「あっ、血が出てますね」と言って、ポケットティッシュをくれた。「あっ、どうも」と言って、血を拭いた。親切な公安だなと思った。私服だが警察官と一緒にいて指示してるし、私が「公開討論をしよう!」と言うと、飛びついてきて、阻止していた。だから、公安だろう。でも、ティッシュをくれるなんて、いい奴だな、とホロリとした。
でも、後で考えたら、奇妙だ。彼ら公安、警察官は暴行現場を見てるのだ。だったら「止めろよ!」と思った。「相手は、ハンドマイクで殴りましたよ。告訴しますか?」と、その位、聞くべきだろう。次の日、阿佐ヶ谷ロフトで、その時の話しをしたら、元刑事の北芝健さんが、「現認してるんだから、逮捕すべきですね」と言う。「ティッシュをもらって、ありがたがってる場合じゃないですよ」と叱られた。
でもなー。あの時は、まさか、あんな事をされるなんて思わないから、こっちも頭が混乱してたんだよ。それに、「ゴキブリ!」「ゴミはゴミ箱へ!」と言われるし。横浜の時は、「鈴木邦男は北朝鮮へ帰れ!」だったが、今回(渋谷)は、ちょっとバージョンが変わって、「鈴木邦男は朝鮮半島へ帰れ!」だった。北朝鮮でも韓国でも、どっちでもいいのか。あるいは、勝手に「統一」しちゃったのか。
だから、今週は、私も「統一」して、「主張」と「写真説明」を一緒にやっちゃおう。
先日、「私が殴られる場面を撮ってる人がいたら送って下さい」と呼びかけたら、いたんですね。その直後の写真を撮ってくれた人が。近くの住民の人らしいです。余りに騒々しいので、カメラを片手に道に出てみてたそうです。
まず①の写真を見て下さい。
7月3日(土)、渋谷のイメージフォーラムに行きました。この日から、映画「ザ・コーヴ」の上映です。1時から第1回目が始まります。12時には、この上映を阻止しようと、「主権回復を目指す会」の人達が押しかけ、マイクで抗議してました。
40人ほどが、横断幕を持ち、「虐日映画はやめろ!」と怒鳴っています。明らかに映画館の営業妨害です。でも、警察官は、何ら規制しない。やらせておく。それどころか、「主権」の西村氏は、「警察官、そこのマスコミをどかしなさい!」と指示している。その指示で動く警察官もおかしい。又、「そこの汚いババアをどかせろ!」などと暴言を吐く。どうしてこんなことをさせておくのか。
「これも街宣だと認めるのなら、じゃ、私と公開討論しよう!」と申し入れたが、「朝鮮半島へ帰れ!」の大合唱だ。それに、「邪魔をするな!」「彼らにやらせておけ。演説したら帰るんだから」と警察官は言う。なんなんだ、彼らは。一体になっている。
向こうでも、「討論に応じてやる」という男がいたようで、「よし、やろう」と出ていったら、又もや警察官に阻止された。その時、ハンドマイクで「ゴキブリ!」と私を怒鳴っていた男が、いきなり、そのハンドマイクで殴ってきた。殴られ、思わず頬をゆがめ、グラリと体が倒れかけている。左に見えるのは、殴り終わった瞬間のハンドマイクだ。そして「警視庁」と背中に書かれた人がいる。周りは、ほとんどが警察官だ。はっきりと〈暴力事件〉を見ている。それでも、何もしない。私を阻止しているだけだ。
でも、考えてみると、これこそ「鈴木邦男をぶっ飛ばせ!」だよね。ウーン、感心した。ツイッターで「鈴木が殴られた」と呟いた人がいて、「大丈夫ですか?」といろいろメールが来た。右翼の人には、「だらしねえ」「なめられてるからだよ」と馬鹿にされた。「プロ右翼がアマチュア右翼に殴られてどうするんだ。やり返せ!」とハッパをかけられてます。でも、じっと我慢の子ですよ。次は、右の頬を殴られたら、左の頬を出します。
②の写真だ。「痛い!」と思わず口を押さえている。この時は、ハンドマイクで殴られた。何で?と思っただけだ。
しかし、よく我慢したものだ。昔の私なら、「正当防衛だ」と言って殴りかかってゆく。大乱闘になる。でも、そうなったら、きっと私1人だけが逮捕されただろう。その状況判断は正しかったと思う。だって、こんなに、はっきりした〈証拠〉があるのに、警察は犯人を捕まえようともしない。文句も言わない。被害者の私を阻止するだけだ。
だからといって、「逮捕しろ」と言ってるのではない。あとで弁護士や元刑事に「告訴しろ!」と言われたが、断った。この位のことで警察に訴える気はない。むしろ、彼らこそ、「ウジ虫を踏み潰した!」「ゴミはゴミ箱へ捨ててやった!」と動画をアップしたらいい。正義の闘いを全国民に見せたらいい。
何せ、映画館の支配人の家に押しかけ、留守番のお母さんを脅しつけている彼らだ。それをあたかも「正義の行動」であると錯覚して自分達のサイトでは動画を流している。あれを見て、ほとんどの人が、「ひどい!」と思っている。「よくやった。正義の行動だ」と思う人はいない。そんなことさえ分からない。人間としての「常識」もなくしたのだ。
だったら、私を殴ったのも、「正義の鉄槌」だろう。堂々と公開したらいい。
ただ、何度も言うとおり、そんなことで私は警察に泣きついたりはしない。「ゴキブリを潰した」だけで、逮捕されたらいやだろう。逮捕されるのなら、もっと大きなことをやり、国家権力に楯突いて、逮捕されたらいい。そう思うからだ。
数年前、私のアパートに放火された。外に置いてあった洗濯機が燃え、さらにドアのガラスが溶け、そこから室内に火が入ってきた。消防車も、出動し、大変な騒ぎになった。
やったのは右翼の人間だった。私のことを「エセ右翼」と批判していた。赤報隊がらみで、私を攻撃したのだ。その時も、私は告発しなかった。警察は、「やった奴は分かっているんだ。告訴したら、すぐに逮捕してやる」と言ったが、断った。
右翼の若い青年だ。そんなことで捕まって何年か刑務所に行く。かわいそうだろう。「お前の方が、かわいそうじゃないか」と言われたが、その右翼青年だって、「エセ右翼に放火した」で何年も刑務所じゃ、箔も付かないだろう。やるんなら、もっと大きなことに命を賭けたらいい。そう思って、告発しなかった。今まで、そんなことは何回かあったが、一切、警察に頼んだことはない。
写真③は、この場には、海外のマスコミも多かった。あの瞬間を全て撮ったカメラマンもいたそうだ。
写真④は、「俺と討論しよう」と呼びかけただけで警察官に阻止され、押し戻された。
写真⑤は、この日の夜のロフトプラスワンです。〈「ザ・コーヴ」上映とシンポジウム〉です。6時からシンポジウムを少しやって、その後、映画。そして、又、シンポジウムだった。左から、綿井健陽さん、針谷大輔さん、そして私。安岡卓治さん、司会の「創」の篠田博之さんです。とても、盛り上がりましたね。よかったですよ。
次の日、7月4日(日)は昼から、阿佐ヶ谷ロフトでしたね。北芝健さんのトークライブでした。写真⑥ですね。
右端が北芝さんですね。石原伸司さんもおりますね。
例の不思議な科学者がサソリを料理して持ってきてくれました。
写真⑦ですね。ゲストの皆にも、1匹ずつ皿に入れて配ってくれました。「鈴木さん、これを食べるとEDが治りますよ」と言われた。「そこまでしてEDを治したくねえやい!」と言いました。クジラも、イルカも、サソリも食いたくないよ。
そしたら、ゲストの「食虫研究家」の人が、「ゴキブリを料理してきました」。ギャー!と叫びましたね。「主権回復」の人よりも、こっちの方が怖いよ。
では、次の話題です。写真⑧です。7月1日(木)の「井上ひさしさんを送る会」です。東京會舘で。2000人以上が集まりました。5時から7時まで。
そのあと、8時から一般の人の「お別れ」だそうです。役者、俳優、作家、政治家、出版社の人…と、実に多岐にわたっております。正面の遺影の前には井上さんの著作が並べてあります。300冊以上あります。文庫は並べきれなかったと言います。
写真⑨ 副知事の猪瀬直樹さんと。
「この前はありがとう」とお礼を言われました。『アエラ』で猪瀬さんの本を紹介したのだ。あれはいい本だった。一生懸命書いたけど、力及ばずすみませんと謝りました。副知事として忙しいでしょうが、作家の仕事も頑張って下さい。と言いました。天皇問題や三島についてなど、実にいい本を沢山書いてるし、教えられる。
写真⑩ 共産党の穀田恵二さん(衆議院議員)と。前に、「朝生」で一緒に出た。久しぶりに会った。
「鈴木さんはどうして井上さんと?」と聞かれた。「昔、井上さんに“不敬だ!”と言って脅迫電話をかけたんです」と言った。でも逆に論破された。
井上さんは、「私も愛国者のつもりですし、歴代の天皇の名前を全部言えます。これから言いますから間違ったら直して下さい」と言われた。「ウルセー!」と言って電話を切った。こっちは言えない。だから、歴代の天皇の名前を全部覚える。これこそ最強の「右翼撃退法」ですと教えてあげた。共産党でも実行したらいいのに。
写真⑪ 山本晋也監督は、昔、大学の時、応援団で、右翼の先生の家に手伝いに行った。そこで、山口二矢に会った、と言っていた。あの事件からもう50年だ。又、ゆっくり聞いてみたい。
写真⑫ 川本三郎さんと。お久しぶりです。奥さんを亡くして、やつれていた。「トウフとナットウばかり食べてると言ったら医者に叱られた」と言ってた。誉められると思ったのに。「年取ると、かえって肉を食べるようにしなきゃダメと言われました」。ウーン、難しいよな。枝豆だけ食べてても元気な人がいるからいいんじゃないの。
先日、家の傍の「LIFE」に行ったら、音楽がかかっていた。「枝豆を食べましょう」というCMソングだ。「毎日、おかずは枝豆。3時のオヤツも枝豆!」と言ってた。しかしな。オヤツになるかな。オヤツに枝豆を食べてる子供なんて、見たことないぞ。
写真⑬ 井上ひさしさんと。これは07年11月22日に撮ったものです。日本プレスセンター。
写真⑭は、『実話マッドマックス』(8月号)です。北芝健さんと激突対談をやってます。 〈右翼vs公安。厳戒“激突”対談〉です。
写真⑮ 最近、いじめられてばっかりなので、グレて、タバコを吸ってます。もう未成年じゃないし、何やってもいいんですよ。
本文の中に「写真説明」を入れて統一したので、いいかなと思ったのですが。あとで検索する時に、あった方がいいと思ったので、重複しますが、整理して書いときましょう。