『日本の品格』(柏艪舎)の表紙が送られてきました。これで決定です。前に紹介した「試作品」よりはグンと強く、主張する表紙になってます。強烈な赤です。赤誠、赤心、赤子の赤です。天皇への忠です。愛国者の究極の覚悟です。でも一歩間違うと共産主義の赤です。その、ギリギリの所で勝負を賭ける著者の心意気なのでしょう。
本の帯には〈愛〉と大きく書かれています。「天地人」で有名な直江兼継の兜にも大きく〈愛〉が書かれています。同じ覚悟なのでしょう。直江の言う愛は、単なる「優しさ」「いたわり」ではありません。自らの生き方、戦いの正邪・是非を仏に祈り、問う言葉です。仏が「是」とすれば、あとは阿修羅のように戦います。殺します。怖い〈愛〉です。
この『日本の品格』も、〈日本〉に祈り、問いかけます。果たしてこの戦いは正しいのか、間違っているのか、と。本の帯にはこう書かれています。
〈全ては愛に始まる
日本への熱き想い。
日本を越える深き想い…〉
裏の帯を見ると、「すべての争いの因は愛」「左右対決を越えた愛国運動は可能か」「民主主義の限界」「鈴木邦男が最後に伝えたいこと」「本物の勇気とは…」と書かれています。
最近の新聞、テレビを賑わしている事件も、皆、〈愛〉が因ですね。「憎しみ」や「敵愾心」なら、はっきり見えるし、対抗措置も取れる。それに、大きな事件にもならない。だから、愛なんですよ。愛するが故に殺す。さらには、日本に対する愛、皇室に対する愛。「俺だけが愛している」「俺だけが本物の愛だ」「他の奴らはニセの愛だ」…。そういう争いです。それが怖い。天皇陛下ご即位20年。いて下さるだけでありがたいです。日本に生まれた幸せを感じます。
1人で思い詰めた〈愛〉も怖いが、〈愛〉が集団になると、もっと怖い。右翼や左翼や宗教運動、市民運動です。それらが全て怖いのではない。だが〈愛〉の怖さを内包している。又、運動の「効率」を考えて、その〈愛〉の怖さを利用する。
本当は、そんな〈怖さ〉を利用しなくても運動は出来るはずです。排外主義にならず、「他人を殺す愛」にならない愛があるはずです。そうしたことを真摯に、必死に考えた本なのです。『日本の品格』は11月25日発売です。1300円です。
それと、この1週間後の12月1日(火)には、もう1冊、本が出るんですね。共著ですが、これも衝撃的な本です。「家族会」の事務局長を辞めた蓮池透さんが今年初め、『拉致』(かもがわ出版)を出して、大評判になりました。拉致被害者奪還への新たな一歩になったと思いますが、中には、「裏切りだ」「変節だ」と批判する人もいて、大きな論争になっています。蓮池さんのその勇気ある「問題提起」を受けて、以下の3人が蓮池さんと討論します。だから、タイトルも、『拉致2・左右の垣根を超える対話集』(かもがわ出版)になっています。
他にも、書きたい本、出したい本はありますが、苦闘しています。来年、又、いい本を出せたらと思っております。
そうだ。11月9日(月)発売の「アエラ」(11月16日号)に、書評を書きました。梯久美子の『昭和の遺書』(文春新書)を取り上げました。驚きましたが、昭和ほど夥しい遺書が書かれた時代はないそうです。もうこんな時代は来ないといいます。戦争があったし、国家と個人を常に見据えていた時代です。死の覚悟を持ち、全国民がそれを語り、書き記した時代です。軍人、特攻隊、学徒兵、従軍看護婦…。その遺書の最後は「天皇陛下万歳」となっています。その言葉で、天皇を通し、日本への愛を語っています。いや、抗議も、怒りも、呪詛すらも語っています。天皇に対する余りに大きな期待故に、「裏切られた」と思った2.26事件の磯部浅一の有名な遺書(「天皇陛下、御あやまりなされませ」)も取り上げられています。私の書評でも、その〈愛〉と格闘しています。
これは、もっともっと突き詰めて考えるテーマだと思います。維新運動に参加した多くの先生、先輩と私は会い、教えを受けてきたのですし、何とかそれを形にして、まとめてみたいと思います。それも来年の課題です。それと、又、『読書論』の本も作りたい。又、数年前、『右翼・公安用語の基礎知識』(コアラブックス)を作りましたが、あんなものを又、やってみたいですね。いや、右翼、左翼だけの〈用語〉じゃなく、一般の〈用語〉も含めて、解説し、考え、定義してみたい。
つまり、辞書・辞典を作ってみたい。ということですな。辞書を引くのが面倒くさいからです。自分で作れば全て頭の中に入っていて、ひく必要はないだろう。手間が省ける。時間が省ける。そう思ったのです。それと、辞書は、「究極の思想」ですね。世の中の全ての事項、現象、人間、事件について、「こうだ!」と断言する。あなた達は一面しか見てない。この本質はこうだ!と断定する。「おっ、これは言えるぞ」「この方が正しい」「こんな見方もあったのか」と人々は驚く。そんな「辞書」」を私は作りたい。
アンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』では「愛国心」はこう定義されている。
〈わが名を輝かせようという野心を持った人間が松明(たいまつ)を持って、すぐに燃えあがるゴミ〉
「愛国心」はゴミなのか。それも、やたらと燃えやすい…。『悪魔の辞典』は、いろんな人が訳しているが、これは筒井康隆訳だ。
「辞書」ではないが、サミュエル・ジョンソンは『格言集』の中で、「愛国心」をこう定義する。
〈愛国心はならず者の最後の避難場所である〉
この言葉にショックを受けて書き始めたのが、3年前に出した『愛国者は信用できるか』(講談社現代新書)だ。
「辞書」とは名付けないが、「格言集」「箴言集」なども、似ている。興味のある言葉を取り上げて、自分なりに定義する。断定する。日本で有名なのは筒井康隆の『乱調文学大辞典』だ。同じような辞書、辞典を井上ひさしや清水義範も書いている。
筒井康隆の本は好きで、「全集」を読破した。他にも、出てるのは全て読んでいる。最も影響を受けた作家かもしれない。〈脱右翼〉の契機になったのかもしれない。昔、感激して読んだよな、と思って、再度読み直してみた。
『乱調文学大辞典』の面白いとこをピックアップしてみよう。
アウトサイダー 密造の清涼飲料水。
アガペー ギリシャ語で、神の愛のこと。すなわち神が罪人たち人間に対して向けるあかんべえのこと。
エッチング 猥褻【わいせつ】なことをすること。
おのの・とうふう【小野道風】 平安時代の書家。柳の枝にとびつこうとする蛙を見て引力を発見した。雨の日に傘をさして歩いていて、花札を思いついた。娘がいたが、他の男に奪われるのがいやで陰唇を縫ってしまった。これがのちの小野小町である。
かい・あわせ【貝合せ】 昔の物あわせ遊びの一種。どういう遊びかよく知らないが、非常にいやらしい遊びではなかったかと想像されている。
グラマー 英文法の女教師
グリム・きょうだい【グリム兄弟】 七人のこびとの兄弟で、彼らの妻は白雪姫といい、死ぬまで処女であったという。ただし小松左京説によれば、彼女の処女膜には、七つの小さな穴があいてたそうだ。
ゲラ・ずり【ゲラ刷】 校正者が、誤植のあまりの面白さにゲラゲラ笑うもの。
こういん・や・の・ごとし【荒淫矢の如し】度を過ぎた情欲にひたっていると、月日がたちまち経過するという諺。
こじき【古事記】 戦前は国史。戦後は神話となり、今やエロ文学。
こんちゅう・き【昆虫記】 ファーブルの著。泣虫、弱虫、水虫、精虫、蓼(たで)食う虫、一寸の虫、ふさぎの虫などのことを書いた傑作。
スキャンダル スキャンティ一枚の裸でサンダルをつっかけ、白昼銀座を歩くこと。
せいぶ・せんせん・いじょう・なし【西武戦線異常なし】 西武デパートと東武デパートのはなやかな宣伝、販売合戦を描いた現代小説。作者不明。
セミ・ファイナル 蝉の優勝戦。
センセーション 女学校の男の先生が授業中に教壇から放尿すること。
チャリティ・ショー ストリップ・ショーの一種。野球拳を歌いながら脱ぐ場合が多い。
ツタンカーメン エジプトのラーメン
つみ・と・ばつ【罪と罰】 ドストエフスキー作。せっかく強欲非道の金貸しの老婆を殺すという世のため人のためになることをしておきながら、一娼婦の世迷いごとにだまされて自首してしまう大学生の話。
デカダンス 和田アキ子が踊るゴーゴーのこと。
とくは・いん【特派員】 特殊サービスをする派出婦。
ドッキング 犬の交尾。
ないゆう・がいかん【内憂外患】 女房の浮気と妾の子宮外妊娠が重なること。
なだ・いなだ どっちだ。
なんでも・みて・やろう【何でも見てやろう】 まあ、いやらしい。エッチ。
ヌーベル・バーグ フランスのハンバーグ。
ひきげき【悲喜劇】 きんたまが浴槽の吸水口に入って抜けなくなること。
ひっき【筆記】 筆という字を記すこと。
ひっこう【筆耕】 筆で田畑を耕すこと。
ひつぜつ【筆舌】 舌で字を書くこと。
ひつだん【筆談】 筆の座談会。
ひっち【筆致】 筆のオルガスムス。
ひゃっき・やこう【百鬼夜行】 文壇を知るまでは、絵空ごとだと思っていた。
ブック・エンド 史上最後の本。
ブック・レビュー 本の出演する見せ物
ふでおろし【筆下し】 新しい筆を使って女性がオナニーすること。
ペーパー・バック 尻の処女膜。
ベスト・セラー 勇敢なる水平。
ペンネーム ペンの名。例=ハンペン、プノンペン、ワッペン、ブルペン、ルンペン。
またたび・もの【股旅物】 猫のやくざものを主人公にした劇や小説。
みしま・ゆきお【三島由紀夫】 つつしんで冥「腹」を祈る。
ミスプリント プリント服地の似合う美女。
モノクロ 自慰の映画。
モノポリー 巡査の自慰。
モノマニア 自慰狂
モノレール レールに横たわって自慰をすること。
モンテスキュー オバキューと同じく、バーベキューの一種。
ワイフ 猥褻な妻
うーん、面白いですね。他にも井上ひさしや、清水義範はじめ多くの人たちが、我流「辞書」に挑んでいる。そうだ。覚えているのではこんなのがあった(誰が書いたかは忘れたが)。
スポーツマン ルールを守って競技をする人。
運動家 ルールを破って、競技をする人。(「国のため」とか、「人民のため」と呟きながら競技する)
宝の持ちぐされ 老女の巨乳。修道僧の巨根。
ワークシェアリング それを分けてやれよ!(貧乳や短小の人に)。
アイシーユー(国際基督教大学) 日本に神の大学を作ろうとしたアメリカ人が寄付を募る時、「あなたには神が見えますか?」「私(キリスト)が見えますか」と聞いた。「見えます(I see you)」と言った人の莫大な寄付によって出来た大学だ。この「I see you」をいつも思い出すように、「アイシーユー(ICU)」は作られた。(冗談のようだけど、本当の話だ)。
枕詞 全く意味のない言葉だが、これを置くと右翼に襲われない。おまじない。たとえば、「私も愛国者ですが」「皇室を大切だと思うから言うのです」。この枕詞さえあれば、あとはどんな不敬、反日的な言葉でも言える。
多目的ホール どんな目的にも使える穴。いやらしい。
洗濯板 胸のない人に対する差別用語で使用禁止になった。だから、板そのものも製造禁止になった。
毒婦 結婚詐欺をする鷺(さぎ)。鷺なのに太っている。見てくれは毒々しいが味はいいらしい。「乳テクが抜群」と東スポにも出ていた。意味がよく分からないが。
右翼 右の翼しかない鷺。当然、飛べないし、エサもとれないので死滅した。それを祀っているのが鷺ノ宮だ。
左翼 同じ理由で死滅した鷺。白い剥製になっている。中野区の白鷺町にある。高橋和巳の小説『白く塗りたる墓』は、そのことを書いた。
はめごろし ガラスが入っているが、開かない窓。しかし、他に表現がなかったのか。卑猥だ。毒婦の誘惑の手口のようだ。
偽装夫婦 夫婦は皆、そうだ。コードネーム・赤犬さんだけではない。安心しなさい。
肩こり・腰痛、ちかん 日本にしかいないそうだ。だから日本の誇るべき文化だ。自信を持てばいい。
肉体言語 ①政治的主張のために体を賭けること。
②言葉が突然、暴れ出すこと。
③エッチすること。
七転八起 こんなに転んで、八回目に起きて勝つなんてありえない。プロレスじゃないんだし。
七転八倒 これが正しい
②11月9日(月)発売の『アエラ』(11月16日号)に鈴木邦男「読まずにいられない」が載ってます。私の書評コーナーですな。〈55人の魂の記録から激動の時代をたどる〉。梯久美子の『昭和の遺書』(文春新書)を取り上げました。いい本です。皆さんも読んでみて下さい。
③11月10日(火)発売の『FLASH』(11月24日号)です。山田玲司さんの連載「ウサラッチ」に取り上げられました。嬉しいですね。これで、私の全てが分かります。クニオ少年も可愛いですね。昔は、きっと、素直で、可愛かったんでしょう。国を憂えて、ひたむきに運動してたんでしょう。読んでいて、笑いながらも、つい、ホロリとしてしまいました。山田さん、ありがとうございました。
④「二つのアカオ事件」か。うまいですね。「赤尾の豆単」を燃やされて、怒り狂って職員室に行って教師を殴り、退学。その前は、上京して愛国党の赤尾総裁を訪ねてるんですね。何を考えているのか。危険で、カッとしやすい17才だったんでしょう。
⑨小路晃さんは、以前、PRIDEで大活躍していた選手です。今は「ハッスル」に出ています。体が大きくなって、最初、分かりませんでした。宮戸優光さんは「Uインター」の選手でした。世界王者ルー・テーズが日本に来た時、会わせてくれました。宮戸さんが講演会を開いたのです。その時、サインも、もらいました。私の宝です。その1か月後、テーズは亡くなりました。
⑪22才で夭折した下中忠輝君のご両親と。(11月8日(日))。「ブログに載せませんから」と言ったら、「載せてもいいですよ」と言われたので。お父さんは忠輝氏にそっくりでした。忠輝氏を知ってる人たちは皆、「爽やかでいい青年だったのに」「かわいい青年だった」と言ってました。皆に愛されてたんですね。
⑫11月8日(日)午後1時半から、よど号・帰国支援センター関西の集い。いろいろと話し合いました。隣りの人が持ってるのは蓮池透さんの『拉致』(かもがわ出版)です。大評判になり、売れました。この後を受けて、『拉致2』が出ます。蓮池さんと、池田香代子、森達也、そして私との対談が載ってます、という話をしてるところです。
⑭集会が終わって二次会に。天満の居酒屋を探していたら、「洋食 赤ちゃん」という店があった。共産主義者ばっかりだから、「赤ちゃん」いらっしゃいと誘ってるんだよ。入ろうよ、と言ったんですが、人が多くて入れませんでした。でも、「赤ちゃんプレー」をする店かもしれません。 赤(共産主義者)の運動なんて、しょせん「赤ちゃんプレー」だったのかもしれません。