2010/08/30 鈴木邦男

「革命家・見沢知廉」の映画と芝居を見ました!

①見沢氏と久しぶりに話したよ

映画「天皇ごっこ 見沢知廉」のあとのトークで(8/23)
映画「天皇ごっこ 見沢知廉」のあとのトークで(8/23)
 

朝、起きたら、グラグラッと目眩がした。ヤベー、立ち上がれない。仕方がない。そのまま寝た。3時間ほど寝た。もう大丈夫だろうと思った。立ったら又、天井が回る。部屋が回る。ここ数日、ロクに寝てなかったからな。貧乏でロクに食ってないし。でも、ものすごく働いている。仕事はしてるのに、さっはり収入がない。ボランティア活動ばっかりしてるようだ。それで貧血を起こしたんだろう。かわいそうな人だ。と自分で自分に同情した。

 

じゃ今日は一日、寝てようか。と思ったが、夜、見沢知廉氏についてのトークがある。「構わないですよ。どうぞ、ゆっくり寝て下さいよ」と、当の見沢氏が言う。ヤベー。幻覚か。「僕の苦しみも少しは分かったでしょう。ドタキャンばっかりしやがって、といつも怒っていたけど、僕だってキツかったんですよ」と見沢氏は言う。

うーん、そうだったのか。苦しかったんだ。でも今夜はどうしても行かなくっちゃ。高木氏とトークがあるし。それに、大浦さんが撮った見沢氏の映画の予告編をやる。「見沢君だって見てみたいだろう。止めてもダメだ。俺は行くよ」。と見沢氏と口論してる間に、気を失った。目が覚めたら夕方5時だ。ヤベー。まだ、フラフラする。でも、死んでも行かなくちゃ。

 

8月23日(月)だ。東中野から新宿に行って、京王線で明大前に。そこから井の頭線で東松原へ。やっと間に合った。駅前のBroader House(ブローダーハウス)だ。2階が芝居をする舞台と客席で、1階は展示場だ。見沢氏の出した本。未発表の原稿。手紙。見沢氏に出した、いろんな人の手紙もある。あっ、私の手紙もあった。(一緒にやるトークに)「遅れちゃダメだよ。ドタキャンしないように」と、くどいほど念を押している。日付と時間の下には赤のペンテル・サインペンで線を引いて強調している。でも、それでもドタキャンされたんだろうな。

芝居の後、「劇団再生」のメンバーと
芝居の後、「劇団再生」のメンバーと
 

「鈴木さんは、怒って書いてますよ」と高木氏。「それに、字が見沢さんと似てますね」。似てねえよ。「クニさんも、ドタキャンしなよ、と見沢氏に言われたんだよ」と言った。高木氏はキョトンとしていた。

 

写真も一杯ある。子供の時からの写真だ。オモチャのピストルや銃もある。「ゴルゴ13」になりきって、歩道橋の上から銃を構えている写真もある。格好いいね。しかし、よく警察に捕まらなかったもんだ。そうか、カメラマンがいるし、きっと反射板を持った助手もいたからだろう。

 

だったら、カメラマンと反射板を持った助手がいたら、本当に「テロ」や「拉致」をやれるわけだ。「あっ、これは撮影だな」と警察は思うし。そうだ。映画の撮影のフリをして、人間を1人、拉致したことがあったな。本人は「助けてくれ!」と叫んでいるが、大きなカメラは回っているし、反射板を持った人はいるし、帽子をかぶった監督が、「よーし、カット!」と叫んでいる。新宿の雑踏の中だったが、拉致に成功した。その後、査問し、殺し、埋めた。

 

いや、これは本当は映画の話だろう。どうも、目眩がして、頭がフラついて、正常な思考能力がない。それに、見沢氏の「スパイ査問・粛清事件」と重なったのだ。あの時のことが、フラッシュバックしてきたのだ。

②素晴らしい「思想映画」だよ!

私の出した手紙も展示されてました
私の出した手紙も展示されてました
 

しかし、見沢氏は幸せだね。死後も、こうして多くの人々に愛され、慕われている。この日も会場は超満員。名古屋から来た女の子もいた。「見沢さんの代わりに食べて下さい」と私が代理でクッキーをもらった。つい、さっきまで見沢氏と一緒だったからな。九州から来た青年もいた。元、新左翼「戦旗派」の同志、設楽氏、深笛氏もいる。ライターの山平氏もいる。あの時もライターで火を付けて、指紋を焼いたんだよな。と思い出した。そのライターじゃないか。作家の山平氏は。今度、見沢氏のことを書きたいという。カメラマンの平早さんもいる。

 

見沢氏の遺品を見ていたら、7時になった。あわてて2階に行く。第1部は映画だ。大浦信行監督が撮った映画「天皇ごっこ・見沢知廉=たった一人の革命」の予告編上映だ。最初は、5分位の、本当の予告編を流す予定だった。でも、こうして皆が集まってくれたのだ。少しまとまったものにして見てもらおうと、「30分」にまとめて、上映だ。もはや「予告編」ではない。

 

これじゃ、全体の3分の1位かな、と思った。ところが、監督は、「本編は多分、4時間位になるでしょう。来年公開します」という。これは楽しみだ。

見沢氏のモデルガンで
見沢氏のモデルガンで

だって、「30分」だけでも、立派な映画になっていた。見事な映画だった。思想映画だった。ドキュメンタリーだが、〈ドラマ〉も入っている。見沢氏の双子の妹がいて、兄の死の謎を解こうと、いろんな人を訪ねる。そこから映画はスタートする。雨宮処凛さん、野村秋介事務所の蜷川正大氏、「査問事件」の共犯者・設楽氏、「民族の意志」同盟の委員長さん。多くの人が妹(「劇団再生」のあべあゆみさん)に見沢氏のことを語る。あ、そうだ。私も話している。みやま荘で、あの事件について、この妹と。

 

今から考えたら、愚かな選択だった。逃げ切れるはずはなかった。すぐに自首させたらよかった。でも、あの時は、「逃がそう」と思った。そして、「死体を埋め直したい」という見沢氏の願いを聞き入れて、一水会の若者に、「やってやれよ」と言った。死体さえ無ければ、共犯者が自供しても、〈事件〉にはならない。見沢氏はそう言う。そんなことはあり得ないのに、見沢氏を助けたいばっかりに、それをやった。

 

見沢氏は「地下に潜る」という。新左翼だってやってるんだ。我々だって出来ないはずはない。やってやろうじゃないか、と思った。中核、革マル派のように、「合法部隊」と「非合法部隊」を2つ持って、使い分けてやれると思った。地下に潜った非合法部隊には、非合法運動をやってもらえばいいだろう。

…そんなことを、漠然と考えていた。ところが、甘かった。僕らの考えは根本的に甘かった。でも、あの時は、「こんな優秀な男を敵権力の手に渡してなるものか。何とか助けたい」と思ったのだ。

③雨宮、蜷川、設楽氏が語る「見沢」

設楽氏。見沢氏のお母さんと
設楽氏。見沢氏のお母さんと
 

あべあゆみさんを相手に、そんな話をした。映画の中で。そしたら、突然、あべさんが、ポロポロと大粒の涙を流す。ビックリした。あれ!どうしたの、と私は狼狽して口走ってました。そんなシーンも、しっかりと映画には入ってました。

 

雨宮さんは、「小説家になる上での手ほどきを見沢氏にしてもらった。活動も仕方を含め、全てを見沢氏から教わった」と言っていた。そうなのか。見沢氏なしには「雨宮処凛」はなかったのか。

 

蜷川正大氏の話も印象的だった。見沢氏は、「獄中から出たい。出してくれ。恩赦の誓願を出してくれ!」と毎日のように連絡をよこす。お母さんに、弁護士に、我々に。いくら言い聞かせ、なだめてもダメだった。このままでは気が変になるのではないかと思った。そんな時、野村秋介さんが手紙を書いてくれたのだ。いや、『新雑誌X』に「獄中のS君へ」という長い原稿を書き、それを獄中に入れたのだ。

映画の主演女優・あゆみさんと
映画の主演女優・あゆみさんと
 

手紙にはこう書かれていた。「熱い湯に入った時は、暴れて掻き回すと、かえって熱くなる。その時はジッと我慢して耐えろ!」と。その説得というか、一喝があって、見沢氏も落ち着いた。「今、君がやることは早く出ようと思うことではない。中で、じっくり勉強することだ」と、野村さんは諭した。これがなかったら、その後の「作家・見沢知廉」はなかっただろう。野村さんの言葉は大きかった。

 

又、戦旗派以来の同志、設楽秀行氏の言葉も重い。例の事件の時、話を聞いて、すぐに行動を共にする。普通なら、こんな無謀な企ては、止めるだろう。しかし、止めない。一緒にスパイを「査問」し、殺害し、埋める。さらに、見沢を逃がすために、「埋め直し」に参加する。その結果、逮捕され、10年の刑務所暮らしだ。普通なら、悔やむはずだ。でも悔やまない。「あの時は、どちらにつくかだった。自分は見沢を守る側についた」と言う。究極の「男の選択」だ。

④誰が「悪人」で、誰が「愚か」なのか?

見沢氏の写真の前で
見沢氏の写真の前で
 

これは究極の〈友情〉かもしれない。映画の「予告編」が終わって、トークセッションがあった。大浦信行監督、高木尋士さん(劇団再生代表)、映画の主演のあべあゆみさん、そして私だ。「後から冷静になって考えると、愚かな選択だった」と私は映画の中で言った。しかし、その「愚かさ」で、見沢氏は救われ、「作家・見沢」も生まれたのかもしれない。今、同じ状況があったら、同じ選択をしただろう。

 

事件直後、関係者たちが銀座のホテルに集まった。どうするか話し合った。皆、「自首させるべきだ」と言った。私だけが、「いや、見沢を逃がす」と主張した。「あの言葉には感動しました。ありがたいと思いました」と設楽氏は言う。興奮状態で、又、極限状態で、私も言ったようだ。冷静に考えたら、逃げ切れない。その場で自首させた方が、罪も軽くなる。たとえば、見沢氏は12年、刑務所にいた。それが、すぐ自首していれば、10年になったかもしれない。しかし、「仲間を自首させた」という悔いは残る。彼の怨みも残る。

 

「逃げたい。そのために、死体の埋め直しをやりたい」と言われた時、断って、自首させる。あるいは、110番して、逮捕させる。そんなことは考えもしなかったが、やっていたら、やはり、罪はもう少し軽くなった。もっと早く、シャバに戻れた。しかし、〈友情〉は失われた。「裏切られた」という気持ちだけを残す。見沢氏は、12年の獄中生活を耐えられたどうか分からない。「大作家・見沢知廉」も生まれなかったろう。その点では、設楽氏と同じ「決断」を私はしたのかもしれない。

山平さん(左)、椎野さん(右」と
山平さん(左)、椎野さん(右」と
 

映画「悪人」では、「一体、誰が悪人か」と問う。勿論、人を殺し捕まった主人公が「悪人」だ。一般的に言ったら、そうだ。しかし、それだけでは終わらない。この男は善人だからこそ、事件に巻き込まれ、殺人を犯すハメになったのではないか。では本当の悪人とは誰か。『キネマ旬報』(9月号)では、私も、この問題について真剣に考えて、原稿を書いた。

 

大浦監督の映画「天皇ごっこ」では見沢氏の「たった一人の革命」を描く。それと共に、では〈友情〉とは何か!を問う。世の中の人を、善人と悪人に分けたら、見沢氏は人を殺しているのだし、「悪人」の分類になるだろう。でも、刑務所にいる時も、出てからも、誰も見沢氏を「悪人」とは思わない。又、「悪人」だと思い恐怖もしない。それどころか、この男との〈友情〉をめぐる映画まで出来た。

 

この大浦監督の映画は、では、「友情とは何か」を問う映画だろう。そんな感じがした。設楽氏に言われたが、あの時の私の「決断」は間違ってなかったのかもしれない。この映画を見て、そう思った。たとえ、間違っていても、他に方法がなかったかもしれない。余りに犠牲の多い「決断」ではあったが、今となってはそう思う。

 

山平氏は、見沢氏のことを書きたいという。私も又、もう一度、じっくり考えてみて、〈見沢物語〉を書いてみたいと思う。

⑤50年前の「愚挙」だって、本当は—

「アエラ」(8/30号)より
「アエラ」(8/30号)より
 

ここまで書いて、一眠りしようと思った。8月27日(金)の早朝だ。その時、ポトリと新聞受けに、産経新聞が入った。さっと見てから寝ようと思った。2面に、大きく広告が出ていた。『文芸春秋 SPECIAL』(季刊秋号No.14)だ。表紙の写真も出ている。アッ、私の名前も出ている。エッ、なんだ。そうか。もう発売になったのか。

 

「文芸春秋」は月刊の他に、季刊のSPECIALを出している。その「秋号」の広告だ。第1特集は「ゼロからはじめる幸福論」。第2特集が、「60年代の青春」だ。こちらの方に私は書いている。「60年代」というのは、もう50年前なんだ。「50年前は今とつながる」と鶴見俊輔が巻頭に書いている。そして、唐十郎、三枝成彰、内田樹、川本三郎、森村泰昌さんらが書いている。

 

60年代といえば、60年安保だ。山口二矢であり、樺美智子であり、風流夢譚事件であり、激動の時代だ。1960年は私は高校2年だった。そこから私の〈闘い〉も始まったんだ。61年は高校3年だ。卒業間際に教師を殴って退学になった。

 

どう考えても愚かな決断だし、愚かな行動だ。カーッとなると、周りが見えなくなる。自分の欠点だ。そう思ってきた。その「愚かな行動」さえなければ、東北大学に入り、地元の新聞社か銀行に就職し、輝かしい人生だったろう。でも、あの「愚挙」があったがために、全く別の局面が開けた。別の人生を歩んだ。

『文芸春秋 SPECIAL』(季刊秋号)より
『文芸春秋 SPECIAL』(季刊秋号)より
 

見沢氏の事件に直面し、「愚かな決断」をしたが、〈友情〉から考えると、他に道はなかった。あれでよかったんだろう。同じように、高校生の時の「愚挙」も、その後の私の人生をつくる上では、必要だったし、よかったのだろう。

 

『キネマ旬報』には〈悪人〉論を書いた。『文芸春秋SPECIAL』では、高校時代の〈決起〉考を書いた。大きな、初めての舞台で、原稿を書かせてもらった。大きな挑戦だった。そして、『遺魂(ゆいこん)=三島由紀夫と野村秋介の軌跡』(無双舎)も近く出る。これも苦労して書いた。能力はないけど、でも必死に書いたんですよ。暑い夏に、へたばりながら、悪戦苦闘しながら書いた。その結果が少しずつ出てくる。それはありがたいし、嬉しい。でも、もっと勉強しなくっちゃな。と痛感している。

 

梁石日の『めぐりくる春』(金曜日)に続いて、今、『終わりなき始まり』(朝日新聞社)を読んでいる。いい本だ。私も、終わりなき「始まり」だ、と思った。よし、梁石日の本は全部読もう。それと、今、松本清張の本を読み直している。全巻読破しよう。でも清張は、全巻読むとなると大変だな。どうしようかと思っている。又、高木尋士さんと思想全集の対談もしなくてはならんし…。あーあ、頭が痛い。又もや、目眩がしてきた。もう寝よう。

【だいありー】
『キネマ旬報』(9月号)「悪人」特集号
『キネマ旬報』(9月号)「悪人」特集号
  1. 8月23日(月)、だから、夕方まで、ぶっ倒れて寝てたんですよ。目眩がしたんですよ。何も食わず、だた、じっと寝ていて、自然治癒力だけで治したんですよ。野生動物のようですよ。そんで、夕方、東松原に行ったんですよ。見沢知廉氏の生誕記念大イベントでした。今日が誕生日で、「生誕51年」なんですね。じゃ、四捨五入して100歳じゃないか。じゃ来年はダブル「100歳記念」をやるか。
     午後7時から、オープン。東松原のブローダーハウスというお洒落な場所だ。今日のテーマは
    〈獄中12年。駆け抜けた46年。
    「見沢知廉・男・46歳・小説家」〉
     第1部は、大浦信行監督の映画「天皇ごっこ 見沢知廉=たった一人の革命=」の予告編上映。でも30分も上映してくれた。内容の濃い思想映画だった。凄い映画だ。ドキドキする。上映が待ち遠しい。
     終わって、トークセッション。大浦監督、主演のあべあゆみさん、高木尋士さん、そして私だ。この映画に圧倒された。仮面をかぶった人々も出てくる。北一輝の仮面をかぶった人も出る。見沢氏を探しながら、仮面探しもある。仮面の告白もある。「もういいかい」「まあだだよ」と言う、「20世紀少年」を思い出した。「まあだだよ」と言って見沢氏は、隠れているだけかもしれない。思想的ドキュメントであり、哲学的ドラマでもある。という話を私はした。眼力(めぢから)のあゆみちゃんの演技も素晴らしい。私も、カーッと目を見開いて見た。
     そして、第2部は、演劇公演『空の起源〜天皇ごっこ〜』。見沢知廉原作、高木尋士脚本。出演は、磯崎いなほ、田中恵子、宮永歩実ほか。よかった。皆、体当たりの演技で、怖いくらいだった。少々難解だが、そこは見沢作品だから、いいだろう。
     終わって、近くの居酒屋で打ち上げ。見沢氏のお母さまを含め、関係者が集まり、見沢氏の誕生会を祝い、公演の成功を祝って、語り合った。夕方までぶっ倒れていた私は、ウーロン茶で乾杯した。終電ギリギリまで、皆とお話しました。
     今日発売の「アエラ」に藤生明さんが、「愛国者会議」について書いていた。詳しいし、なかなか鋭いレポートだった。よかったです。
ツルシさんの『SPA!黄金伝説』出版記念トーク
ツルシさんの『SPA!黄金伝説』出版記念トーク
  1. 8月24日(火)、昨日寝てた分、今日は頑張って、原稿を書いた。
  2. 8月25日(水)、昼、打ち合わせ。夜7時から、ホテルニューオータニ。恵観塾。第1部は時局問題。第2部は宗教のお話。とても勉強になりました。
  3. 8月26日(木)午前11時、サンルートホテル。グリーンピース・ジャパン事務局長の星川淳さんと会う。「クジラ肉裁判」についてのコメントをビデオ撮り。
     でも、僕の方が教えてもらった。調査捕鯨の欺瞞を糾弾すべく、グリーンピースの2人が〈証拠〉のクジラ肉を突きつけたが、警察は「窃盗」として逮捕した。体を張った問題提起であり、勇気のある行動だと思った。自らは小さな違法行為を犯し、それによって国家の大きな違法行為を糾弾しようとした。
     と思っていたら、世界中では、NGOのこうした指摘、調査活動は認められているという。又、国連でも、そう勧告しているという。日本は、その意味では遅れているのだ。国家に対しては何も考えず、何も抗議できない。逆らったら捕まるから、と皆、臆病になっている。これではダメなんだ。いろいろと教えてもらった。
     午後2時から河合塾コスモ。基礎教養ゼミの夏期特別授業。7時半まで、びっちり本を読む。そのあと食事会。牧野剛先生が選んだ2冊を読む。なかなかいい本だったし、勉強になった。伊達宗行『「理科」で歴史を読みなおす』(ちくま新書)。
     もう1冊は、長部日出雄『「古事記」の真実』(文春新書)。目からウロコの本だった。こんな本があったのか。驚いた。知らなかった。金欠で、最近、新しい本を全く買ってない。いかんな。世の中についていけないよ。反省。
     この日の夜は、新宿薪能と、加藤紘一さんの「だだ茶豆の会」に誘われていた。学校で行けなかった。とても残念でした。
西武新宿線のユカタ美女
西武新宿線のユカタ美女
  1. 8月27日(金)、午前中、原稿を書いていた。午後から、中野図書館に行って勉強する。夜、集会。
  2. 8月28日(土)午後2時、河合塾コスモ。コスモの阿蘇敏文先生が亡くなった。追悼会。とてもお世話になった先生だった。残念です。コスモの先生たちだけでなく、卒業生や多くの人たちが参列して別れを惜しんでいた。
     ネットのニュースで見たが、東京五輪柔道「金」のヘーシンクさんが29日に亡くなった。76才だった。又、人形アニメの川本喜八郎さんが23日、亡くなった。85才。NHK人形劇「三国志」「平家物語」は素晴らしい。私間全巻見たし、ご本人にも何度かお会いした。残念だ。
  3. 8月29日(日)午後、対談。打ち合わせ。
【写真説明】
映画「天皇ごっこ 見沢知廉」のあとのトークで(8/23)

①8月23日(月)、7時。大浦信行監督『天皇ごっこ 見沢知廉=たった一人の革命』の予告編上映後のトークセッションです。左から、高木尋士氏(劇団再生代表)、大浦監督、鈴木、あべあゆみさん(映画の主演女優)。

芝居の後、「劇団再生」のメンバーと

②映画、トーク、芝居が終わって。「再生」の劇団員たちと。

私の出した手紙も展示されてました

③1階の展示室には私の送った本『格闘プロレスの探求』(エスエル出版会)がありました。その横には、私の出した手紙が。「時間を守れよ」「ドタキャンするなよ」と書いてました。きれいな字で。恥ずかしいですね。

見沢氏のモデルガンで

④見沢氏愛用のモデルガンなんですね。ちょっと撃ってみました。後ろは見沢氏の写真。そして読んだ本など。

設楽氏。見沢氏のお母さんと

⑤左は、見沢氏の同志の設楽秀行氏。見沢氏のお母さん。久しぶりに会って、いろいろとお話をしました。

映画の主演女優・あゆみさんと

⑥映画『見沢知廉=たった一人の革命』の主演のあべあゆみさんです。体当たりの演技でした。素晴らしい映画になってます。お疲れ様でした。

見沢氏の写真の前で

⑦見沢氏の子供時代の写真が沢山、飾られておりました。とても可愛いですね。下の方は、ヒトラーの本や、キャンディーズの本などがありました。私の『新右翼』(彩流社)もありました。

山平さん(左)、椎野さん(右」と

⑧作家の山平重樹さん(左)。編集者の椎野礼仁さん(右)。椎野さんは、『遺魂』の編集でもお世話になってます。ありがとうございます。

「アエラ」(8/30号)より

⑨「アエラ」(8月30日号)です。
〈「愛国者の集い」で来日。ルペンが見た靖国の真実〉
 藤生明さんが記事を書いてます。さすが、詳しいし、鋭い問題提起もしております。藤生さんは、前に「現代の肖像」で私のことを書いてくれた人です。

『文芸春秋 SPECIAL』(季刊秋号)より

⑩『文芸春秋 SPECIAL』(季刊秋号)「60年代の青春」です。私は、「マグマの芽生え」を書きました。いろんな人々が60年代を語っています。なかなかいい企画です。

『キネマ旬報』(9月号)「悪人」特集号

⑪『キネマ旬報』(9月号)。映画「悪人」特集号です。私も書いてます。映画は9月11日封切りです。小説(朝日文庫)は120万部突破の大ベストセラーです。「悪人」とは誰か、考えさせられました。「悪人だから、悪人の気持ちが分かるだろう」と私は原稿を依頼されたようです。

ツルシさんの『SPA!黄金伝説』出版記念トーク

⑫ツルシさんの『SPA!黄金伝説』出版記念トーク

西武新宿線のユカタ美女

⑬8月19日(木)の夜、西武新宿線に乗った。隣りに座っていたユカタ美女を見てビックリ。去年の生徒でした。今年から女子大生です。「おっ、きれいじゃんか」と写メしたら、「こんな所で、恥ずかしい」と顔を覆いました。その瞬間の写真ですね。

【お知らせ】
  1. 8月30日(月)この日発売の「アエラ」に書評を書きました。岡井敏の『原爆は日本人に使っていいな』(早稲田出版)です。怖い本です。原爆投下の真実が語られています。本の帯にはこう書かれています。
    〈人種差別で原爆はドイツでなく日本に向けられた〉
    〈「原爆は日本人に使用」はルーズベルトとチャーチルによる決定(ハイドバーグの覚書)〉
  2. 現在発売中の『文芸春秋 SPECIAL』(季刊秋号)で「60年代の青春」を特集しています。私も書いてます。
  3. 私の新しい本『遺魂(ゆいこん)=三島由紀夫と野村秋介の軌跡』(無双舎)は必死に校正をやっていて、10月5日に出版の予定です。…と思っていたら、amazonにもう情報が出てました。写真も、本の帯も、宮崎学さんの帯のコメントも。それに、「9月15日発売」と出ていました。そんなに早くなったのか。驚きました。でも、嬉しいですね。編集の椎野さん、高橋さん。それに無双舎さんには本当にお世話になってます。ありがたいです。
  4. 9月1日(水)午後7時、阿佐ヶ谷ロフト北芝健さんのトークライブです。私も出ます。
  5. 9月3日(金)7時、ロフトプラスワン。「ニュースの深層」番外編。グリーンピース鯨肉裁判判決前夜。出演は、星川淳さん(グリーンピース・ジャパン事務局長)、上杉隆さん、森達也さん、池田香代子さん、そして私です。
  6. 9月11日(土)一代の風雲児。そして「ピース缶爆弾」の牧田吉明氏を偲ぶ会が開かれます。 午後4時30分より。千代田区のヒルクレスト平河B1 BISTRO La Pastoでやります。会費6千円。
  7. 9月15日(水)午後7時、一水会フォーラムサンルートホテル高田馬場。講師は富岡幸一郎さん(文芸評論家)で、「私の日本文化防衛論」。
  8. 9月19日(日)、午後2時より、鹿砦社主催の「鈴木邦男ゼミin西宮」が開催されます。西宮市戸田町の「カフェ インティ・ライミ」です。鈴木の講演。そして飛松五男さん(元刑事)との対談を予定しています。参加希望の方は岩井まで連絡下さい。携帯080(5702)8405です。
  9. 9月26日(日)午後7時、ネーキッドロフト。映画「キャタピラー」が大ヒット上映中です。若松孝二監督を迎えて、〈戦争〉〈平和〉〈映画〉について語ります。平野悠さん(ロフト席亭)、そして私です。
  10. 11月6日(土)新潟県新発田市の生涯学習センターで午後6時半より、「三島由紀夫と蕗谷虹児=うたと講演のつどい」が行われます。斎藤徹夫さんが企画しました。蕗谷は新発田市出身の偉大な叙情画家で「花嫁人形」の作詞家でもあります。
     第1部は、ソプラノ歌手の柳本幸子さんによる「三島由紀夫と蕗谷虹児。一枚の挿し絵にこめた想いとは」です。その2人について私が講演します。そして歌もあります。
  11. 11月7日(日)午後1時より、新潟市駅前のジュンク堂で私のトークがあります。終わって、サイン会をやります。
  12. 11月13日(土)、14日(日)劇団再生の公演です。APOCシアター(小田急線千歳船橋駅)で。『交響劇第二番 嬰イ短調』です。お芝居の前に、代表の高木尋士さんと私のプレトーク「劇場論」があります。