い。

【だいありー】
猫が読みたい本を取り出してます
猫が読みたい本を取り出してます
  1. 7月21日(月)1時取材。3時、打ち合わせ。7時、池袋の東京芸術劇場で、坂手洋二さんの芝居「現代能楽集・イプセン」を見る。なかなか意欲的な芝居だ。驚いた。坂手さんの芝居は最近よく見てるが、思想的に深い。現代批判であり、哲学的だ。
     現代書館の菊地さんや、知ってる人4人ほどに会った。「やっぱ、坂手さんの芝居は見逃せない」と言う。現代書館では私は『ヤマトタケル』を出してもらった。
     「鈴木さんも演劇論を書きなよ」と言われた。歌舞伎や芝居をよく見てるから、それについて書けという。私なんて、趣味でちょっと見てるだけだ。全くのシロウトだ。とてもとても、と答えた。平岡正明さんや太田竜さんは、演劇論を書いている。又、読んでみよう。
  2. 7月22日(火)図書館に行く。夜、集会。
  3. 7月23日(水)1時、取材。7時、阿佐ヶ谷ロフト。「週刊金曜日」主催のイベント。総選挙と公明党についてトーク。佐高信、筆坂秀世、南丘喜八郎さん、そして私。かなり詳しい話になった。私は、永い間、宗教活動をしていたので、どうしても宗教には甘くなる。創価学会が公明党をつくった経緯。生長の家が政治に乗り出した経緯について話をした。それと、最近の幸福実現党についても…。
  4. 7月30日(木)河合塾コスモに行く。もう夏休みなのだが、自習室で勉強する。夜6時半、神田の三省堂本店で、蓮池透さんとトーク。蓮池さんの『拉致』(かもがわ出版)の出版記念トークだ。とても勇気のある本だと思った。蓮池さんだからこそ言える。私は「アエラ」に書評を書いた。その縁で、トークの相手に選ばれた。ありがたいと思う。超満員だった。蓮池さんから、貴重な話を随分と聞いた。終わってサイン会。そのあと、打ち上げで飲んだ。
  5. 7月31日(金)朝8時の新幹線で大阪へ。「たかじんのそこまで言って委員会」の収録。2週分とった。8月2日(日)放送分と、8月9日(日)放送分だ。なかなか興味深いテーマだった。「たかじん」でなければ実現しない企画だと思い、感心した。
    他に有料サイト用の収録が3本あった。忙しかった。山口もえさんが「主人が鈴木さんのブログを見てます」と言ってた。ありがたいです。光栄です。
  6. 8月1日(土)昼、河合塾コスモに行って、原稿を書く。仕事の打ち合わせが長引く。どうもうまくいかない。残念だ。企画は潰れた。
  7. 8月2日(日)講演会を頼まれ、その打ち合わせをする。そのあと、座談会に出る。今日は、私の誕生日らしい。「それで、何才になったの?」と生徒に聞かれた。「40過ぎだよ」と言った。「嘘つき!」「嘘じゃない。40過ぎてるのは事実だし…」。
【写真説明】

①7月25日(土)岩波ホールで、村山富市さんと。とても元気でした。映画の話をしました。

②東京芸大で脳科学者の茂木健一郎さんに会いました。でも、これはちょっと前ですね。05年11月15日(木)です。写真を整理してたら出てきたので載せました。右端でおどけているのが、ニューヨーク在住のキュレーター・渡辺真也氏です。この時が初対面です。茂木さんが紹介してくれました。このあと、渡辺氏が、「鈴木さんをニューヨークに呼びたい。シンポジウムを開いて、ベアラさんたちと討論させたい」と言ってました。「とても無理だよ」と思っていたのですが、07年4月に実現しました。それもこれも、この日の出会いがあったからです。歴史に残る写真です。

③「動け」と念じるだけ。車イス、すーいすい。産経新聞(6月30日)の記事です。

④「和歌山カレー事件」の記者会見です。安田好弘弁護士と林健治さんです。7月22日(水)です。この前に、和歌山地裁に林眞須美さんの再審請求を出しました。朝6時の新幹線に乗り、10時6分に和歌山に着き、20分に再審請求。45分から記者会見。11時半まで。そして、12時の列車に飛び乗り、急いで帰京。5時からみやま荘で、大浦信行さんの映画「見沢知廉」の撮影でした。

⑤その映画撮影の時です。大浦監督、女優のあべあゆみさん(劇団再生)と。目の大きな、そして目に星が4つもある女優さんでした。因数分解すると、あ(べ・ゆみ)ですね。

⑥撮影風景です。みやま荘を大改造し、場所をつくり、レールを敷いてカメラを設置して撮影です。こんなことは初めてです。驚きましたね。「劇団再生」の高木尋士さんが写真を撮ってくれました。

⑦みやま荘にあった10キロのダンベルを片手で軽々と持ち上げるあゆみさん。凄いですね。高木さんはブルワーカーをやってました。

⑧みやま荘の玄関。狭い玄関が靴で一杯です。こんなことは、なかなか、ないことです。

⑨車イスの芸人・ホーキング青山さんに会いました。7月21日(火)、「志の輔らくご」の時です。

⑩7月31日(金)姜尚中さんの本が発売になりました。凄い本です。売れるでしょう。「アエラ」ムックです。『姜流(かんりゅう)』(朝日新聞出版・1400円)です。姜尚中の全てが分かる本です。「姜尚中のOFFな一日」というDVDも附いてます。さすが「アエラ」ですね。総力を挙げて取り組み、作りました。その意欲が伝わってきます。半藤一利さんや佐藤優さんたちと対談しています。漱石やナショナリズムについて。
又、「私の姜尚中論」もいいですね。梁石日、中島岳志、宮崎学、田原総一朗、中條誠子、辻元清美、上野千鶴子、武隈喜一、そして私が書いてます。姜尚中の「決定版」です。歴史に残る本です。こんな記念すべき本に私も書かせてもらい光栄です。姜さんのことは、かなり知ってるつもりでしたが、知らないことも多かった、と痛感しました。力道山、大山倍達が好きで、大山には声をかけてもらい、握手してもらったといいます。又、「衝撃だった三島事件」なども、初めて知りました。新鮮な驚きでした。

⑪その『姜流』に載った私の文章です。〈「要は人間だ」と思わせてくれた人〉。写真は「アエラ」の「現代の肖像」に載った写真ですね。みやま荘で撮ったのです。だから、ジャージを着て、机に向かってます。 この写真を見て、大浦監督が、「じゃ、ぜひ、みやま荘で撮影を」となったのです。

⑫砂川事件の映画とトークのイベントを9月8日(火)、阿佐ヶ谷ロフトでやります。そのチラシです。

⑬猫が本を探しています。やっと見つかって、取り出そうとしています。よく見ると、『猫と愛国心』という本です。私が4年前、ネットで買った貴重な本です。古い本ですが、3万円もしました。『愛国者は信用できるか』(講談社現代新書)を書く時に、参考にしました。この猫も、その本の価値を知っているのでしょう。7月25日(土)岩波ホールの帰りに見つけた「大古書展」のポスターです。

⑭私の『愛国と米国』(平凡社新書)が新聞や週刊誌で取り上げられてます。ありがたいです。

【お知らせ】
『姜流』(朝日新聞出版)です
『姜流』(朝日新聞出版)です
  1. 「AERA」ムックで『姜流(かんりゅう)』(朝日新聞出版・1400円)が7月31日に出ました。これで姜尚中の全てが分かります。衝撃的な本です。姜尚中の思想、行動、悩み。そして、知られざる側面もうかがえます。いろんな人が「姜尚中論」を書いてます。私も書いてます。
  2. 読売新聞の7月26日付夕刊に、私の『愛国と米国』(平凡社新書)の書評が出てました。渡辺靖さん(文化人類学者)が書いてました。ありがたいです。〈論壇の枠超えた“美学”〉と書いてます。本の内容を紹介し、こう書いてます。
〈こう唱える著者の「ナショナリズム」や「愛国」は世間一般の右翼イメージを裏切るものだ。むろん異論反論もあろう。しかし著者の根底にあるのは、器の大きさに裏打ちされた、ある種の「美学」のような気がしてならない〉

さらに、こう結論づけています。

〈最も遅れているのは、右であれ左であれ、旧来の論壇の座標軸上でのポジション定めに汲々としている新世代の“賢い”論者たちかもしれない。サブカル化とタコツボ化が進む論壇の再編・再生に必要なのは、まさにそうした「美学」へのコミットメントではないのか〉
『愛国と米国』(平凡社新書)
『愛国と米国』(平凡社新書)
  1. 「アエラ」(8月3日号)にも私の『愛国と米国』の書評が出ました。ありがたいです。
〈「自衛隊は日本の『現在』を護るのだ。過去と歴史観を護るのではない」と鈴木は説く。論文で日本の安全が脅かされる結果になったら、国を守る自衛隊員として本末転倒だと言いたかったのだろう。右も左も突き抜けた鈴木の真骨頂がこの本には詰まっている〉
  1. 太田竜さんについて朝日新聞(7月23日夕刊)に記事が出てました。樋口大二さんが書いてました。
〈思想家・太田竜氏の「革命」一代。 妄想家か辺境の擁護者か〉

よく調べているし、なかなかいい記事です。最後は私のコメントで結ばれていました。

〈70年代から交友を続けた新右翼の鈴木邦男氏は「日本の左翼を作った人で、しかもそこに満足せず、変化し続けた。中途半端な僕のずるさをしかられているみたいで恥ずかしい」としのんだ〉
  1. 佐伯紅緒さんの『かれ、ときどき、テロリスト』(イースト・プレス)は好評で、売れてるようです。「変態・日暮氏のセーラー服疑惑」については、皆に聞かれてるそうです。「あそこだけは真実でしょう」と。でも、リアルな描写ですが、「100%創作です」と、佐伯さんのブログに書いてました。別に答える必要はないのに。作家なんだから、「自由に読めばいい」「勝手に想像すれば」と突き放していいんですよ。
     ともかく面白い小説だし、見沢氏のことをこうして小説に書いてくれて、ありがたいと思っています。だから、私はどう書かれようと、「これは出すべきだ!」と10年前から言い続け、応援してきました。
  2. 映画「花と兵隊」が8月8日より、渋谷のイメージ・フォーラムで上映中です。国のために戦いながら終戦後、日本への帰国を拒否した兵隊たち。なぜなのか。〈もうひとつの「戦後」の記録〉です。とてもいい映画です。国家とは何か。戦争とは何かを考えさせられる映画です。
  3. 8月4日(火)7時。阿佐ケ谷ロフト。ドイツ赤軍の流血の闘いを描いた衝撃の映画「バーダー・マインホフ」が現在、渋谷シネマライズで上映中です。それを記念して、映画に関するトークの夕べです。ともかく凄い映画です。日本の赤軍にも影響を与えています。予告編も上映予定です。私もトークに参加します。
  4. 翌5日(水)発売の「SAPIO」で「日本最強の外交官は誰だ!」の特集。私もアンケートに答えました。
  5. 8月7日(金)映画「靖国」の李監督の本が出るそうです。『映画秘宝』でやった私との対談も入ってます。
  6. 8月7日(金)〜9日(日)前進座で「銃口」(三浦綾子原作)が上演されます。「銃口」については、このHPでも紹介しました。感動的な物語です。私も見に行きたいと思ってます。
  7. 8月15日(土)昼、一水会フォーラムホテルサンルート高田馬場です。いつもは夜ですが、この日だけ、終戦記念日特集で、特別に昼の2時半からです。講師が何と、格闘家の前田日明さんです。「あえて終戦記念日!! 出撃の論理を語る」です。ご期待下さい。
     この日は、夜は、ロフトで、前田さんたちが又、激しく訴えます。両方行ってもいいでしょう。
  8. 8月21日(金)〜23日(日)。劇団再生の主催で「見沢知廉生誕50年展」が行われる。阿佐ケ谷ロフト。午後7時から。「天皇ごっこ〜調律の帝国」の舞台化。そして、トークライブとして高木尋士氏と私の「死後に成長する命・言葉・人生」があります。お楽しみに。この日、50才で誕生した見沢氏は、これから、どんどん若くなって、さらに多くの可能性に挑戦するのでしょう。
     トークには、現在、映画『見沢知廉』を撮っている大浦信行監督も3回共、参加することになりました。ご期待下さい。見沢氏本人も特別出演するかもしれません。
9/8、阿佐ケ谷ロフトでやります
9/8、阿佐ケ谷ロフトでやります
  1. 9月8日(火)午後6時半。阿佐ケ谷ロフト。「日米安保締結から60年」記念トークです。「砂川の熱い日=米軍立川基地拡張阻止闘争の記録」上映会とトークです。
    この映画の監督・星紀市さん。それに砂川事件の元被告。弁護士さんたちが熱く語ります。主催は早大政経`63年入学同級生3名です。布川玲子(山梨学院大学教授)、浜口龍太(日本国際ボランティアセンターJVC会員)、そして私です。3人は同じクラスでした。でも思想は違い、対立してました。特に浜口氏は新左翼のバリバリの活動家でした。それが40年経って、一緒に「主催者」として結集しました。奇跡的な再会です。左右を超え、日本を考えます。砂川闘争を皆で考えます。私も今から楽しみです。
  2. 9月12日(土)午後1時から4時。「大杉栄メモリアル2009=映像とことばで日本の近現代史をふりかえる」。新潟県新発田市生涯学習センター講堂。
    第1部 映画「鶴彬=こころの軌跡」。
    第2部 講演。鈴木邦男「大杉栄と三島由紀夫=私が魅かれる理由」。
  3. 9月28日(月)午後7時、Parc自由学校で講演します。「天皇制と民主主義」です。「Parc自由学校2009」の受講案内のパンフレットが送られてきた。「連帯のための哲学=生きる場のことばと実践から」のコーナーで私は講義します。パンフレットには、私の「天皇と民主主義」の講義の紹介が書かれている。
〈天皇制と民主主義は両立するのか。天皇制は民主主義の例外か。民主主義の欠陥を補うものか。あるいは、完全な民主主義実現のためには廃止すべきものか。天皇制を「休む」という選択肢も含めて危ないテーマについて考えてみる〉